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幼稚園教諭のボーナスはいくら?平均額・支給時期・上げる方法を解説

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ボーナスのイメージ

幼稚園教諭のボーナスは勤務先の方針や経験年数によって異なりますが、全国平均では年間約81万円、15年以上のベテランになると、約105万円に達する場合もあります。この記事では、幼稚園教諭のボーナスの実態や支給時期、公立と私立の違い、さらには年収アップの方法まで分かりやすく解説します。幼稚園教諭を目指す方や、現在幼稚園教諭として働いている方はぜひ参考にしてみてください。

この記事を書いた人

A

「レバウェル保育士」編集部

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幼稚園教諭のボーナスはどれくらいもらえる?

ボーナスは、勤務先の幼稚園や経験年数によって異なります。ここでは、全国的な平均ボーナス額と、経験年数によってどれくらい変動するのかを詳しく見ていきましょう。

全国の平均ボーナス額

以下では、幼稚園教諭の平均ボーナス額を分かりやすく表にまとめました。比較のために、保育士の平均額もあわせて掲載しています。

年間ボーナス 月給 年収
幼稚園教諭 約81万円 約29万円 約433万円
保育士 約69万円 約28万円 約334万円

年収は、「きまって支給する現金給与額×12カ月+年間賞与その他特別給与額」という計算方法で算出しています。ただし、実際の金額は勤務先の種類や地域によって異なるため、ここで紹介している数値はあくまで目安として参考にしてみてください。

出典

令和6年賃金構造基本統計調査新規タブリンク」(2025年4月24日)

経験年数別のボーナス額

幼稚園教諭のボーナス額は、経験年数が長いほど増える傾向があります。以下では賃金構造基本統計調査新規タブリンクをもとに、経験年数ごとの月給・ボーナス・年収の平均額を分かりやすく表にまとめました。

経験年数 0年 1~4年 5~9年 10~14年 15年以上
月額給与 約23万円 約24万円 約25万円 約27万円 約32万円
ボーナス 約7万円 約69万円 約75万円 約80万円 約105万円
年収 約280万円 約353万円 約380万円 約402万円 約484万円

上記の表からも分かるように、幼稚園教諭のボーナスは初年度では約7万円と控えめです。しかし、15年以上の経験を積んだベテランになると約105万円まで増加します。月給についても、経験を重ねるごとに増える傾向が見られるため、長く働くことで収入全体が安定するのが特徴です。

また、ボーナスを含めた年収は経験0年で約280万円、経験15年以上では約484万円と、200万円以上の差があります。幼稚園教諭としてキャリアを積むことで、金銭面でも着実にステップアップしていけるでしょう。

出典

令和6年賃金構造基本統計調査新規タブリンク」(2025年4月24日)

幼稚園教諭のボーナスの支給時期

幼稚園教諭のボーナスは一般的に年に2回、夏と冬に分けて支給されますが、どの園に勤務するかによって支給タイミングや回数が異なる場合があります。7月と12月に固定している園もあれば、年3回以上に分割して支給する園もあります。ボーナスの支給時期や回数に違いが出る理由は、園によって運営方針や経営状況が異なるためです。公立幼稚園と私立幼稚園でも、ボーナスの支給時期や金額に違いがあります。ボーナスの支給時期を知りたいときは、求人票を確認しましょう。「賞与:4ヶ月(年2回)」のように、前の年の支給実績が載っている場合があります。

公立幼稚園と私立幼稚園のボーナスの違い

公立幼稚園と私立幼稚園では、運営形態や財源が異なるため、ボーナスにも違いがあります。ここでは、公立と私立それぞれの幼稚園におけるボーナスの特徴を解説します。

公立幼稚園

公立幼稚園の教諭は、地方公務員として勤務するため、ボーナスも自治体の規定に基づいて支給されます。一般的には6月と12月の年2回支給され、金額はその年の「支給月数」に応じて算出されます。

たとえば、支給月数が年間4.4ヶ月分とされた場合、半期ごとに2.2ヶ月分ずつ支給されるケースが一般的です。仮に平均給与が25万円とすると、1回あたりの賞与は55万円、年2回で合計110万円となります。また、民間と比べて急激な変動が少なく、長期的な勤務を前提とした安定収入が期待できる点も公立幼稚園ならではのメリットです。

出典

」(2025年4月30日)

私立幼稚園

私立幼稚園のボーナスは、公立に比べて変動が大きいのが特徴です。園の経営状況や方針によって左右されるため、同じ地域でも園によって差が出ることがあります。一般的には、6月〜7月と12月の年2回支給される園が多いものの、年1回しか支給されないケースも珍しくありません。また、支給額についても基本給の数カ月分を目安とする園がある一方で、経営状態によっては寸志程度になる場合もあります。

そのため、私立幼稚園への就職や転職を検討する際は、求人票で過去の支給実績について確認しておくと安心です。

幼稚園教諭と保育士のボーナスの違い

すでに紹介した全国の平均ボーナス額を見ても分かるように、幼稚園教諭と保育士ではボーナス金額に多少の差はあるものの、極端に異なるわけではありません。どちらの職種も、支給額は勤務先の法人や園の方針に左右されますが、基本給の3〜4カ月分が年間の支給目安とされています。

また、運営母体によって支給額や回数に差が出るところも、保育士と幼稚園教諭で共通しています。ボーナスの金額は選ぶ職種よりも職場に左右される部分が大きいといえるでしょう。

ボーナスが支給されない幼稚園もある?

多くの園では年に2回のボーナスが支給されますが、実際にはすべての園で必ず支給されるわけではありません。ここでは、ボーナスが支給されない幼稚園の実情と、転職のときに気をつけるべきポイントについて詳しく見ていきます。

ボーナスがない幼稚園もある

残念ながら、ボーナスが全く支給されない幼稚園も存在します。とくに、個人経営の園や小規模な施設では経営状況に応じてボーナスの有無が決まるケースが多く、その年の園児数によって左右されることもあります。

しかし、ボーナスがない代わりに「残業がほとんどない」「年間休日が多い」など、働きやすさに魅力を感じられる職場もあります。ボーナスの有無だけにとらわれず、総合的に自分に合った園かどうかを見極めることが大切です。

給与条件はボーナスではなく年収で判断する

ボーナスが高い園に惹かれがちですが、ボーナスの額だけに注目するのは避けたほうが良いでしょう。たとえば、ボーナスの支給が多い園でも、基本給が低ければ毎月の収入が不安定になってしまいます。一方、ボーナスが少ない、もしくは支給されない園でも、月給が高めに設定されていれば年間を通して安定した収入が得られます。就職や転職時のミスマッチを防ぐためにも、月給・賞与・各種手当・年収などを含めた総合的な視点で判断しましょう。

幼稚園教諭にボーナス以外の手当はある?

幼稚園教諭の給与は、基本給やボーナスだけでなく、さまざまな手当によって構成されています。ここでは、幼稚園教諭が受け取る可能性のある代表的な手当についてご紹介します。

処遇改善手当

処遇改善手当は、保育士・幼稚園教諭の待遇向上を目的として市区町村から支給される手当です。この手当により、幼稚園教諭の給与水準を引き上げ、優秀な人材の確保と定着を図っています。金額は園や自治体によって異なりますが、月額数千円から数万円程度が一般的です。

たとえば千葉県松戸市では、毎月の手当のほか家賃補助や就職準備金も条件付きで支給しており、充実した補助制度を用意しています。自治体によって制度の内容や金額は異なるので、自身の地域について調べておくと良いでしょう。

残業手当・特殊残業手当

定時を過ぎてから対応する時間外の業務に対しては、残業手当が支給されます。また、運動会や発表会などの行事の準備や土日出勤などの特殊な勤務に対しては、特殊残業手当が設けられていることもあります。

ただし、園によって残業や特殊勤務に対する方針は異なり、残業を極力抑える方針の園もあれば、行事準備などの特殊勤務を通常業務の一環とみなす園もあります。求人票の給与条件と実際にもらえる年収に差があるケースもあるため、あらかじめ残業時間や残業代込みの年収額についても確認しておくと安心です。

通勤手当

自宅から職場までの交通費として支給されるのが通勤手当です。電車通勤であれば実費分、自家用車を使用する場合は距離に応じた金額やガソリン代の一部を支給するなど、園によって支給方法が異なります。通勤にかかる費用は毎月の負担になるため、通勤手当の有無と金額もチェックしておきましょう。

住宅手当

職員の生活支援の一環として住宅手当を支給している幼稚園もあり、都市部では高い家賃を補助する目的で設けられていることがあります。金額は園によって異なりますが、月1万円〜3万円程度の園が多いようです。

資格手当

幼稚園教諭の資格に加えて、保育士資格や特別支援学校教諭免許状などの追加資格を持っている場合、資格手当が支給されることがあります。これは、より専門的なスキルを評価し、教育の質を高めることが目的です。金額は資格の種類や園の方針によって異なりますが、資格を活かせる職場を探している方にとっては、こうした手当の有無も判断材料の1つになるでしょう。

その他の手当

上記以外にも、園の方針や地域の特色によってさまざまな手当が支給されることがあります。たとえば、主任や副園長など特定の役職に就いた際の「役職手当」、クラス担任を受け持つ教諭に対する「担任手当」、子育て中の教諭を支援する「子育て支援手当」などが挙げられます。

また、長く勤務している職員に支給される「勤続手当」や、英語指導や特別支援など専門スキルを活かす人材に対して支給される「技能手当」などもあります。園によって支給される手当は異なるため、求人情報を見る際は詳細をしっかり確認することが大切です。

幼稚園教諭が年収を上げる方法

保育・教育業界は決して給与が高いとは言えないため、将来への不安を感じる人もいるでしょう。ここでは、幼稚園教諭が年収を上げるための方法を紹介します。

給与水準が高い幼稚園へ転職する

給与水準は幼稚園によって異なります。短期的に年収アップを目指すなら、より待遇の良い園へ転職するのが有効です。ただし、転職する際は給与だけでなく、園の理念や雰囲気、勤務条件なども総合的に判断して、長く働ける職場を選びましょう。

求人票の月額だけでなく、福利厚生や昇給制度、手当の充実度も年収に影響するポイントです。3年後、5年後にどれくらい給与が上がるのかをイメージしておくと、長い目で見て収入を最大化させられる選択を取れます。

キャリアアップする

クラス担任から主任へ、さらには副園長や園長などの役職に就くことで、役職手当や責任手当が支給され、基本給も上がります。園の運営に関わる立場になると、業務の幅も広がる分、評価も高まりやすくなるでしょう。キャリアアップには時間がかかることもありますが、日々の仕事への取り組みや後輩の指導、園内外の研修などを通して専門性を高め、経験を積み重ねることがキャリアアップの近道です。

資格を取得する

幼稚園教諭の資格に加えて、業務に役立つ資格を取得することで、手当の支給や給与アップを期待できる場合があります。たとえば、保育士資格を取得すれば認定こども園での勤務も可能になり、働ける場所の選択肢が広がります。

また、特別支援学校教諭免許状や幼稚園教諭専修免許状といった上位資格を取得することで、専門性が評価され処遇の向上につながることもあるでしょう。園によっては、資格取得にかかる費用の一部を補助する「資格取得支援制度」を設けているところもあり、学びながらキャリアアップを目指しやすい環境が整っている場合もあります。

勤続年数を重ねる

同じ園で長く働き続けることで、年収アップを目指すこともできます。多くの幼稚園では、勤続年数に応じて基本給が上がる昇給制度や勤続手当で待遇が少しずつ良くなっていく仕組みがあります。

また、長年勤めることで園の運営や方針への理解が深まり、信頼も蓄積されるため、リーダーや主任など責任あるポジションに任されることもあるでしょう。転職よりも一つの園でじっくりとキャリアを積みたい方には、おすすめな方法の1つです。

処遇改善制度を活用する

国や自治体が実施している処遇改善制度を活用することも、年収アップにつながります。「処遇改善等加算Ⅰ・Ⅱ」は、職務内容や経験年数に応じた手当を支給する仕組みで、園に対して国や自治体から補助金が交付され、その分が教職員の給与に反映されます。制度を積極的に取り入れている園を選ぶことはもちろん、現在の職場で制度の活用を検討するのも1つの選択肢でしょう。

幼稚園教諭のボーナスについてよくある質問

ここでは、幼稚園教諭のボーナスについてよくある質問にお答えします。ぜひ参考にしてみてください。

幼稚園教諭のボーナスは1年目からもらえる?

幼稚園教諭として働き始めたばかりの1年目で、ボーナスが支給されるかどうかは園によって異なります。早いところでは夏のボーナスから満額支給される場合もありますが、年末から支給が始まる園、寸志のみの支給にとどまる園、まれに1年目はボーナスなしという園も存在します。求人票や説明会などで事前に確認しておくと安心でしょう。

大卒の幼稚園教諭の初任給はどれくらい?

大卒の幼稚園教諭の初任給は、手当込みでおよそ21~23万円程度が相場とされています。最終学歴によって多少差があり、大卒は短大・専門卒よりも高い傾向があります。幼稚園によって条件が異なるので、園のホームページや求人ページで確認しておきましょう。

幼稚園教諭の給料は手取りだとどのくらい?

令和6年賃金構造基本統計調査新規タブリンクによると、幼稚園教諭の月給は額面で約27万6,600円とされています。そこから社会保険料や税金などの控除を差し引いた手取り額は、およそ22~23万円程度になると考えられます。ただし、控除される金額は住んでいる地域や扶養の有無、年齢などによって変わるので、あくまで目安として参考にしてみてください。

出典

令和6年賃金構造基本統計調査新規タブリンク」(2025年4月24日)

幼稚園教諭で年収500万円は可能?

条件次第で幼稚園教諭でも年収500万円を目指すことは可能です。経験年数別のボーナス額を見てみると、経験年数15年以上のベテラン教諭では、月給は約32万円、ボーナスは約105万円と、年収が約484万円に達します。このように、長年の経験を積んだ幼稚園教諭であれば、年収500万円に近い金額に到達することができるでしょう。

また、給与水準が高い幼稚園や福利厚生が充実している園で働いたり、園長や主任といった管理職に昇進したりすることで、年収が上がる可能性があります。これらの条件が整えば、幼稚園教諭でも年収500万円を超えることも可能でしょう。

まとめ

幼稚園教諭のボーナスは平均で約81万円です。ボーナス額は勤務先や経験年数、手当などによって異なりますが、大切なのはボーナスの金額だけにとらわれず、年収全体を見て判断することです。基本給や手当、園の雰囲気や理念、働きやすさなども長く安心して働くためには大切なポイントになります。自分に合った職場を見つけるためにも、こうした点にも目を向けてみましょう。現在の職場で給与や環境に不満がある場合は、転職を検討するのも1つの方法です。

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執筆者

A

「レバウェル保育士」編集部

保育士・幼稚園教諭専門の転職エージェント「レバウェル保育士」が運営するメディア。現役の保育士とこれから保育士を目指す方に向けて、仕事や転職に役立つ情報をお届けします。記事を通して不安や悩みが少しでも解消する状態を目指し、皆さんのキャリア選択を支援します。

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