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児童指導員の給料はいくら?月収・年収の実態と収入アップの方法を解説

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給料袋と複数の一万円札の画像

児童指導員として働くうえで、「実際の給料はどのくらい?」「年収を上げるにはどうすればいい?」と気になる方も多いのではないでしょうか。この記事では、児童指導員の平均的な月収や年収、他職種との違いなどを分かりやすく解説。また、年収アップを目指す方法やポイントもご紹介します。給与面での不安や悩みを感じている方は、ぜひ参考にしてみてください。

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「レバウェル保育士」編集部

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児童指導員の平均的な給与水準

児童指導員の給与は、他職種と比べてどの程度なのでしょうか。厚生労働省の「令和6年度障害福祉サービス等従事者処遇状況等調査結果(p.76)新規タブリンク」によると、児童指導員の平均給与額は月額31万9,690円です。ここから社会保険料や税金などを差し引いた手取りは、概ね総支給の8割程度とされ、月約25万5,000円ほどと見られます。この金額をもとに年収を単純計算すると、児童指導員の平均年収は約383万円です。

一方、国税庁が発表した「令和5年分 民間給与実態統計調査新規タブリンク」によると、日本人全体の平均年収は460万円でした。児童指導員の年収は、全体の平均と比較して70万円以上低い水準にあることが分かります。とはいえ、最近では国の処遇改善や自治体による加算制度なども進んでおり、働く環境や給与面の改善に向けた取り組みも少しずつ広がっています。今後の制度改正や職場選び次第で、より良い条件で働ける可能性も十分にあるでしょう。

出典

厚生労働省「令和6年度障害福祉サービス等従事者処遇状況等調査結果新規タブリンク」(2025年7月8日)
国税庁「令和5年分 民間給与実態統計調査新規タブリンク」(2025年7月8日)

非常勤で働く児童指導員の平均時給

児童指導員として非常勤で働く場合、気になるのが時給の目安でしょう。厚生労働省「令和6年度障害福祉サービス等従事者処遇状況等調査結果(p.76)新規タブリンク」によると、非常勤児童指導員の月平均給与は93,200円、実労働時間の平均は63.5時間となっており、これをもとに計算した平均時給は約1,468円です。ただし、この金額には賞与分も含まれているため、実際の時給はもう少し低くなる可能性があります。

前年と比べると、平均時給はおよそ100円アップしており、処遇改善が少しずつ進んでいることが分かります。非常勤は、勤務日数や時間帯によって収入が大きく変わるため、転職前はシフトや希望する勤務時間をもとに、月収の見込みを計算しておくと安心です。ライフスタイルに合わせて無理なく働きたい方は、パートやアルバイトという働き方も視野に入れてみましょう。

出典

児童指導員の平均ボーナス額

児童指導員のボーナスは、全国平均で年間およそ57万8,760円とされています。厚生労働省「令和6年度障害福祉サービス等従事者処遇状況等調査結果(p.77)新規タブリンク」を参考に基本給が20万2,190円であることをふまえると、平均して約2.8ヶ月分の支給に相当します。ただし、これはあくまで全体の平均値です。ボーナスの有無や支給額は、施設の規模や実績、運営方針などによって異なるため、目安のひとつとして参考にするとよいでしょう。

ボーナスの支給状況は事業所ごとに大きく異なり、「賞与あり」と記載されていても、業績や勤続年数によって金額が変わるケースも少なくありません。そもそもボーナスの支給がない職場もあるため、応募前に確認することが大切です。

出典

児童指導員と他職種の給料の比較

児童指導員と福祉に関連する他職種の給与水準を比較すると、職種ごとに多少の差があることが分かります。以下の表は、主な職種の平均的な月収と想定年収をまとめたものです。なお、年収は月収×12で計算しました。

職種 月収 想定年収
児童指導員 319,690円 約384万円
保育士 343,600円 約412万円
児童発達支援の職員 293,940円 約353万円
放課後等デイサービスの職員 286,110円 約343万円

平均月給ベースでは保育士が最も高く、放課後等デイサービス職員が最も低い結果となっています。児童指導員の給与は保育士よりやや低いものの、放課後等デイサービス職員より高い水準です。なお、これらの数値はあくまで全国の平均値であり、地域や勤務先、役職の有無によって給与は変動するため、実際の給与を判断する際には、こうした要素も考慮する必要があります。

出典

児童指導員の給料の差を作る主な要因

児童指導員の給与は勤務先や役職、資格、地域などさまざまな要素によって変わります。ここでは、児童指導員の給料を左右する主な要因を解説しているのでチェックしてみてください。

勤務先の違い

児童指導員の給与は勤務先の運営形態によっても異なります。公立施設(児童相談所や公立児童養護施設など)では、地方公務員としての給与体系が適用され、比較的安定した収入や昇給、充実したボーナスが期待できます。初任給は大卒で約18〜20万円、福利厚生や退職金制度も整っているため、長期的に安定した収入を得やすいのが特徴です。

一方、民間施設(社会福祉法人やNPO法人運営の施設)は、運営母体の規模や財政状況によって給与に差があります。大規模な社会福祉法人は公立に近い水準の給与が支給されるところもありますが、小規模な施設では初任給が16〜18万円程度の場合も。勤務先を選ぶ際は給与体系だけでなく、施設の安定性や将来性も検討すると良いでしょう。

夜勤手当の有無

児童養護施設や障害児入所施設など、24時間体制で子どもたちをサポートする施設では、夜勤が必要な場合があります。夜勤には手当が付き、1回あたり5,000円〜10,000円が相場といわれているため、月に4〜5回夜勤を行えば、月に2〜5万円の収入アップとなり、年間で約24〜60万円の差が生じます。

ただし、夜勤は身体的・精神的な負担が大きいため、給料が上がる分、労働環境としては厳しい面もあることを理解しておくことが大切です。

資格・役職による手当

児童指導員の給与には、保有資格や役職に応じた手当が加わる場合があります。たとえば、社会福祉士や精神保健福祉士などの国家資格を持っていると、資格手当として月に5,000円〜1万円程度が支給される施設もあります。国家資格以外でも仕事に活かせる資格を取得すれば、その責任や業務内容に応じた手当が支給されるケースもあり、月収が上がる可能性が高いです。また、主任や課長といった役職に就くと、役職手当として月に1〜3万円程度が加算されます。

地域ごとの給与水準の違い

児童指導員の給料は、勤務する地域によって差があります。一般的に、大都市のある地域は、地方に比べて給与水準が高めです。たとえば都心部だと地域手当として基本給が加算されることもあり、月収で見ると地方の施設より2〜5万円ほど高くなるケースがあります。

ただし、都市部は家賃や物価も高いため、手取りや生活のしやすさを考慮すると、一概に「得」とは言い切れません。また、公立施設の場合は自治体の財政状況によっても給与体系に差が生まれます。財政的に豊かな自治体では、独自の手当や処遇改善が行われているケースもあるため、勤務地選びは給料に大きく影響します。

児童指導員が年収を上げるためにできること

児童指導員として働くなかで、「もっと年収を上げたい」と感じたことのある方も多いのではないでしょうか。ここでは、年収アップを目指すために実践できる方法を紹介します。

勤続して昇給を目指す

多くの福祉施設では「定期昇給制度」を導入しており、勤続年数に応じて基本給が少しずつ上がっていく仕組みになっています。目に見える昇給額は少なくても、毎年積み重ねることで長期的に安定した収入増が期待できるでしょう。

また、長く勤めることで経験やスキルが認められ、主任や施設長などの役職に就く可能性も高まります。役職に就けば、さらに給料アップが見込めます。今の職場に働きやすさを感じている方や、ライフスタイルが大きく変わらない方にとっては、着実に収入を伸ばしていける方法といえるでしょう。

児童発達支援管理責任者を目指す

年収アップを目指すなら、「児童発達支援管理責任者(児発管)」の資格取得を検討するのも1つの選択肢です。児発管は障害児支援施設において個別支援計画の作成やスタッフのマネジメントを担う責任ある立場で、通常の児童指導員よりも月に2〜5万円程度給料が高くなる傾向があり、年収にすると24〜60万円の差になります。

また、児発管は施設運営に不可欠な人材であるため、求人も多く、転職の際の交渉材料にもなります。資格取得には、支援業務の経験と、所定の研修受講が必要です。時間はかかりますが、キャリアアップの選択肢の1つといえるでしょう。

地方公務員として公立の福祉施設で働く

安定した給与を求めるなら、公立の福祉施設で働くことも1つの選択肢です。地方公務員として働く児童指導員は、民間に比べて基本給が高い傾向にあり、定期昇給や退職金制度も整っています。

ただし、地方公務員になるには各自治体で実施される採用試験に合格する必要があり、試験内容は一般教養や専門知識、面接などが中心で競争率は自治体によって異なります。募集時期や年齢制限もあるため、事前の情報収集が大切です。公務員になれば、年収アップとともに雇用の安定性も得られるため、長期的なキャリアを考えている方には魅力的な選択肢といえるでしょう。

給料の高い職場へ転職する

現在の職場の給与に満足していない場合は、より条件の良い職場への転職を検討するのもおすすめです。同じ児童指導員の仕事でも、手当や賞与の有無、基本給などは施設ごとに異なります。これまでの経験や資格を活かせる職場であれば、転職によって月収がアップする場合もあるでしょう。

また、転職活動では基本給だけでなく、夜勤手当や残業代の有無、賞与の支給月数など総合的に確認することも大切です。施設によっては独自の手当や福利厚生が充実しているケースもあるので、求人情報をよく調べると安心でしょう。

保育士資格を取得する

児童指導員として働きながら、保育士資格を取得するのも年収アップを目指す手段の1つです。保育士資格を持っていると、児童養護施設や発達支援施設などでより幅広い業務を任されるようになり、資格手当が支給される場合もあります。

資格を取得すれば、児童指導員としての経験を活かして保育所や認定こども園などへ転職することも可能になり、キャリアの幅が大きく広がります。実際に「保育士資格歓迎」と記載された求人は多く、採用時の評価が高まりやすいのもメリットです。無理のないペースで勉強を進められる環境も整っているため、長期的なキャリアアップを視野に入れて、チャレンジしてみるのも良いでしょう。

児童指導員への転職を成功させる方法

児童指導員として長く安心して働くためには、自分に合った職場や働き方を見つけることが大切です。ここでは、児童指導員として納得のいく職場に出会うために押さえておきたいポイントを紹介します。

自分に合う支援対象や施設を明確にする

児童指導員といっても、勤務先の施設によって支援対象の年齢層や業務内容は異なります。たとえば、児童養護施設では通常1歳から18歳までの子どもが生活しており、日常生活の支援や生活指導が中心です。一方、放課後等デイサービスは、主に小学生から高校生までの発達に特性のある子どもを対象とし、放課後の時間を使った療育支援を行います。

また、児童養護施設は24時間体制で夜勤や宿直が必要な場合が多く、放課後等デイは日中~夕方中心の勤務が一般的です。「生活全般の支援がしたい」「発達支援に興味がある」「思春期の子どもと関わりたい」など、自分の関心や強みに合った施設を明確にすることで、職場選びのミスマッチを防ぎやすくなります。

給与や手当の条件を細かく確認する

転職先を探す際は、月給や年収だけでなく、その内訳もしっかり確認しておきましょう。基本給に加えて夜勤手当や役職手当、資格手当、賞与の有無なども職場によって異なります。基本給が高く見えても、ボーナスがない場合は年収が思ったより伸びないことも。

また、残業代が出るかどうか、交通費の支給上限などもチェックポイントです。実際に手元に残る金額や、年単位での収入イメージを把握しておくことで、「思っていた条件と違った」と後悔するリスクを減らせます。

給料の高さだけで選ばないようにする

たとえ給料が高くても、残業や休日出勤が多く、心身の負担が大きい職場では長く続けにくいこともあります。児童指導員は対人援助職であるため、自分自身の生活リズムや健康を大切にできる環境を選ぶことが重要です。給与だけでなく、福利厚生や年間休日数、シフトの融通がきくかどうかなど、全体のバランスを見ながら職場を比較しましょう。自分にとって無理なく続けられる環境かどうかを見極めることが、長く働き続けるためのポイントです。

転職エージェントを活用する

「どんな施設が自分に合っているのか分からない」「求人を見ても違いが分からない」といった場合は、転職エージェントのサポートを受けるのもおすすめです。求人紹介から選考対策まで幅広く行っているところもあり、効率良く転職活動を進められます。

レバウェル保育士」では、児童指導員向けの非公開求人も多数取り扱っており、施設ごとの雰囲気や実際の働き方など、求人票だけでは分からない情報も提供しています。

児童指導員の給料に関するよくある質問

ここでは、児童指導員の給料に関する質問にお答えします。ぜひ参考にしてみてください。

児童指導員の年収は大卒だと高くなりますか?

一般的に大卒のほうが初任給は高く設定される傾向があります。特に公立施設などの公務員扱いとなる職場では、学歴によって給与表が異なるため、大卒の方が昇給やボーナス面でも有利といえるでしょう。ただし、民間施設では実務経験やスキル、職務内容が評価されるケースも多く、学歴だけで大きく差がつくとは限りません。

児童指導員の給料は手取りでどのくらい?

児童指導員の平均月収は約31万9,000円ですが、手取りはそこから社会保険料や税金などが引かれるため、およそ25万5,000円前後です。非常勤の場合は働く時間や日数によって手取り額が異なります。勤務先によっては住宅手当や扶養手当が支給されることもあるため、事前に確認しておくと安心でしょう。

まとめ

児童指導員の給与は、夜勤の有無や役職、保有資格、勤務する地域などによって変わります。ほかの職種と比較して給与水準が高いとはいえませんが、スキルや経験を積んでいくことで、年収アップを目指すことは十分可能です。資格取得や転職、公務員試験のチャレンジなど、自分の強みやライフスタイルに合った働き方を見つけることが、キャリアの安定と向上にもつながります。

「今の給料で将来が不安…」「もっと待遇の良い職場に転職したい」と感じている方は、レバウェル保育士にご相談ください。レバウェル保育士では、児童指導員の経験や資格を活かせる求人を取り扱っています。待遇面や勤務環境、福利厚生など、自身の希望に合った職場を専門のアドバイザーが丁寧に提案します。また、応募書類の添削や面接対策などもキャリアアドバイザーが親身にサポートするので、転職が初めての方でも安心です。一人で悩まずお気軽にご相談ください。

執筆者

A

「レバウェル保育士」編集部

保育士・幼稚園教諭専門の転職エージェント「レバウェル保育士」が運営するメディア。現役の保育士とこれから保育士を目指す方に向けて、仕事や転職に役立つ情報をお届けします。記事を通して不安や悩みが少しでも解消する状態を目指し、皆さんのキャリア選択を支援します。

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