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どんな保育士になりたいかの回答方法!質問の理由や面接で使える例文を紹介
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「どんな保育士になりたいか」の質問に、どう答えたら良いか迷う方もいるかもしれません。どんな保育士になりたいか回答する際は、単なる理想だけでなく、理由やエピソードを交えて伝えます。 この記事では、転職時に「どんな保育士になりたいか」質問される理由や面接で回答する際の例文、思い浮かばないときの対処法をまとめました。質問の意図を理解し、自分ならではのエピソードを伝えられるようにしましょう。
目次
どんな保育士になりたいかの質問にはどのように答える?
保育士が面接や採用試験において「どんな保育士になりたいか」と質問されたときは、理想や目標にしている保育士の姿を回答します。たとえば、「笑顔で明るい保育士」「保護者に信頼される保育士」などです。「どんな保育士になりたいか」の質問に対しては、応募先の保育方針に合わせながらも、あなた自身の保育観や思いを具体的に伝えることが大切です。
また、なぜそのような保育士を目指すのか、どのように実現していきたいのかまで答えると説得力が増します。以下で解説する質問の意図や例文、注意点などを参考に、面接官に好印象を与えられるような回答を準備しておきましょう。
転職時に「どんな保育士になりたいか」質問される理由
ここでは、保育士が転職時の面接や採用試験で、「どんな保育士になりたいか」質問される理由を解説します。回答の内容が質問の意図からズレないように、注意しましょう。
求職者の保育観を知りたいから
求職者の保育観が求める人物像とマッチしているか確認するために、「どんな保育士になりたいか」と質問されることがあります。保育観とは、子どもの発達や成長をどのように捉え、どのような関わり方が大切だと考えているかという価値観です。
たとえば、子どもたちを温かく見守れる人を求めている場合は、「家庭的な雰囲気づくりに貢献できる保育士になりたい」のような保育観は、合っている可能性があります。保育観を示すときは、求める人物像を確認したうえで回答を考えてみましょう。
保育理念や方針との相性を知りたいから
どんな保育士になりたいかの回答によって、保育理念や方針と合っているか確認される可能性もあります。自然体験を重視している園、英語教育に力を入れている園など、保育理念や特色は保育園によって多種多様です。応募先の保育園ならではの方針や活動内容に貢献できる保育士像を表現すると、好印象につながりやすくなるでしょう。ただし、園の特色に合わせすぎると個性が薄れてしまうため、自分の考えや思いも交えて伝えることが大切です。
熱意や意欲があるか知りたいから
「どんな保育士になりたいか」という質問の回答からは、保育への情熱や、困難を乗り越える意志の強さなども伝わります。保育士は体力的にも精神的にも大変なことがあるため、困難な状況に直面しても、前向きに取り組める熱意や意欲を持った人材が求められるでしょう。
回答する際は、目標に向かってどのように努力していきたいかという具体的な姿勢も合わせて伝えると、熱意が伝わりやすくなります。「子どもの発達について学び続けたい」「保護者支援のスキルを磨きたい」など、具体的な成長目標を示しましょう。
どんな保育士になりたいか面接で回答する際の例文
ここでは、保育士が転職する際の面接で「どんな保育士になりたいか」という質問に対する回答の例文を紹介します。理由の説明の仕方やエピソードの取り入れ方などを参考にしてみてください。
いつも笑顔で明るい保育士になりたい
以下は、「いつも笑顔で明るい保育士になりたい」と答えるときの例文です。
私は、いつも笑顔で明るい雰囲気を作れる保育士になりたいと考えています。子どもたちは大人の表情や雰囲気に敏感です。保育士が笑顔でいることで、子どもたちも安心して過ごせる環境ができると思っています。実習中、緊張して表情が硬くなっていたときは子どもたちも距離を置いていましたが、自分から笑顔で接すると、子どもたちも心を開いてくれました。どんなときも前向きな気持ちと笑顔を忘れず、子どもたちが安心して過ごせる雰囲気づくりを大切にしていきたいです。
ありきたりな回答にならないように、なぜ笑顔が大切か、子どもたちにはどのような良い影響があるかについて考えを述べることが大切です。笑顔や明るい対応は、子どもたちや保護者とのコミュニケーションや保育環境づくりに役立つでしょう。
子どもの成長を促す保育士になりたい
「子どもの成長を促す保育士になりたい」と回答するときの例文は、以下のとおりです。
子どもの可能性を信じ、一人ひとりの成長を促せる保育士になりたいです。子どもは成功体験を積み重ねることで自信をつけ、次の挑戦へ進んでいくと思います。前職で初めて1歳児クラスを担当した際は、自分で靴が履けるようになった子どもたちの姿に感動しました。最初は時間がかかっても見守り、必要なときだけ手助けすることで、子どもが達成感を味わえるよう支援していくことが大切だと学びました。子どもの「やってみたい」という気持ちを大切にし、挑戦を励ます環境づくりができる保育士を目指します。
子どもの成長や自立を促す関わり方の重要性を伝えると、回答内容に説得力が増します。また、現場において見守りとサポートのバランスが上手く取れていることも示せると、スキルの高さをアピールできるでしょう。
一人ひとりの個性を大事にする保育士になりたい
以下は、「一人ひとりの個性を大事にする保育士になりたい」と答えるときの例文です。
私は、子ども一人ひとりの個性を大切にする保育士になりたいです。前職では4歳児クラスを担当し、「絵を描くことが好きな子」「体を動かすことが好きな子」「じっくり観察することが好きな子」など、さまざまな個性に触れました。それぞれの子どもの「好き」や「得意」を見つけ、その力を伸ばしていける保育を心がけたいです。また、苦手なことも無理なく挑戦できるよう、一人ひとりのペースに合わせた声かけや援助ができる保育士を目指します。
異年齢保育や障害児保育を実施している保育園を志望する場合は、多様性への理解や尊重の姿勢を示すと好印象につながる可能性があります。得意なことを伸ばすだけでなく、苦手なことへ配慮したエピソードを話すのもおすすめです。
子どもの変化や不安を感じ取れる保育士になりたい
「子どもの変化や不安を感じ取れる保育士になりたい」と回答するときの例文は、以下のとおりです。
私は、子どもの小さな変化や不安を敏感に感じ取れる保育士になりたいです。子どもは言葉で上手く表現できなくても、表情や行動、遊び方などに気持ちが表れます。前職で2歳児クラスを担当した際、いつもと違う様子の子どもに気づき、話を聞いてみると家族の入院で不安を抱えていたことがありました。その子の気持ちに寄り添い、安心できる環境を作ることで、少しずつ笑顔が戻ってきた経験があります。子どもたちを観察するスキルを高め、一人ひとりに寄り添える保育士を目指したいです。
実体験をもとにした具体的な対応例を踏まえると、大切にしている取り組み方やスキルが伝わりやすくなります。「子どもの変化や不安を感じ取れる保育士になりたい」という意志からは、子どもの心情理解への意識の高さをアピールできるでしょう。
子どもたちと一緒に遊びを楽しめる保育士になりたい
以下は、「子どもたちと一緒に遊びを楽しめる保育士になりたい」と回答するときの例文です。
子どもたちと心から遊びを楽しめる保育士になりたいです。遊びは子どもの学びの場であり、保育士も一緒になって楽しむことで、子どもの興味や関心が広がると考えています。前職では、砂場遊びで「先生、見て!」と呼ばれたとき、「どうやって作ったの?」と質問することで会話が広がり、子どもたちの創造力がさらに膨らんでいく様子を感じました。子どもと一緒に楽しみ、時には真剣に向き合いながら、遊びを通して豊かな心と体を育む保育を実践していきたいです。
子どもたちと遊ぶなかで工夫していることや声かけの仕方などを交えると、保育士としての強みをアピールできます。子どもたちと一緒に楽しみながらも、子どもの発達段階を観察し、適切な支援を行う姿勢を示すことが大切です。
自然体験の大切さを伝えられる保育士になりたい
「自然体験の大切さを伝えられる保育士になりたい」の回答例は、以下のとおりです。
私は、子どもたちに自然体験の大切さを伝えられる保育士になりたいです。自然のなかでの遊びは五感を刺激し、想像力や探究心、生命の尊さなどを学ぶ貴重な機会だと考えています。学生時代に野外活動のボランティアに参加した際、虫を怖がっていた子どもが、活動を通して自ら虫を観察するようになった姿に感動しました。季節の変化を感じる散歩や園庭での栽培活動など、日常のなかで自然と触れ合う機会を大切にし、子どもたちの好奇心や探究心を育む保育を実践していきたいです。
志望先の保育園で、自然体験や食育、英語教育などの特色ある活動を実施している場合は、それをもとに「どんななりたい保育士になりたいか」伝えるのも手です。具体的なエピソードや前職での経験を取り入れると、特色に合わせつつ自分ならではの回答ができるでしょう。
保護者と信頼関係を築ける保育士になりたい
以下は、「保護者と信頼関係を築ける保育士になりたい」と回答するときの例文です。
私は、保護者との信頼関係を大切にできる保育士になりたいです。子どもの成長を支えるためには、保育士と保護者の連携が重要だと考えています。前職では3年間持ち上がりで同じクラスを担当し、連絡帳や送り迎え時のコミュニケーションを通じて保護者との信頼関係を築いていく大切さを学びました。保護者の方々とは、子どもの成長の喜びを共有したり悩みに寄り添ったりしながら、安心して子どもを預けられる関係づくりを心がけます。また、日々の明るい挨拶や誠実な対応を大切にし、保護者との信頼関係構築に努めたいです。
前職でのエピソードから取り組み方やスキルを伝えると、保護者支援への意識の高さをアピールできます。「どんな保育士になりたいなりたいか」は、子ども軸だけでなく、保護者支援やほかの職員との関わり方などから考えるのも手です。
どんな保育士になりたいか思い浮かばないときの対処法
ここでは、「どんな保育士になりたいか」が浮かばないときの対処法を紹介します。保育士になりたいと思った理由や尊敬している先輩保育士の姿を思い出すなど、考え方はいくつかあるので参考にしてみてください。
保育士になりたいと思った理由を振り返る
保育士になりたいと思った理由や資格取得のきっかけを振り返ると、「どんな保育士になりたい」か思い浮かぶ可能性があります。「子どもの成長に関わりたい」「子どもの笑顔が好き」「自分が通っていた保育園の先生に憧れて」など、原点に立ち返ってみましょう。
たとえば、幼少期に優しく接してくれた保育士への憧れがきっかけなら、「子どもの気持ちに寄り添える保育士」を目指すなど、実体験と結び付けた回答が考えられます。初心を思い出せば、本当に大切にしたい価値観が明確になるでしょう。
尊敬している先輩保育士や上司の姿から考える
「どんな保育士になりたいか」は、実習先や職場で出会った尊敬できる保育士の姿から考えることも可能です。その人から感銘を受けたことや、どのような保育姿勢に魅力を感じたのかを考えると、自分が目指したい方向性が見えやすくなります。「子どもの気持ちを引き出す質問の仕方が上手な先生」「保護者対応が柔軟で信頼されている先生」など、具体的な場面を思い浮かべ、目標とする姿を考えてみましょう。
保育でやりがいに感じていることから考える
保育するなかで、やりがいを感じる瞬間や場面を思い出すと「どんな保育士になりたいか」思い浮かぶかもしれません。「子どもの成長を間近で見られること」に魅力を感じるのであれば、「子どもの成長を促せる保育士になりたい」といった方向性を定められるかもしれません。子どもが心を開いてくれたときにやりがいを感じる場合は、「子どもと信頼関係を築ける保育士になりたい」のように考えられます。やりがいを感じる場面から大切にしたい保育観を見つけ、「どんな保育士になりたいか」につなげてみましょう。
自分の経験や長所を活かせることから考える
これまでの経験や長所をもとに、「どんな保育士になりたいか」を考える方法もあります。音楽の活動が楽しかった経験がある場合は、「音楽を通して子どもの表現力を引き出せる保育士になりたい」という理想を掲げることが可能です。スポーツが得意なら、「体を動かす楽しさを伝えられる保育士になりたい」というように、自分の経験や強みを活かした将来像を考えてみましょう。保育経験がない場合は、コミュニケーション能力やチームワークなど、職種関係なく活かせる汎用的な強みから、「どんな保育士になりたいか」考えることも可能です。
どんな保育士になりたいか作文を書く際の注意点
保育士が転職する際は、採用試験で「どんな保育士になりたいか」について作文を書く場合もあります。ここでは、「どんな保育士になりたいか」の作文を書く際の注意点を紹介するので、参考にしてみてください。
読みやすさを意識して結論から書く
論理的で分かりやすい文章にするためには、結論、理由、具体例、今後の抱負という流れで構成することが大切です。作文の冒頭では、「私は、子ども一人ひとりの個性を大切にする保育士になりたいです」というように、目指す保育士像の結論を述べましょう。
そして、なぜそう思うのか、どのように実現していきたいかを具体的に展開していくと、読み手に伝わりやすい文章になります。一文を短くしたり、適度に改行を入れたりして読みやすい文章を意識しましょう。
印象に残りそうな自分なりのエピソードを書く
作文は、ほかの求職者と見比べられる可能性があるため、実体験から具体的なエピソードを盛り込み差別化することが大切です。また、「どんな保育士になりたいか」は、ほかの求職者と被ることもあるため、理由や実現方法の部分で実体験や自分の考えを交えると印象に残りやすくなります。前職での経験や尊敬している先輩保育士の話など、自分なりのエピソードを考えてみましょう。
どんな保育士になりたいか面接で回答する際の注意点
面接で「どんな保育士になりたいか」を答える際は、言葉選びや伝え方にも注意が必要です。ここでは、「どんな保育士になりたいか」面接で回答する際の注意点を解説します。
具体的なエピソードを交えて理由を説明する
面接では、「どんな保育士になりたいか」を伝えたあとに、具体的なエピソードを添えて理由を説明します。「子どもの主体性を大切にしたいから」というような、抽象的な理由にならないように注意しましょう。また、面接では、作文で書いた「どんな保育士になりたいか」について、深掘りした質問をされる可能性もあります。作文で書いた前職での経験やエピソードなどは、より詳しく説明できるように準備しておきましょう。
ほかの質問の回答と一貫性をもたせる
「志望動機」や「強み」「保育で大切にしていること」など、ほかの質問への回答と「どんな保育士になりたいか」の内容には一貫性を持たせましょう。たとえば、志望動機で「子どもの自主性を育む園の方針に共感した」と答えておきながら、目指す保育士像で「しつけを重視する保育士になりたい」と言うと、矛盾が生じてしまいます。一貫性のある回答にするためには、自分の保育観や価値観を整理して、軸を決めておくことが大切です。
強すぎるこだわりは見せないようにする
「どんな保育士になりたい」か伝える際、「〇〇な保育をしなければならない」「〇〇教育が正しい」といった断定的な表現は避けましょう。あまりに強いこだわりや固定観念を持っていると、柔軟性に欠ける印象を与える可能性があります。また、園の方針や取り組みに合わない場合、求める人物像に合っていないと思われるかもしれません。
自分の考えや保育観を示しつつ、「状況に合わせて臨機応変に考えながら」「さまざまな視点を取り入れつつ」といった言葉を添えると柔軟な印象を与えられます。面接のときは園の保育理念に合わせて、謙虚な姿勢で伝える方が印象が良くなるでしょう。
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どんな保育士になりたいかに関するよくある質問
ここでは、どんな保育士になりたいかに関するよくある質問にQ&A形式で答えます。志望理由に含めるかや新卒者が考えるコツをまとめました。
どんな保育士になりたいかは志望理由に含める?
志望理由で応募先の理念と自分の目標を結びつけたいときは、「どんな保育士になりたいか」を内容に含めるのも、アプローチとして有効でしょう。たとえば、「貴園の自然を活かした保育に共感し、私も自然体験を通して子どもの探究心を育む保育士になりたいと考えています」というように、上手く関連付けると説得力が増します。
なお、志望理由では「なぜこの園を選んだのか」に焦点を当て、園の保育方針や特色に対する共感を示すことが大切です。「どんな保育士になりたいか」を必ず含める必要はないため、上手く結びつけられるときに入れてみましょう。
新卒者がどんな保育士になりたいか考えるコツは?
新卒者は、養成校の先生や実習で関わった先輩保育士の尊敬できる部分から、「どんな保育士になりたいか」考えると、具体的な姿が思い浮かびやすくなるでしょう。また、自分が子どものころに出会った先生の姿や、保育について学ぶなかで共感した考え方なども参考になります。「実習で、一人ひとりの子どもに丁寧に関わる先生の姿に感銘を受け、私もそのような保育士になりたい」など、実体験と結び付けると説得力を増すことが可能です。
まとめ
「どんな保育士になりたいか」を考えるときは、自分の原点に立ち返ることが大切です。保育士を目指したきっかけや、やりがいを感じる瞬間、尊敬する先輩の姿などから、なりたい保育士像を見つけられる可能性があります。質問に回答する際は、子どもへの関わり方だけでなく、保護者支援や職場での協調性なども含めて考えましょう。
面接で「どんな保育士になりたいか」を聞かれたときは、具体的なエピソードを交えて説明することが重要です。園の保育方針を理解したうえで、柔軟な姿勢で自分の考えを伝えると、好印象につながります。志望動機や強みなど、ほかの質問への回答とも一貫性を持たせることで、自分らしい保育観を表現できるでしょう。
執筆者

「レバウェル保育士」編集部
保育士・幼稚園教諭専門の転職エージェント「レバウェル保育士」が運営するメディア。現役の保育士とこれから保育士を目指す方に向けて、仕事や転職に役立つ情報をお届けします。記事を通して不安や悩みが少しでも解消する状態を目指し、皆さんのキャリア選択を支援します。