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乳児院で働く保育士の給料はいくら?相場や賞与・夜勤手当について解説!
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乳児院で働く保育士の給料について、気になる方もいるのではないでしょうか。乳児院で働く保育士の給料は、一般的な保育園と同等かやや高めの水準です。夜勤手当や宿直手当により、給料アップが期待できることもあるでしょう。 この記事では、乳児院で働く保育士の給料相場や賞与について解説します。乳児院で働く保育士ならではの手当や給料アップを目指す方法もまとめました。
目次
乳児院とは
乳児院とは、保護者の病気や経済的な理由、虐待などにより家庭で育てられない乳幼児を24時間体制で支援する児童福祉施設です。主に0歳から2歳程度の乳幼児を対象としていますが、必要に応じて就学前の子どもも受け入れています。
乳児院で働く主な職員は、子どもの生活全般を支える保育士、健康管理を担当する医師や看護師、栄養管理を行う栄養士、心理的ケアを行う心理療法担当職員などです。乳児院の職員は、一人ひとりの発達段階に応じた生活習慣の確立や情緒の安定を図り、子どもの心身の健やかな成長を支えています。乳児院についての詳細は、「乳児院とは?施設の役割や保育士の仕事内容、働くメリットを解説」をご覧ください。
乳児院で働く保育士の平均的な給料
乳児院で働く保育士の平均的な給料相場は、以下のとおりです。
正社員保育士の基本給 | 16万~27万円 |
日勤のみの平均的な給料 | 20万~30万円 |
夜勤ありの平均的な給料 | 22万~34万円(※) |
パート保育士の時給 | 980~1,700円 |
(※)夜勤1回5,000~10,000円、月4回の計算で試算
職場や地域によって、乳児院で働く保育士の給料の幅は広くなっています。乳児院で働く保育士の給料における特徴は、夜勤手当があることです。政府統計の総合窓口(e-Stat)の「令和6年賃金構造統計基本調査 一般労働者 職種(表番号1)」によると、保育士全体の平均給与は手当込みで27万7,200円。乳児院の保育士は保育園の保育士と同等か、夜勤手当があるぶん、やや高い傾向があるといえるでしょう。
出典
政府統計の総合窓口(e-Stat)「令和6年賃金構造基本統計調査」(2025年7月8日
乳児院で働く保育士の平均賞与
乳児院で働く保育士の賞与は、年間で基本給の2〜4ヶ月分程度支給されるのが相場のようです。賞与は、夏(6〜7月)と冬(12月)の年2回支給されるのが一般的といわれています。年3回ボーナスを支給する施設もありますが、年間の支給総額に大きな違いはありません。賞与の額は基本給に連動するため、経験年数が長くなったり、役職に就いたりするほど、増加する傾向にあります。
乳児院によっては、人事評価制度を導入し、業績や貢献度に応じて賞与額に差をつけている場合もあるようです。パートやアルバイトなど非正規雇用の場合、一般的に賞与は支給されないでしょう。
乳児院で働く保育士ならではの手当
ここでは、乳児院で働く保育士ならではの手当として、「夜勤手当」と「宿直手当」の解説をします。手当の有無や支給条件は職場によって異なりますが、どのような業務に対して支給されるのか、支給額の相場はいくらかなどを把握しておきましょう。
夜勤手当
乳児院は24時間体制で子どもたちをケアする施設のため、担当する時間帯によっては夜勤手当が支給される可能性があります。夜勤手当は、夜間に働く職員に対して企業や施設が任意で支給するものです。夜勤手当の有無や対象となる時間帯、実際の支給額などは、職場によって異なります。
乳児院で働く保育士の夜勤手当は、1回あたり5,000円〜1万円程度支給されるようです。夜勤1回あたりの支給額が設定されている場合もあれば、一定の時間以降の勤務を夜勤と定め、1時間あたりの支給額を設定している場合もあるでしょう。なお、夜勤手当の有無に関わらず、午後22時〜午前5時の時間帯に勤務すると、労働基準法に基づいて給料の25%以上の割増賃金が支払われます。
宿直手当
乳児院の保育士には、業務時間外に施設内に宿泊し緊急時の対応に備えるための待機業務に対して、宿直手当が支給されることがあります。宿直を担当する場合、子どもの体調不良や緊急事態があればすぐに対応しなければなりません。一方、何事もなければ、休憩や睡眠をとって待機した業務に対しても、宿直手当は支払われます。
宿直手当は施設によって異なりますが、1回あたり4,000円〜6,000円程度支給されるようです。夜勤よりも負担が少ない分、手当の金額も若干低めに設定されています。乳児院によっては、夜勤と宿直を組み合わせた勤務体制をとっている場合もあるようです。
乳児院で働く保育士が給料を上げる方法
ここでは、乳児院で働く保育士が給料アップを目指す方法について解説します。乳児院では、夜勤メインで働いたり看護師資格を取得したりすると、給料が上がる可能性があるでしょう。
同じ職場で長く働く
勤続年数に応じて基本給が上がる年功序列型の給与体系を採用している乳児院では、長く働くことで給料アップを図れます。たとえば、勤続1年ごとに数千円の昇給があり、10年以上働き続けると初任給と比べて5万円程度基本給が上がることもあるようです。乳児院では専門性の高い人材が求められているため、長く働き経験を積むことは給料面だけでなく、キャリア形成でのメリットにもなります。
夜勤メインで勤務する
乳児院によっては、夜勤専従の働き方を選択できる場合もあるようです。夜勤手当が1回5,000円の場合、夜勤専従で月10回働くと基本給に5万円の手当がプラスされます。さらに深夜割増賃金も加わるため、日勤のみの場合と比べて大幅に収入がアップするでしょう。ただし、すべての乳児院が夜勤専従の働き方を認めているわけではないため、求人情報や面接時にシフトの組み方を確認することが大切です。
役職に就く
乳児院では、主任保育士や副施設長、施設長などの役職に就くと、役職手当が加算され給料アップに期待できます。役職に就くためには、乳児院において実務経験を積み、専門知識や技術を習得することが必要です。リーダーシップやマネジメント能力なども求められるでしょう。
役職に就くと給料面でのメリットがある一方、業務の責任も大きくなります。子どもたちのケアだけでなく、保護者対応や関係機関との連携など、より幅広い業務を任されるようになるでしょう。
看護師資格を取得する
乳児院で看護師として働くと、保育士に比べ給料が高くなる可能性があります。政府統計の総合窓口(e-Stat)の「令和6年賃金構造統計基本調査 一般労働者 職種(表番号1)」によると、看護師全体の平均給与は手当込みで36万3,500円、保育士は27万7,200円です。全体のデータのため一概にはいえませんが、乳児院においても看護師のほうが高い収入を得られると考えられるでしょう。また、保育士資格に加えて看護師の資格もあると、両方の知識を有していることから、転職市場での需要が高くなります。その結果、より高い給料の求人を選べるかもしれません。
保育士として働いている方が看護師資格を取得するには、看護学校や看護専門学校に通う必要があります。働きながら資格取得を目指す場合は、通信制や夜間課程を活用するのも一つの方法です。資格取得には時間と費用がかかりますが、将来的に得られる収入面から検討してみるのも手といえます。
出典
政府統計の総合窓口(e-Stat)「令和6年賃金構造基本統計調査」(2025年7月8日
給料が高い乳児院へ転職する
乳児院は運営主体や地域によって給料が異なるため、より条件の良い乳児院へ転職するのも1つの方法です。乳児院の求人によっては、夜勤専従や役職のポジションを募集していることもあり、手当による給料アップが期待できる場合もあります。
ただし、給料が高くても、いまの職場より手当が充実していなかったり、賞与が少なかったりすることもあるため、総合的な待遇で判断することが大切です。また、都市部の乳児院は地方と比べて給料アップできる傾向がありますが、そのぶん生活費も高くなる点には注意しましょう。
給料や待遇が良い乳児院の求人を探すコツ
ここでは、保育士が乳児院へ転職する際、給料や待遇が良い求人を探すコツを紹介します。求人情報の詳細を確認したり転職エージェントを利用したりして、希望条件に合った乳児院の求人探しを目指しましょう。
求人情報で手当の支給条件と金額を確認する
夜勤手当・宿直手当・住宅手当などの各種手当が支給されるかどうかは、求人情報や乳児院のWebサイト、面接などで確認しましょう。夜勤手当や宿直手当がある場合は、1回あたりの金額と月の平均回数を把握できると、基本給と合わせておおよその月給が計算できます。住宅手当には、「独身者のみ」や「職場から3駅以内」などの細かい条件が設けられているため注意が必要です。
役割や仕事内容も含めて総合的に判断する
乳児院の求人を選ぶ際は、実際の仕事内容や与えられる役割、職場環境などを含めて総合的に判断することが重要です。給料や賞与が高い乳児院であっても、人手不足で業務負担が大きかったり責任の重い仕事を任されたりして、待遇に見合っていないと感じる可能性もあります。気になる職場の口コミを参考にしてみたり、職場見学で雰囲気や業務の流れを確認したりと、多角的に情報収集するのがおすすめです。
保育士向けの転職エージェントを利用する
給料や待遇の良い乳児院の求人を効率よく探すには、保育士向けの転職エージェントを利用するのがおすすめです。乳児院の求人は一般的な保育園の保育士求人より少ないため、求人サイトだけでは希望に合う職場を見つけるのが難しい場合があります。転職エージェントを利用すれば、専任のアドバイザーが希望条件をヒアリングし、それに合った求人をピックアップしてくれるため探す手間が省けるでしょう。
「乳児院の給料が気になる」「給料アップできる求人を探したい」といった保育士の方は、保育業界専門の転職支援サービス「レバウェル保育士」へご相談ください。レバウェル保育士では、保育士の転職事情に詳しいプロのアドバイザーが、希望条件に合った求人をご紹介します。選考対策や給与交渉、応募先とのやり取りなど、手厚いサポートが受けられるため、安心して転職活動を進めることが可能です。
乳児院の給料に関するよくある質問
ここでは、乳児院に関するよくある質問にQ&A形式で答えます。乳児院への転職を検討している方は、参考にしてみてください。
乳児院で働くにはどんな資格が必要ですか?
乳児院で働くポジションによって、医師や看護師、保育士、栄養士などの資格が必要になります。保育補助や事務員などの場合は、資格が問われないこともあるでしょう。乳児院へ転職する際は、どのような職種やポジションで働きたいか考えたうえで、必要な資格取得を目指すのがおすすめです。
乳児院で働くとき資格なしだと給料はいくら?
乳児院にて無資格で働く場合は、正社員保育士の基本給である16〜27万円よりも低くなるでしょう。資格がない方は、調理や配膳、掃除などの補助的な役割を任されるため、保育士より給料が低く設定されている傾向があります。無資格の場合は、パートやアルバイトといった非正規雇用になることもあるため、賞与がなかったり手当の支給対象外になったりすることもあるでしょう。
まとめ
乳児院で働く保育士の給料は、一般的な保育園と同等かやや高めで、基本給が16万〜27万円程度となっています。24時間体制の施設のため、夜勤手当(1回5,000〜1万円)や宿直手当(1回4,000〜6,000円)といった手当が付く場合もあるようです。賞与が支給される場合は、年間で基本給の2~4ヶ月分を受け取れるのが一般的とされています。
乳児院で給料アップを目指すなら、同じ職場で経験を積んで昇給を重ねたり、夜勤専従の勤務を選んだりする方法があります。看護師資格の取得や条件の良い乳児院への転職も給料アップにつながる可能性があるでしょう。なお、保育士が乳児院へ転職する際は、給料の高さだけでなく、仕事内容や職場の雰囲気なども含めて自分に合った職場を探すことが大切です。
執筆者

「レバウェル保育士」編集部
保育士・幼稚園教諭専門の転職エージェント「レバウェル保育士」が運営するメディア。現役の保育士とこれから保育士を目指す方に向けて、仕事や転職に役立つ情報をお届けします。記事を通して不安や悩みが少しでも解消する状態を目指し、皆さんのキャリア選択を支援します。