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助産施設で働く保育士とは?仕事内容や必要なスキル、やりがいを解説

  • #保育士
指をしゃぶる赤ちゃんの画像

「助産施設で働く保育士について気になる」という方もいるのではないでしょうか。助産施設とは児童福祉法に基づいて運営される施設で、経済的な事情などにより出産や育児の支援が必要な母親とその赤ちゃんをサポートする場所です。 この記事では、保育士として助産施設で働く際の条件や仕事内容、必要なスキルについて解説します。また、メリット・デメリットについても紹介するので、助産施設で働くことを検討している方は、ぜひ参考にしてください。

この記事を書いた人

A

「レバウェル保育士」編集部

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保育士は助産施設で勤務できる

助産施設では、保育士資格を活かして助産施設で働けます。主に出産や妊婦のケアやサポートは助産師が行うため、医療関係の資格を再度取得する必要はなく、保育士資格があればそのまま勤務できます。保育士は、子どもの保育や育児支援を担当します。医療行為に関連する資格や追加の専門知識は求められないため、保育士の資格さえあればスムーズに勤務を開始できるでしょう。

助産施設とは

独立行政法人 福祉医療機構のWAM NET「助産施設新規タブリンク」によると、助産施設とは経済的な理由により入院助産を受けることが難しい妊産婦が入院し、助産を受けられる施設を指します。助産施設として産科病院と助産所が指定されています。
住んでいる地域の福祉事務所(都道府県、市区町村)に申請し、必要な条件を満たすと、助産所に入所できます。

出典

独立行政法人 福祉医療機構 WAM NET「助産施設新規タブリンク」(2025年7月11日)

助産施設で働く保育士の主な仕事内容

助産施設で働く保育士は、出産を控えた母親やその家庭をサポートする役割を担います。ここでは、保育士が行う仕事内容について紹介します。

乳児のケア

助産施設で働く保育士は、生まれたばかりの赤ちゃんの基本的なケアを担当する場合もあります。おむつ替えやミルクの授乳など、日常的な世話を行います。また、赤ちゃんが病気の場合、医師や看護師と連携し、ケアする場合も。保護者に代わり、赤ちゃんの健康と安全を守る大切な役割です。

保護者に対する育児のアドバイスやサポート

育児や保育に関するアドバイスを行い、保護者が安心して子育てをできるようにサポートするのも、助産施設で働く保育士の業務です。第二子や第三子の出産を迎える保護者がいる場合、複数の子どもを一緒に世話するケースも。保育士は保護者の気持ちに寄り添いながら、育児に関する不安を軽減する大切な存在です。

助産師と連携した業務支援

助産施設で働く保育士は、助産師や看護師と連携して、医療行為にあたらない範囲で支援します。助産師の指示を受けながら、赤ちゃんや保護者のケア、サポートをすることで、医療現場の一員として重要な役割を果たせるでしょう。

1日のスケジュール例

下記は、助産施設で働く保育士のスケジュール例です。母親と赤ちゃんのケアを中心に、さまざまな状況において柔軟に対応します

時間帯 業務内容
午前8時 朝礼・夜勤保育士から申し送り、赤ちゃんの体重測定
午前9時 授乳サポート・おむつ交換
午前9時30分 出産した母親や家族の対応・サポート
午前10時 沐浴の練習(母親が希望する場合)
午前10時30分 抱っこやおむつ交換の練習、スキンシップ
正午 休憩・昼食
午後1時 授乳サポート・おむつ交換
午後2時 地域の子育て支援センター訪問・家庭訪問、個別に育児アドバイスを提供
午後4時 授乳サポート・おむつ交換
午後4時30分 授乳室の清掃・片付け、哺乳瓶を洗浄・消毒する
午後5時 退勤

助産施設の保育士は、主に母親のケア、授乳サポートや赤ちゃんのおむつ交換を行います。ほかに、母親に対して抱っこやおむつ交換の練習・指導などをする場合も。
また、午後には地域の子育て支援センターを訪問したり、家庭訪問で個別に育児へのアドバイスを行います。その後、助産施設に戻り、授乳室の清掃・片付け、哺乳瓶を洗浄・消毒し、退勤します。

助産施設の保育士に必要なスキル

助産施設で保育士として働くには、一般的な保育士としての基本的なスキルに加え、特有の環境に対応する柔軟な対応力が求められます。ここでは、助産施設で働く保育士に必要なスキルについて詳しく紹介します。

コミュニケーション能力

助産施設で働く保育士にとって、出産した母親や赤ちゃんを支えるコミュニケーション能力は大切なスキルです。母親が抱える不安や悩みを受け止めてアドバイスを行ったり、赤ちゃんのケアに関してわかりやすく伝えたり、指導したりするスキルが求められます。また、助産師や看護師、医師ともコミュニケーションをとる機会があるため、重要なスキルの1つといえるでしょう。

周囲の職員と連携できる協調性

助産施設で働く保育士には、周囲の職員と円滑に連携できる協調性も欠かせません。助産院は医師や助産師、看護師などの専門職とともに業務を行うため、チームワークが非常に重要です。スタッフ同士がしっかりと情報を共有すると、質の高いサポートを提供できるでしょう。

物事を冷静に対処する問題解決能力

助産施設で働く保育士には、物事を冷静に対処する能力も求められます。助産院では赤ちゃんの健康状態や母親の心理的な悩みなど日々状況が変化し、予測できないことが発生する可能性も。そのようなときに、冷静に状況を判断し、迅速かつ適切に対処する力が重要です。

助産施設で働く保育士の魅力・やりがい

助産施設で保育士として勤務する場合、日々のケアを通じて母親と赤ちゃんの生活をサポートするため、ほかの保育施設では味わえない充実感を得られる可能性があります。ここでは、助産施設で働く保育士の魅力とやりがいについて解説します。

新生児のサポートや見守りができる

保育士として助産施設で働く魅力の1つは、新生児のサポートや見守りができる点です。助産施設の保育士は赤ちゃんのおむつ替えや授乳のサポートなど、母子が安心して過ごせる環境を整える必要があります。新生児の小さな変化に気づき、必要なサポートを提供するのは、保育士として大きなやりがいとなり、赤ちゃんの成長を母親と見守る喜びを感じられるでしょう。

残業が発生しにくい

助産施設で保育士として勤務する場合、残業が発生しにくい点も魅力です。助産施設での業務は比較的シンプルで、時間内に終わりやすい傾向にあります。また、助産施設ではイベントや行事が少なく、制作や準備がほとんど必要ない場合も。そのため、勤務後にプライベートな時間をしっかりと確保でき、ワークライフバランスを保ちやすい環境だといえるかもしれません。保育士としてリフレッシュしながら働ける点は、大きな魅力の1つでしょう。

助産施設で働く保育士の大変さ・デメリット

助産施設で働く保育士には多くの魅力がある一方、大変な点やデメリットも存在します。ここでは、助産施設で働く保育士が直面する可能性のあるデメリットについて紹介します。

基本的に夜勤を含むシフト制

助産施設では24時間体制で赤ちゃんのケアを行うため、基本的には夜勤を含むシフト制で勤務します。そのため、夜勤を希望しない保育士にとっては、デメリットとなる場合もあるでしょう。夜勤を避けたい場合は、面接時にその旨を伝えて相談するか、日勤のみの助産施設を選ぶなどの工夫が必要です。

ある程度のストレス耐性が求められる

助産施設で働く保育士には、ある程度のストレス耐性が求められる場合も。生まれたばかりの赤ちゃんや出産した母親の健康や安全を守るため、迅速で適切な対応が必要な場面が多いといえます。ときには、業務中に予期しないトラブルや緊急事態が発生するケースもあります。そのため、冷静に対処できる精神的な強さやプレッシャーの中でも落ち着いて行動する能力が重要でしょう。

助産施設は求人が少なく就職や転職のハードルが高いので注意

助産施設における保育士の求人は、一般的な保育園に比べて少ないため、就職や転職が難しい場合もあります。厚生労働省の「令和4年 社会福祉施設等調査の概況施設 (p.9)新規タブリンク」によると、施設数は382となっています。施設数自体が少ないために、求人数が限られる傾向にあります。そのため、求人が出た際にはすぐに応募する必要があるでしょう。

出典

厚生労働省「令和4年 社会福祉施設等調査の概況施設新規タブリンク」(2025年7月11日)

助産施設保育士に関するよくある質問

ここでは、助産施設で働く保育士に関するよくある質問について紹介します。ぜひ参考にしてください。

助産施設保育士の求人は多い?少ない?

助産施設における保育士の求人は、一般の保育園に比べると少ない傾向にあります。しかしまったく見つからないわけではなく、一定の数は存在します。採用の競争が激しくなる可能性はありますが、時間をかけて求人を探すと、見つかる可能性が高まるでしょう。

助産施設で働く保育士に向いている人とは?

助産施設の保育士に向いているのは子どもが好きな人、愛情深く、思いやりがある人といえます。助産施設で働く保育士は、出産した母親に抱っこやおむつ替えの方法を指導する機会があります。また、助産師や看護師、医師と連携する場面があるため、コミュニケーション能力がある人も向いている可能性が高いといえます。詳しくは「助産施設の保育士に必要なスキル」をご覧ください。

助産施設は新卒の保育士も勤務できますか?

助産施設で新卒の保育士が勤務できるかどうかは、施設によって異なります。研修やサポートが充実し、新卒で未経験でも働きやすい環境が整備されている場合もあります。ただし、採用条件は施設によるため、求人内容を確認してスキルや条件をよく理解したうえで応募するのがおすすめです。

まとめ

助産施設で働く保育士は、母親と赤ちゃんのケアを中心に専門的なスキルを高められます。助産施設で保育士として勤務する場合、責任は大きいものの、やりがいや成長を実感できる可能性があります。

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執筆者

A

「レバウェル保育士」編集部

保育士・幼稚園教諭専門の転職エージェント「レバウェル保育士」が運営するメディア。現役の保育士とこれから保育士を目指す方に向けて、仕事や転職に役立つ情報をお届けします。記事を通して不安や悩みが少しでも解消する状態を目指し、皆さんのキャリア選択を支援します。

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