保育の仕事

最終更新日:

保育園の公立と私立の違いとは?保育内容や保育士の給料の違いを解説

  • #働く場所
幼稚園バスを待つ園児の画像

保育園の公立と私立の違いを知ると、保育士はより自分に合った園で働ける可能性が高まるでしょう。公立保育園は地方公務員に準ずる安定した待遇が特徴で、私立保育園は独自の保育方針が魅力の1つです。 この記事では、公立保育園と私立保育園の保育内容や給料の違い、保育士が働くメリット・デメリットを解説します。「自分に合った保育園を探したい」という方は、ぜひ参考にしてください。

保育園の公立と私立の違いとは

公立保育園と私立保育園の主な違いは、運営元です。公立保育園は地方自治体、私立保育園は企業や法人などの民間が運営しています。
また、公立保育園はすべて認可保育園であり、認可外保育園はありません。私立保育園には認可保育園と認可外保育園どちらも存在します。

保育士の採用方法も公立保育園と私立保育園で異なる点の1つです。公立保育園に保育士として勤務するには、地方自治体が実施する公務員試験に合格する必要があります。
一方、私立保育園に就職する場合は、各園が実施する採用試験や面接に合格しなくてはいけません。採用条件や選考基準は私立保育園によって異なります。

公立保育園と私立保育園の保育内容の違い

公立保育園は自治体基準の標準的な保育を提供します。一方、私立保育園は各園によって保育方針は異なります。ここでは、公立保育園と私立保育園の保育内容の違いを解説します。

公立保育園の保育内容

公立保育園は自治体の基準によって保育内容が決められ、標準的なカリキュラムに沿って保育を行います。そのため、公立保育園の中で、園ごとに保育内容の違いがあることは少ないでしょう。
公立保育園の保育士には、基本的な生活習慣の指導や社会性の育成など、子どもの年齢や発達段階に応じた対応力が求められます。

私立保育園の保育内容

私立保育園は、各園が独自の方針で保育を行っているため、園によって保育方針や特色はさまざまです。私立保育園によっては、英語や体育、芸術など特定の分野に力を入れ、子どもたちの個性を引き出す対応力や専門的な知識が保育士に求められる場合もあります。子どもの個性を伸ばす保育に興味がある方や自分の知識を活かした保育がしたい方は、私立保育園で保育士として働くのも1つの手です。

公立保育士と私立保育士の給料の違い

こども家庭庁の「令和6年度 幼稚園・保育所・認定こども園等の経営実態調査集計結果<速報>(p11)新規タブリンク」によると、公立保育園と私立保育園に常勤する保育士の給与月額(給与込み)は、以下のとおりです。

保育士の給与月額(給与込み) 主任保育士の給与月額(給与込み)
公立保育園 36万5,542円 56万4,357円
私立保育園 34万8,119円 47万3,532円

「保育士の給与月額(給与込み)」を比較すると、公立保育園の方が1万7,423円高いことがわかります。「主任保育士の給与月額(給与込み)」を比較すると、公立保育園の方が9万825円高くなり、キャリアが進むと差が広がるといえます。
公立保育園の給与の方が高いのは、公務員のため福利厚生が充実している点が挙げられるでしょう。

公立保育園と私立保育園で働くメリットの違い

公立保育園と私立保育園は、保育士が働くメリットにどのような違いがあるのでしょうか。ここでは、公立保育園と私立保育園で保育士が働くメリットの違いを解説します。

保育士が公立保育園で働くメリット

公立保育園は自治体が運営しているため、私立保育園と比べて、保育士の雇用が安定しているといえます。また、公立保育園で働く保育士は、地方公務員に準じて特別休暇を取得できたり、憲法で退職金が保障されていたりと、長く働き続けやすい環境であるのも魅力の1つです。

保育士が私立保育園で働くメリット

私立保育園は、独自の保育方針やカリキュラムを持っている園もあり、保育士は自分の保育方針や価値観に合う園を選んで働けます。私立保育園は、柔軟な保育ができる場合もあり、保育士のアイディアや創造性を保育に活かせる可能性があるのもメリットの1つといえるでしょう。私立保育園の場合、保育士の給与や福利厚生は園によって異なります。

公立保育園と私立保育園で働く注意点

公立保育園は保育士として就職するまでの道のりが厳しいこと、私立保育園は人手不足の職場では保育士の残業が増えるなど、それぞれにデメリットもあります。ここでは、公立保育園と私立保育園で保育士が働く際の注意点を解説します。

保育士が公立保育園で働く注意点

公立保育園で保育士として働くためには、地方自治体が実施する公務員試験に合格する必要があります。公務員試験を受験するには、年齢制限が設けられています。年制制限は自治体によって異なりますが、20代〜30代が多い傾向にあります。また、採用試験に合格しても公立保育園の配置に空きが出るまで勤務先は決定せず、すぐに勤務できるとは限りません。

通常、公立保育園の保育士は2〜4年ほど勤務すると、同じ自治体内で別の施設に異動するのが一般的です。異動する場合、自分が担当していた子どもたちの成長を見届けられない可能性もあります。また、保育園の運営に関する事務や他の児童福祉関連の施設に配置される場合も。異動した後は新しい環境に適応したり、人間関係を築いたりする必要があるでしょう。ずっと同じ保育園で勤務したい方にとっては、異動がストレスと感じるケースもあるといえます。

保育士が私立保育園で働く注意点

私立保育園の中には、保育士の人手が不足している園もあり、そのような場合は保育士1人あたりの業務量が増える傾向にあります。保育園の繁忙期には、残業が増えて保育士の勤務時間が長くなる可能性も。私立保育園を選ぶ際は、保育士の人手が足りているかどうか、実際の残業時間をチェックしましょう。

私立保育園の保育士の福利厚生は、各園の方針によって大きく異なります。保育園によっては充実した福利厚生を保育士に提供しているところもありますが、最低限の制度しか整っていない園もあるようです。福利厚生が整っていない私立保育園で働いている場合、結婚や出産などライフイベントが発生した際に働き続けることが難しくなるケースもあるでしょう。

保育園の公立と私立の違いに関してよくある質問

ここでは、保育園の公立と私立の違いに関して、よくある質問をQ&A形式で回答します。

就職するのが難しいのは公立保育園と私立保育園どちらですか?

一般的に私立保育園よりも、公立保育園の方が難しい傾向にあります。公立保育園に保育士として勤務する場合、保育士資格以外にも、地方自治体が実施する公務員試験に合格する必要があります。また、自治体によって異なりますが、公務員試験を受験するには年齢制限が設けられています。一概には言えませんが、公立保育園の方が倍率も高い傾向にあるといえるでしょう。

保育士として働くなら、公立保育園と私立保育園のどっちがいい?

保育士が公立保育園か私立保育園のどちらで働く方が良いかは、何を重視するものによって異なります。雇用の安定性や福利厚生などの待遇面を重視する保育士は、公立保育園で働くのがおすすめです。保育方針の多様性を求めている方、異動せずに同じ園で長く勤務したい方は、私立保育園の方が合う可能性が高いといえます。

まとめ

保育園の公立と私立の違いは、運営主体や保育内容、保育士の給料などが挙げられます。安定した待遇を希望する方、公務員として働きたいという方は、公立保育園が合っているかもしれません。独自の保育方針や同じ園で長く働きたいと考える保育士には、私立保育園がマッチする可能性があります。公立保育園と私立保育園のメリットとデメリットを比較して、よりメリットの大きい保育園に転職するのも1つの手です。保育士が転職を検討する際は、自分が重視するポイントを明確にして、保育園の雰囲気や条件をリサーチするのが大切だといえます。

「公立保育園と私立保育園の違いはわかったけど、自分の希望に合う求人が見つからない」という方は、レバウェル保育士をご利用ください。レバウェル保育士は、条件のヒアリングから模擬面接まで、専任のアドバイザーがあなたの転職をトータルでサポートするため、安心です。取材訪問を通じて運営方針や現場の声を収集し、リアルな声をお届けします。「すぐに転職するかわからないけど、求人を見たい」という方も、お気軽にご登録ください。

執筆者

A

「レバウェル保育士」編集部

保育士・幼稚園教諭専門の転職エージェント「レバウェル保育士」が運営するメディア。現役の保育士とこれから保育士を目指す方に向けて、仕事や転職に役立つ情報をお届けします。記事を通して不安や悩みが少しでも解消する状態を目指し、皆さんのキャリア選択を支援します。

この記事をシェアする

  • Facebookでシェアする
  • Xでポストする
  • LINEで送る
  • はてなブックマークでブックマークする

保育士・幼稚園教諭の転職なら

レバウェル保育士
  • 非公開
    求人あり

  • LINEで
    気軽に相談

  • 面接対策
    ・条件交渉

転職サポートを受けてみる