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保育士の持ち帰り仕事が多すぎて辞めたい…対策と働きやすい園選びのコツ

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自宅で足を抱えて落ち込む保育士のイメージ

持ち帰り仕事が多く、「毎日残業で家でも仕事が終わらない」「休日も仕事のことが頭から離れない」と感じている保育士は少なくありません。サービス残業や心身の疲労で限界を感じると、辞めたいと思うこともあるでしょう。この記事では、持ち帰り仕事が負担になる具体的な理由やその解決策を紹介します。持ち帰り仕事を辞めたい保育士におすすめの転職先もまとめているので、ぜひ参考にしてください。

この記事を書いた人

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「レバウェル保育士」編集部

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保育士が「持ち帰り仕事が多いから辞めたい」思う理由

保育士の持ち帰り仕事が生じると、私生活とのメリハリがつけられず、疲労やストレスを引き起こす場合があります。ここでは、保育士が「持ち帰り仕事が多いから辞めたい」と感じる主な理由をまとめました。

理由1:サービス残業とカウントされる

保育士が家で持ち帰り仕事をする時間は、「サービス残業」となります。日中に終わらなかった書類作成や製作物の準備を自宅でこなしても、その時間分の給料は発生しません。

また、行事前は準備に追われ、家での作業が長引いてしまうこともあるようです。こうしたサービス残業の積み重ねが、保育士が「もう無理」と感じる一因となっています。

理由2:自分の時間が持てない

保育士が持ち帰り仕事によってリラックスできない日々が続くと、仕事とプライベートの境界が曖昧になり、生活の質が低下するリスクがあります。。職場での業務が終わっても、自宅で「明日の活動に必要な準備」「製作物の用意」をしていると、仕事以外のことを考える余裕がなくなってしまうでしょう。

友人と会う時間や自分の趣味にあてる余裕がなくなると、徐々にストレスが蓄積してしまいます。

理由3:心身ともに休まる暇がない

保育士の持ち帰り仕事が多いと、心身ともにリフレッシュする時間が取れません。子どもたちと過ごす時間で体力を使い、帰宅後に事務作業や翌日の準備をしていると、頭を使い続けることになります。

人手不足の園に勤めている場合は一人ひとりの負担が大きくなり、持ち帰り仕事が発生しがちです。業務過多と慢性的な疲労がのしかかり、限界まで我慢した末に、体調を崩して休職・退職に至るケースも少なくありません。

理由4:十分に眠れず常に眠い

「子どもたちのために」と思って夜遅くまで教材作りや書類作成をしていると、十分な睡眠時間を確保できなくなります。翌朝も早く起きて保育園へ向かわなければならないため、常に睡眠不足な保育士も少なくありません。

判断力や集中力が低下したまま保育に当たるのは、子どもの安全管理の面でのリスクがあります。「いつも眠い」「休んでも疲れが取れない」という状態が保育の質に影響すると、「持ち帰り仕事が原因で辞めたい」と考えてしまうでしょう。

理由5:どれだけ頑張っても報われないと感じる

「保育士は献身的であるべき」という風潮が根強く、持ち帰り仕事をしても評価や感謝の言葉がない職場もゼロではありません。いくら頑張っても給料に反映されなかったり、周囲からの理解を得られなかったりすると、次第に「何のために頑張っているのだろう」という虚しさが募ります。努力が報われないまま仕事を続けていると、次第に保育への情熱が失われていき、「辞めたい」という結論に至ってしまうかもしれません。

保育士の持ち帰り仕事が発生する原因

保育士が日々抱える持ち帰り仕事には、時間管理の問題だけでなく、現場特有の構造的な事情もあります。ここでは、なぜ保育士の仕事が「園内で完結しない」のか、その原因を見ていきましょう。

子ども優先で事務作業が後回しになる

保育の現場は常に子どもたちと過ごす時間を大切にし、書類作成などの事務作業を後回しにするのが一般的です。日中は子どもの安全確保・生活援助・教育活動などに専念するため、連絡帳の記入や指導計画の作成といった事務作業をする時間を確保するのが難しい傾向にあります。

本来であれば勤務時間内に終えたい業務ですが、子どもたちが帰ったあとは掃除や翌日の準備、会議などが立て込む場合もあるでしょう。「子どもを大切にしたい」という保育士の思いが、結果的に自分自身の負担を増やしてしまい、持ち帰り仕事を生み出す要因となっています。

「みんな当たり前にやってるから…」で流される

保育業界では、「先輩もやっているから」「昔からこうだから」という同調圧力で、持ち帰り仕事が習慣化している職場も珍しくありません。新人や若手の保育士からすれば、「自分だけ避けるわけにはいかない」というプレッシャーを感じやすいでしょう。

また、持ち帰り仕事について声を上げにくい雰囲気があると、「この園ではこれが普通」と諦めてしまう人もいるでしょう。残業や持ち帰り仕事を断ると「子どもへの愛情が足りない」と見なされるのではないかという恐れから、無理をしてしまう保育士も少なくないでしょう。

人手不足と慢性的な業務過多が常態化している

保育業界全体の課題として、人手不足と業務過多の問題があります。十分な人材を確保できていない保育園では、書類作成・行事準備・保護者対応・清掃など、多岐にわたる仕事を限られた時間でこなさなければなりません。

改善策としてICT化が進んでいる園もありますが、導入コストや教育の問題から十分に普及していません。結果として、業務時間内では対応しきれず、保育士の持ち帰り仕事が発生する構造的な問題となっています。

保育士は持ち帰り仕事を理由に転職してもいいの?

「毎日帰ってからも仕事に追われて、もう限界……」と感じている方もいるでしょう。持ち帰り仕事が常態化し、心身ともに疲弊してしまうような職場であれば、転職を選ぶことは決して間違いではありません。ここでは、転職を前向きに考えても良いケースと相談先について解説します。

今の職場で改善の見込みがなければ転職しても良い

「持ち帰り仕事がつらくて辞めたい」と感じたときは、退職する前に現在の職場で改善を試みることが大切です。園長や主任に相談したり、業務効率化の提案をしたりして、環境改善の可能性を探りましょう。相談しても「みんなやっているから」と取り合ってもらえないときや、改善の兆しが見えない場合は、転職を視野に入れるのがおすすめです。

保育業界には、「持ち帰り仕事なし」「残業代はきちんと支給」といった条件を掲げている保育園もあります。「このまま続けるのは難しいかも…」と感じたら、健康と働きやすさを守るためにも、自分に合った環境を探してみましょう。

持ち帰り仕事の悩みは転職エージェントに相談できる

「持ち帰り仕事がつらいけど、転職するべきか悩んでいる…」という方は、保育士専門の転職エージェントに相談してみるのも1つの方法です。エージェントは保育業界の事情に詳しく、あなたの状況を理解した上で適切なアドバイスを提供してくれます。現在の職場より好条件の求人紹介を受けられたり、面接対策や条件交渉といったサポートを行ってもらえたりします。園ごとの実際の働き方や雰囲気、表には出にくい内部情報(持ち帰り仕事の実態や人間関係など)を教えてくれるのは、専門エージェントならではの強みといえるでしょう。

レバウェル保育士」は保育業界に特化した転職支援サービスです。保育士の悩みに特化したキャリアアドバイザーが、あなたの働き方に合った職場探しを親身にサポートします。すべて無料で利用できるので、転職を迷っている段階の方も、気軽にご相談ください。

持ち帰り仕事を辞めたい保育士におすすめの転職先

持ち帰り仕事に疲れた保育士が転職を考える際は、どのような職場を選べば良いのでしょうか。以下では、比較的持ち帰り仕事が少ないとされる転職先をいくつか紹介します。

職場形態 特徴
小規模保育園 ・子どもの人数が少なく、書類や保育計画の負担も比較的軽め

・家庭的な雰囲気で働きやすい

院内保育園 ・医療機関の職員向け保育を行っている

・年間行事が少なく、製作や準備作業の負担がない

企業内保育園 ・大手企業が運営している場合もあり、労務管理が整っている

・残業や持ち帰り仕事が少ない

託児所 ・一時預かりが中心で、記録や行事準備の量が少ない

・柔軟な働き方がしやすい

行事の少ない職場や小規模な保育施設は、業務負担が軽く、持ち帰り仕事が発生しにくい傾向にあります。このような職場なら、「子どもと関わる仕事は続けたいけれど、今の働き方に限界を感じている」という方が無理なく働き続けられるかもしれません。実際に転職するかどうかは別として、こうした選択肢を知っておくことは、今後のキャリアを前向きに考えるきっかけになるでしょう。

保育士が働きやすい保育園を見極めるポイント

ここでは、保育士がストレスなく働ける園を見つけるためのポイントを紹介します。転職や就職を考えている方は、ぜひ参考にしてみてください。

求人票に「残業少なめ」「持ち帰りなし」の記載があるか

求人票に「残業少なめ」「持ち帰り仕事なし」「ワーク・ライフ・バランスを重視」などの記載がある園は、働き方改革に積極的に取り組んでいる可能性があるでしょう。「ICT導入済み」という記載も、書類作業の効率化が進んでいることを表しています。

ただし、求人票の情報だけを信じるのではなく、口コミを見てみたり面接時に直接質問したりすることも大切です。インターネット上の口コミは正しい情報ばかりとは限らないので、参考程度に留めながら比較検討をしましょう。
面接では、「入職後の働き方を具体的にイメージするためにお伺いしたいのですが」といった前置きをした上で、「残業の実態はどうですか?」「持ち帰り仕事はありますか?」質問するのがおすすめです。園側の回答の仕方や態度からも、その園の働き方に対する姿勢がうかがえます。

見学で職場の雰囲気に違和感がないか

自分にとって働きやすい環境かどうかを判断するときは、入職前に園見学をするのも手です。見学時には保育士たちの表情や子どもとの関わり方、職員同士のコミュニケーションなどをよく観察しましょう。保育士が疲れた表情をしていたり、余裕がなさそうに見えたりする場合は注意が必要かもしれません。

また、保育室の整理整頓状況や書類の管理方法なども働きやすさの指標となるでしょう。きちんと整理された環境は業務の効率化に注力しており、持ち帰り仕事の減少にもつながっている可能性があります。

産休・育休の取得実績があるか

産休・育休の取得実績は、労働環境の良さを示す指標の1つです。産休・育休を取得したあとも復帰している保育士が多い園は、長く働き続けられる環境が整っている可能性が高いでしょう。求人票だけで分からない場合は、面接時に「産休・育休の取得実績はありますか?」「復帰率はどのくらいですか?」と質問してみるのもおすすめです。ライフステージの変化も見込んで仕事探しをする場合は、このような情報から自分の生活との両立がしやすい職場環境かどうかを判断しましょう。

幅広い年齢や経験年数の保育士がいるか

保育士の年齢層や経験年数の幅が広い園は、働きやすい環境を整えているかもしれません。若手からベテランまで幅広い保育士が在籍している職場は、お互いの価値観を大切にしながらフォローし合っている傾向があります。また、あらゆる年代の保育士がいることで、世代間の知識や経験の共有が行われ、業務の効率化につながっているところもあるでしょう。

離職率が極端に低くないか

「離職率が低い=良い職場」と思いがちですが、極端に離職率が低い園は、新しい人が入りにくく、内部の価値観が固定化している場合も考えられます。反対に、離職率が高すぎる園は人間関係や待遇に問題があるかもしれません。理想的なのは、職場の変化に柔軟で、一定の入れ替わりがある職場です。新しい保育士が入ることで新しいアイデアが生まれ、業務改善のきっかけになることもあります。

持ち帰り仕事で保育士を辞めたい人によくある質問

ここでは、持ち帰り仕事で保育士を辞めたいと感じる人が抱えるお悩みを、Q&A形式でお答えします。ぜひ参考にしてみてください。

保育士の持ち帰り仕事って違法なんですか?

保育士に持ち帰り仕事を課せること自体は、違法ではありません。ただし、「労働時間に該当するにも関わらず、賃金が支払われていない場合」は違法となる可能性があります。たとえば、自宅で指導案を作成したり制作物を作ったりする時間が、園からの指示や業務命令によって発生しているのであれば、労働時間と見なされ賃金の支払いが必要です。
しかし、現場では「自発的にやっている」とされて、残業扱いされないことも少なくありません。持ち帰り仕事の現状が気になる場合は、まず園に相談し、それでも改善されないようであれば、労働基準監督署といった外部機関に相談することも検討してみましょう。

保育士が持ち帰っている仕事って具体的にどんな内容?

保育士が自宅で行う持ち帰り仕事には、指導案や保育計画の作成、連絡帳の記入、制作物の準備、行事に関する資料作りなどが挙げられます。これらは本来、勤務時間内に行うべき業務ですが、日中は子どもとの時間が優先されるため、どうしても後回しになりがちです。行事の前や年度末など業務が集中する時期には、持ち帰り仕事が集中してしまう職場もあるようです。

保育士が持ち帰り仕事を減らす方法には何がある?

持ち帰り仕事を減らすには、日々の業務を効率化し、園内で仕事を終えられる工夫が必要です。制作物は再利用しやすいデザインにしたり、保育記録や行事のアイデアを日頃から蓄積したりすると、準備が楽になります。また、クラス内で業務を分担し、協力体制を整えることも大切です。こうした取り組みを通じて、勤務時間外の労働が減少すれば、心身負担の軽減につなげられるでしょう。

まとめ

保育士が持ち帰り仕事で書類作成や製作物の準備をすると、プライベートな時間が奪われたり、疲労が積み重なったりしてしまいます。サービス残業として扱われ、努力が評価されない状態が続くと、次第に「辞めたい」という気持ちを抱えてしまうかもしれません。

業務効率化や労働環境の改善を願い出ても変化を見込めないときは、転職するのも選択肢の1つです。「持ち帰り仕事なし」の記載がある求人を探したり、幅広い年代の保育士が活躍している現場を見つけたりすれば、働きやすさを追求している園を絞り込めます。自分の健康とワーク・ライフ・バランスを守るために、働き方の見直しを検討してみましょう。

持ち帰り仕事が多すぎて「このまま続けていけるか不安…」と悩んでいる方は、「レバウェル保育士」にご相談ください。「レバウェル保育士」では、持ち帰り仕事の少ない職場や残業時間に配慮のある保育園を紹介可能です。「今の働き方を変えたいけれど、どんな選択肢があるのか分からない」という方も、保育業界に精通したキャリアアドバイザーが親身になって相談に乗りますので、一人で悩まずにぜひご相談ください。

執筆者

A

「レバウェル保育士」編集部

保育士・幼稚園教諭専門の転職エージェント「レバウェル保育士」が運営するメディア。現役の保育士とこれから保育士を目指す方に向けて、仕事や転職に役立つ情報をお届けします。記事を通して不安や悩みが少しでも解消する状態を目指し、皆さんのキャリア選択を支援します。

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