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保育士が退職を言いづらいときの対処法!いつ・どうやって言う?を解説
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「退職したいのに、なかなか言い出せない…」と悩む保育士の方もいるのではないでしょうか。人手不足の職場では、「迷惑をかけてしまうのでは」「上司に何か言われるのでは」といった不安から、退職を切り出しにくいと感じる傾向があります。角を立てずに円満に辞めるには、前向きな理由に言い換えることが大切です。この記事では、退職を言いづらいと感じるときの対処法や具体的な例文、適切なタイミングについて解説します。
この記事のまとめ
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保育士が退職を言いづらい理由は罪悪感や後ろめたさ、上司への恐れなど
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円満退職のコツは前向きな理由に言い換えて引き止めにくい状況を作ること
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退職時期は年度末に設定し、余裕を持って引き継ぎを行うのがおすすめ
目次
保育士が「退職を言いづらい」と感じる主な理由
保育士として「辞めたい」と感じた際、園長や主任にその思いを伝えるのは簡単ではありませんよね。中には、なかなか言い出せずに悩んでいる方もいるのではないでしょうか。ここでは、保育士が「退職を言いづらい」と感じる主な理由を紹介します。自身の状況と照らし合わせながらご覧ください。
職場に迷惑をかけると感じるため
保育士が「退職を言いづらい」と感じる理由の1つに、職場に迷惑をかけることへの心配があります。慢性的な人手不足の現場では、一人が辞めるだけでほかの職員の業務量が一気に増える恐れも。そのため、「自分が辞めると職場が回らなくなるのではないか」「同僚に負担をかけてしまうのではないか」といった罪悪感や、子どもたちや保護者への申し訳なさから、退職の意思を伝えにくいと感じるようです。「今は忙しそうだから」「もう少し落ち着いてから」と考えているうちに、時間だけが過ぎてしまうことも少なくありません。
園長や上司の反応が怖いため
園長や上司からの否定的な反応を恐れ、退職の意思を伝えられずに悩む保育士も少なくありません。「辞めたい」と切り出すことで、叱られたり、厳しい言葉をかけられたりするのではないかと不安を感じてしまうためです。特に普段から相談しにくい上司に対しては、以下のような言葉を言われることを警戒し、身構えてしまう傾向があります。
辞めたいなんて甘えだ
どの職場でも悩みはある
同じことをまた繰り返すのでは?
ほかの職場では通用しないよ
今辞めるのは無責任過ぎる
周囲に経験者がいればなおのこと、自分も同じ目に遭うかもしれないと感じ、余計に退職を言いづらくなってしまうでしょう。
引き止められるかもしれないと感じるため
「辞めたい」と伝えた際に引き止められるのではないかという不安も、保育士が退職を言いづらい理由の1つです。「あなたがいないと困る」「子どもたちが悲しむよ」といった言葉で引き止められることを想像すると、気が重くなるでしょう。実際に同僚や先輩がなかなか辞められない状況を目の当たりにすると、「どう伝えれば良いのだろう?」「正直に理由を伝えたほうが良いのかな?」と悩み、考えがまとまらなくなってしまいます。
退職することに後ろめたさを感じるため
保育士が退職を言いづらい理由の1つに、後ろめたさを感じてしまうことがあります。特に、年度途中での退職を考えている場合、「無責任だと思われるのではないか」「自己中心的に見られるのでは」といった不安からためらいを感じるケースが少なくありません。
また、転職して間もない時期や経験の浅い新人保育士の場合、「まだちゃんとやりきっていないのに」と責められるのではと感じて、伝えるのを躊躇することも。自分自身でも退職を逃げのように捉えてしまい、決断に自信が持てなくなってしまうのです。
保育士が退職を言いづらいときの対処法
ここでは、退職を言い出せずに悩んでいる保育士が、気持ちを楽にして、次のステップへ進むための対処法を解説します。
退職への罪悪感を持ち過ぎない
保育士が退職に対して罪悪感を抱いてしまうときは、「自分を大切にすることも、ときには必要な選択だ」と考えてみましょう。真面目で責任感の強い人ほど、「辞めるなんて申し訳ない」と自分を責めてしまいがちです。しかし、退職や転職は労働者の正当な権利であり、決して悪いことではありません。
気持ちを押し殺して無理を続けると、心や体に大きな負担がかかってしまいます。限界を迎えれば、子どもたちに向き合う余裕さえ失われてしまうかもしれません。だからこそ自分の気持ちに正直になり、必要であれば退職を選ぶことも、子どもたちのことを考えた前向きな決断といえるのです。
円満退職に向けて伝え方を準備する
言葉がうまくまとまらず「言いづらい…」と感じる場合は、伝えたい内容を紙に書き出し、上司の反応をシミュレーションしてみましょう。事前に練習することで、引き止められても慌てずに落ち着いた態度で対応できます。曖昧な表現で話がうやむやにならないよう、退職の意思ははっきりと示すことが大切です。また、転職経験のある先輩保育士や同僚に相談したり、AIを活用して話す練習をしたりすることも、不安を和らげるのに役立ちます。
保育士の退職理由、どこまで正直に伝えるべき?
保育士が退職理由を伝える際、嘘をつくのは避けるべきですが、本音をすべて伝える必要はありません。感情的な表現や職場への不満をそのまま伝えると、相手に悪い印象を与えるだけでなく、待遇改善や配置転換などを条件に強引に引き止められる可能性もあります。そこで、以下のように前向きな表現に言い換えることが重要です。
| 本音(言いづらい理由) | 建前(ポジティブな理由) |
| 職場の人間関係が悪い | 新たな指導法や保育観を経験したい |
| 給与や待遇に不満がある | より専門性を高める分野に挑戦したい |
| 激務で疲れが取れない | 生活リズムを整えて体調面を考慮したい |
| 保育士に向いていないと感じる | 異業種での仕事に挑戦したい |
| 園のやり方に納得できない | 自身の理想とする保育を追求したい |
このように、言いづらいと感じる内容であっても、「〇〇の働き方をしてみたい」「〇〇のために環境を変えたい」といった形に言い換えるだけで、印象はぐっと良くなります。
なお、退職理由によっては、園側から「給料を上げる」「働き方を調整する」といった提案があるかもしれません。もし、その提案で本当に悩みが解決するようであれば、受け入れるのも選択肢の1つです。ただし、こうした改善策は一時的な対応に留まり、根本的な解決にはつながらないケースもあります。その場の雰囲気に流されず、自分がどうしたいのかを冷静に見極めることが重要です。
【例文あり】保育士の退職理由の伝え方
ここでは、保育士が退職をスムーズに伝えられるよう、言いづらさを和らげるポイントと例文を紹介します。退職理由は「スキルアップ」「体調の都合」「異業種への転職」の3パターンを用意したので、自分の状況に近いものを参考にしてください。
スキルアップを理由にする場合
保育士がスキルアップを理由に退職する際は、お世話になった感謝の気持ちと、今後の目標や学びたい分野を明確に伝えることが大切です。以下に例文を挙げます。
これまで〇年間、多くの学びと貴重な経験を積ませていただき、心より感謝しています。今後はこれまでの経験を活かして、〇〇の分野についてさらに学びを深めたいと考え、退職を決意いたしました。子どもたちと過ごした時間は、私にとってかけがえのないものです。最後まで責任を持って引き継ぎを行いますので、どうぞよろしくお願いいたします。
スキルアップを理由にする場合、「今の職場でも学べるのでは?」と受け取られる可能性があります。そのため、現在の環境では実現が難しい理由をあらかじめ整理しておくとスムーズです。「〇〇ができないから」といった否定的な言い方は避け、「〇〇に挑戦したい」といった主体的な表現を意識しましょう。
体調不良を理由にする場合
保育士が体調不良を理由に退職を申し出る際は、業務の継続が難しいことを具体的に伝えることが大切です。病状の詳細を説明する必要はありませんが、自己申告だけでは理解を得にくい場合もあるため、必要に応じて診断書を準備しておくと交渉しやすいでしょう。たとえば、以下のような伝え方があります。
この度、健康上の理由により、保育業務を継続することが難しい状況となりました。つきましては、〇月末をもって退職させていただきたく存じます。ご迷惑をおかけして申し訳ありませんが、医師からも休養が必要との診断を受けており、現時点では十分な保育を提供できないと判断いたしました。これまで温かくご指導いただいたことに、心より感謝申し上げます。
状況によっては、「少し休めば回復するのでは?」「休職して様子を見ては?」と提案されるかもしれません。その際は、無理に説得しようとせず、治療と体調回復に専念したいという意思を落ち着いて伝えましょう。
異業種への転職を理由にする場合
保育士から異業種へ転職する場合は、保育の仕事を否定していると受け取られないよう、伝え方に配慮が必要です。これまでの経験や職場への感謝とともに、新たな挑戦への前向きな気持ちを伝えましょう。以下に例文を挙げます。
保育の仕事は、大変ながらもやりがいにあふれ、毎日が学びの連続でした。しかし、自分の将来を見つめ直す中で、これまでとは異なる分野にも挑戦してみたいという気持ちが強くなり、今のタイミングで一歩踏み出す決意をいたしました。これまでお世話になったことに感謝し、最後までしっかりと業務をやり遂げます。
職場によっては「具体的にどんな仕事に就くのか」といった踏み込んだ質問を受けることもあるでしょう。その際、「まだやりたいことがはっきりしていない」といった曖昧な回答では、転職への本気度や将来の見通しが甘いと受け取られる可能性があります。迷いや不安を見せることで、「辞めるのはもったいない」などと引き留められる可能性も高くなるため、事前に十分な情報収集を行っておくことが大切です。
保育士が退職を切り出すのに適したタイミングは?
保育士が退職を言いづらいと感じるときは、適切な時期を選ぶことで円満に話を進めやすくなります。ここでは、保育士が退職を切り出すのにふさわしいタイミングを解説します。
3か月前には意向を伝えるのが理想
保育士が退職を希望する際は、3か月前までにその意思を伝えるのが理想的です。退職の話は言いづらいものですが、報告が遅れると職場に混乱を招く可能性があります。法律上は2週間前の申し出でも退職は可能ですが、後任の確保や引き継ぎにかかる時間を考慮すると、早めの相談が望ましいでしょう。年度末での退職を考えている場合は、秋から冬にかけて行われる意向調査のタイミングで申し出ると自然な流れになります。なお、就業規則に退職に関する規定がある場合は、その内容に従って手続きを進めるようにしてください。
出典
e-Gov法令検索「民法」(2025年10月21日)
上司が余裕のある時間帯を見極める
保育士が退職を申し出る際は、上司が落ち着いて話を聞けるタイミングを見計らうことが大切です。特に、「反対されるのでは」「叱責されるかも」といった不安がある場合は、朝の慌ただしい時間や会議の前後などは避け、比較的余裕のある時間帯を選ぶことをおすすめします。
事前に「ご相談したいことがあるのですが、お時間をいただけますでしょうか?」と伝えておくことで、お互いに心の準備ができ、建設的に話し合いがしやすくなるでしょう。
年度途中に辞める場合は繁忙期を避ける
保育士の退職は原則として年度末が望ましいとされていますが、やむを得ず年度途中に退職する場合は、園の繁忙期を避けることが円満退職のカギです。運動会や発表会、クリスマス会など、大きな行事の前後は避け、比較的落ち着いている時期を選ぶようにしましょう。自分の体調や家庭の事情なども考慮しつつ、園の状況とのバランスを取りながら、できる限りスムーズな退職を目指すことをおすすめします。
保育士が退職前後のトラブルを防ぐには
退職を決意した保育士にとって、気になるのが退職前後のトラブルではないでしょうか。ここでは、職場と良好な関係を保ちながら、円満に辞めるためのポイントを紹介します。
就業規則にしっかりと目を通す
保育士が円満に退職するには、職場の就業規則をしっかり確認することが大切です。通常、就業規則には退職の申し出期限や退職金の支給条件といった退職に関する規定が明記されています。また、上司に退職の意思を伝え了承を得たあとは、退職届を提出しましょう。指定されたフォーマットがあればそれに従い、なければ手書きまたはPCで作成します。インターネット上のテンプレートを活用すると便利です。
仕事の引き継ぎを徹底して行う
職場への負担を最小限に抑えるためには、丁寧な引き継ぎが欠かせません。子ども一人ひとりの特性や保育方針、保護者との関わり、家庭の状況など日々の業務で得た情報を整理し、資料としてまとめておきましょう。引き継ぎが不十分だと後任者が戸惑うだけでなく、子どもや保護者にも影響が及ぶ可能性があります。伝え忘れや聞き漏らしを防ぐためにも、できる限り細かく情報を記載した引き継ぎノートを作成することが大切です。
職場への感謝と誠意を最後まで示す
退職が決まってからも、お世話になった職場への感謝を忘れず、誠実に対応しましょう。たとえ職場の居心地が悪くなったり、同僚の態度が冷たく感じられたりしても、気持ちを乱さず自分の仕事に集中することが大切です。感情に流されてしまうと、勤務態度が悪いと周囲に思われる可能性があります。子どもたちや同僚への配慮を忘れず、最後まで責任を持って保育に取り組むことで、気持ちよく次のステップに進めるはずです。
「退職を言いづらい…」と感じる保育士によくある質問
ここでは、「退職を言いづらい…」と感じる保育士によくある質問を紹介します。
保育士の退職理由に家庭の事情を使っても良いですか?
保育士が退職理由として家庭の事情を挙げることは一般的です。結婚や育児、親の介護などのプライベートな理由は園側も理解を示しやすく、無理な引き止めに遭うことは少ないでしょう。ただし、「家庭と仕事の両立を考えている」と伝えると、仕事量の調整や雇用形態の変更を提案される可能性もあります。そのため、「家族の意向を尊重したい」といった伝え方をするほうが、よりスムーズに退職できるかもしれません。
保育士が辞める理由で嘘を言っても問題ありませんか?
保育士の退職理由として、まったくの嘘を伝えることはおすすめできません。あとから事実と異なることが判明すれば、信頼関係を損ねる可能性があるためです。とはいえ、すべてを正直に話す必要はありません。伝え方を工夫し、前向きな表現に言い換えることは円満に退職するためにも大切です。この記事の「保育士の退職理由、どこまで正直に伝えるべき?」では、具体的な言い換え例を紹介しているので、参考にしてみてください。
保育士の面接で納得されやすい退職理由は何ですか?
保育士が転職先の面接で前職の退職理由を聞かれた場合は、成長やキャリアアップを目指した前向きな理由を伝えると納得されやすい傾向があります。たとえば、「より専門性を高めたい」「新しい保育環境で経験を積みたい」「自分のキャリアビジョンに合った働き方を実現したい」などの理由は、好印象を与えやすいでしょう。信頼を損ねないためにも、前職に対するネガティブな話はできるだけ控えるのが望ましいです。
保育園への退職はいつ言うのがベストですか?
保育士が保育園を退職する際は、遅くとも3か月前までに意向を伝えるようにしましょう。法律では2週間前の申告でも問題ないとされていますが、後任者の採用や業務の引き継ぎを考慮すると、余裕を持って伝えるのが望ましいでしょう。また、就業規則に申し出の期限が定められていないかも事前に確認してください。退職時期として最も円満なのは年度末ですが、やむを得ず年度途中で退職する場合は、繁忙期を避けることが大切です。
まとめ
保育士が退職を言い出しづらいと感じる背景には、職場への罪悪感や上司への恐れ、退職を引き止められることへの不安などさまざまな感情があります。言いづらさを和らげるためには、本音と建前を使い分け、前向きな言葉に言い換えることがポイントです。退職のタイミングはできるだけ年度末に設定し、早めに申し出ることで園や子どもたちへの影響を最小限に抑えられます。ときには、「辞めるのは無責任だ」「考えが甘い」といった厳しい言葉をかけられ、心が揺れることもあるかもしれません。しかし、どう働き、どう生きるかはあなたの自由です。最終決定権は自分にあることを忘れないでくださいね。
「辞めさせてもらえないかも…」と不安に感じる場合は、一人で抱え込まずにレバウェル保育士にご相談ください。保育業界に特化した転職エージェントのレバウェル保育士では、あなたの気持ちに寄り添い、円満退職に向けた効果的な切り出し方をアドバイスします。また、希望条件に合った求人の紹介や履歴書作成、面接対策なども丁寧にサポートするので安心して転職活動を進められますよ。サービスはすべて無料なので、まずはお気軽にお問い合わせください。
執筆者

「レバウェル保育士」編集部
保育士・幼稚園教諭専門の転職エージェント「レバウェル保育士」が運営するメディア。現役の保育士とこれから保育士を目指す方に向けて、仕事や転職に役立つ情報をお届けします。記事を通して不安や悩みが少しでも解消する状態を目指し、皆さんのキャリア選択を支援します。














