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保育士の時短勤務とは?制度の条件やメリット、1日のスケジュールを解説

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17時を指す時計のイメージ

保育士の時短勤務とは、どのような制度なのでしょうか。時短勤務は勤務時間を短縮することで、仕事と家庭のバランスを保ち、保育士としてのキャリアを続けられる働き方です。 この記事では、時短勤務の保育士の働き方や給料・年収を解説します。保育士が時短勤務するメリット・デメリットや注意点も紹介するので、ぜひ参考にしてください。

この記事を書いた人

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「レバウェル保育士」編集部

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保育士は時短勤務できる?できない?

時短勤務は、育児や介護と仕事を両立するために短時間で勤務する制度のことです。この制度は、保育士も条件を満たせば利用できます。ここでは、保育士が利用できる短時間勤務制度とその対象になる保育士を解説します。

保育士が利用できる短時間勤務制度

短時間勤務制度は育児や介護と仕事の両立を支援し、働き続けられる環境を整備するのを目的とした制度です。厚生労働省の「働く方々へのお役立ち情報新規タブリンク」によると、短時間勤務制度は3歳未満の子どもを育てる労働者が希望すれば利用可能で、1日の所定労働時間を5時間45分〜6時間に短縮できます。

出典

厚生労働省「働く方々へのお役立ち情報新規タブリンク」(2025年6月25日)

時短勤務が対象の保育士

厚生労働省の「育児・介護休業法のあらまし (p.115)新規タブリンク」によると、3歳に満たない子どもがいる保育士のうち、以下の条件を満たす人が時短勤務の対象です。

  • 1日の所定労働時間が6時間以上

  • 日々雇用される者でない

  • 短時間勤務制度が適用される期間に育児休業をしていない

  • 労使協定により適用除外とされた労働者でない

労使協定により適用除外される労働者は以下のとおりです。

  • 事業主に継続して雇用された期間が1年に満たない労働者

  • 1週間の所定労働日数が2日以下の労働者

  • 業務の性質または業務の実施体制に照らして、短時間勤務制度を取り入れるのが困難と認められる仕事をしている労働者

また、厚生労働省の「短時間勤務等の措置について新規タブリンク」によると、2習慣以上にわたり要介護状態の家族がいる保育士も時短勤務できる可能性があります。配偶者・父母・子・配偶者の父母・祖父母・兄弟姉妹・孫の中に要介護者がいる保育士は、以下の制度のうち1つ以上の利用が可能です。ただし、入社1年未満や1週間の所定労働日数が2日以下の保育士はこの制度の対象外になります。

  • 短時間勤務の制度(1日の所定労働時間を短縮する制度・週または月の所定労働時間を短縮する制度・週または月の所定労働日数を短縮する制度・労働者が個々に勤務しない日または時間を請求することを認める制度)

  • フレックスタイムの制度

  • 時差出勤制度

  • 労働者が利用する介護サービスの費用の助成

上記のうち、どの制度を設けているかは勤務先によって異なるため、要介護者の家族がいる保育士が必ず時短勤務をできるわけではない点に注意しましょう。保育士が時短勤務を希望する場合は、適用条件や勤務先の就業規則を確認し、必要な手続きを適切に行うのが重要です。

出典

時短勤務の保育士の働き方と1日のスケジュール

フルタイム勤務の保育士と比べて時短勤務の保育士は労働時間が短い分、業務の効率化や同僚との情報共有が重要です。ここでは、時短勤務の保育士のスケジュール例(午前9時から午後4時まで)をまとめました。

午前9時 勤務開始
午後1時 昼休憩
午後2時 午後の勤務開始
午後4時 退勤

上記の例では、午後4時までに自分の業務を終え、退勤以降の業務の引継ぎや情報共有を行う必要があります。時短勤務の保育士は業務分担を明確にし、優先順位をつけてタスクを遂行することが大切です。

また、活動記録や保護者への報告事項を簡潔にまとめて、次の担当者にスムーズに業務を引き継ぐのも重要でしょう。時短勤務の保育士が円滑に働くためには、チームで協力し合い、情報共有する仕組みがポイントです。工夫しながら働くことで、時短勤務の場合も保育の質を維持できます。

時短勤務の保育士の給料・年収

時短勤務の保育士の給料は、勤務時間の短縮分を基本給から差し引いて計算されます。たとえば、保育士で1日8時間から6時間の時短勤務に変更、基本給が20万円の基本給は約15万円です。

例:時短勤務の基本給=通常の基本給÷通常の所定労働時間×時短勤務の所定労働時間
・基本給20万円
・時短勤務により8時間から6時間勤務に変更
・20万円×(6時間×20日)÷(8時間×20日)=15万円

時短勤務の保育士の年収も同様に、労働時間の減少分を差し引いた額が基本となります。時短勤務やフルタイム勤務に関わらず、賞与は同じ基準で支給されるのが原則です。ただし、賞与の支給は法律で義務付けられていません。時短勤務で賞与が支給されるかどうか、金額は園によって異なります。時短勤務をした場合の具体的な金額は、勤務先に確認しましょう。

保育士が時短勤務を選ぶメリット

保育士が時短勤務を選択すると、ワーク・ライフ・バランスがとりやすくなる点が魅力です。ほかにも、転職せず同じ職場で働ける、身体的・精神的な負担が軽減するなどがメリットでしょう。ここでは、保育士が時短勤務を選ぶメリットを解説します。

ワーク・ライフ・バランスがとりやすい

保育士が時短勤務を選択すると、家庭や育児、介護などのプライベートな時間を確保しやすくなる可能性があります。フルタイム勤務では時間的な制約が大きいため、生活との両立が難しく感じる場合もありますが、時短勤務であれば時間に余裕を持った生活が可能です。育児中の保育士も時短勤務によって子どもとの時間を確保しつつ、保育士としてのキャリアも継続できるでしょう。

転職せず同じ職場で働ける

保育士が時短勤務を利用すると、転職せずに現在の職場で働き続けることが可能です。育児や介護などの事情によりフルタイム勤務で保育士を続けるのが難しくなった場合、仕事を辞めたり、転職を検討したりする人もいるでしょう。しかし、時短勤務を活用すれば、現在の職場に在籍しながら勤務時間を調整できます。時短勤務は職場で培った経験や信頼関係を活かしながら、キャリアを途切れさせることなく保育士を続けられる点が魅力です。

身体的・精神的な負担が軽減する

時短勤務は、身体的・精神的負担を軽減させる手段として有効だといえるでしょう。保育士は体力を要する仕事であり、子どもたちの安全や健康を見守りながら一日中動き回る場合もあるでしょう。育児中の保育士がフルタイム勤務をすると疲労が蓄積しやすく、帰宅後も家事や育児に体力が必要なため、長期的には健康に影響を及ぼす可能性もあります。時短勤務では保育士の労働時間が減るため、仕事と休息のバランスがとりやすくなり、心身の負担を軽減できる可能性があります

保育士が時短勤務を選ぶデメリット

保育士が時短勤務を選択すると、フルタイム勤務の頃よりも収入が減少するというデメリットがあります。また、周囲との人間関係に難しさを感じたり、限られた時間の中で業務をこなすプレッシャーを感じたりする場合もあるようです。ここでは、保育士が時短勤務を選ぶデメリットを解説します。

フルタイムより収入が下がる

時短勤務のデメリットは、フルタイム勤務に比べて収入が下がることです。生活費や子育ての費用がかさむ家庭にとっては、収入が減少すると家計に影響を及ぼす可能性もあるでしょう。時短勤務による長期的な収入の減少に、不安を感じる保育士も少なくありません。収入が下がるのが要因で、時短勤務を選ぶか決断に迷いが生じる保育士もいます。

同僚との人間関係に難しさを感じる場合がある

時短勤務を選んだ保育士は業務に携われる時間が短いため、フルタイム勤務の同僚に負担がかかる場合があります。このような状況が続くと、「自分の負担が増えている」と感じる同僚が時短勤務をする保育士に対して不満を抱くこともあるようです。また、引継ぎの際にコミュニケーション不足や連係ミスがトラブルの原因になるケースもあります。時短勤務は職場で疎外感を覚える可能性もあり、人間関係において難しさを感じる可能性もあるでしょう。

限られた時間で業務をこなすプレッシャーがある

時短勤務の保育士もフルタイムの勤務と同等の質を求められるため、限られた時間内で業務を効率的にこなす必要があります。短い業務時間内でタスクを完了させる緊張感から、「時間が足りない」「自分のせいで同僚に負担をかけていないか」というストレスを感じる保育士もいるでしょう。業務内容によっては途中で仕事を切り上げる必要が生じる場合もあり、思うように業務が遂行できないことにジレンマを抱える時短勤務の保育士もいます。

保育士が時短勤務をするときの注意点

時短勤務をする保育士はどのようなことに気をつければ良いのでしょうか。ここでは、保育士が時短勤務をするときの注意点を解説します。

時短勤務の制度が整っている職場を選ぶ

保育士が時短勤務を希望する場合は、短時間勤務制度がしっかりと整備されている職場を選びましょう。育児や介護に配慮した勤務時間の調整や、引継ぎの仕組みが明確に定められているかどうかを事前に確認することが大切です。また、時短勤務の保育士に対し、公平な評価が行われる環境であるのも重要だといえます。時短勤務の制度が形だけでなく実際に利用しやすい職場であれば、育児をしながら安心して働けるでしょう。面接時に具体的な制度の内容や、時短勤務の実績があるかどうかを質問するのも1つの手です。

効率的な働き方を身につける

時短勤務の保育士は勤務時間が短いため、効率的に業務を進める力が求められます。時短勤務の保育士は、緊急度の高いタスクや重要な業務から順に取り組む習慣を身につけることが大切です。業務の無駄を省き、必要に応じてほかの保育士に相談するなど、チームで協力して仕事を進める意識も重要だといえます。書類作成や記録の際には、効率的に進められるツールや方法を取り入れるのも効果的でしょう。効率性を意識して働くと、時短勤務の場合も業務を円滑に進められます。

同僚と積極的にコミュニケーションをとる

保育士が時短勤務をスムーズに行うためには、同僚との積極的なコミュニケーションが欠かせません。時短勤務の保育士は勤務時間が短い分、引継ぎの際に業務内容や子どもの様子を的確に伝えることが大切です。

また、自分の状況や業務の進捗を同僚に適宜共有すると、チーム内の信頼関係を築けるでしょう。同僚が時短勤務という働き方を理解してくれるよう、日頃から密にコミュニケーションをとるのがおすすめです。同僚との積極的なコミュニケーションは、職場全体の協力体制を強化し、時短勤務の保育士も働きやすい環境をつくる要素の1つになるでしょう。

保育士の時短勤務に関してよくある質問

保育士の時短勤務に関してよくある質問に関して、Q&A形式で紹介します。

保育士の時短勤務はいつまでできる?

厚生労働省の「働く方々へのお役立ち情報新規タブリンク」によると、育児のための保育士の時短勤務は子どもが3歳になるまで利用できます。同じく厚生労働省の「短時間勤務等の措置について新規タブリンク」によると、保育士が介護のために時短勤務をする場合、期間と回数は対象家族1人につき利用開始の日から連続する3年以上の期間で2回以上です。必要に応じて、職場の上司や人事部門に時短勤務の具体的な条件や期間を確認しましょう。時短勤務の制度や対象の保育士に関して詳しく知りたい方は、本記事の「保育士は時短勤務できる?できない?」を確認してください。

出典

厚生労働省「働く方々へのお役立ち情報新規タブリンク」「短時間勤務等の措置について新規タブリンク」(2025年6月25日)

時短勤務の保育士が担任を任されることはある?

勤務先の職場の状況や方針によっては、時短勤務の保育士も担任を任される場合があるようです。担任を担当する場合は、ほかの保育士と業務を分担して、退勤後の引継ぎを行います。保育園によっては、時短勤務の保育士は担任を担当しない場合もありますが、副担任や担任のサポートをする場合もあるでしょう。保育士の時短勤務の期間の業務内容は、事前に勤務先に確認しておくと安心です。

時短勤務はパートの保育士も対象?

短時間勤務制度の条件を満たせば、パートの保育士も時短勤務が可能です。時短勤務ができる条件に関しては、本記事の「時短勤務が対象の保育士」を参考にしてください。

まとめ

時短勤務は、保育士が育児や介護と仕事を両立するのに有効な働き方です。育児のために時短勤務する場合は、子どもが3歳になるまで利用できます。時短勤務では勤務時間が短縮されるため、収入が減少する点に注意が必要ですが、家庭とのバランスをとりながら働きやすいことがメリットです。

時短勤務の保育士は、効率的な働き方や同僚との円滑なコミュニケーションが求められるため、自分の業務内容や役割を明確にするのが大切です。ライフステージに合った働き方を選び、無理なく保育士の仕事を続けられるようにしましょう。

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執筆者

A

「レバウェル保育士」編集部

保育士・幼稚園教諭専門の転職エージェント「レバウェル保育士」が運営するメディア。現役の保育士とこれから保育士を目指す方に向けて、仕事や転職に役立つ情報をお届けします。記事を通して不安や悩みが少しでも解消する状態を目指し、皆さんのキャリア選択を支援します。

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