保育士の転職

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保育士の在職証明書とは?転職で必要な理由や依頼方法、発行の注意点を解説

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書類を提出する若い女性のイメージ

保育士で「在職証明書の入手方法が分からない」という方もいるのではないでしょうか。在職証明書は、勤務先の保育園に発行を依頼するのが一般的です。 この記事では、保育士が転職する際に在職証明書を求められる理由や入手方法を解説します。在職証明書を発行する際の注意点やスムーズに取得する方法も紹介するので、ぜひ参考にしてください。

この記事を書いた人

A

「レバウェル保育士」編集部

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保育士の在職証明書とは

在職証明書とは、保育士が認可保育園で勤務していた期間を証明する書類保育士が認可保育園に転職する際に必要です。在職証明書には、勤務期間や雇用形態、職務内容などが記載されています。在職証明書によって、保育士の雇用実績を正式に証明できます。

保育士が転職時に在職証明書を求められる理由

保育士が転職する際、なぜ在職証明書が必要になるのでしょうか。ここでは、保育士が転職時に在職証明書を求められる理由を解説します。

転職先に提出が必要なため

保育士が認可保育園へ転職する際、転職先の保育園から在職証明書の提出を求められます。転職経験が複数回ある保育士は、これまでに就業したすべての保育園の在職証明書を提出しなければいけません。保育士の経験年数は給与や待遇に関わりますそのため、転職先の保育園は、保育士の履歴書に記載された情報が事実である裏付けをとるために在職証明書を確認する必要があります

処遇改善加算を受けるため

こども家庭庁の「公定価格の処遇改善等加算I〜IIIの一本化について (p.5)新規タブリンク」によると、保育園が処遇改善加算Iを受けるためには、自治体へ申請する必要があります。処遇改善加算Iとは、給与の改善を目的として、職員の平均勤続年数によって補助金の加算率が上がる制度のことです。

保育園が自治体に処遇改善加算Iを申請する際には、保育士の経験年数を客観的に証明する書類が必要となります。在職証明書には、保育士が過去に認可保育園で勤務した実績が明確に記載されています。そのため、転職先の保育園は処遇改善加算Iを申請するのに、在職証明書が必要となるのです。

出典

こども家庭庁「第5回 子ども・子育て支援等分科会新規タブリンク」(2025年6月27日)

保育士の在職証明書の入手方法

保育士が在職証明書を入手するには、退職前に依頼して職場から受け取る方法と退職後に郵送で依頼して受け取る方法があります。ここでは、保育士の在職証明書の入手方法を詳しく解説します。

退職前に依頼して職場で直接受け取る

退職前に依頼する場合、勤務先の担当部署に連絡し、在職証明書の発行を依頼します。依頼時には、在職証明書に必要な内容を明確に伝えるのが重要です。退職日が迫ると業務が多忙になる可能性もあるので、在職証明書の発行は早めに依頼しましょう。
職場によっては保育士が自分で在職証明書を作成し、勤務先の署名や証明印をもらう形式をとる場合もあります。自分で作成するときは、インターネットからテンプレートをダウンロードして必要事項を記入するのもおすすめです。

退職後に依頼して郵送で受け取る

退職後に依頼する場合は、勤務していた園に郵送で依頼状を送るのが一般的です。郵送で依頼する際は、返送手続きの負担を減らすよう、返信用の封筒には自分の住所を記載します。そして自分の住所を記載した封筒と返信用の切手を同封しましょう。

依頼状の作成方法

保育士が依頼状を作成する際は、A4の用紙1枚に以下の項目を含めましょう。

宛名 ・依頼状の左上に、施設名・部署名・担当者名を正式名称で記載

・担当者名が不明の場合は「ご担当者様」と記載

依頼状の作成日 依頼状の右上に書類を作成した日付を記載
タイトル ・文書のタイトルは中央に記載

・タイトルは、一目で依頼内容がわかるものにする

挨拶 ・挨拶は「拝啓」などの頭語で始める

・頭語から1文字空けて、季節に応じた挨拶文を書く

必要な理由 ・「転職先で勤務実績の証明として必要」など在職証明書の発行を依頼する意図を明確にする

・必要な枚数や返送先の住所、返送期限を記載

結び ・「ご多忙中恐れ入りますが、何卒よろしくお願い申し上げます。」などと結び、「敬具」などの結語で締める
在職証明書に記載する内容 必要な内容を箇条書きで記載
差出人情報 依頼者本人の氏名・住所・連絡先(電話番号・メールなど)を記載

依頼状は、記入漏れや誤字脱字がないよう注意して慎重に作成しましょう。

保育士が在職証明書を発行する際の注意点

在職証明書を発行する際は、どのようなことに気をつければ良いのでしょうか。ここでは、在職証明書を発行するときの注意点を解説します。

在職証明書を発行するのに時間がかかる場合がある

保育園が忙しい時期や担当者が不在の場合など、在職証明書の依頼から発行までに時間がかかる可能性があります。在職証明書を依頼する際に、発行までの目安時間を確認しておくと、手続きの見通しが立てやすくなり安心でしょう。

郵送で依頼する場合は、郵送でやり取りをする時間も含まれるため、発行までの期間がより長くなる傾向にあります。在職証明書を依頼する際は、必要な期日より余裕を持って早めに行動するのが重要です。

郵送で依頼する場合は電話で事前に連絡する

在職証明書を郵送で依頼する際は、勤務していた保育園に事前に電話で連絡するのがおすすめです。郵送で依頼するだけでは、意思が十分に伝わらない場合もあり、スムーズに発行してもらえない可能性があります。電話でも担当者に在職証明書の発行を依頼しておくと、迅速に発行手続きを進めてもらえる可能性が高まるでしょう。

在職証明書の発行を拒否される可能性もある

保育士の退職時に勤務先の保育園とトラブルなどがあった場合は、在職証明書の発行を依頼しても、発行を断られるケースもあるようです。

在職証明書の発行はあくまで任意であり、法律で義務付けられているわけではありません。
一方、厚生労働省の「労働基準法新規タブリンク」の第22条によると、依頼があった場合、退職証明書は発行することが義務付けられています。そのため、勤務していた保育園に退職証明書の発行を依頼すれば、交付されるでしょう。在職証明書が発行されない場合、退職証明書で代用可能かどうか、転職先の園に確認してください

出典

厚生労働省「労働基準法新規タブリンク」(2025年6月27日)

在職証明書を取得後、内容に誤りがないか確認する

在職証明書を受け取ったら、内容に誤りがないか必ず確認しましょう。勤務期間や業務内容、雇用形態などの情報に不備があると、転職先の保育園に提出した際にトラブルになる可能性があります。在職証明書の内容に不備があった場合は、すぐに発行元の保育園に連絡を入れ、再発行を依頼しましょう

保育士が在職証明書をスムーズに取得するコツ

退職する日が決まったら、すぐに在職証明書の発行を依頼しましょう。依頼する前に、提出する保育園に所定の様式がないか確認すると安心です。ここでは、保育士が円滑に在職証明書を手に入れるコツを紹介します。

退職日が決まった段階で発行を依頼する

在職証明書は、退職日が決まったら早めに勤務先に依頼しましょう。退職日が決まった段階では転職先が決まっていない場合も、先に在職証明書の発行を依頼しておくのがおすすめです。余裕を持って在職証明書の発行を依頼しておくと、発行に予想外の遅延があった場合も落ち着いて対応できます。勤務先に退職を相談する際に、在職証明書の発行を依頼するのも1つの手です。

提出先の保育園に所定の様式がないかを確認する

在職証明書の依頼をする前に、転職先の保育園に所定の様式や指定があるかどうかを確認しておくのが大切です。転職先の保育園に在職証明書に指定の様式があるか、必要な記載事項、枚数などを事前に確認する必要があります。書類に不備があると再発行が必要になる場合もあるため、時間と手間を省くためにもしっかりと事前に確認しましょう。

保育士の在職証明書に関してよくある質問

保育士の在職証明書に関してよくある質問に、Q&A形式で回答します。

在職証明書の発行・依頼に関して連絡したくない場合は?

勤務していた保育園に直接連絡をしなくても、在職証明書を取得できます。勤務していた保育園に電話などで連絡するのが難しい場合は、郵送で発行を依頼するのも1つの手です。
郵送で発行を依頼する方法は、本記事の「退職後に依頼して郵送で受け取る」で詳しく解説しているので、ぜひご確認ください。
また、雇用手続きの一環として、転職先の保育園が保育士の代わりに在職証明書の発行を依頼してくれる場合もあるようです。直接連絡しにくい場合は、転職先の保育園に発行の依頼を代行してもらえないか相談しましょう。

在職証明書は何年前のものまで発行可能?

在職証明書は、具体的に発行期限が定められているわけではありません。過去の雇用記録をどの程度保管していて、在職証明書の発行に対応してくれるかは勤務していた保育園によって異なります。過去の勤務先に在職証明書の発行を依頼する際は、自分の具体的な勤務期間を伝え、雇用記録の有無と在職証明書の発行が可能かどうかを確認しましょう。

在職証明書の代わりになる書類はある?

在職証明書が用意できない場合、ほかの書類で代替できる可能性があります。こども家庭庁の「施設型給付費等に係る処遇改善等加算について (p.5)新規タブリンク」によると、処遇改善加算Iに申請するための保育士の勤務実績を証明する書類は、年金加入記録などで代替できるようです。在職証明書を用意できない場合は、提出先に事情を説明して代わりになる書類がないか転職先の園に相談しましょう。

出典

こども家庭庁「施設型給付費等に係る処遇改善等加算について新規タブリンク」(2025年6月27日)

まとめ

保育士の在職証明書は、転職で重要な役割を果たす書類です。早めに勤務先に発行を依頼したり、計画的に郵送で依頼したりすることで、スムーズに在職証明書を取得できます。保育士が転職をする際は、在職証明書が必要な理由や取得方法を理解し、勤務先とのトラブルを回避して円満に新しい職場に進みましょう。

転職する際には、在職証明書以外にも履歴書や職務経歴書など用意しなければいけない書類があります。忙しい日々を送る保育士が「1人で活動を進めるのは大変」だと感じることもあるでしょう。

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執筆者

A

「レバウェル保育士」編集部

保育士・幼稚園教諭専門の転職エージェント「レバウェル保育士」が運営するメディア。現役の保育士とこれから保育士を目指す方に向けて、仕事や転職に役立つ情報をお届けします。記事を通して不安や悩みが少しでも解消する状態を目指し、皆さんのキャリア選択を支援します。

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