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保育士の退職届の書き方とは?例文や書類を提出するタイミング、流れを解説
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転職を検討している場合、「保育士向けの退職届の書き方が知りたい」「手続きをスムーズに進めて円満に退職したい」と考える方もいるのではないでしょうか。保育士の退職届には基本的な型があり、書くべき項目や順番が決まっています。 本記事では保育士向けに、例文を交えて退職届の書き方を解説。退職届を書く際に準備するものや、提出するタイミングも紹介します。円満退職を目指す保育士は、ぜひ参考にしてください。
目次
保育士が知っておきたい退職届・退職願・辞表の違い
退職願・退職届・辞表はいずれも退職に関する書類ですが、それぞれの意味や使用される場面が異なります。ここでは、保育士が退職する際に必要な書類について確認しましょう。
退職願とは
退職願とは、「退職したい」と願い出るときに勤務先へ提出する書類です。勤務先によっては、口頭で退職を願い出ることも可能です。そのため、退職願を提出する必要のない園もあります。「退職することを聞いていない」というように、口頭のやりとりでのトラブルを防ぐため、退職願を提出する場合もあります。
退職届とは
退職届とは、退職が認められたのちに提出する書類です。保育士が退職する際は、原則として退職届の提出を求められます。勤務先に退職の意思を伝え、退職日が決定してから提出しましょう。退職届が受理されると、基本的に撤回はできません。
辞表とは
辞表とは、社長や取締役などの役職についている人や公務員が退職する際に提出する書類です。基本的には公立の保育園や施設で勤めている保育士も退職届を出しますが、自治体によっては辞表の提出を求められる場合があります。退職願と同様、退職したいと打診する場合には早めに提出するのが望ましいでしょう。
保育士が退職届を書く前に確認すること
ここでは、保育士が退職届を書くために準備しておきたいことを詳しく解説します。退職届を作成する際は、手書きにするかパソコンで作成するかを検討し、使用するペンや用紙、封筒を事前に用意しておきましょう。
退職届の作成方法
退職届を作成する際は、手書きとパソコンどちらを選んでも問題ありません。保育園での規定がない場合やどちらが適切か迷う場合は、手書きで作成するのがおすすめです。定食届は手書きで作成するほうが「丁寧なので誠意が伝わりやすい」と考える人が多いのがその理由です。
退職届の形式については、基本的に縦書きが主流です。園によっては横書きを指定される場合もあるため、作成する前に確かめておきましょう。
手書きで使用するペンの選び方
手書きで退職届を用意する際は、黒のボールペンや万年筆を使用するのが適切です。摩擦で文字が消えるペンやかすれが出ているペンの使用は避けましょう。
用紙の選び方
退職届に使用する用紙は、B5(182×257mm)かA4(210×297mm)のサイズで、白色を選びましょう。指定がなければ、どちらのサイズを選んでも問題ありません。園から指定がない場合、退職届におすすめの用紙は以下の3つです。
白い用紙
無地の便箋
罫線入りのシンプルな便箋
罫線入りの便箋は、デザインのプリントされていないものが適しています。
封筒の選び方
退職届の用紙を入れる封筒は、長形4号か長形3号のサイズで、白色のデザインが無難です。以下の表で、それぞれの用紙に対応する封筒のサイズを紹介します。
退職届の用紙のサイズ | 封筒のサイズ |
B5(182×257mm) | 長形4号(90×205mm) |
A4(210×297mm) | 長形3号(120×235mm) |
退職届を入れる封筒は、縦型で郵便番号枠がない無地のものが望ましいでしょう。中身が透けてしまうのを防ぐため、二重封筒のタイプを選択するのも1つの手です。
特別な事情がない限り、退職届は直接手渡しするのが基本です。ただし、ケガや病気などやむを得ない事情で郵送する場合は、退職届を入れる封筒とは別に、一回り大きいサイズの郵便番号枠がある封筒を用意します。退職手続きを円滑に進めるために、必要なものは前もって準備しておきましょう。
【例文あり】保育士の退職届の書き方
保育士が提出する退職届は、基本的に書く内容が決められています。以下では、具体的な記載方法と例文をまとめました。
退職届に記載する内容
保育士が退職届を書くときは、以下の6項目を明記しましょう。
1.表題
表題として、1行目の中央に「退職届」と記載します。
2.「私儀」もしくは「私事」
2行目の下に「私儀」または「私事」と書きます。どちらを使用しても問題ありません。
3.退職理由と退職年月日
3行目から、「このたび、一身上の都合により、◯◯◯◯年◯月◯日をもって、退職いたします。」と退職理由・退職日を明記します。自己都合退社の場合は、退職理由を「一身上の都合」と書きましょう。退職日は、職場と相談の上で決めた年月日を記入します。
4.提出日
本文のあとに1行あけて、「△△△△年△月△日」と提出する日を書きます。
5.所属と氏名
自分の所属は、提出日の次行(下方)に書きます。その隣にフルネームを記載しましょう。所属名を書く必要がある場合は、氏名より少し上にくるよう位置を調整してください。
所属がない場合は自分の氏名のみでOKです。
6.勤務先の正式名称と宛名
氏名の次行に勤務先の正式名称「◯◯保育園」、その隣に宛名「園長◯◯◯◯殿」
を記載します。宛名は、自分の名前より上の位置に書くように注意しましょう。
退職届の例文
上記の書き方をまとめると、退職届の例文は以下のとおりです。縦書きの場合、数字は漢数字を使用するのがポイントです。
例文を参考に、記載漏れのないよう退職届を作成しましょう。
保育士が退職届を封筒に入れるときのマナー
ここでは、封筒に記載すべき内容と退職届の封入方法について説明します。封筒に書く文字の配置や手順を押さえましょう。
封筒の書き方
封筒の記入には、黒のボールペンか万年筆を使用します。表面と裏面に記載する内容は以下のとおりです。
表面の書き方
封筒の表面には、中央に「退職届」と書きましょう。文字は大きめにしておくと、何の書類かを伝えやすくなります。退職届を入れる封筒には、宛名を記載しません。
裏面の書き方
封筒の裏面には、左下に所属と氏名を書きましょう。所属を1行目に書き、2行目にフルネームを記載します。
退職届を手渡しで提出する際は、封筒を閉じずに提出することもあります。ただし、封をする場合は、封筒の綴じ目に「〆(しめ)」を記入しましょう。
封筒の入れ方
以下では、退職届を封筒に入れる手順を紹介します。
1.退職届の用紙を折る
退職届の文面を内側にして、下3分の1を上に折り上げ、次に上3分の1を折り下げ、三つ折りにします。角を合わせて、折り目を丁寧につけると、きれいに仕上げることが可能です。
2.封筒の裏面を上にして三つ折りの退職届を差し込む
用紙の右上が封筒の裏面上部にくるように入れます。退職届を封筒に入れる際は、書類が折れないように十分注意しましょう。
保育士が退職届を渡すタイミングと提出先
保育士が仕事を辞めるときは、退職届を渡す適切な時期と提出先を事前に確認し、手続きを円滑に進めましょう。
就業規則に合わせて提出
保育士が退職届を提出するタイミングは、就業規則を調べておきましょう。就業規則に「退職の3ヶ月前」といった記載がある場合は、その内容に従います。勤務先に退職の意思を伝え、退職が認められたのちに提出しましょう。
厚生労働省の「知って役立つ労働法 働くときに必要な基礎知識 (p.53)」によると、退職を申し入れてから2週間が経過すれば、法律上はいつでも退職することが可能です。しかし、保育士の場合、後任者の確保や業務の引き継ぎをスムーズに行うため、退職の3〜6ヶ月前には退職の意思を伝えることが望ましいとされています。
出典
厚生労働省「知って役立つ労働法~働くときに必要な基礎知識~」(2025年6月25日)
園長か直属の上司に提出
保育士の退職届は、基本的には園長か直属の上司に提出します。勤務先によっては主任保育士を経由する場合や理事長に提出する場合もあるため、直属の上司に提出先を確認しておくと安心です。
保育士が円満退職するための流れ
下記にて、円満退職するための手続きの流れや、退職時の注意点を把握しましょう。
1.退職理由を明確にする
保育士が退職を検討するときは、「自分がなぜ辞めたいのか」という理由を整理しましょう。「キャリアアップ」「家庭の事情」「健康上の理由」など、前向きな理由や個人的な事情を、誠実に伝えることが望ましいでしょう。
2.適切な時期に退職を願い出る
保育士が退職を願い出る際は、直属の上司に相談します。運動会や生活発表会などの行事が重なる時期を避け、園に迷惑がかからないタイミングに申告するのが重要です。就業規則に沿って退職の旨を伝えるようにしましょう。
3.退職届を園長か直属の上司に提出する
保育士が退職届を提出するときは、園長か直属の上司に手渡しします。退職届を渡す際に、これまでお世話になった感謝の気持ちを伝えると、より丁寧な印象を与えられるでしょう。
4.業務の引き継ぎをする
具体的な退職日が決まったら、退職までの期間で計画的に引き継ぎを行います。保育士の場合は、後任者に「業務引き継ぎ書」を作成しておくのが望ましいでしょう。相手の立場に立ち、「どのような内容が書かれていたら助かるだろうか」と思いやりをもって考えるのが大切です。保育園において、引き継ぎする一例は以下のとおりです。
子どもたちの発達過程や健康状態
アレルギーの有無
子どもの性格
得意なこと・苦手なこと
人間関係(仲が良い子など)
保護者の情報
クラスの様子やルール
行事予定や進行状況
指導案や保育日誌を読み返し、必要な情報を具体的に記載しましょう。引き継ぎ書を渡す際は、補足として口頭で説明すると、内容が伝わりやすくなります。
5.お世話になった方々・保護者・園児に挨拶する
保育士の退職挨拶は、園長→上司→同僚→保護者→園児の順番に行うのが一般的です。上司や同僚への挨拶は、あらかじめ日時を相談し、朝礼や終礼などの適切なタイミングで伝えましょう。保護者への挨拶は、お迎えの時間に行うことが多いため、相手の状況を考慮して伝えることが大切です。
6.返却物と受け取る書類を確認する
保育士が退職するときは、職場に返却するものと、職場から受け取る書類を確認しましょう。返却や受け取りの漏れがないように、以下のリストをチェックしてください。
【職場に返却するもの】
・健康保険証
・業務資料(マニュアルや個人情報が分かる資料)
・社員証
・セキュリティカードや鍵
・制服やエプロン
・文房具やファイルなどの備品関係
【職場から受け取るもの】
・離職票
・雇用保険被保険者証
・年金手帳または基礎年金番号通知書
・源泉徴収票
・健康保険被保険者資格喪失証明書
・退職証明書(必要な場合のみ)
公務員保育士の場合、雇用保険には加入していないため、雇用保険被保険者証はありません。職場から受け取る書類は、退職後の公的な手続きをする際に必要です。退職時に受け取れない書類がある場合、発行される時期を確認しておきましょう。
まとめ
保育士が退職届を提出する際は、基本的な書き方を理解したうえで、マナーを守って記載をするのが大切です。就業規則をしっかりと確認し、渡すタイミングや提出先を事前に把握しておくと、退職手続きをスムーズに進められます。退職届の書き方や退職の流れを踏まえ、円満退職を目指しましょう。
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執筆者

「レバウェル保育士」編集部
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