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保育士が「保育園行事はこんなにいらない」と思う理由!負担の減らし方

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保育園の発表会を見守る親たち

保育士のなかには、「保育園行事はこんなにいらない」「多すぎる」と思う方もいるかもしれません。保育園行事は、園児の発達を促したり保護者に成長する姿を見せたりできる一方で、準備による保育士や子どもたちへの負担が課題になることもあります。 この記事では、保育士が「保育園行事はこんなにいらない」と思う理由を紹介します。行事の負担を減らす方法や転職を考えている保育士向けの求人探しのコツもまとめました。

保育園の行事はこんなにいらない?必要?

運動会や発表会などの保育園行事は、子どもの発達を促したり保護者に成長した姿を披露したりする役割があります。しかし、行事の規模や回数によっては準備・運営の負担が大きく、「こんなに行事が必要なのか?」と疑問に思う保育士もいるようです。ここでは、保育園行事の目的と、一般的に年間を通してどのようなイベントが開催されているのかを解説します。

保育園行事の目的

厚生労働省の「保育所保育指針新規タブリンク」によると、保育園では、周囲のさまざまな環境や季節に対して好奇心や探求心をもって関わるために行事が開催されています。七夕や節分などで日本の文化や風習を学んだり、運動会や発表会では達成感を味わう体験につながったりします。

保育園行事は、保育士と保護者が交流する場としても重要です。子どもの成長を一緒に喜び合ったり、保育園での様子を知ってもらう機会になります。保育参観や運動会などの行事は、保護者同士が交流する機会にもなり、コミュニティの形成につながることもあるでしょう。

出典

厚生労働省「保育所保育指針新規タブリンク」(2025年6月16日)

保育園で行われている年間行事

保育園では季節に合わせてさまざまなイベントが開催されており、代表的な行事は以下のとおりです。

卒園式・入園式・遠足
七夕・夏祭り
運動会・芋掘り・ハロウィン
クリスマス会・発表会・節分

上記以外にも、誕生日会や保育参観、保護者会などが行われる場合もあります。地域の高齢者や小学生との交流会など、社会性を育む行事が取り入れられることもあるようです。

保育士が「保育園行事はこんなにいらない」と思う理由

職員だけでなく子どもたちの負担を感じることから、行事の開催頻度や規模に疑問をもつ方もいるでしょう。ここでは、保育士が「保育園行事はこんなにいらない」と思う理由を解説します。

準備や運営の仕事量が多すぎるから

普段から保育業務による負担が大きい場合、「保育士が無理してまで行事を開催する必要があるのか」と疑問に思うこともあるでしょう。行事を開催するためには、内容の企画や小道具の準備、子どもたちとの練習など、さまざまな作業が必要になります。

通常の保育や事務作業で手一杯な場合、行事の準備は残業や持ち帰り仕事で対応することも。行事の規模が大きかったり園児が多かったりすると、そのぶん衣装づくりや会場設営、片付けなどの仕事量も増えてしまいます。

発表会や運動会の練習が子どもたちの負担になるから

発表会や運動会の練習は長期間になることもあり、疲れが出たり集中力が続かなくなったりする子どもたちの様子から、負担になっていないか心配になる保育士もいるようです。保育園では、保護者の都合により長時間保育や週6日の通園になっている場合もあり、行事に向けた練習が加わると子どもの疲れが溜まりやすくなることもあります。

また、低年齢の子どもたちは、長時間同じことを繰り返す集中力がまだ十分に育っていません。無理な練習は子どもたちのストレスとなり、行事自体への嫌悪感につながる恐れもあります。子どもの自然な成長を尊重するための保育が、行事のための練習に置き換わってしまうことは「こんなにいらない」と思う理由になるでしょう。

保護者の評価を気にし過ぎるから

子どもたちの成長を喜び合うはずの行事が、園の評価を上げるための「見せる保育」になっていることに、疑問を感じている保育士もいるようです。保護者に対して、子どもたちの成長した姿を見せたい気持ちが強いと、自由な表現よりも、揃った動きや見映えの良さを優先してしまう場合もあります。保護者に喜んでほしいという思いから、衣装や演出にこだわりすぎて仕事量が多くなることもあるでしょう。

行事以外に経験させたいことがあるから

行事の練習が多すぎると、子どもたちに経験させたい活動ができなくなることもあるようです。季節の自然に触れる散歩やじっくり取り組む製作など、日常の保育のなかで大切にしたい活動が制限されてしまいます。

「自分で考える力」「問題解決能力」などは、行事の練習より、自由遊びや日常生活のなかで培われることもあるようです。限られた保育時間のなかで、発達に必要な経験をバランスよく提供するためには、行事の在り方を見直す必要があると感じている保育士もいます。

保育士が行事の業務負担を減らす方法

行事の準備や運営などの業務負担は、スケジュール管理や協力体制の工夫によって減らせることもあるようです。ここでは、保育士が行事の業務負担を減らす方法を4つ紹介します。

行事当日から逆算してスケジュールを立てる

余裕をもって行事の準備を進めるためには、開催当日から逆算してスケジュールを立て、いつまでに何をするかを明確にしましょう。スケジュール管理する際は、やることをリストアップしたり、作業にかかる時間を見積ったりします。

それぞれの作業に締め切り日を設けておくと、順調に進んでいるのか遅れているのか把握しやすくなるでしょう。また、衣装作りや会場装飾など、時間がかかる作業は早めに着手して少しずつ進めておけば、持ち帰り仕事や残業を減らせる可能性があります。

進捗状況を確認して協力体制を整える

行事の準備は、周りの保育士と定期的に進捗状況を確認し合い、遅れがある部分は協力して取り組む体制を整えましょう。行事の準備に関する分担や締め切りは、会議で話し合い認識を揃えておくことが大切です。

パソコン作業になれている人はプログラムの作成、手先が器用な人は衣装づくりなど、得意なことを活かした役割分担をすると効率良く準備を進められます。互いの状況を気にかけ、「困っていることはない?」と声をかけ合える雰囲気も大切にしましょう。

装飾や衣装を使いまわす

装飾や衣装は毎年新しいものを作るのではなく、過去の行事で使用したものを活用すると準備の負担を減らせます。入園式用に作った花の飾りを発表会でも使ったり、装飾はラミネートして丈夫に作っておいたり、作ったものを大事に保管しておけばほかの行事での使い回しが可能です。

衣装もベースは同じで飾りを変えれば、少しの手間で印象を変えられる場合もあるでしょう。手作りだけにこだわらず、既製品の装飾を使ったり衣装をレンタルしたり、準備の手間を省ける方法を取り入れるのも手です。

保護者からアンケートを取る

行事の内容や規模を見直す際には、保護者の意見を聞くことも重要です。行事が終わったあとにアンケートを実施し、「参加しやすい日程だったか」「内容は満足できるものだったか」「負担に感じる点はあったか」などを聞いてみましょう。

保護者と園が協力して、子どもにとっても大人にとっても負担の少ない行事の在り方を模索することが大切です。アンケート結果をもとに、本当に必要な行事の在り方は何か検討し、次年度の計画に反映させましょう。

【保育士の転職】行事の負担が少ない求人探しのコツ

ここでは、保育士が転職する際、行事の負担が少ない求人を探すコツを紹介します。小規模な保育園を検討したり、転職エージェントに相談したりすると、希望条件に合った求人を見つけやすくなるでしょう。

小規模な保育園の求人を検討する

小規模な保育園は園児の定員数が少ないため、行事の規模が小さくなったり準備の負担が軽減されたりする可能性があります。0〜2歳児を対象とした小規模保育園では、発表会や運動会といった大きな行事がなく、季節の製作や簡単なお楽しみ会程度にとどめていることもあるようです。

園の保育方針として「子どもの自由な遊びを大切にする」「日常生活のなかでの学びを重視する」といった記載がある場合は、行事中心ではない保育を行っている可能性もあります。小規模な保育園の求人を検討する際は、園のWebサイトで年間行事予定を確認したり、面接時に準備にかける時間について質問したりして、自分に合った環境かどうか確認しましょう。

パートやアルバイトなどの雇用形態を検討する

行事の準備は正社員の保育士が主体となって進めるため、パートやアルバイトとして働けば負担を減らせる可能性があります。パートやアルバイトなら勤務時間や出勤日数を少なくできるため、行事の準備を含め全体的な業務負担が軽減されるでしょう。

ただし、雇用形態を変更すると給与が減ったり福利厚生が受けられなくなったりする傾向にあります。正社員からパートやアルバイトになる際は、行事による業務負担だけでなく、待遇や働き方なども含め総合的に判断することが大切です。

保育士専門の転職エージェントを利用する

保育士専門の転職エージェントでは求人に関する詳しい情報をもっているため、行事による業務負担が少ない保育園を紹介してもらえる可能性があります。年間行事の予定や準備にかかる期間など気になる要素があれば、転職エージェントに質問を代行してもらうことも可能です。行事による業務負担の悩みや働き方の希望条件を伝えれば、自分に合った職場を紹介してもらえるでしょう。

「行事による負担が大きくて悩んでいる」「行事が少ない保育園に転職したい」といった方は、保育業界専門の転職支援サービス「レバウェル保育士」にご相談ください。レバウェル保育士では、保育方針や職場の雰囲気など、取材訪問を通じて詳しい求人の情報を収集しています。転職するか迷っている段階での相談も歓迎しているため、お気軽にご利用ください。

保育園の行事に関して保育士からよくある質問

ここでは、保育園行事に関する質問にQ&A形式で答えます。行事を見直すポイントや求人探しの方法について、参考にしてみてください。

保育園行事を減らすとどうなる?

保育園行事が減ると、子どもの興味関心に応じた活動を充実させたり、一人ひとりとじっくり関わる時間が増えたりする可能性があります。保育士の業務負担が軽減され、残業時間が短くなったり持ち帰り仕事が減ったりする場合もあるでしょう。

ただし、保育園行事を減らすと、子どもたちの成長の機会が少なくなったり、経験値を高められなかったりすることもあります。保育園行事を減らす際は、子どもたちの発達や保護者からの意見なども加味し、慎重に検討することが大切です。

保育園行事を見直すポイントは?

行事の開催によって、「子どもの発達にどのような意味があるか」見直してみましょう。単なる恒例行事ではなく、子どもたちにどのような経験をさせたいのか、何を学んでほしいのか検討することが大切です。また、行事の規模や準備期間、内容は適正か見直すと、子どもたちや保育士の負担軽減につながる可能性があります。行事が終わったあとに、職員会議をしたり保護者からアンケートを取ったりすると、改善点が見つかりやすくなるでしょう。

お遊戯会がない保育園もありますか?

保育園によっては、お遊戯会や発表会を開催していない場合もあります。0〜2歳児のみ受け入れている小規模保育園では、発達段階を考慮してお遊戯会を開催しないこともあるようです。反対に、「3歳児のみ」や「4歳児以上」など、参加する年齢を限定してお遊戯会を開催するところもあるでしょう。保育参観や保育公開という形で、子どもたちが練習した歌や製作活動を保護者に見てもらう場合もあります。

保育園で行事なしの求人を探す方法は?

求人サイトの検索機能を使って「行事少なめ」「残業少なめ」などのキーワードで絞り込むと、行事による業務負担が少ない保育園が見つかる可能性があります。保育士専門の転職エージェントに、「行事の負担が少ない園を希望」と伝え、求人紹介してもらうのも手です。

なお、病児保育や院内保育などの保育施設では、行事の開催がないこともあります。0〜2歳児のみを受け入れている保育園においても、行事の開催が少ない可能性があるでしょう。

まとめ

保育園の行事には子どもの発達支援や保護者との交流といった役割がありますが、準備や運営の負担が大きすぎることが課題となっています。発表会や運動会は長期の練習が必要で、子どもへの負担も無視できません。行事の開催が保護者に対して「見せる保育」になり、本来の目的を見失っていると思う保育士もいるでしょう。

行事の負担を減らすには、スケジュール管理や装飾の使い回し、保護者アンケートによる見直しなどが大切です。小規模保育園へ転職したり、保育業界専門の転職エージェントに求人紹介してもらったりすると、行事による業務負担が減らせる可能性もあるでしょう。

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