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保育士がクレームで辞めたいときは?よくある苦情や保護者対応のコツ

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クレームをつける若い母親と頭を下げる保育士

保育士として働く中で、保護者からのクレームに「辞めたい」と感じる方もいるかもしれません。クレームは保育の質を見直すきっかけになる場合もありますが、理不尽な内容に心を痛めることもあります。この記事では、保育士が辞めたいと感じるクレームの具体例や適切な対処法を解説します。また、クレーム対応のポイントやトラブルを未然に防ぐコツも紹介するので、保護者対応に悩む保育士は参考にしてみてください。

この記事を書いた人

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「レバウェル保育士」編集部

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クレームを理由に辞めたいと思う保育士は珍しくない

保護者からのクレームによって「もう辞めたい」と感じる保育士は少なくありません。子どもの成長を支える保育の現場では、保護者の期待や不安が高まりやすく、ときにそれがクレームとして表面化することがあります。

内容が正当なものであれば受け入れられますが、理不尽な要求や感情的な批判に直面すると、精神的に大きな負担となってしまうでしょう。経験の浅い保育士の場合、「自分の対応が悪かったのか」「保育士に向いていないのでは」と自信を失ってしまうことも。また、担任保育士も保護者と長期的な関わりが続くため、ストレスが蓄積しやすいといえます。

保育士の「辞めたい」を招くクレーム事例

ここでは、保育士が「辞めたい」と感じてしまうクレームの具体例を紹介します。現在クレーム対応で悩んでいる方は、自身の状況と重ね合わせてみてください。

保育園の食事に関するクレーム

食事は子どもの健康に直結するため保護者の関心が高く、対応に悩みやすい事柄です。保育園の食事に関するクレームには、以下のような内容が挙げられます。

  • 好き嫌いを配慮してほしい

  • おかわりをさせないでほしい

  • 苦手な食べ物も完食させてほしい

  • 野菜以外は食べさせないでほしい

このほか、「給食の量が少ない」「メニューがマンネリ化している」といった指摘もあります。おかわりや好き嫌いに関して、「してほしい」と「しないでほしい」という真逆の要求を受けることもあり、両極端な要望に頭を抱える保育士も少なくありません。

保育園の行事に関するクレーム

運動会や発表会といった行事は、保護者の期待が特に高まる機会です。そのため、日程調整に関する不満だけではなく、子どもの出番や役割に関してもクレームが寄せられることがあります。保育園の行事に関する主なクレーム例は、以下のとおりです。

  • 雨天延期にしないでほしい

  • 行事の日時を変更してほしい

  • 子どもの立ち位置に納得できない

行事は日頃の保育の成果を発表する大切な機会ですが、すべての保護者の要望に応えるのは難しいのが実情です。

保育園のルールに関するクレーム

保育士の中には、園全体のルールと各家庭への配慮とのバランスに悩む人も少なくありません。保育園のルールに関するクレームには、以下のような内容が挙げられます。

  • 発熱のたびに電話をしないでほしい

  • 仕事中に呼び出さないでほしい

  • 数分の遅れで延長保育料を請求しないでほしい

  • 通園バスのルートや到着時間を変更してほしい

このほか、「お迎え時間が厳し過ぎる」「持ち物の指定が細か過ぎる」といった内容や、「うちの子だけルールを厳しく適用している」といった不公平感を訴える声もあります。

子どものトラブルやケガに関するクレーム

子ども同士のトラブルやケガは、深刻なクレームにつながりやすい事例といえます。代表的なクレームは、以下のとおりです。

  • トラブルとなった子どもの親から謝罪がない

  • ケガをさせないように目を離さないでほしい

子どもの安全を守ることは保育士の責務ですが、活発に動き回る子どものケガを完全に防ぐのは難しいもの。ときには、「どうして防げなかったのか」「なぜすぐに連絡しなかったのか」といった質問が厳しい口調で投げかけられることもあるでしょう。

保育士がクレームで辞めたいときの対処法

保護者からのクレームで落ち込み、「もう辞めたい…」と感じたときは、次の対処法を試してみてください。気持ちが沈んだままでいると、心や体のバランスを崩してしまう可能性もあります。周りの力を借りながら、少しずつ心を軽くしていきましょう。

一人で抱え込まずに園長や上司に相談する

保育士が保護者からのクレームを受けると、「自分の対応が悪かったのでは…」と一人で悩んでしまうこともあるでしょう。しかし、クレームの中には、保育士個人ではなく園全体の課題として捉えるべき事柄もあります。内容を理不尽に感じたり、どう対応すれば良いか判断ができなかったりする場合は、迷わず周囲に相談しましょう。

相談する際は、起きた出来事や保護者の発言をできるだけ客観的に伝えることが大切です。経験豊富な上司からアドバイスをもらえば、視野が広がるかもしれません。

休みを取って気持ちを切り替える

クレーム対応に疲れて精神的に限界を感じたときは、思い切って休みを取ることも大切です。自分に改善すべき点があれば反省も必要ですが、無理のある要求や納得できない内容には一旦距離を置いて、自分の心を守りましょう。

連休が取れる場合は、気分転換のために普段と違う環境で過ごすのもおすすめです。休暇中はできるだけ保育のことを考えず、趣味に取り組んだり、のんびり過ごす時間を持ったりすると心を整えやすくなるかもしれません。

退職すべき状況かどうかを冷静に判断する

保育士がクレームで「辞めたい」と感じたときは、一時的な感情なのか、それとも職場環境に原因がある継続的な問題なのかを冷静に見極めることが重要です。園全体でクレームが頻発していたり、責任を個人に押し付けるような体制であったりする場合は、現在の職場で働き続けることが最善とはいえないでしょう

もし、「今の職場では自分の保育観を実現できない」「このままでは健康を損なうリスクがある」と感じる場合は、退職も選択肢の1つです。保育士として長く働き続けるためにも、自分に合った環境を選ぶことをおすすめします。

保育士がクレーム対応する際の3つのポイント

保育士がクレームを受けたときは、冷静で適切な行動が信頼関係の構築につながります。たとえ今の職場を辞めたとしても、転職先でクレームが一切ないとは限らないため、基本的な対応のポイントを身に付けておくことが大切です。

1.保護者の主張や気持ちに共感する

保育士のクレーム対応の基本は、保護者の気持ちに共感することです。「お子さんのことを心配されるお気持ちはよく分かります」「そう感じられたのも無理はありません」といった言葉で、相手の感情をしっかり受け止めましょう。否定したり言い訳をしたりすると、かえって保護者の怒りを強めてしまうことがあるため、最後まで話を聞く姿勢が重要です。

また、うなずきや相づちなどの非言語コミュニケーションも有効といえます。真剣に話を聞いていることが伝われば、保護者の不安や怒りが和らぐかもしれません。相手の言い分をすべて認める必要はなく、気持ちを理解しようとする姿勢を示すことがポイントです。

2.クレームの背景にある心理を読み取る

保育士がクレーム対応をする際は、表面的な発言だけでなく、その奥にある真意を読み取ることが重要です。たとえば「おむつが濡れていた」というクレームの背景には、「子どものことをきちんと見てくれているのだろうか」という感情が隠れているかもしれません。

仕事と育児の両立に疲れていたり、子育てに自信がなく不安を抱えていたりする保護者の中には、意図せず自制心を失ってしまう人もいるでしょう。保護者対応に努める際は、「クレーム=助けを求める合図」として受け止め、支援の手がかりにする視点も必要といえます。

3.事実確認をして早急に対応する

保育士のクレーム対応で大切なのは、感情に流されず、事実に基づいて冷静かつ迅速に対応することです。クレームを早く収めようとして、一人の保護者を特別扱いしたり、安易に謝罪をしたりするのは避けましょう。また、曖昧な返答や対応の先延ばしも、かえって不信感を招く原因になります。

事実確認では、当日の記録や関わった職員からの情報を集め、何が起きたのかを正確に把握します。すぐに解決できない場合も、「現在対応を検討中です」「取り組みを進めています」といった途中経過を伝えることで、保護者の不安を軽減できるでしょう。必要に応じて園長や上司に同席してもらい、話し合いの場を設けることも解決策の1つです。

保育士が保護者からのクレームを防ぐコツ

保育士がクレームを受けて「辞めたい」と感じないためには、クレーム自体を未然に防ぐ工夫も大切です。保護者に不安や誤解を与えないよう、以下のポイントを意識しましょう。

保護者とのコミュニケーションを積極的に取る

保育士のクレーム予防の基本は、日頃からの積極的なコミュニケーションです。丁寧な挨拶はもちろん、「今日はこんな遊びを楽しんでいましたよ」「給食をモリモリ食べていましたよ」など、園での子どもの様子を具体的に伝えるようにしましょう。

時間が十分に取れない場合は、連絡帳を活用して交流を深めるのもおすすめです。保護者が「先生は子どものことをよく見てくれている」と感じれば、小さな不満もクレームに発展しにくくなります。関わり方に悩む保護者ほど積極的に声をかけ、信頼関係を築きましょう。

振り返りを行い今後の仕事に活かす

保育士がクレームを未然に防ぐためには、過去のクレームを単なる批判として受け流すのではなく、保育の質を高める機会と捉えることが重要です

「なぜそのような状況が起きたのか」「どうすれば改善できるのか」を冷静に振り返り、より良い保育につなげましょう。保護者の声に真摯に耳を傾けることで、保護者対応のスキルも自然と高まっていくはずです。同じようなクレームが頻繁に発生する場合は、園全体の仕組みや方針を見直すきっかけにもなるかもしれません。

フォロー体制が整っている保育園に転職する

現在の職場環境に問題を感じている場合は、フォロー体制が整っている保育園への転職を検討するのも1つの選択肢です。クレーム内容や対応を記録し、定期的に振り返る機会を設けている園では、トラブルの発生を最小限に抑えられるかもしれません。

また、対応マニュアルが整備されている職場であれば、どう動けば良いか迷う場面が少なく、一人で悩みを抱え込む心配も減るでしょう。言葉遣いや返答の仕方に不安がある保育士も、安心して業務に取り組めるはずです。

クレーム対応で辞めるか悩んだら転職エージェントへ相談を

クレーム対応で「辞めたい」と思ったときは、一人で結論を出す前に保育士専門の転職エージェントに相談するのも1つの方法です。転職エージェントでは、求人票だけでは分からない園ごとの体制や保護者対応の方針の違いも把握しているので、自分に合った職場環境を見つけやすいのが特徴です。

「クレーム対応で辞めたいなんて甘えかな…」と感じている方も、キャリアアドバイザーからほかの保育士の転職事例を聞くことで、「自分だけじゃない」と安心できるかもしれません。レバウェル保育士なら、すべてのサービスを無料で利用できるため、まだ辞めるか迷っている段階でも気軽に利用可能です。無理に転職を勧めることはないので、ぜひ自分のキャリアや働き方を見つめ直す機会としてご活用ください。

クレームで辞めたい保育士によくある質問

ここでは、クレームで辞めたい保育士によくある質問を紹介します。

保育士がクレームを受けて落ち込むのはよくあることですか?

保育士がクレームを受けて落ち込むのは、珍しいことではありません。子どもの成長を願って真剣に仕事に向き合っているからこそ、批判の言葉に心を痛めるのは自然なことといえるでしょう。経験豊富なベテラン保育士であっても、クレームに傷つかない人はほとんどいません。大切なのは、同僚や上司と感情を共有し、自分を追い詰めないことです。

保育士が保護者を怒らせた場合の対処法を教えてください

保育士が保護者を怒らせてしまったときは、一度深呼吸をして冷静になり、相手の話を落ち着いて聞く姿勢が大切です。その場で解決が難しいと感じたら、「詳しいお話を伺いたいため、別室でお時間をいただけますか」と提案するのも1つの方法です。話を伺ったあとは、誠意を持って謝罪し、事実確認を行ったうえで今後の対応策を具体的に伝えましょう。

保育士に対するクレームが市役所に届くことはありますか?

保護者が園に直接言いにくい内容や、話し合いで解決しなかった問題は、市役所の保育課などに届けられることがあります。市役所にクレームが届いた場合、担当部署から園に事実確認の連絡が入り、対応を求められるでしょう。園としては真摯に問題に向き合い、必要に応じて改善策を市に報告することになります。

まとめ

保育士がクレーム対応に悩み、「もう辞めたい…」と感じるのは決して珍しいことではありません。食事や行事、子どものケガなど、日々さまざまなクレームに直面し、精神的に追い詰められてしまうこともあるでしょう。園長や上司に相談したり、心と体を休ませたりしても状況が改善しない場合は、職場のサポート体制に問題がある可能性も考えられます。「子どもは好きだけど、このまま続けて良いのかな…」と悩んでいる方は、自分らしく働ける職場を見つけることで状況が好転するかもしれません。

保育業界専門の転職支援サービスであるレバウェル保育士では、地域に特化したプロのアドバイザーがあなたの希望条件に合った求人をご紹介します。運営方針や職場の雰囲気、働いている人の生の声もお届けするので、「同じ悩みを繰り返したくない…」という不安もきっと和らぐはずです。どうぞお気軽にご相談ください。

執筆者

A

「レバウェル保育士」編集部

保育士・幼稚園教諭専門の転職エージェント「レバウェル保育士」が運営するメディア。現役の保育士とこれから保育士を目指す方に向けて、仕事や転職に役立つ情報をお届けします。記事を通して不安や悩みが少しでも解消する状態を目指し、皆さんのキャリア選択を支援します。

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