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放課後等デイサービスはきついって本当?向いている人の特徴や魅力を解説
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放課後等デイサービスはきついと感じている方も少なくありません。放課後等デイサービスは、子どもたちへの支援にやりがいがある反面、業務の幅が広く心身に負担を感じやすいのが現状です。この記事では、放課後等デイサービスの仕事がきついと感じる理由や、向いている人の特徴、悩んだときの対処法などをわかりやすく解説します。今の働き方に不安や疑問を感じている方は、ぜひ内容をご一読ください。
目次
放課後等デイサービスの仕事がきついと言われる理由
放課後等デイサービスは学校に就学している障がいのある子どもたちが、放課後や長期休暇中に利用できる福祉サービスです。実際に放課後等デイサービスで働いている方のなかには、「仕事がきつい」「サポートが大変」という気持ちを抱えている人も少なくありません。ここでは、放課後等デイサービスの仕事が「きつい」と言われる理由を解説します。
身体への負担が大きい
放課後等デイサービスでは、身体に負担がかかりやすいことが職員の悩みの1つとなっています。現場では子どもたちの行動を常に見守る必要があり、落ち着きのない子どもや突発的な行動をする子どもに対して、安全を確保するための素早い判断と対応が欠かせません。走り回る子どもを追いかける場面もあるため、十分な体力が求められます。
また、職員が少ない職場では仕事の分担が難しく、長時間勤務や残業が日常化してしまうこともあります。施設内の環境整備や掃除、おもちゃの片付けなども日々の業務に含まれるため、1日の終わりに疲労から「きつい」と感じる職員も少なくありません。
児童との関わり方に正解がなく悩む
放課後等デイサービスの難しい点の1つが、障がいのある子どもたちとの適切な関わり方を見つけることです。発達障害や知的障害、精神障害など、さまざまな特性を持つ子どもたちが利用する中で、一人ひとりに合った支援方法を模索しなければなりません。しかし、「これが正解」という明確な答えはなく、常に試行錯誤の連続となります。経験の浅い職員にとっては、この不確実性がストレスや仕事のきつさの要因となるでしょう。
トラブル対応で児童や保護者に気を遣うで疲弊しやすい
放課後等デイサービスでは、子ども同士のトラブルや予期せぬ事故が起きることがあります。発達に特性のある子どもは人との関わりが苦手なことも多く、他児との衝突やパニックに陥る場合も。このような場面では、職員が迅速に対応する必要があり、常に緊張状態が続いてしまいます。
また、トラブル後は保護者への説明や謝罪も求められるでしょう。なかには障がいへの理解が十分でない保護者もいるため、言葉選びに細心の注意が必要です。「どうして防げなかったのか」といった厳しい声に対応する精神的負担も大きく、結果として仕事がきついと感じやすくなるのが現状です。
業務量に対して給料が見合わない
放課後等デイサービスでは、「求められる責任や業務量に対して給料が見合わないからきつい」と感じる人も少なくありません。専門的な支援スキルや障がい児への理解が必要な仕事であるにもかかわらず、待遇面での評価が十分ではないことが、職員の負担感につながっていると考えられるでしょう。
また、小規模事業所では経営状況により、残業手当の支給や定期昇給が難しい場合があります。支援への意欲や子どもたちへの思いだけでは、継続的な就労を維持することが困難な状況も見受けられます。
慢性的な人手不足で休みにくい
放課後等デイサービスは慢性的な人手不足が課題となっています。これは、先述の待遇面での課題や仕事の大変さから、人材の定着率が低いことも一因です。
現場の人員が不足すると、スタッフの急な欠勤や退職時に、残るメンバーへの負担が重くのしかかります。その結果、休暇が取りづらくなったり、希望の勤務シフトが組めなくなったりと、仕事と生活のバランスを保つことが困難になることも。こうした状況が続くと、「休みたくても休めない」「自分が休むと他のスタッフに迷惑がかかる」という心理的プレッシャーにつながるでしょう。
支援以外の事務作業が多い
放課後等デイサービスでは子どもと関わる支援だけでなく、事務作業の負担も大きいのが現実です。たとえば、個別支援計画の作成や支援記録の入力、月ごとの活動報告、請求業務など、書類仕事は多岐にわたります。こうした業務は、子どもたちが帰った後や休憩時間を使って対応することが多く、残業や持ち帰り仕事につながりがちです。「もっと子どもと向き合いたいのに、書類作業に追われてしまう」という声も少なくありません。
支援方針の違いで職員同士の対立が起きる
放課後等デイサービスでは、支援の方針や考え方をめぐって職員間で意見の相違が生じ、「人間関係がきつい」という考えにつながることもあります。たとえば、「困った行動にはどう対応するか」といった基本的なことでも、「厳しく指導すべき」という意見と「受け入れて見守るべき」という意見に分かれる場合もあるでしょう。
また、「療育を重視するか」「子どもの居場所づくりを大事にするか」といった理念の違いが、考え方のズレを生む原因になる場合もあります。こうした意見の違いは、経験や個人の価値観によるものですが、現場ではある程度の方針の統一が必要です。そのすり合わせがうまくいかないと、職員間の関係が悪化してストレスを抱えやすくなるでしょう。
放課後等デイサービスの仕事の魅力とやりがい
放課後等デイサービスの仕事はきつさや大変な面がありますが、それを上回るやりがいも感じられます。ここでは、放課後等デイサービスの仕事の魅力とやりがいについてまとめました。
子どもが成長した瞬間に立ち会える
放課後等デイサービスの魅力の1つは、子どもたちの成長を間近で感じられることです。たとえば、これまで苦手だったコミュニケーションが少しずつ取れるようになる姿や、新しいスキルを習得して自信を持つ姿を間近で見守れます。このような子どもたちの小さな変化や成長に立ち会える喜びは、保育の現場での励みとなるでしょう。
保護者からの「ありがとう」が励みになる
放課後等デイサービスの職員は、保護者から「子どもが楽しそうに通っています」「家で笑顔が増えました」といった感謝の言葉を聞ける場合があります。自分の努力が保護者に伝わっていると感じられたり、信頼関係を構築できたりすると、仕事に対するやりがいにつながるでしょう。保護者が家庭での関わりを大切にし、職員が放課後等デイサービスで声かけに努めれば、連携をしながら子どもを支えることが可能です。
社会の中で必要とされていると実感できる
放課後等デイサービスで働く職員は、障がいのある子どもたちの発達支援によって、社会に貢献することが可能です。放課後の時間に子どもたちを預かることで保護者が安心して働けたり、学校や地域に向けて適切な情報提供を行えたりします。自身の専門性を活かして地域と一体となった支援ができれば、担当している業務への手応えを実感できるでしょう。
放課後等デイサービスの職員に向いている人
放課後等デイサービスでの仕事は、福祉や保育の知識を活かしながら子どもたちの成長をサポートしていく役割があります。以下で、どのような人が放課後等デイサービスの職員に向いているのかを確認してみましょう。
福祉や発達支援に関心がある人
放課後等デイサービスの職員には、福祉や発達支援への興味・関心がある人が向いています。子ども一人ひとりの特性に寄り添い、「どのような支援が必要か」「何に困っているか」を理解できれば、適切な距離感で子どもと接することができるでしょう。「困っている子を助けたい」という強い思いを持っている方は、仕事のやりがいを感じられるかもしれません。
子どもと関わるのが好きな人
放課後等デイサービスの職員は、子どもの成長をそばで見守るのが好きな方におすすめです。職員には、日常の中で子どもと会話したり、一緒に遊んだりしながら少しずつ信頼関係を築いていく姿勢が求められます。「子どもと一緒に成長したい」「子どもの変化や笑顔を間近で感じたい」と思える人であれば、仕事に対して前向きな気持ちで取り組めるでしょう。
気持ちの切り替えができる人
放課後等デイサービスの現場では予想外の出来事や上手くいかない支援が続く日もあるため、感情の切り替えが上手な人が活躍できるでしょう。予定していた活動が進まなくなったときに必要なのは、「うまくいかなかった」と引きずるのではなく、「次はどう対応しよう」と前向きに考え直せる力です。感情に飲み込まれず、冷静に気持ちを切り替えて行動できる人は、子どもたちにとっても安心できる存在になれるでしょう。
体力に自信がある人
子どもの体力についていける自信のある人は、放課後等デイサービスの職員として活躍できるでしょう。現場では、子どもたちと外で走り回ったり、室内で一緒に体を使った遊びをしたりする場面が多くあります。子どもたちは遊びの中で社会性や身体の使い方を学ぶため、ただ見守るだけでなく一緒に遊びを楽しみながら体を動かす姿勢が求められます。「子どもと一緒に遊ぶのが好き」「体を動かすことに抵抗がない」という人は、現場で頼られる存在となるでしょう。
きつい放課後等デイサービスを避ける転職の方法
放課後等デイサービスの職場環境や支援内容は、施設によって異なります。長く安心して働くためには、事前に職場の情報をしっかりと把握することが大切です。ここでは、自分に合った働きやすい施設を見つけるためのチェックポイントを紹介します。
支援方針や運営方針を確認する
放課後等デイサービスでは、施設ごとに子どもへの支援方針が異なります。求人票や面接の場では「支援の内容」や「施設の方針」について確認しましょう。たとえば、「遊び」を中心にしたのびのびとした支援を行っている施設もあれば、「学習支援」に力を入れている施設もあります。日々の業務内容や求められるスキルも変わるため、自分の経験や得意分野と照らし合わせるのが望ましいでしょう。
また、運営会社や管理者の方針も、働きやすさに関わってきます。「支援の質を重視しているか」「利益を優先していないか」など、現場に寄り添った運営がされているかを見極めることが大切です。
待遇や労働環境の差に注意する
放課後等デイサービスの給与や労働条件も、職場によって異なります。月給や勤務時間だけでなく、以下のような点にも注目しておきましょう。
残業の有無や残業代の支給状況
有給休暇の取得実績
休憩時間の取りやすさ
子どもに対するスタッフの配置人数
記録作成や事務作業をする時間の確保
採用ページや求人票から読み取れないことがあれば、面接時に確認してみるのも手です。「1日のスケジュールを教えてください」「記録作業はいつ行っていますか」など、具体的な質問をすれば実態を把握しやすくなります。また、「スタッフの定着率はどのくらいですか?」と尋ねることで、働きやすい環境かどうかを知るヒントになるでしょう。
職場を見学・体験して雰囲気を知る
職場の雰囲気や実際の働き方を知るためには、職場見学や体験入職をしてみましょう。見学時には、子どもたちへの接し方や、スタッフ同士のコミュニケーションの様子に注目してみてください。体験入職の際は、管理者とスタッフの関係性や、新人へのフォロー体制などをチェックするのがポイントです。
また、施設の設備や清潔さ、子どもたちの表情なども、支援の質を表す指標となります。教材や遊具が整っているか、安全面に配慮されているかなど、細かい部分まで目を向けてみましょう。
転職エージェントで職場の情報を集める
放課後等デイサービスへの転職を考える際は、転職エージェントを活用するのもおすすめです。エージェントでは「職場の人間関係」や「残業の実態」、「研修体制」など、実際に働いてみないとわからない情報を教えてもらえる場合があります。「残業が少ない」「チームワークが良い」「研修が充実している」というように、希望条件はできるだけ具体的に伝えておくと、ミスマッチを避けられるでしょう。また、複数のエージェントを利用することで、より多くの選択肢から比較検討が可能になります。
放課後等デイサービスの仕事がきついと感じたときの対処法
日々の支援や業務の中で「きつい」と感じてしまうこともあるでしょう。心身ともに負担を抱えたまま働き続けると、モチベーションの低下や体調不良につながるおそれもあります。ここでは、放課後等デイサービスの仕事がきついと感じるときの対処法について紹介します。
きついと感じる理由を明確にする
現状を改善したいときは、自分がなぜ「放課後等デイサービスの仕事がきつい」と感じているのかを洗い出しましょう。「子どもとの関わり方に自信が持てない」「保護者対応がうまくできない」「業務量が多すぎて休む時間がない」など、疲れや不満の原因は人によってさまざまです。
きついと思う理由を明らかにするときは、ノートやスマートフォンのメモに、自分の感じていることを言語化してみましょう。冷静に現状を振り返れば、頭の中が整理され、次にどのような行動を取るべきかが分析しやすくなります。
一人で抱え込まず周囲に相談する
「きついと思う理由」が見えてきたら、できるだけ早い段階で周囲に相談してみましょう。悩みを共有できる相手がいるだけで、精神的な負担はぐっと軽くなります。先輩や上司に支援の工夫を聞いてみたり、同僚の業務の進め方をアドバイスしてもらったりすれば、自分では思いつかなかった方法や考え方を反映できるかもしれません。職場内での共有が難しい場合は、家族や友人、福祉業界の仲間など、外部のつながりを頼ってみるのも手です。
業務の見直しや環境改善を申し出る
「このままでは続けられない」と感じるような状況であれば、業務の見直しや職場環境の改善を提案してみることも選択肢として挙げられます。たとえば、「記録の時間を確保してほしい」「休憩が取れるようにシフトを調整してほしい」といった要望は、職場全体の働き方を見直すきっかけになる可能性もあるでしょう。ただ不満を伝えるだけでなく、「こうしたらもっとよくなると思います」と前向きな提案を添えると、相手にも伝わりやすくなります。
改善の見込みがないなら転職を検討する
上記で紹介した方法を試しても現状が変わらない場合や、心身の不調が続いている際は、転職も視野に入れるのが望ましいかもしれません。支援方針への違和感が拭えなかったり、パワハラや法令違反があったりすると、その環境にとどまること自体がリスクとなる可能性もあります。
児童発達支援や福祉型障害児入所施設、保育園など、障がいのある子どもたちを支える職場は放課後等デイサービス以外にもあります。これまでに放課後等デイサービスの職員として活躍してきた経験は、次の環境でも役立てられるでしょう。
放課後等デイサービスが「きつい」と感じることに関する質問
ここでは、放課後等デイサービスが「きつい」と感じたときによくある質問にお答えします。ぜひ参考にしてみてください。
放課後等デイサービスの仕事は疲れるって本当?
放課後等デイサービスでは子どもの支援や送迎、事務作業などを幅広く担当するため、疲れを感じる人もいます。人手が足りない職場では一人あたりの業務量が多くなり、疲労やストレスを抱えててしまうこともあるでしょう。職場の体制や支援方法によって働きやすさは変わるため、自分に合った職場を選ぶことが大切です。
「放課後等デイサービスに向いてないかも…」と思ったらどうすればいい?
自分がなぜそう感じるのか、理由を整理してみましょう。業務量や人間関係、子どもとの関わり方など、向いていないと思う理由によって対処法は変わります。現在の仕事がきついときは一人で抱え込まず、同僚や上司に相談するのも大切です。改善が難しい場合は、無理をせず転職を考えるのも選択肢といえるでしょう。
まとめ
放課後等デイサービスの仕事は、専門的な支援スキルや体力が必要で、給与面での評価が十分でないことから「きつい」と感じる人が少なくありません。子どもたちへの支援だけでなく、事務作業の多さ、保護者対応の難しさ、慢性的な人手不足なども現場の負担感を高めています。
一方で、子どもたちの成長に寄り添える喜びや、保護者からの感謝の言葉、社会的意義のある仕事としてのやりがいも大きいのがポイントです。働く場所を選ぶ際は、支援方針や労働環境をしっかり確認し、職場見学や体験入職を活用することで、自分に合った職場を見つけやすくなります。
「子どもと関わるのは好きだけど、今の環境は正直きつい」「もっと安心して働ける場所を見つけたい」そのような思いを抱えている方は、自分の働き方を見直すタイミングかもしれません。保育・福祉業界に特化した転職支援サービス「レバウェル保育士」では、放課後等デイサービスでの経験を活かせる職場への転職を、専任アドバイザーが丁寧にサポート。あなたの悩みに寄り添いながら、職場環境の相談から履歴書の添削、面接対策までしっかりフォローします。「レバウェル保育士」はすべてのサポートが無料なので、つらさや不安をひとりで抱えず、まずはお気軽にご相談ください。
執筆者

「レバウェル保育士」編集部
保育士・幼稚園教諭専門の転職エージェント「レバウェル保育士」が運営するメディア。現役の保育士とこれから保育士を目指す方に向けて、仕事や転職に役立つ情報をお届けします。記事を通して不安や悩みが少しでも解消する状態を目指し、皆さんのキャリア選択を支援します。