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幼稚園教諭の平均年収はいくら?私立・公立の差や保育士との給料の違い

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給料袋と複数の一万円札の画像

幼稚園教諭として働いていると、「自分の年収は高いのか、低いのか」と気になることもあるのではないでしょうか。また、幼稚園教諭を目指すか迷っている方の中には「満足する年収が得られるのか」と不安に感じている人もいるかもしれません。 この記事では、幼稚園教諭の平均年収や給料、ボーナスについて詳しく解説します。「年齢別」「規模別」「都道府県別」などさまざまな条件ごとの比較や私立と公立の違いについても紹介します。ほかに年収アップの方法も解説するので、キャリア形成の参考にしてください。

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「レバウェル保育士」編集部

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幼稚園教諭の平均年収は412万7,300円

厚生労働省の「令和6年賃金構造基本統計新規タブリンク」をもとに計算すると、想定される幼稚園教諭の平均年収(全体)は412万7,300円です(平均年収は、きまって支給する現金給与額×12ヶ月+年間賞与その他特別給与額により計算

ここでは、給料やボーナスなど平均年収の内訳を見ていきましょう。

出典

厚生労働省「令和6年賃金構造基本統計新規タブリンク」(2025年5月30日)

幼稚園教諭の給料・ボーナス

厚生労働省の「令和6年賃金構造基本統計新規タブリンク」によると、幼稚園教諭(男女計)のきまって支給する現金給与額は27万6,600円、年間賞与その他特別給与額(ボーナス)は80万8,100万円です
ボーナスは一般的に、夏と冬の2回に分けて支給されます。

きまって支給する現金給与額 年間賞与その他特別給与額(ボーナス)
全体平均(男女計) 27万6,600円 80万8,100万円
男性 35万3,500円 107万4,400円
女性 27万2,100円 79万2,700円

参照:厚生労働省「令和6年賃金構造基本統計新規タブリンク

女性に比べて男性の給料が高い理由は、雇用形態や役職の違いなどが影響していると考えられます。女性の場合、出産をはじめとするライフイベントによって職場を離れる機会が多いため、男性との経験年数に差が生じやすい側面もあるようです。

幼稚園教諭の手取り

手取りは一般的に額面の約80%が目安とされています。そのため、上記のきまって支給する現金給与額の27万6,600円(全体平均/男女計)を参考にすると、幼稚園教諭の手取りは22万1,280円程度といえるでしょう

幼稚園教諭と保育士の年収の違い

厚生労働省「令和6年賃金構造基本統計調査新規タブリンク」によると、幼稚園教諭の平均年収は412万7,300円、保育士は406万8,100円です。幼稚園教諭の平均年収は、保育士に比べて5万9,200円高い結果となっています(平均年収は、きまって支給する現金給与額×12ヶ月+年間賞与その他特別給与額により計算)。

きまって支給する現金給与額 年間賞与その他特別給与額 平均年収
幼稚園教諭 27万6,600円 80万8,100円 412万7,300円
保育士 27万7,200円 74万1,700円 406万8,100円

参照:厚生労働省「令和6年賃金構造基本統計調査新規タブリンク

上記の表を見ると、きまって支給する現金給与額がほとんど変わらないのに対し、ボーナスに差があるのがわかるでしょう。なお、これらの傾向は、公立・私立の違いや地域によっても異なるため、あくまでも参考程度にご覧ください。

出典

厚生労働省「令和6年賃金構造基本統計新規タブリンク」(2025年5月30日)

条件別に見る幼稚園教諭の給料・年収

ここでは、「年齢別」「経験年数別」「規模別」「都道府県別」の4つの条件に分けて、幼稚園教諭の給料や年収をさらに深掘りしていきます。

年齢別の推移

厚生労働省の「令和6年賃金構造基本統計調査新規タブリンク」によると、幼稚園教諭の平均年収は、以下のとおりです(きまって支給する現金給与額×12ヶ月+年間賞与その他特別給与額により計算)。

年齢 きまって支給する現金給与額 年間賞与その他特別給与額 平均年収
20~24歳 23万800円 51万9,200円 328万8,800円
25~29歳 25万6,700円 77万8,900円 385万9,300円
30~34歳 26万5,800円 76万3,700円 395万3,300円
35~39歳 27万7,200円 80万9,400円 413万5,800円
40~44歳 28万5,400円 89万4,000円 431万8,800円
45~49歳 30万2,800円 91万3,000円 454万6,600円
50~54歳 30万4,000円 91万4,900円 456万2,900円
55~59歳 31万9,100円 103万400円 485万9,600円
60~64歳 33万7,200円 107万1,400円 511万7,800円
65~69歳 33万5,700円 105万6,100円 508万4,500円
70歳~ 36万6,700円 130万2,700円 570万3,100円

参照:厚生労働省「令和6年賃金構造基本統計調査新規タブリンク

幼稚園教諭の平均年収は、基本的に60〜64歳までは年齢を重ねるごとに上昇していくのがわかります。65〜69歳で平均年収は3万ほど下がりますが、70歳からは再びアップします。

初任給と経験年数別の推移

厚生労働省の「令和6年賃金構造基本統計調査新規タブリンク」によると、幼稚園教諭の初任給と経験年数別の推移は以下のとおりです。基本的に、幼稚園教諭の給与は経験年数を重ねるごとに上がっていきます。そのため、年収も同様の傾向になると考えられるでしょう。

経験年数 所定内給与額(残業第や休日出勤手当などが含まれない金額) 年間賞与その他特別給与額
0年 22万7,100円 7万4,700円
1~4年 23万6,900円 68万9,800円
5~9年 25万3,400円 75万4,600円
10~14年 26万8,400円 80万500円
15年以上 31万5,500円 105万2,300円

なお、初任給は幼稚園教諭一種免許状か二種免許状かによっても差が生じる場合があります。また、一般的には短大・専門卒よりも、大卒のほうが高い年収を得やすいでしょう

出典

厚生労働省「令和6年賃金構造基本統計調査新規タブリンク」(2025年5月30日)

幼稚園の規模による違い

厚生労働省「令和6年賃金構造基本統計調査新規タブリンク」をもとにして、幼稚園教諭の平均年収を規模により比較します(平均年収はきまって支給する現金給与額×12ヶ月+年間賞与その他特別給与額により計算)。

幼稚園教諭の平均年収が最も高いのは、規模が1,000人以上の場合です。10〜99人の規模と比較すると、その差は46万2,400円にものぼります。

企業規模 きまって支給する現金給与額 年間賞与その他特別給与額 平均年収
10~99人 27万3,000円 80万9,000円 408万5,000円
100~999人 28万4,600円 80万5,900円 422万1,100円
1,000人以上 31万2,300円 79万9,800円 454万7,400円

参照:厚生労働省「令和6年賃金構造基本統計調査新規タブリンク

大規模な施設では、給与や福利厚生が充実しており、比較的高い年収が見込まれるでしょう。

出典

厚生労働省「令和6年賃金構造基本統計調査新規タブリンク」(2025年5月30日)

幼稚園の都道府県による違い

職業情報提供サイト(job tag)の「幼稚園教員新規タブリンク」によると、幼稚園教諭の平均年収が最も高いのは千葉県で、450.8万円です

北海道 432.7万円 滋賀県 372.5万円
青森県 381.2万円 京都府 439.9万円
岩手県 388.4万円 大阪府 430.4万円
宮城県 379.7万円 兵庫県 432.5万円
秋田県 373.3万円 奈良県 443.1万円
山形県 369.4万円 和歌山県 387.9万円
福島県 361万円 鳥取県 408.3万円
茨城県 410.2円 島根県 372.4万円
栃木県 407.9円 岡山県 442.1万円
群馬県 408.3円 広島県 410.8万円
埼玉県 408.7円 山口県 420.4万円
千葉県 450.8万円 徳島県 373.8万円
東京都 439.6万円 香川県 427.4万円
神奈川県 433.6万円 愛媛県 437.4万円
新潟県 382.4万円 高知県 368.3万円
富山県 378.6万円 福岡県 390.4万円
石川県 393.1万円 佐賀県 408.2万円
福井県 417.7万円 長崎県 396.5万円
山梨県 387.1万円 熊本県 404.5万円
長野県 411.9万円 大分県 417.3万円
岐阜県 408.9万円 宮崎県 409.3万円
静岡県 409.6万円 鹿児島県 383.2万円
愛知県 436.7万円 沖縄県 381.3万円
三重県 424.2万円

参照:職業情報提供サイト(job tag)「幼稚園教員新規タブリンク

幼稚園教諭の平均年収は一般的に、東京都をはじめ関東で高い傾向にあります
なお、これらのデータはあくまでも目安のため、求人を探す際には施設ごとに比較して検討することをおすすめします。

出典

職業情報提供サイト(job tag)「幼稚園教員新規タブリンク」(2025年6月2日)

幼稚園教諭の年収は私立と公立でどれぐらい違う?

こども家庭庁「令和6年度 幼稚園・保育所・認定こども園等の経営実態調査集計結果<速報>(p12)新規タブリンク」によると、公立の幼稚園に勤める教諭(常勤)の給与月額は40万4,537円、私立の場合は33万5,387円です。これらの数値には賞与の一部が含まれているため注意が必要ですが、公立幼稚園のほうが平均年収は高いと考えられるでしょう。

なお、公立幼稚園で働くためには、公務員試験に合格する必要があります。狭き門ではありますが、その後は安定した昇給や充実した福利厚生が見込めます。
一方、私立幼稚園は職場によって年収の幅が大きいため、就職・転職前にしっかりと情報収集することが重要といえるでしょう。

幼稚園教諭の年収を左右する要素

ここでは、これまでに解説した内容も踏まえて、幼稚園教諭の年収を左右する2つの要素を紹介します。これらのポイントを押さえておけば、求人を選ぶ際に役立つでしょう。

手当や福利厚生の充実度

幼稚園教諭に支給される手当には、一般的に残業手当や特殊業務手当、通勤手当、住宅手当、資格手当などさまざまな種類があります。手当の有無や支給条件、金額は園によって異なるため、基本給にどれだけ上乗せされるかが年収を左右する重要なポイントといえるでしょう。

また、福利厚生の充実度も大切な要素です。福利厚生には法定福利厚生と法定外福利厚生があります。特に注目すべきは法定外福利です。代表的なものでは、社宅制度や特別休暇、昼食代の補助、退職金制度などが挙げられるでしょう。これらも園によって異なるため、どのような福利厚生が取り入れられているか、実績とあわせて確認するのがおすすめです。

昇給やキャリアアップのしやすさ

昇給額や役職への昇進も重要なポイントです。たとえ初任給が高くても、昇給が少ないと長期的に差が広がる可能性もあります。また、私立・公立問わずキャリアを積むことで年収は増える傾向にあるため、キャリアアップしやすい環境かどうかは外せない要素といえるでしょう。

下記の表は、こども家庭庁の「令和6年度 幼稚園・保育所・認定こども園等の経営実態調査集計結果<速報>(p12)新規タブリンク」をもとに、給与月額の平均を役職別に示したものです。

私立(常勤) 公立(常勤)
園長 54万1,709円 65万8,303円
副園長 47万4,295円 60万9,176円
教頭 45万8,151円 60万3,556円
主幹教諭 43万6,666円 56万145円
指導教諭 39万3,770円 47万3,219円
教諭 33万5,387円 40万4,537円

賞与の一部が含まれているため注意が必要ですが、私立の場合、教諭から主幹教諭、さらに園長へ昇進すると、いずれも約10万円ずつ給与が増加しているのがわかります。

幼稚園教諭の給与改善に向けた取り組み

幼稚園教諭を目指している方の中には、「昔に比べて年収は上がったのだろうか」と気になる方もいるのではないでしょうか。以下では、給与改善に向けて、現在どのような取り組みが行われているのかを解説します。

待遇面の向上

現在、幼稚園教諭の労働環境は積極的に見直しが行われています。実際に、こども家庭庁の「令和6年度幼稚園・保育所・認定こども園等の経営実態調査集計結果<速報>(p.4)新規タブリンク」によると、前回の調査(平成31年3月給与・平成30年度賞与)と比較すると、今回(令和6年3月給与・令和5年度賞与)では、幼稚園教諭(常勤)の給与月額は4.8万円増加しています。この金額には賞与の一部が含まれているため注意が必要ですが、以前に比べて待遇が改善されていることがわかるでしょう。

政府の支援策と制度

下記の表は、政府が業界全体の給与水準を向上させるために実施した、3種類の処遇改善等加算(Ⅰ〜Ⅲ)の内容をまとめたものです。

処遇改善等加算Ⅰ(平成27年~) 職員の経験年数やキャリアパスの取り組みに応じた加算
処遇改善等加算Ⅱ(平成29年~) 職員の技能や経験に応じた加算
処遇改善等加算Ⅲ(令和4年~) 賃金のベースアップを目的とした加算

これらの支援策では、賃金のベースアップに加え、キャリアパスの仕組みも整備されました。そのため、以前に比べて役職に就けるチャンスも広がっています。昇進の道が見えれば、モチベーションの向上にもつながるでしょう。

処遇改善等加算の手続きが複雑でわかりにくいという声もあるため、現在、Ⅰ・Ⅱ・Ⅲの一本化も検討されているようです。

出典

こども家庭庁「処遇改善等加算Ⅰ~Ⅲの一本化について新規タブリンク」(2025年5月30日)

幼稚園教諭が高年収の職場に転職する方法

現在幼稚園教諭で高年収の職場に転職を希望する方は、以下のポイントを押さえておくと良いでしょう。

  • 公立幼稚園の求人を探す

  • 好待遇の私立幼稚園の求人を探す

  • 給料が高い地域に引っ越す

公立幼稚園を目指す場合は、年齢制限や将来的な異動について事前に確認しておくことが重要です。また、保育士資格を取得すれば、保育教諭として認定こども園も視野に入るようになります。そのため、求人の選択肢を広げたい方は検討すると良いかもしれません。

幼稚園教諭の給料が高い地域は、この記事の「幼稚園の都道府県による違い」を参考にしてください。ただし、給与水準が高い地域では、生活費や物価も高くなる場合があるため、支出面も慎重に考慮することが大切です

幼稚園教諭が転職以外で年収を上げるには

転職以外で年収を上げたい幼稚園教諭の方は、以下の方法を試してみましょう。

  • 幼児教育に関する研修を受ける

  • 業務に役立つ資格を取得する

  • 管理職を目指す

前述のとおり、幼稚園教諭が年収を上げるためには、勤続年数を重ねることが大切です。1年目で年収が低いと感じても、定期昇給制度を導入している職場であれば徐々に上がる可能性があります。また、処遇改善等加算によって新たな役職も加わったため、キャリアアップ研修を受講すると月々の給与アップも期待できるでしょう。資格を取得して専門性を高めれば活躍の幅も広がるはずです。

幼稚園教諭の年収に関してよくある質問

ここでは、幼稚園教諭の年収に関してよくある質問を紹介します。

幼稚園教諭の年収はほかの仕事に比べて低いですか?

単純に比較するのは難しいものの、医療や教育などに関わる仕事と比べると一般的に低めの位置にあるでしょう。厚生労働省の「令和6年賃金構造基本統計調査新規タブリンク」によると、幼稚園教諭の年収の平均が412万7,300円万円なのに対し、看護師は519万7,000円、小学校教諭は726万5,400円となっています。幼稚園教諭の処遇を改善する動きは進んでいますが、現状はまだ追いついていません。ただし、約5年前と比べると、幼稚園教諭の平均月収は4.8万円上がっており、今後も改善は進むと考えられます。詳しくは本記事の「待遇面の向上」をご覧ください。

出典

厚生労働省「令和6年賃金構造基本統計調査新規タブリンク」(2025年6月2日)

幼稚園の先生の給料が責任に対して安いのはなぜですか?

幼稚園教諭は体力や精神力を要する仕事です。そのため、仕事量や責任に対して給料が見合っていないと感じられる傾向にあるようです。また、幼稚園教諭の給与は公定価格で決まっているため、園の努力で増やすのには限度があります。ただし、幼稚園教諭の労働環境は処遇改善加算などを通じて改善が進んでいるため、働きやすさは少しずつ向上しているといえるでしょう。詳しくは、本記事の「政府の支援策と制度」をご覧ください。

幼稚園教諭が年収500万円の収入を得ることは可能ですか?

幼稚園教諭が年収500万円を得ることは可能です。ただし、厚生労働省の調査によると、年収500万円台が見えてくるのは50代半ばを過ぎてからのため、着実にキャリアを積む必要があるでしょう。また、地方公務員として公立の幼稚園で働いたり、基本給や賞与が高い職場を選んだりするのも、高収入を得るためには効果的な方法です。

幼稚園教諭の年収は20代だといくらですか?

幼稚園教諭の年収は、一般的に年齢を重ねるにつれて上昇していきます。詳しくは、本記事の「年齢別の推移」をご覧ください。

まとめ

幼稚園教諭の平均年収は412万7,300円、保育士は406万8,100円です。幼稚園教諭の方が5万9,200円高い結果となっています。幼稚園教諭が高い年収を得るためには、手当や福利厚生が充実しており、昇給やキャリアアップの機会が多い職場を選ぶことが大切です。幼稚園教諭の職場は一般的に年功序列型のため、経験や年齢を重ねると徐々に給与も上がっていきますが、将来に希望が持てない場合は、転職してより良い待遇で働くのも一つの手です。

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執筆者

A

「レバウェル保育士」編集部

保育士・幼稚園教諭専門の転職エージェント「レバウェル保育士」が運営するメディア。現役の保育士とこれから保育士を目指す方に向けて、仕事や転職に役立つ情報をお届けします。記事を通して不安や悩みが少しでも解消する状態を目指し、皆さんのキャリア選択を支援します。

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