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なぜフリー保育士はたらい回しになるのか?5つの理由と対処法を解説

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注意をうけるフリー保育士のイメージ

フリー保育士の中には、日々たらい回しのような扱いを受け、戸惑いやストレスを感じている方もいるかもしれません。本来、フリー保育士は園全体を支える大切な存在ですが、中には役割分担が曖昧なまま有効に活かされていない職場もあります。 この記事では、フリー保育士がたらい回しにされる5つの理由や悩んだときの対処法を解説します。担任との関係作りに役立つ声の掛け方も紹介するので、参考にしてみてください。

この記事を書いた人

A

「レバウェル保育士」編集部

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フリー保育士がたらい回しにされる5つの理由とは?

フリー保育士はクラス担任を持たず、園全体をサポートする重要な役割を担っています。しかし、職場によっては保育士としての経験や専門性が十分に活かされず、「たらい回しにされている」と感じることも。ここでは、フリー保育士がたらい回しにされてしまう5つの理由を解説します。

1.休みやトラブルがなく人手が足りている

園の保育が順調に回っているときは、フリー保育士の力を発揮する機会が少なくなってしまう場合があります

フリー保育士の役割は、急な欠員への対応や業務が忙しいクラスのサポートなど、園内の状況に応じて柔軟に動くことです。園全体の人手が足りており大きなトラブルがない平常時には、フリー保育士が必要とされる場面自体が少なくなります。そのため、「何をすれば良いのか分からない」という状況に陥りやすくなる場合があるでしょう。

2.人数合わせの配置で明確な役割がない

フリー保育士が単に「人数合わせ」として配置されている場合、たらい回しのように扱われてしまうことがあります。具体的な業務の指示がなかったり、自分の役割が明確でなかったりすると、達成感を得にくくやりがいも感じづらくなります。

また、担任との情報共有を行う機会がない職場では、園全体の方針や各クラスの状況を把握するのが困難なため、ますます自分の立ち位置が見えなくなってしまうでしょう。

3.担任との信頼関係が築けていない

フリー保育士と担任の間に信頼関係が築けていないと、連携がうまくいかず、たらい回しのように扱われてしまうことがあります。コミュニケーションに壁がある状態では、意見や提案がしにくくなり、介入のタイミングを迷う場面も増えるでしょう。

中には、自分の保育に口を出されたくないと感じる担任もおり、「大丈夫です」と断られてしまうことも。また、お互いの専門性や得意なことを理解できていなければ、何をどこまで任せられるのかが分からず、業務の分担も難しくなってしまいます。

4.指示出しが面倒と思われている

担任がフリー保育士への指示や説明を「手間がかかる」と感じてしまうと、必要な情報が共有されず、たらい回しになる可能性があります。その結果、業務の優先順位が判断できず効率が下がってしまったり、作業の重複や抜け漏れが生じたりする恐れがあるでしょう。

また、担任が忙しそうにしているにもかかわらず、何の仕事も振られないと、気まずさや無力感を覚えることにもつながります。

5.子どもの情緒を乱す関わりになっている

担任の中には、保育の途中でフリー保育士が加わることで、子どもが戸惑ったり、活動が乱れたりするのではないかと不安を感じる人もいます

フリー保育士は常に同じクラスに入っているわけではないため、子ども一人ひとりの性格や接し方を把握しきれていないこともあります。そのため、良かれと思って取った行動が子どものリズムを乱すきっかけになり、担任に「保育の流れを乱された」と受け取られてしまう場合もあるようです。

たらい回しによってフリー保育士が抱える葛藤

フリー保育士の中には、「毎日違うクラスを行き来するのがしんどい」「自分の役割がはっきりせず戸惑う」と感じている人も少なくありません。ここでは、たらい回しのような状況が続くことで生じる悩みや葛藤について見ていきます。

職場で必要とされていないように感じる

フリー保育士がたらい回しのような扱いを受けていると、自分の存在意義や必要性に疑問を感じてしまうことがあります。臨時のサポートや急な対応ばかりを求められることで、「私はただの穴埋め要員なのでは」と感じ、自己肯定感が下がってしまう人もいるでしょう。

また、クラス担任のように明確な担当がないため、園の一員としての実感が持ちづらく、自分の居場所がないと感じる人もいます。

雑用ばかりで保育スキルを発揮できない

フリー保育士の中には、掃除や片付けといった環境整備や事務作業が中心となり、子どもたちと関わる時間が確保できないことに悩む人もいます。保育の知識やスキルを発揮できず、「このまま保育士として成長できるのだろうか…」と不安を感じることもあるでしょう。

たらい回しのような状況が続き、子どもたちとじっくり関わる機会が減ると、保育士としての自信を失うことにもつながります。

フリー保育士がたらい回しに悩んだときの対処法

フリー保育士がたらい回しに悩んだときは、園内のコミュニケーションを見直したり、自分なりの工夫を取り入れたりすると状況が改善する可能性があります。以下の内容を参考に、自分に合った対応を考えてみましょう。

フリー保育士の役割を前向きに捉え直す

フリー保育士の立場に対してネガティブなイメージを持っている場合は、仕事内容を前向きに捉え直してみましょう。フリー保育士は年齢や個性の違う子どもたちと日々関わるため、広い視野を持ちやすい傾向にあります。担任とは異なる立場から子どもたちを見守ることで、新たな気づきや改善のヒントも見つかるでしょう。

自分の仕事が園を支えていると実感できれば、自然と自信が持てるようになり、やりがいも感じられるようになるかもしれません。

担任が声を掛けやすい環境を作る

フリー保育士が現場でスムーズに動くためには、担任へ自分から積極的に声を掛け、話しやすい雰囲気を作ることが重要です。ちょっとした言葉や行動の積み重ねが、担任との連携を強め、円滑な保育につながります。

たとえば、朝の準備の時間に「今日の活動で気をつけることはありますか?」と一言尋ねるのも、コミュニケーションのきっかけになります。また、「今○○をしています。もし何かあればすぐ動けるので、遠慮なく声を掛けてくださいね。」というように、自分の動きを伝えつつサポートの意思を示すのも効果的です。

各クラスの保育のやり方に歩み寄る

フリー保育士がたらい回しのような状況を防ぐには、クラスごとの保育方針を理解し、柔軟に対応することが大切です。担任のやり方を否定せず、各クラスの流れに寄り添って動く姿勢を持ちましょう。細かく指示を出さなくてもスムーズに動いてくれるフリー保育士は、担任にとって心強いものです。

また、子どもたちが戸惑わないように、一貫した対応を意識することも忘れてはいけません。安定感のある関わりを心掛けることで安心感を与え、フリー保育士としての立ち位置を築きやすくなります。

園長や上司に仕事の悩みを打ち明ける

フリー保育士がたらい回しのような扱いに悩んだときは、抱え込まずに園長や主任に相談するのも対処法の1つです。現場で感じている悩みや不安を率直に伝えることで、定期的な面談の機会が設けられたり、担任との連携を円滑にするための仕組みが検討されたりする可能性もあるでしょう。

また、「毎回細かく説明するのが手間」と感じている担任が多い園では、フリー保育士へ積極的に任せて良い業務が共有されることで、お互いに声を掛けやすくなるかもしれません。

フリー保育士に関する改善案を提案する

フリー保育士が「たらい回しにされている」と感じる背景には、園全体の役割分担が曖昧で、日々の行動に見通しが立てづらいという課題があります。このような課題を解消するには、自身が感じている問題を整理し、現場で実現できそうな改善案を提案してみるのも1つの方法です

たとえば、「1日のスケジュールを教えてもらう」「手が空いたときにできる作業を前もって伝えてもらう」などの小さな工夫で動きやすくなるかもしれません。改善案を伝える際は、園全体の保育がスムーズに回るようにという視点を持つことが大切です。

保育園の意向調査で配置希望を出す

「保育に専念できる時間を増やしたい」「特定のクラスでの経験を積みたい」という場合は、意向調査で配置希望を出しましょう。自分の意思をしっかりと伝えれば、働き方や配置が改善される可能性があります。

意向調査では、希望するクラスや現在の業務で感じている課題をはじめ、自身のキャリアプランや園に対する建設的な提案も示すようにしましょう。情報共有によって保育体制の向上につながります。

やりがいを感じられない場合は転職する

フリー保育士として働く中で、やりがいを感じられない状態が続く場合は、転職を考えるのも1つの選択です。これまで紹介した対策を試しても自分の力を十分に発揮できないようであれば、無理に今の職場にとどまる必要はありません。職場を変えることで、よりいきいきと働ける可能性もあります。

転職を考える際は、自分が求める職場環境や条件を整理し、入念に情報収集を行いましょう。自分らしく輝ける職場を目指して、前向きに挑戦してみてください。

たらい回しがつらいフリー保育士によくある質問

ここでは、たらい回しに悩むフリー保育士によくある質問を紹介します。

新人のフリー保育士が居場所がない場合はどうしたら良いですか?

新人のフリー保育士が「居場所がない」と感じる場合は、ほかの保育士とのコミュニケーションを積極的に取る姿勢が大切です。休憩時間を活用して「今日の子どもたちはどうでしたか?」といった軽い話題から始めてみましょう。また、疑問点があれば素直に質問することで、先輩保育士からアドバイスを受けやすくなります。

フリー保育士が反省しやすいのはどのようなときですか?

フリー保育士が反省を感じやすい状況として、「保育現場でうまく対応できなかったとき」が挙げられます。担任の意図を十分に理解しないまま保育に入り、連携がうまくいかなかったり、突発的な出来事に対して適切な判断ができなかったりすると、反省の気持ちが生まれやすいようです。

フリー保育士が目標設定を行う際の例文を教えてください。

フリー保育士の目標例としては、「各クラスの一日の流れを把握し、スムーズな保育補助ができるようになる」「子どもたち一人ひとりの名前と特徴を覚え、適切な声掛けができるようになる」「担任との情報共有を密に行い、クラスの方針に沿った保育を実践する」などが考えられるでしょう。

まとめ

フリー保育士が「たらい回し」に感じてしまう問題は、すぐに解決できるものではないかもしれません。ですが、担任から声をかけてもらいやすい雰囲気を作ったり、クラスごとの保育のやり方に歩み寄ったりすることで、少しずつ状況が改善していく可能性もあります。大切なのは、一人で悩みを抱え込まず、園全体で解決を目指すことです。困ったときは園長や上司に相談しながら、無理のないペースで取り組んでいきましょう。

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執筆者

A

「レバウェル保育士」編集部

保育士・幼稚園教諭専門の転職エージェント「レバウェル保育士」が運営するメディア。現役の保育士とこれから保育士を目指す方に向けて、仕事や転職に役立つ情報をお届けします。記事を通して不安や悩みが少しでも解消する状態を目指し、皆さんのキャリア選択を支援します。

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