最終更新日：
フリーランスの保育士ってどうなの？働き方や収入、メリット、注意点を解説
- #保育士
- #働き方
「保育園でずっと勤務しているけれど、フリーランスの働き方が気になる」という方もいるのではないでしょうか。フリーランス保育士とは、特定の園に所属せず個人事業主として働く保育士のことを指します。働く時間や場所、仕事内容を自分で選べる自由度の高い働き方が魅力です。 この記事では、フリーランス保育士の仕事内容やなるまでの流れ、収入事情、メリットなどを解説します。ぜひ参考にしてみてください。
この記事を書いた人
「レバウェル保育士」編集部
保育士・幼稚園教諭専門の転職エージェント「レバウェル保育士」が運営するメディア。現役の保育士とこれから保育士を目指す方に向けて、仕事や転職に役立つ情報をお届けします。記事を通して不安や悩みが少しでも解消する状態を目指し、皆さんのキャリア選択を支援します。
levwell_hoikushi
目次
フリーランス保育士とは？
フリーランス保育士とは、特定の保育園や企業に所属せず、個人事業主として独立して活動する保育士のことを指します。働く時間や場所、仕事内容を自分で決められる柔軟な働き方であり、近年関心が高まっています。従来の保育士とは異なり、フリーランス保育士はベビーシッターやイベント保育、病児保育など多様なニーズに対応できます。また、働き方の幅が広く、自分のライフスタイルに合わせて仕事を選べることも特徴です。
保育士資格を活かしながら、柔軟に働ける新しいキャリアの選択肢として、保育現場での経験を積んだ保育士や、家庭との両立を図りたい方などに選ばれています。
フリーランス保育士の仕事内容と働き方
フリーランス保育士は、働く時間や場所、仕事内容を自分で決められるため、ライフスタイルに合わせた柔軟な働き方が可能です。ここでは、フリーランス保育士の仕事内容や活躍の場について詳しく紹介します。
フリーランス保育士の主な仕事内容
フリーランス保育士の仕事内容は幅広く、さまざまな場面で活躍できます。保育園での一時的な支援や、企業イベントでの託児、セミナー会場での保育などが代表的です。また、家庭内でのベビーシッターや病児保育など、個人依頼のケースもあります。
仕事は基本的に、自分で探して受注するスタイルが多く、自分の得意分野や興味に合わせて仕事を選べるのも特徴です。自分のスキルや経験を活かしながら、やりがいを感じられる仕事にといえるでしょう。
主な活躍の場
フリーランス保育士が活躍できるフィールドは多岐にわたり、自分のライフスタイルや得意分野に合わせた働き方が可能です。主な活躍の場には以下のようなものが挙げられます。
個人宅
病院、病児保育
イベント会場やセミナー会場
企業内託児所
オンライン育児相談
また、契約形態も個人との直接契約、業務委託、またはマッチングサービスを通じた派遣形式などさまざまです。自分に合った働き方や受注先を選びながら、自由にキャリアを築けるのがフリーランス保育士の魅力といえるでしょう。
フリーランス保育士になるための流れ
フリーランス保育士として働くには、退職から開業届の提出まで、いくつかの手続きが必要です。ここでは、保育士としてのキャリアを築くための準備から手続きまで、流れに沿って解説します。
退職のタイミングを見極めて準備する
フリーランスとして独立する前に、現在の職場を円満に退職するための準備が必要となります。以下のような契約や申し込みは、会社員としての信用が有利に働くので、退職前に済ませておくのがおすすめです。
住宅ローンやマイカーローンの申し込み
賃貸物件の契約
クレジットカードの新規作成
また、退職の意思は希望日の1～2ヶ月前に直属の上司に伝えるのが一般的です。口頭で誠実に伝えたうえで退職届を提出し、引き継ぎや挨拶、有給休暇の消化などもしっかり行いましょう。
保険・年金の切り替え手続きを行う
退職後は、社会保険から以下のような公的制度への切り替えが必要です。
厚生年金→国民年金
健康保険→国民健康保険
これらの手続きは、退職日の翌日から14日以内に市区町村の役所で行う必要があります。健康保険証や離職票、身分証明書などの必要書類を確認してから手続きをしましょう。
フリーランス保育士としての仕事を確保する
仕事の確保は、フリーランスとして安定して働くうえで欠かせません。初めは人とのつながりも少なく、仕事探しに悩む可能性もありますが、以下のような方法で仕事を見つけやすくなります。
ベビーシッターのマッチングサイトに登録する
保育系の派遣会社や紹介エージェントに登録する
SNSを活用して活動を発信、集客する
企業や個人と直接契約を結ぶ
まずは小さな仕事でも丁寧に対応し、実績を積み重ねることが大切です。信頼と経験を重ねることで、徐々に仕事の幅が広がっていくでしょう。
開業届や青色申告の手続きを済ませる
本格的にフリーランスとして活動するなら、開業届と青色申告承認申請書を提出するのが基本です。
| 提出期限 | 主な目的・メリット | |
| 開業届 | 開業日から1ヶ月以内 | フリーランスとして税務署に事業開始を届け出るための書類
遅れても罰則はなし |
| 青色申告承認申請書 | 開業届と同時、または開業年の3月15日まで | 青色申告をするために必要
最大65万円の控除など、節税のメリットがある |
参照：国税庁「所得税の青色申告承認申請手続
」「個人事業の開業届出・廃業届出等手続」
一定の条件を満たす方は青色申告の活用で65万円の控除を受けることができ、節税メリットがあります。必要な準備を整えることで、フリーランス保育士として自由で柔軟な働き方が実現できるでしょう。
出典
国税庁「所得税の青色申告承認申請手続」（2025年5月26日）
国税庁「個人事業の開業届出・廃業届出等手続」（2025年5月26日）
フリーランス保育士の収入・年収事情
フリーランス保育士の収入は、働く地域や持っているスキルによって異なります。案件によってさまざまですが、たとえば、都心部では時給2,000円〜3,500円の高単価案件もあり、フルタイムで週5日働くと月収40万円以上を目指すことも可能でしょう。一方、地域によっては時給1,500円前後が相場で、同じ働き方でも月収には差が出ます。
また、保育士資格に加えて「幼稚園教諭免許」「病児保育の経験」「発達支援の知識」「語学力（英語など）」などを持っていると、より高単価な案件を受けやすく、年収アップにつながります。ただし、フリーランスは社会保険料や税金が自己負担となり、額面の収入が高くても、手取り額が思ったより少ないこともあるため、注意が必要です。
フリーランス保育士が収入を増やすためにできること
フリーランスとして安定した収入を得ながら、さらなる収入アップを目指すためには、どのような方法があるのでしょうか。ここでは、フリーランス保育士が収入を増やすためにできることを紹介します。
専門性を高めるためのスキルアップ
スキルや知識の習得は、収入アップへの近道です。以下のようなスキルを身につけることで、より高単価の案件に対応できるようになります。
発達支援に関する資格の取得
英語や他言語での対応力向上
病児保育や障がい児保育などの専門分野での経験
最新の保育トレンドを学ぶためのセミナー参加
特に、英語が話せる保育士や発達支援に強い保育士は希少性が高く、時給の単価アップも見込める場合があります。
仕事を広げるための発信と顧客開拓
収入の安定には、継続して仕事を受けられる環境づくりが欠かせません。そのためには、自ら積極的に発信し、顧客との接点を増やすことが重要です。
SNSやブログで活動内容や保育への想いを発信
満足度の高いサービス提供による口コミ拡大
地元のママコミュニティや子育て支援施設への訪問
保育関連のイベントでのネットワーキング
既存の利用者からの紹介は信頼度が高く、次の仕事に結びつきやすい特徴があるため、人とのつながりを大切にすることで、安定した依頼獲得が見込めます。
報酬アップにつなげる単価交渉
フリーランスにとって、報酬設定は自分自身の価値に関わるものです。相場を知ったうえで、自信を持って交渉しましょう。
自分のスキルや実績を言語化・数値化して提示
提供できる付加価値（例：英語対応、発達支援の対応）を明確にする
地域の相場や需要に応じた柔軟な価格設定を意識
たとえば、平日の日中であれば時給2,500円前後が一般的な相場ですが、特別なスキルを持つ場合や、休日・早朝・夜間などは3,500円以上の設定も可能かもしれません。条件に応じた割増料金の提案も、交渉方法の一環としておすすめです。
フリーランス保育士として働くメリットと注意点
フリーランス保育士は、自分の生活に合わせて働ける点が魅力的ですが、一方で収入や仕事の安定性について考慮すべき点もあります。ここでは、フリーランス保育士として働くうえで知っておきたいメリットと、注意点について解説します。
フリーランス保育士のメリット
フリーランス保育士として働く大きな魅力は、自分自身で働くペースやタイミングを自由に調整できるところにあります。たとえば、以下のようなメリットが挙げられます。
働く時間や場所を自分で選べる
職場の人間関係に縛られない
さまざまな保育現場を経験できる
自分らしいキャリアを築ける
働く時間や場所を自分で選べることは、子育て中の方や副業として保育に携わりたい人にとって魅力的といえます。自分のライフスタイルに合わせて仕事を調整できるため、家庭との両立もしやすくなるメリットがあります。また、多様な保育現場を経験することで、子どもの発達段階や家庭環境に応じた柔軟な対応が自然と身につきます。保育スキルの幅が広がり、キャリアアップにもつながりやすいでしょう。
フリーランス保育士は、保育の仕事をより自分らしく、自由にデザインしていける働き方といえます。ライフステージに応じて柔軟に働けるので、環境に左右されず保育士として長く活躍できるかもしれません。
フリーランス保育士のデメリット
自由度が高い反面、フリーランスならではの不安や負担もあります。考えられるデメリットは以下のとおりです。
収入が安定しにくい
仕事探しや契約交渉はすべて自分で行う必要がある
一人で働くため孤独を感じやすい
フリーランス保育士は、正社員のように月給制で保証されている働き方とは異なります。収入面では依頼件数や稼働時間によって変動するため、繁忙期と閑散期で差が出やすいのがデメリットです。また、案件獲得やスケジュール調整、契約管理といった営業・事務作業もすべて自分で行う必要があります。
フリーランスという相談できる同僚がいない環境では、孤独を感じたり、判断に迷ったりする場面もあるでしょう。長く安定して働くには、自己管理能力と計画性が欠かせません。
フリーランス保育士に向いている人
フリーランス保育士は、自由度の高い働き方が魅力である一方、自分自身で仕事を管理し、進めていく力が求められます。向いている人の特徴として、以下のようなタイプが挙げられます。
新しい環境や人との出会いを楽しめる
スケジュールや収支をしっかり管理できる
トラブルにも柔軟に対応できる
一人でも仕事を続けられる強さがある
子どもや保護者とのコミュニケーションが得意
スキルアップや学びに前向きに取り組める
自分の働き方や目標を明確に持っている
変化をポジティブに楽しめる
フリーランスとして働くには、指示を待つのではなく、自分から動いて仕事を見つけたり、スケジュールを調整したりする積極性が求められます。また、勤務先や業務内容がその都度変わることもあるため、変化を前向きに受け入れ、楽しめる柔軟な姿勢は大きな強みになります。
また、体調管理や金銭管理、スケジュール調整などをすべて自分で行う必要があるため、自己管理能力は不可欠です。これらの特徴に当てはまる人は、フリーランス保育士として充実したキャリアを築ける可能性が高いでしょう。
副業で実績を積んでからフリーランス保育士になる選択肢もある
自分のライフスタイルに合わせて仕事を選び、無理のないスケジュールで活動できる点は、プライベートとの両立を重視する方にとって大きなメリットです。とはいえ、いきなり完全に独立するのはハードルが高いと感じる方も少なくないでしょう。
そのような場合は、まずは副業からスタートして少しずつ実績と信頼を積み上げていくのがおすすめです。現在の仕事を続けながら、空いた時間でベビーシッターや短時間の保育サポートなどに挑戦し、フリーランスとしての経験を重ねていくことで、将来的な独立への準備ができます。
保育士のフリーランスについてよくある質問
ここでは、保育士のフリーランスについてよくある質問にお答えします。ぜひ参考にしてみてください。
フリーランス保育士に向かないタイプは？
フリーランスは業務に関することを自分で管理する必要があるため、人によっては負担に感じることもあります。「一人で判断するのが苦手な人」「自己管理が苦手な人」「安定した環境で働きたい人」は慎重に検討したほうがよいでしょう。フリーランスには責任や不安定さが伴うので、自分の性格や生活スタイルに合っているかを見極めたうえで、適した働き方を選ぶことが大切です。
フリーランスになると社会保険はどうなる？
フリーランスになると、会社で加入していた「厚生年金」は「国民年金」に、「健康保険」は「国民健康保険」に切り替わります。雇用保険や労災保険は原則対象外となり、傷病手当金や育児休業給付も受けられなくなる点に注意が必要です。万が一に備え、民間の保険や貯蓄でリスク対策をしておきましょう。詳しくは市区町村の窓口や公式サイトで確認しておくと安心です。
保育士資格を武器に起業することは可能？
保育士資格を活かして起業することも可能です。たとえば、ベビーシッターや出張託児サービス、子育て相談のサロンなどを個人で立ち上げる人もいます。保育の経験をもとに、自分らしい働き方や理想の保育を形にできるのが魅力の1つです。また、起業を検討する際は、保育の専門知識に加えて、集客方法や経理など基本的な経営の知識があると安心です。多くの方は個人事業主としてスタートし、段階的に法人化を目指していきます。
出典
厚生労働省「フリーランスとして業務を行う方・フリーランスの方に業務を委託する事業者の方等へ」（2025年5月26日）
まとめ
フリーランス保育士は、働く日数や場所を自分で決められる、自由度の高い働き方です。職場の人間関係に悩まされることも少なく、さまざまな保育現場を経験しながら、自分のペースでキャリアを積み重ねていける点も魅力でしょう。「もっと自分らしく働きたい」「家庭や趣味と両立しながら保育の仕事を続けたい」という想いを持つ方にとって、フリーランスという道も選択肢の1つです。
その一方で、収入の不安定さや、社会保険・事務管理の負担、仕事探しの自己責任といった課題もあります。こうした点に不安がある場合は、まずは副業として始めてみるなど、段階的にチャレンジするのもおすすめです。
「今の職場では理想の働き方が難しい」「自由に働ける環境に移りたい」と感じている方は転職支援サービスを活用してみませんか？保育業界に特化した転職エージェント「レバウェル保育士」では、保育士の資格や経験を活かしながら、柔軟な働き方を目指す方をサポートします。専任のキャリアアドバイザーが、あなたの希望条件を丁寧にヒアリングしながら、履歴書の添削や面接対策も実施。「レバウェル保育士」はすべてのサービスが無料なので、「まずは副業からフリーランスに挑戦したい」「自由度の高い働き方に興味がある」という方は、ぜひ一度相談してみてください。
執筆者
「レバウェル保育士」編集部
保育士・幼稚園教諭専門の転職エージェント「レバウェル保育士」が運営するメディア。現役の保育士とこれから保育士を目指す方に向けて、仕事や転職に役立つ情報をお届けします。記事を通して不安や悩みが少しでも解消する状態を目指し、皆さんのキャリア選択を支援します。
この記事をシェアする
