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認可外保育園で働くのはデメリットばかり?保育士のメリットや注意点も解説

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保育士のなかには、認可外保育園で働くデメリットが気になる方もいるでしょう。認可を受けていないものの、認可外保育園は必ずしもデメリットが多いわけではありません。 この記事では、認可外保育園で働くことに対して、デメリットばかりではない理由を解説します。認可保育園との違いや、認可外保育園のメリット・デメリット、注意点をまとめました。自分に合った認可外保育園の求人を探すコツも、参考にしてみてください。

この記事を書いた人

A

「レバウェル保育士」編集部

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認可外保育園で働くのはデメリットが多いの?

認可外保育園は認可基準を満たしていないため、働く際に不安を感じることもあるようですが、デメリットが多いわけではありません。ここでは、認可保育園と認可外保育園の違いを明確にし、認可外保育園の種類や特徴を解説します。「認可外保育園は働くうえでデメリットがある」という考えが必ずしも正しくないことを理解し、より適切な職場選択ができるよう参考にしてみてください。

認可保育園と認可外保育園の違い

認可保育園と認可外保育園は、指導監督の基準や運営に関する補助金の有無などに違いがあります。認可保育園は国(児童福祉法)の基準に従って運営されているため、職員の配置や施設設備などが整いやすい点が特徴です。認可外保育園は、認可保育園に比べ緩和された基準で設置が可能となっています。認可基準を満たしていないものの、認可外保育園も自治体の指導監督基準に沿って運営されているのが基本です。

認可保育園は国からの補助金によって運営されているため、保育士の雇用や給与などが安定しやすいでしょう。認可外保育園の運営に関しては、基本的に国からの補助金が出ません。保育士向けの住宅や研修に関する手当も、認可外保育園で働く場合は対象外になる可能性がある点が認可保育園との違いです。

出典

e-GOV法令検索「児童福祉施設の設備及び運営に関する基準新規タブリンク」(2025年5月15日)
文部科学省「認可外保育施設指導監督基準新規タブリンク」(2025年5月15日)

認可外保育園の種類

認可外保育園には、以下のような施設があります。

  • 院内保育

  • 企業主導型保育園

  • ベビーホテル

  • 託児所

  • 認可基準を満たさない保育所

  • ベビーシッター

認可外保育園には、夜間保育や24時間保育など開園時間が長い施設もあります。託児所やベビーシッターなど、少人数保育や個別保育を実施している施設がある点も特徴です。

認可保育園にもベビーシッターのような居宅訪問型保育事業はありますが、厚生労働省の「居宅訪問型保育事業の概要新規タブリンク」によると利用条件や保育内容の制限があります。一方、認可外保育園であれば、送迎や家事も担うなど付加価値を高めたサービスを展開することが可能です。

出典

厚生労働省「居宅訪問型保育事業の概要新規タブリンク」(2025年5月19日)

「認可外保育園はやめたほうがいい」とは限らない

認可外保育園が認可を受けていないからといって、「働くのをやめたほうがいい」とは限りません。認可外保育園のなかには、職員が働きやすい体制を整えていたり給与が安定していたりする職場もあるからです。また、保護者向けのサービスの充実や、独自の教育プログラムの実施をするため、意図的に認可外で運営している園もあります。

「認可外だから」というだけで敬遠すると、自分が本当に働きやすい職場を見落としてしまうかもしれません。仕事探しの際は認可・認可外という括りではなく、希望条件に合うかどうかで総合的に判断しましょう。

認可外保育園で働く保育士のメリット

ここでは、認可外保育園で働く保育士の主なメリットについて解説します。給与や待遇の良さ、専門的なスキルを磨く機会など、認可外保育園ならではのメリットを把握しましょう。

給料や待遇が良い職場もある

認可外保育園で働くメリットには、希望の給料に近かったり待遇面が充実していたりすることが挙げられます。企業内保育や院内保育を行っている企業・病院の経営が好調な場合、保育士の給与や賞与にも反映される可能性があるようです。また、評価制度が整っている認可外保育園では、頑張りに応じて昇給が期待できるかもしれません。

なお、厚生労働省の「法定労働時間と割増賃金について教えてください。新規タブリンク」によると、午後10時から午前5時まで働くと25%の割増賃金が支給されます。24時間保育や夜間保育に対応している認可外保育園で働く場合は、夜勤に入ることで給与が高くなるでしょう。

出典

専門的なスキルを磨ける可能性がある

認可外保育園で働くと、保育に関するスキルの専門性を高められる場合があります。保育に関する専門的なスキルを磨くメリットは、キャリアアップや転職時に役立つことです。英語教育やモンテッソーリ教育などに力を入れている認可外保育園なら、関連知識を身につけたり指導のスキルを磨けたりするでしょう。

また、障害児保育や院内保育などでは、特別支援教育のスキルや医療ケアの知識などを身につけられます。認可外保育園で専門的なスキルを身につければ、独自の保育スタイルの確立に貢献できるかもしれません。

園児が少なく働きやすい職場もある

園児の数が少なめな認可外保育園で働くと、事務作業や行事準備といった業務負担を減らせるメリットがあります。院内保育や病児保育は定員が少ない傾向があり、一人ひとりに丁寧に関わることが可能です。。大人数の子どもを保育する園に比べ、精神的・肉体的なストレスも軽減されやすいでしょう。

また、小規模な認可外保育園の場合、職員の数も少ないため早い段階で中核的な役割を任される可能性があります。保育園の運営や外部とのやり取りなど、責任のある仕事を担うとキャリアアップにつながりやすいかもしれません。

認可外保育園で働く保育士のデメリット

ここでは、認可外保育園で働く保育士が直面する可能性のあるデメリットについて解説します。「不規則な生活リズム」や「給与や待遇の不安定さ」など、デメリットに感じるかもしれない要素を把握しておきましょう。

開園時間が長い場合は不規則な生活になる

24時間保育や夜間保育のように、開園時間が長い認可外保育園で働く場合は、生活が不規則になる可能性があります。日勤と夜勤がシフトに組まれて不規則な生活になると、体調管理が難しかったり体力的にきつく感じたりするかもしれません。

また、土日祝も開園している認可外保育園で働く場合、規則的な休みが取れず、家族や友人と予定を合わせづらくなることもデメリットです。

国からの支援がないため給与や待遇が不安定になる

認可外保育園は基本的に国や自治体からの財政支援がないため、保育士の給与や待遇が安定しない場合があります。園児が集まらなかったり経営状況が悪かったりすると、保育士の給与や賞与が低くなることもあるようです。

認可外保育園の経営状況によっては、突然の雇用契約の変更や解雇のリスクもあります。給与は良いものの、財政的な制約により研修の機会や働く環境が整わないというデメリットもあるため注意が必要です。

園児集めや入園の手続き業務が負担になる

認可外保育園で働くデメリットには、園児の募集や入園手続きに関する業務の負担も挙げられます。認可外保育園は認可保育園と異なり、自治体からの入園者割り当てがないため、独自に園児を集めなければいけません。広報活動や入園手続き、園見学などの業務は保育士が保育業務の合間に行うこともあるようです。

入園に関する書類作成や手続きは煩雑なこともあるので、業務負担が大きく感じるかもしれません。保護者への広報活動や説明会の開催などがプレッシャーに感じる可能性もあります。

認可外保育園へ転職する際の注意点

認可外保育園で働くことを決意した場合、認可保育園とは異なる特性や課題について理解しておく必要があります。ここでは、認可外保育園へ転職する際に注意すべき点を解説します。

設備が整っていない可能性がある

認可外保育園は、認可基準を満たしている認可保育園と比較して設備が十分に整っていない可能性があります。認可保育園も自治体の基準に沿って運営されているものの、認可保育園ほど厳格な基準がないため、保育スペースが狭かったり園庭がなかったりする可能性がある点に注意が必要です。

また、経営状況によっては設備投資が難しい場合もあり、「安全対策が不足していないか」「業務効率化に向けたシステムが導入されているか」などを確認する必要もあります。事務作業のためのスペースや休憩室なども確認しておくと、働きやすい職場であるか判断しやすくなるかもしれません。

専門的な知識や資格を問われることがある

認可外保育園で働くときは、特定の専門知識や保育士以外の資格が求められる場合があります。たとえば、英語教育を取り入れている認可外保育園では、TOEICの点数や英検など、英語力が問われるかもしれません。モンテッソーリ教育やシュタイナー教育など、特定の教育プログラムに力を入れている認可外保育園では、知識や指導経験を求められることがあります。

また、病児保育や院内保育を実施している認可外保育園へ転職する際は、保育士資格と合わせて看護師資格を持っているほうが有利になる場合もあるようです。必要なスキルや経験、資格などは求人情報に掲載されているため、詳細をよく確認しましょう。

自治体からの保育士向けの補助や手当が対象外になる

認可外保育園で働く場合、自治体が主催している保育士向けの補助や手当が対象外になる可能性があります。自治体によっては保育士向けの住宅補助制度や研修を実施しており、認可保育園で働いていることを条件にしている場合もあるようです。

自治体からの補助や手当の有無は、直接的な待遇面だけでなく、長期的なキャリア形成にも影響を与える可能性があります。自治体ごとに補助金や手当の支給条件は異なるため、認可外保育園へ転職する前に詳細を確認しましょう。

自分に合った認可外保育園の求人を探すコツ

ここでは、自分に合った認可外保育園の求人を探す方法について解説します。希望条件の決め方や情報収集の方法などを参考にしてみてください。

希望条件を明確にして優先順位をつける

自分に合った認可外保育園の求人を見つけるためには、希望条件を明確にし優先順位をつけることが重要です。希望条件に優先順位をつけていると、求人を選ぶ際の基準になります。希望条件は、給与や勤務時間、休暇制度、福利厚生などを整理し、優先順位をつけましょう。

また、認可外保育園によっては、力を入れている教育プログラムや保育内容などがあるため、自分の保育観に合った求人を選ぶ必要があります。「一人ひとりの子どもとじっくり関わりたい」「子どもの体験活動を重視したい」など、自分の保育観をもとに、保育方針や園の規模などの希望も決めておきましょう。

希望条件を整理したら、自分にとって最も重要な項目から優先順位をつけてみましょう。「1.保育方針、2.給与条件、3.立地」というように優先順位をつければ、求人を比較する際の基準となります。また、各条件について「絶対に譲れない条件」と「妥協可能な条件」を区別することも重要です。これにより、求人選びの際に柔軟性を持ちつつ、自分にとって重要な条件を確保できます。

保育園のWebサイトで情報収集する

自分に合った認可外保育園の求人を探すコツは、保育園のWebサイトを通じて情報収集することです。認可外保育園によっては、保育方針や保育内容に特色があるため、ミスマッチを防ぐために情報収集して理解を深めておきましょう。

なお、自治体のWebサイトにおいて、認可外保育園の施設情報や子どもの定員などが公開されていることもあるようです。認可外保育園のWebサイトがない場合は、自治体のWebサイトに情報がないか確認してみましょう。

職場見学の際に疑問点を質問する

認可外保育園で働くために仕事探しをするときは、職場見学をするとミスマッチを防ぎやすくなります。職場見学をする際は、認可外保育園のWebサイトや求人情報で分からなかった点を質問するのがおすすめです。見学時に質問しやすい内容は、以下のようなものが挙げられます。

  • 具体的な日々の保育内容や流れ

  • 職員の研修制度

  • 勤務シフトや休暇取得の実態

  • 特色ある保育内容や教育プログラム

  • 保護者とのコミュニケーションの取り方

可能であれば複数の園を見学し、比較検討しましょう。複数の園を比較すると、各園の特徴や雰囲気の違いから、自分に合った職場環境かどうかを見極めやすくなります。

保育士向けの転職エージェントに相談する

自分に合った認可外保育園の求人を探す際は、転職エージェントの利用も検討してみましょう。保育士向けの転職エージェントでは、保育業界の転職事情に詳しいプロから求人紹介を受けられます。認可外保育園の特性や各園の特徴のように、詳細な情報を知ることも可能です。選考対策やキャリア相談といった手厚いサポートも受けられるため、1人で転職活動をするのが不安な方は転職エージェントに相談してみましょう。

認可外保育園への就職や転職に不安を感じている方は、レバウェル保育士にご相談ください。レバウェル保育士では、給与や労働条件など認可外保育園で働く不安に対して、豊富な求人情報と専門的なアドバイスを提供できます。求人紹介やキャリア相談、選考対策など、サービスはすべて無料で利用可能なため、お気軽にお問い合わせください。

認可外保育園での働き方に関するよくある質問

ここでは、認可外保育園での働き方について、よくある質問に回答します。保育士の配置基準や無認可で運営する理由をまとめました。

認可外保育園における保育士の配置基準は?

文部科学省の「認可外保育施設指導監督基準(p.2.3)新規タブリンク」によると、認可外保育園における保育士の配置基準は基本的に認可保育園と同じです。保育士1人に対し0歳児は3人、1・2歳児は6人、3歳児は15人、4・5歳児は25人となっています。なお、保育に従事する方のおおむね3分の1以上は、保育士または看護師の資格を有する方でなければなりません。

出典

e-GOV法令検索「児童福祉施設の設備及び運営に関する基準 第三十三条新規タブリンク」(2025年5月20日)
文部科学省「認可外保育施設指導監督基準新規タブリンク」(2025年5月20日)

認可外保育園が無認可で運営する理由は?

認可外保育園のなかには、独自の保育方針や特色ある保育サービスを提供するために、あえて認可を受けない園もあります。保護者の出退勤がしやすいよう駅前のビルに保育園を設置したり、英語教育へのニーズを考慮して教育プログラムを実施したりしている認可外保育園もあるようです。

認可保育園の設置には、自治体の審査や許可が必要なため時間がかかります。待機児童問題や保護者のニーズに対して迅速に対応するために、暫定的に認可外として開設されることもあるようです。

まとめ

認可外保育園は認可を受けていないものの、必ずしもデメリットが多いわけではありません。各自治体の基準に沿って運営されている傾向にあるため、職員の配置や施設設備が整えられ働きやすい認可外保育園もあります。また、経営が好調な企業や病院などが運営している認可外保育園では、保育士の給与や待遇が安定しやすいようです。

一方、認可外保育園のなかには24時間保育や夜間保育を実施しており、勤務時間が不規則になることもあります。園児集めや入園の手続きなどの業務を保育士が任され、保育以外の業務負担が大きいとデメリットに感じることもあるようです。認可外保育園で働くときは、職場見学や保育士向けの転職エージェントなどで、しっかりと情報収集したうえで検討しましょう。

執筆者

A

「レバウェル保育士」編集部

保育士・幼稚園教諭専門の転職エージェント「レバウェル保育士」が運営するメディア。現役の保育士とこれから保育士を目指す方に向けて、仕事や転職に役立つ情報をお届けします。記事を通して不安や悩みが少しでも解消する状態を目指し、皆さんのキャリア選択を支援します。

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