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保育士試験の言語で合格するコツとは?台本作りや練習方法も解説
- #保育士試験

保育士の実技試験の言語を受験しようかと検討している方の中には、上手くいくか不安という方もいるのではないでしょうか。評価されるポイントや対策法が知りたいという方もいるかもしれません。 この記事では、言語の実技試験の概要をはじめ、課題別のポイントや台本作りのコツ、練習方法を詳しく解説。2025年前期から出題形式が変更されるため、しっかりと対策を講じて試験当日に備えましょう。
目次
保育士実技試験・言語の概要
保育士試験では、筆記試験に合格した受験者を対象に実技試験が実施されます。実技試験は、音楽・造形・言語から2分野を選ぶ選択式です。そのうち言語は、3歳の子どもが目の前にいることを想定して、何も見ずに素話を行う実技を指します。
受験者の持ち時間は3分間で、課題をどう表現するかは受験者の自由です。保育士試験の言語では台本の指定がないため、いかに自分に合ったシナリオを作成できるかがカギとなります。記憶力はもちろん、保育士としての表現力が問われる試験といえるでしょう。
出典
一般社団法人全国保育士養成協議会「実技試験(前期)概要」(2025年5月23日)
保育士実技試験・言語の出題形式
保育士実技試験の言語では、事前に3つの課題が用意されます。試験室に入室するまでどの課題が指定されるかはわからないため、すべて練習し、準備しておく必要があります。
なお、この出題形式は2025年前期から新しく適用されたルールです。下記に2024年との新旧対照表を掲載しますので、過去の情報に惑わされないように注意しましょう。
2025年 | 2024年 | |
出題形式 | 3つの課題の中から当日(試験室入室後)に1つを指定される | 4つの課題の中から事前に1つを選択できる |
課題 |
|
|
2025年の課題では、3びきのやぎのがらがらどんが選択肢から除かれています。受験を検討している方は、全国保育士養成協議会の「実技試験(前期)概要」で最新情報を適宜チェックするようにしてください。
出典
一般社団法人全国保育士養成協議会「実技試験(前期)概要」(2025年5月23日)
保育士実技試験・言語に関する注意事項
保育士実技試験の言語では、以下のような規定が定められています。注意点にはしっかりと目を通しておきましょう。
15人程度の子どもが目の前にいることを想定する
話す際は座っても立っても良い
適切な身振りや手振りを加える
絵本や道具は使用不可(持つ想定もなし)
3分間が経過するまで退出しない
試験室内には子どもに見立てた椅子が配置されています。そのため、試験官ではなく子どもたちに目線を向けることが重要です。試験中に立つか座るかは自由ですが、子どもがいる空間を意識することが大切といえるでしょう。
出典
一般社団法人全国保育士養成協議会「実技試験(前期)概要」(2025年5月23日)
保育士実技試験・言語:課題別のポイント
ここでは、言語の実技試験の課題である「ももたろう」「3びきのこぶた」「おむすびころりん」について、押さえておきたいポイントを紹介します。物語の大筋を残しつつ3歳の子どもを楽しませるためにはどのような工夫が必要なのか、以下で見ていきましょう。
ももたろう
ももたろうは、おじいさん・おばあさん・桃太郎・犬・猿・きじ・鬼と、登場人物の多い物語です。また、場面設定も多いため、簡潔でわかりやすい構成を意識することが大切といえます。展開が速いと子どもたちが付いていけない可能性があるため、適宜説明を加えながら演じ分けを行い、情景を想像しやすいように工夫しましょう。
3びきのこぶた
3びきのこぶたは、こぶたの3兄弟とオオカミの掛け合いが特徴的な物語です。わらの家、木の家、レンガの家と繰り返しの展開で進むため、言葉のリズムやセリフ回しを工夫しながら、臨場感を演出できると良いでしょう。こぶたとオオカミの対比を強調し、キャラクター像に具体性を持たせると、子どもたちを夢中にできるはずです。
おむすびころりん
おむすびころりんは、おじいさん・おばあさん・ねずみが登場する、リズミカルな歌や踊りが印象的な物語です。3びきのこぶたと同様に繰り返しが多いため、表現に緩急を付けながらねずみの国の世界観に没入できるようにしましょう。後半で現れる強欲なおじいさんとの対比を強調するのもポイントです。
保育士試験・言語の対策で有効な台本作りのコツ
各課題のポイントを掴んだ後は、台本を作りましょう。保育士試験・言語の台本を作成するコツは、「3分間に収まるよう物語を要約する」「子どもが楽しめるような表現を加える」の2点です。
3分間に収まるよう物語を要約する
台本を作成する際は、まずあらすじをまとめましょう。制限時間の3分間に収めるためには、600文字〜800文字程度に要約する必要があります。特に、「ももたろう」はほかの2作品に比べて場面の切り替えが多いため、伝わりやすさを担保しつつ長さを調整することが大切です。
子どもが楽しめるような表現を加える
大体のあらすじが完成したら、擬音や話し言葉といった表現を加えていきます。全国保育士養成協議会の「実技試験(前期)概要」でも示されているように、子どもが集中して聴けるお話であることが重要です。単語の難易度に気を付けながら、適宜身振り・手振りを加えましょう。あらかじめシナリオ上でジェスチャーを行う箇所を決めておくと、スムーズかもしれません。
出典
一般社団法人全国保育士養成協議会「実技試験(前期)概要」(2025年5月23日)
保育士実技試験「言語」で合格に近づく4つの練習方法
保育士実技試験・言語の練習をいざ始めようと思っても、どのような対策を取れば良いのか迷う方もいるのではないでしょうか。ここでは、4つの練習方法を紹介しますので、事前にしっかりと準備をして合格を勝ち取りましょう。
1.言語表現の技術を身に付ける
前述のとおり、子どもたちが作品を味わうためには言語表現の技術が必要です。初めのうちは、登場人物になりきって声色や声量を変えることに恥ずかしさを感じるかもしれませんが、何度も繰り返し練習するうちに苦手意識も薄れていくはずです。インターネット上の動画や子ども向け番組を参考にしてテクニックを取り入れるのも良いでしょう。
2.お話の山場を意識して興味を引く
子どもたちの聞く姿勢を引き出すためには、メリハリも重要です。同じリズムで淡々と話すのではなく、ストーリーの山場を意識して、話のテンポや「間」を使いこなしましょう。情景やキャラクターの特徴を思い浮かべながら子どもたちと一緒に楽しむと、好奇心を刺激できるはずです。
3.改善点を見つけるための動画を撮影する
3分間の流れを一通りマスターしたら、動画を撮影して自分の姿を客観視してみましょう。「棒読みになっている」「過度なジェスチャーが多い」など自分ではわからないクセや改善点が見つかる可能性があります。撮影が難しい場合は、鏡の前で確認したり、第三者からアドバイスを得たりするのも効果的です。
4.本番で緊張しないように対策を練る
保育士実技試験・言語で実力を発揮するためには、本番を意識した対策も欠かせません。なぜなら、試験当日は緊張で早口になったり、声が小さくなったりする可能性があるほか、万が一指定課題以外を話した場合は、採点の対象外となるためです。
また、試験会場内で声を出す練習はできないため、すぐに反応できるように動きを身体に染み込ませておくことも大切です。頭が真っ白にならないためにも、当日の流れを事前にイメージし、本番に近い心理的状況を作っておきましょう。
出典
一般社団法人全国保育士養成協議会「実技試験(前期)概要」(2025年5月23日)
保育士試験の言語で「失敗した」と感じたときの対処法
どんなに練習を重ねても、試験当日は「台本通りに話を進められなかった」「時間がオーバーしてしまった」「混乱して途中で止まってしまった」など想定外の事態が起きることもあるでしょう。
たとえ「やらかした」と感じても、諦めずに堂々と笑顔で振る舞うことが大切です。保育士実技試験・言語は、保育士としての適性を判断する試験です。そのため、話の正確性以上に保育士として適切な態度を取れるかどうかが重要といえるでしょう。
保育士実技試験・言語に関してよくある質問
ここでは、保育士実技試験・言語に関してよくある質問を紹介します。
言語の不合格理由にはどのようなものがある?
指定された課題以外を話したり、絵本や道具を使用したりすると、不合格になってしまうでしょう。また、「声が小さく聞き取れない」「時間内に収めることを意識し過ぎて表情が硬い」なども試験官の評価を下げる恐れがあります。当日は全国保育士養成協議会「実技試験(前期)概要」にしっかりと目を通して笑顔で楽しむようにしましょう。
出典
一般社団法人全国保育士養成協議会「実技試験(前期)概要」(2025年5月23日)
保育士実技試験・言語の採点基準は?
保育士実技試験・言語では、保育士として必要な声の出し方や話し方、表現上の技術が備わっているかがチェックされます。表情や声量、目線など素話のスキルはもちろん、身だしなみや入退室時の挨拶も含め、保育士としての資質があることを示しましょう。
保育士試験・言語はどのような流れで行われる?
実技試験の開始時刻は試験当日のガイダンスで案内されます。試験会場内では、声を出す練習はできないため注意しましょう。試験室に入室すると3つの課題のうちいずれかが指定されるため、3分間で素話を行います。詳しくは全国保育士養成協議会「実技試験(前期)概要」を確認してください。
出典
一般社団法人全国保育士養成協議会「実技試験(前期)概要」(2025年5月23日)
保育士試験の「言語」で時間が余る場合の対策は?
言語の練習ではストップウォッチを使用して、3分間の感覚を身体に覚えさせるのがおすすめです。また、言語の試験当日に時間が余ってしまった場合は、慌てずに3分間が経過するのを待ちましょう。試験官の表情に惑わされず笑顔で乗り切ることが大切です。
まとめ
保育士試験・言語は、3歳の子どもが目の前にいるのを想定して、何も見ずに素話を行う実技です。試験時間は3分間で、シナリオは受験者が自由に作成できます。事前に用意される3つの課題のうち、どれを発表するかは試験当日にならないとわからないため、事前準備が成功のカギを握るでしょう。
台本を作る際は、簡潔でわかりやすく、子どもが楽しめる表現を加えることが大切です。話のリズムを調整しメリハリを付けたり、動画を撮影して改善点を見つけたりしながら練習を重ねましょう。
練習のモチベーションを高めるためには、気になる求人を探して保育士になった姿を想像するのもおすすめです。レバウェル保育士では、豊富な求人数の中から希望条件に合う職場を知れるため、理想とする将来像が明確になるはずです。ぜひポジティブな気持ちで保育士試験・言語の合格を目指しましょう。
執筆者

「レバウェル保育士」編集部
保育士・幼稚園教諭専門の転職エージェント「レバウェル保育士」が運営するメディア。現役の保育士とこれから保育士を目指す方に向けて、仕事や転職に役立つ情報をお届けします。記事を通して不安や悩みが少しでも解消する状態を目指し、皆さんのキャリア選択を支援します。