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保育士試験の実技で落ちる人の割合や傾向は?不合格を避ける対策を解説
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保育士試験の実技で落ちる人の割合や傾向が気になる方もいるのではないでしょうか。保育士試験の実技は、ルールを把握していなかったり表現力が不足していたりすると不合格になる可能性があります。 この記事では、保育士試験の実技で落ちる人にみられる特徴や不合格になる理由を科目別に解説。ほかにも、実技試験で不合格を避けるための対策や再受験についても紹介します。 これから実技試験を受ける方や不合格となった方は、記事を参考に対策してください。
目次
保育士試験の実技で落ちる人の割合
こども家庭庁の「保育士試験の実施状況(令和5年度)」によると、2023(令和5)年度保育士試験の合格率は26.9%です。保育士試験では、筆記試験9科目と実務試験2科目の対策が必要なので、難易度が高いといえるでしょう。
ただし、筆記試験は科目ごとに合否判定が出るため、科目免除により試験対策の負担を減らして再び受験することも可能です。一発で合格できなかった場合は、再度チャレンジして合格を目指しましょう。
出典
こども家庭庁「保育士試験の実施状況(令和5年度)」(2025年5月2日)
保育士試験の実技で落ちる人にみられる特徴
実技試験の採点基準や方法は公表されていませんが、ルールを把握していなかったり笑顔がなかったりすると不合格につながる可能性があるようです。ここでは、保育士試験の実技で落ちる人にみられる特徴を4つ紹介するので、参考にしてください。
実技試験のルールや注意事項を把握していない
保育士試験の実技には、細かいルールや注意事項があります。きちんと把握していないと落ちる可能性があるでしょう。
たとえば、音楽の実技試験では、歌と同じ単旋律のみを弾きながら歌うと採点の対象外となります。造形の実技試験では、人物の形をしたイラスト入りのものを机上に置くとルール違反となるので注意してください。
実技試験のルールや注意事項は、一般社団法人全国保育士養成協議会の「保育士試験を受ける方へ」に記載されています。事前に確認し、違反しないようにしましょう。
出典
一般社団法人全国保育士養成協議会「保育士試験を受ける方へ」(2025年5月23日)
緊張して笑顔がつくれない
音楽と言語の試験は、子どもの前で披露することを想定した実技のため、笑顔がないと不合格になる場合もあるでしょう。子どもが安心して楽しく過ごせる環境づくりのためには、笑顔で保育することが大切です。そのため、試験中に緊張して表情が硬いと、保育士になっても笑顔で子どもを保育できないのではないかと懸念される可能性があります。
試験対策が疎かになっている
実技のスキルがあるからといって、試験対策が疎かになっている人は不合格になる可能性があります。いくらピアノが上手だったり、絵が得意だったりしても、実技試験にはルールや時間制限が設けられているため対策は必須です。自分のスキルを過信せず、実技試験に向けてしっかりと対策しましょう。
表現力が不足している
子どもに向けた実技であるため、表情や身振り手振り、声量など表現力が不足している場合は、落ちる可能性があるでしょう。子どもに音楽やお話を聞かせる際は、表現力の豊かさも重要になります。そのため、感情が入っていなかったり子どもに向けた実技が想定されていなかったりする場合は、表現力が足りないと不合格になるケースもあります。
保育士実技試験の音楽で落ちる人によくある理由
保育士の実技試験で音楽を選択した場合、以下のような理由で落ちる可能性があります。
子どもが歌うことが想定されていない
声が小さい
表情が硬い
課題曲の楽譜を見ずに練習した
テンポが速く子どもが歌うことを想定されていない場合は、不合格につながる可能性があるため注意が必要です。また、楽器を演奏しながら歌う際には、声が小さかったり表情が硬かったりすると印象が下がる可能性があるでしょう。音楽の試験では事前に課題曲が出るため、公表された楽譜を確認せずに練習すると落ちてしまうことも考えられます。
保育士実技試験の造形で落ちる人によくある理由
実技試験の造形では、以下のような理由で落ちる可能性があります。
テーマに沿っていない
人物のみで背景が描かれてない
色使いが乏しい
造形の実技試験では、当日出題されるテーマと条件を満たして絵を描く必要があります。テーマとともに描く子どもの人数、場所などが指定されるため、条件を満たしていない場合は落ちることがあるでしょう。また、背景が描かれていなかったり色使いが乏しかったりする場合は、表現力が欠けていると不合格につながる可能性があります。
保育士実技試験の言語で落ちる人によくある理由
言語の実技試験で落ちる人は、以下の点にあてはまる可能性があります。
子どもが聞くことを想定されていない
早口や声が小さく聞き取れない
緊張して動作や表情が硬い
言語の実技では、難しい言葉や表現を使うと子どもが理解できないため、落ちる可能性があるでしょう。また、早口や声が小さい場合は、子どもが聞くことを想定されていないと思われる可能性があります。話の内容だけでなく、表情や身振り手振り、笑顔、声量などにも注意が必要です。
実技で不合格を避けるための保育士試験対策
実技試験で不合格を避けるためには、表現力を身につけたり反復練習したりしましょう。ここでは、実技試験で不合格を避けるための試験対策を紹介します。
1.課題内容・条件をよく確認する
音楽と言語の実技試験は、事前に課題や注意事項が公表されるため、よく確認したうえで試験対策するのがポイントといえます。また、造形の実技試験は、当日にテーマと条件が出題されます。条件を満たせているか、試験時間内に必ず確認しましょう。
どんなに実技を練習しても課題内容や注意事項、条件を正しく理解していないと不合格になる可能性があるため注意が必要です。
2.表情や身振りなどの表現力を身につける
音楽と言語の実技試験を受ける場合は、表情や身振りなどの表現力も身につけましょう。楽器や話すスキルがあっても、表情や身振りが硬いと不合格につながる可能性があります。表情や身振りも意識しながら、本番を想定して練習してみましょう。
3.子どもたちに向けた実技を想定する
試験対策する際は、子どもたちに向けた実技を想定しましょう。音楽や言語は、子どもが目の前にいるのを想定して表情やテンポに注意するのがポイントといえます。造形も子どもが見ることを想定して、色彩豊かに描くことが重要です。
試験会場に入ると緊張から子どもに向けた実技であるのを忘れてしまいがちなため、練習のときから意識しておきましょう。
4.反復練習を心がける
音楽は課題曲、言語は課題のお話を暗記する必要があるため、反復練習を心掛けましょう。何度も練習を重ねておけば、緊張による度忘れやミスを防ぎやすくなります。
造形の実技試験を受ける場合も、過去問を参考に複数の問題に挑戦し、どのような課題が出されても対応できるようにしておきましょう。
5.自分の実技を撮影して改善点を見つける
音楽と言語の実技は、自分の姿を撮影して見返し改善点を見つけましょう。撮影すれば表情や身振り手振り、テンポなどを客観的な目線で確認できます。「思っていたよりもできていなかった」という場合もあるため、改善点を見つけたうえで練習しましょう。
6.第三者にアドバイスをもらう
実技は、第三者に見てもらいアドバイスをもらうのがおすすめです。家族や友人などにお願いして実技を見てもらえば、自分では気づけなかった改善点が見つかる可能性もあります。また、保育関連の仕事に従事する友人や知り合いがいれば、保育士目線のアドバイスをもらえる可能性があるでしょう。
7.当日ミスしても最後まで諦めない
実技試験当日は、ミスしても最後まで諦めないことが重要です。実技試験中は、緊張して歌詞を間違えたりお話の内容が飛んだりすることがあるかもしれません。しかし、途中でミスしても最後まで諦めずに取り組めば、挽回できる可能性があります。そのため、ミスしても慌てず最後までやり抜くことに意識を向けましょう。
保育士試験の実技不合格者は再受験できる?
保育士試験の実技が不合格の場合、筆記の免除期間内であれば再受験できます。筆記試験の合格科目は、基本的に3年間有効です。また、条件を満たすと合格科目免除期間延長制度により、筆記試験の合格科目が最大で5年間有効になります。
ただし、筆記試験の全科目に合格するまで3年かかると、実務経験のチャンスは基本的に1回のみとなります。筆記試験の全科目合格に掛かった年数によって免除期間は異なるため、注意が必要です。
保育士試験の実技で落ちる人に関する質問
ここでは、保育士試験の実技で落ちる人に関する質問に、Q&A形式で答えます。不合格の理由や疑問について参考にしてください。
保育士試験の造形で不合格になる作品の特徴は?
造形の実技では、条件を満たしていなかったり子どもが見ることを想定していなかったりした場合に不合格になるケースがあるようです。課題のテーマや条件、注意事項をよく確認しましょう。また、絵のテイストやカラーは、子どもが見ることを想定するのがポイントです。詳しくは、この記事の「保育士実技試験の造形で落ちる人によくある理由」も参考にしてください。
保育士試験の実技は何回受けられる?
筆記試験全科目合格の有効期限内であれば、複数回受けられます。筆記試験の合格科目の有効期限は基本的に3年間です。なお、筆記試験を全科目合格するまでに3年かかると、有効期限によっては実務経験のチャンスは1回のみとなります。
保育士実技試験でピアノがボロボロだったら不合格になる?
多少のミスであれば、緊張していることを考慮してもらえる可能性があるでしょう。ただし、ボロボロだからといって途中で諦めると不合格になる可能性が高まります。ピアノのスキルがボロボロでも、表情を意識したり、最後まで諦めずに弾く姿勢が大事です。
保育士試験の実技で片方合格した場合は?
実技試験は両方受からないと、合格になりません。そのため、再受験の際には再び2つの実技試験を受けて、両方合格する必要があります。実技が不合格となった場合は、試験を振り返って改善点を洗い出したうえで対策しましょう。
まとめ
保育士実技試験の採点基準や方法は公表されていませんが、ルールを把握していなかったり笑顔がなかったりすると不合格につながる可能性があるようです。落ちる人の特徴は、スキルを過信して試験対策が疎かになったり表現力が不足していたりする点だといえるでしょう。
音楽の試験は事前に課題曲が出るため、公表された楽譜を把握せずに練習すると落ちる可能性もあります。造形の試験は、テーマとともに描く子どもの人数、場所などが指定されるため、条件を満たしていない場合は落ちる場合があるでしょう。言語の試験は、話の内容だけでなく、表情や身振り手振り、笑顔、声量などにも注意が必要です。
保育士試験の不合格を避けるためには、課題内容をよく確認したり、表現力を身につけたりするのがポイントです。自分の姿を撮影して改善点を見つけながら、反復練習するのも有効でしょう。当日はミスしても慌てず最後までやり抜くようにしてください。
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執筆者

「レバウェル保育士」編集部
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