保育士の転職

最終更新日:

正社員保育士がきついといわれている理由とは?原因や辛いときの対処法

  • #悩み
  • #保育士
悩むエプロンを着た女性の画像

「正社員の保育士として仕事を続けているけれど、正直きつい…」と悩んでいませんか? 正社員として働く保育士は、長時間労働や給料面の悩み、精神的・肉体的ストレスなどの課題に直面する場合があります。 この記事では、正社員の保育士がきついといわれている理由や、実際の離職率を解説します。きついと感じたときに実行できる対処法も紹介するので、ぜひ参考にしてみてください。

正社員の保育士がきついといわれている理由

正社員の保育士は、休みのとりにくさや給料と仕事量のアンバランスさなどから「きつい」といわれることがあります。ここでは、正社員の保育士がきついといわれる主な理由をまとめました。

休みが取りにくい

正社員の保育士は休みを取るのが難しい場合があります。慢性的な人手不足の園では、保育士が1人が休むとほかのスタッフの負担が大きくなりがちです。そのため、ほかの保育士に気を遣って休みにくいことが「きつい」と感じるかもしれません。

正社員の保育士は、子どもたちや保護者との関係性を重視するあまり、自分が休むと迷惑をかけてしまうという思いから、休みを取得しにくい場合もあるようです。保育園では年間を通じて運動会や発表会といった行事があり、準備や実施のために保育士が休みにくくなっているのも要因の1つです。

また、保育園ではシフト制を採用しているのが一般的ですが、希望の日に休みを取れない可能性もあります。休みを申請しにくい環境では、保育士が十分な休養を取れず、疲労が蓄積しやすいでしょう。

給料と仕事量のバランスが取れていない

正社員の保育士の給与水準は、仕事量や責任の重さに比べて低いと感じる人もいます。子どもたちの命を預かる重要な役割を担っているにもかかわらず、責任の重さが給与に反映されていないと、「正社員として働くのがきつい」と感じてしまうでしょう。

正社員の保育士は保育業務だけでなく、事務作業や環境整備、保護者対応などもこなす必要があります。労働に見合った収入が得られなければ、業務に対する適切な評価がなされていないと感じる人もいるでしょう。

持ち帰りの仕事や残業がある

正社員の保育士は、活動の準備や事務作業が勤務時間内に終わらず、持ち帰りの仕事や残業が発生する場合があります。運動会や発表会などの行事準備は、通常業務に加えて行う必要があり、残業の原因となることもあるようです。園によっては、保育室や園庭の整備なども、勤務時間外に行われる場合があります。

持ち帰りの仕事や残業は、正社員の保育士のワーク・ライフ・バランスを崩す要因の1つになっています。時間外業務の対応が続くと、プライベートの時間を確保できなくなり、「正社員の役割がきつい」と考えてしまうかもしれません。

保護者のクレーム対応がしんどい

正社員の保育士が保護者のクレーム対応をする際は、精神的な負担が発生しやすいため「きつい」と思うことがあるようです。子どもの発達や成長に対する期待から、保育士に無理な要求をする保護者もゼロではありません。また、保育士と保護者との日々のコミュニケーションが上手くいかず、誤解や不信感が生まれることもあります。子どもに関することだけに保護者が感情的になりやすく、冷静な対話が難しいという状況もあり得るでしょう。

人間関係がストレスになる

正社員の保育士は、同僚や上司、保護者との人間関係を円滑に保つ大変さがあります。人間関係に関するトラブルはストレスにつながるため、「仕事がきつい」と思う保育士もいるでしょう。

たとえば、同僚とは価値観や保育方針の違い、業務分担の不公平感からトラブルになることがあるようです。上司とは、コミュニケーション不足や指導方法の相違、世代間のギャップが問題になる可能性があります。保護者との関係では、期待に対するプレッシャーを感じたり、保護者間の問題に巻き込まれたりするかもしれません。

正社員保育士の離職率

厚生労働省の「保育士の現状と主な取組(p.23)新規タブリンク」によると、平成29年時点で常勤の保育士の離職率は9.3%となっています。厚生労働省の「令和5年雇用動向調査結果の概況(p.7)新規タブリンク」によると、令和5年の一般労働者の離職率は12.1%です。一般労働者の離職率を下回っているため、保育士の離職率はそれほど深刻な状況ではないといえるでしょう。

正社員の保育士が離職するのは、日々の業務の大変さや給与への不満などが原因として考えられます。しかし、きついと感じながらも仕事を続けている保育士は、子どもたちとの関わりやその成長を見守る喜びがあるからかもしれません。

出典

厚生労働省「保育の現場・職業の魅力向上検討会(第5回)資料新規タブリンク」(2025年5月20日)
厚生労働省「令和5年雇用動向調査結果の概要新規タブリンク」(2025年5月20日)

正社員の保育士が職場で直面しやすい課題

正社員の保育士は、新人教育を担当するプレッシャーや、担任としての責任が負担になる場合があります。ここでは、正社員の保育士が経験しやすい課題を見ていきましょう。

新人教育を任されるプレッシャー

経験を積んだ正社員の保育士は、新人教育を任されることがあります。新人教育には、大きなプレッシャーを伴う場合があるようです。

新人保育士を教育する立場になると、自分の知識や経験を適切に伝える必要があるという責任感が生まれます。日々の保育業務をこなしながら、新人の指導も担当するため、時間管理の難しさを感じることもあるでしょう。

正社員の保育士は、新人の成長や失敗が自分の指導力の評価につながるのではないかという不安も生じやすいようです。「うまく教えられているだろうか」「新人の質問に適切に答えられているだろうか」といった自問自答を繰り返すこともあるでしょう。

リーダーや担任としての責任

正社員の保育士は、クラスの担任やリーダーとしての役割を担う傾向にあります。クラス運営の責任者として、子どもたちの安全管理や発達支援、保護者対応など多岐にわたる業務への対応が必要です。

担任の保育士は、日々の連絡や定期的な面談、行事の際の対応など、保護者とのコミュニケーションの頻度と重要性が増します。難しい要望やクレームに対応することもあり、高度なコミュニケーションスキルが求められるでしょう。また、ほかの保育士やパート職員との連携も欠かせません。正社員の保育士は、円滑な保育業務を行うためのリーダーシップが必要です。

リーダーや担任としての責任は、時として正社員の保育士のストレスになる場合があります。「自分の判断は正しいのだろうか」「クラスの子どもたち全員に適切な支援ができているだろうか」といった不安と向き合う時間が必要なこともあるでしょう。

正社員の保育士がきついと感じたときの対処法

正社員の保育士がきついと感じたときは、その理由を明確にしたり、働き方を変えたりするのが効果的です。ここでは、正社員の保育士がきついと思った際の対処法をいくつか紹介します。

きついと感じる理由を明確にする

正社員の保育士の仕事がきついときは、なぜそのように感じているのかを明確にすることが大切です。日々の業務の中で、特にストレスを感じる場面や状況を振り返ってみましょう

きついと感じる原因が一時的なものか、長期的なものかを区別し、自分の力で改善できそうな点と環境や制度の変更が必要な点を分けて考えるのが効果的です。原因が明確になると、漠然とした「きつい」という感覚をより具体的な課題として捉えられ、解決策を考えやすくなります。

同僚や上司に悩みを打ち明けてみる

「正社員の保育士がきつい」と感じたら、1人で抱え込まずに、信頼できる同僚や上司に悩みを打ち明けるのも手です。相談相手は慎重に選び、真摯に話を聞いてくれそうな人を選びましょう。具体的な状況や感情を説明し、相手の経験や意見を聞くことで、新たな視点や解決策が見つかるかもしれません。職場の中で理解してくれる人や協力してくれる人を得ることで、精神的な負担が軽減される可能性もあります。

雇用形態をパートやアルバイトに切り替える

正社員の保育士の働き方がきついと感じたら、雇用形態をパートやアルバイトに切り替えるのも選択肢の1つです。パートやアルバイトの働き方であれば、労働時間を減らせたり担任業務から離れられたりします。ただし、収入の減少やキャリアへの影響を考慮しなければならない点に注意が必要です。

自分のライフスタイルや家庭の状況を考慮し、正社員以外の働き方が向いているかどうかを検討してみてください。正社員からパート・アルバイトへ切り替えが可能かどうかは、園長や人事担当者と相談のうえ確認しましょう。

転職エージェントに相談する

現在の職場環境で正社員の保育士を続けるのが難しいと判断し、転職を決意した場合は、転職エージェントに相談するのがおすすめです。転職エージェントを利用する際は、自分の経験やスキル、希望する労働条件などを明確に伝えましょう。

キャリアアドバイザーから求人を提案してもらえたら、労働条件だけでなく、園の方針や雰囲気なども踏まえたうえで慎重に検討します。興味のある求人があれば、面接や見学の機会を設けてもらうのが効果的です。

保育士の正社員に関してよくある質問

ここでは、保育士の正社員に関してよくある質問に、Q&A形式でお答えします。

子持ちの保育士が正社員になるのはきつい?

子持ちの保育士が正社員になるのが「きつい」かどうかは、個人の状況や職場環境によって異なるでしょう。正社員の保育士は、長時間労働や不規則な勤務時間、責任の重さといった課題はありますが、子育ての経験を仕事に活かせるメリットもあります。

求人によっては、ワーク・ライフ・バランスを重視する職場や、育児との両立を支援する制度が充実している保育園もあります。子育てをしながら正社員の保育士として働くのであれば、自身のニーズと職場の制度がマッチしているかをよく確認し、必要に応じて働き方を調整していくことが重要です。

「保育士の正社員になるもんじゃない」といわれる理由は?

長時間労働や休憩の取りにくさ、持ち帰り仕事の多さなどから、「保育士の正社員になるもんじゃない」と思う人もいるようです。しかし、保育業界では、労働環境の改善や給与体系の見直しなどが進められています。正社員の保育士になるかどうかは個人の価値観や状況によって判断する必要があり、課題を上回る魅力や、やりがいを見出せる人もいるでしょう。

本記事の「正社員の保育士がきついといわれている理由」で、正社員の保育士のきつい点を詳しく解説しているので、興味のある方は確認してみてください。

まとめ

正社員の保育士は、時間労働や賃金の問題、人間関係のストレスなどにより「きつい」と感じる人もいるようです。しかし、保育士の離職率は一般労働者の平均よりも低く、きついと感じながらも仕事にやりがいを持って働き続けている人は少なくないことが分かります。

正社員の保育士がきついと感じたときは原因を明確にし、同僚や上司に相談するなど、適切な対処が重要です。また、雇用形態をパートやアルバイトに切り替えたり、転職したりするのも選択肢の1つです。

現在の職場で正社員の保育士を続けるのが難しいと感じている方は、「レバウェル保育士」に相談してみてください。「レバウェル保育士」では、保育業界に特化したアドバイザーが、あなたの悩みや希望に合わせて、より良い労働環境や待遇の職場を紹介します。園の方針や実際の雰囲気などの情報も提供可能ですので、気軽にお問い合わせください。

執筆者

A

「レバウェル保育士」編集部

保育士・幼稚園教諭専門の転職エージェント「レバウェル保育士」が運営するメディア。現役の保育士とこれから保育士を目指す方に向けて、仕事や転職に役立つ情報をお届けします。記事を通して不安や悩みが少しでも解消する状態を目指し、皆さんのキャリア選択を支援します。

この記事をシェアする

  • Facebookでシェアする
  • Xでポストする
  • LINEで送る
  • はてなブックマークでブックマークする

保育士・幼稚園教諭の転職なら

レバウェル保育士
  • 非公開
    求人あり

  • LINEで
    気軽に相談

  • 面接対策
    ・条件交渉

転職サポートを受けてみる