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幼稚園教諭の仕事内容とは?1日の流れや免許の取得方法、やりがいを解説
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「幼稚園教諭の仕事に興味があり、業務内容を知りたい」という方もいるのではないでしょうか?幼稚園教諭は、教育を通じて子どもたちの成長をサポートできるやりがいのある職業です。 この記事では、幼稚園教諭の仕事内容や1日の業務の流れを解説します。幼稚園教諭の仕事のやりがいや大変なところ、なるための方法も紹介するので、ぜひ参考にしてみてください。
目次
幼稚園教諭の仕事内容とは
幼稚園教諭は、満3歳から小学校入学前までの子どもを対象に、心身の成長を促す教育を行う仕事です。ここでは、幼稚園教諭の具体的な仕事内容を解説します。
子どもたちへの指導
幼稚園教諭は、子どもたちの健やかな成長を支えることが仕事です。幼稚園での日々の活動を通して子ども同士の関わりを促し、豊かな人間関係を育めるような声かけやサポートをします。子どもの発達や個性に応じて柔軟に対応し、安心感を与えられる姿勢を維持していくことが大切です。生活面でのサポートや子どもたちが安全に過ごすための見守りも、幼稚園教諭の役割といえます。
環境整備
子どもたちがのびのびと過ごせる環境を整えるのも、幼稚園教諭の役割です。具体的には、園内の清掃や備品の整理整頓、こまめな消毒による感染症対策などを行います。
また、幼稚園教諭は季節の移り変わりを意識した掲示や植物を設置し、子どもたちの感性を育む工夫をするのも大切です。安全で清潔な心地良い空間づくりを通して、子どもたちが安心して幼稚園で生活できるよう、サポートします。
制作業務
幼稚園の行事で使用する衣装や小道具など、子どもたちの活動に欠かせないアイテムを作るのも幼稚園教諭の仕事です。季節や行事に合わせた制作活動の準備では、材料や完成した見本をあらかじめ用意し、スムーズに活動が進められるよう工夫します。子どもたちが制作活動を楽しめるよう、安全面や年齢に合った素材選びをするのが特徴です。
書類業務
幼稚園教諭は、保護者とやり取りする連絡帳の記入や配布資料の作成、カリキュラムの作成などを担当します。クラス運営に必要な個別の記録や、子ども一人ひとりの成長記録の管理も重要な仕事です。
幼稚園教諭の書類業務は、子どもたちの成長を正確に把握し、保護者や同僚と情報を共有するために必要とされています。正確性や丁寧さが求められることから、慎重に作業を進めるスケジュール管理が求められるでしょう。
保護者対応
保護者との信頼関係を築くためのコミュニケーションも、幼稚園教諭が担う仕事の一つです。園での子どもの姿を日常的に伝えることで、保護者も安心して子どもを送り出せます。
保護者の子育てに関する悩みや相談には丁寧に耳を傾け、必要に応じて助言やサポートを行うことが必要です。幼稚園教諭は家庭と園が協力し合える関係づくりを目指し、保護者と日々の対話を大切にします。
幼稚園教諭の1日の仕事の流れ
幼稚園教諭は1日の中で、子どもたちの受け入れをこなし、活動時間や昼食の対応をします。降園対応が終わったら、事務作業を進めるのも幼稚園教諭の仕事です。ここでは、幼稚園教諭の仕事を1日の流れに沿って紹介します。
子どもたちの受け入れ
朝は子どもたちの登園からスタートします。幼稚園教諭は門や教室で子どもたちを笑顔で迎え入れ、保護者からの連絡事項があれば聞き取りを行うのが基本です。通園バスの添乗を幼稚園教諭が担当する場合は、子どもたちの安全に気を配りながら登園のサポートをします。
幼稚園教諭は登園してくる子どもたちの表情や体調を観察し、普段と違った様子がないかを確認することが大切です。
活動時間
朝の会が終わったら、活動の時間になります。活動時間は、制作活動や運動遊び、音楽などを通して子どもたちの興味や発達を育むことが目的です。幼稚園教諭は子ども一人ひとりに目を配り、困っている様子があれば声を掛けたり、サポートしたりと個別にフォローする必要があります。
季節や行事に合わせてプール遊びや遠足、お誕生日会などの特別な活動が行われる日もあり、幼稚園教諭は子どもたちの豊かな経験に繋がる工夫が欠かせません。
昼食
昼食の時間は、子どもたちの生活習慣を育てる大切な場面です。幼稚園教諭は子どもたちへ食前の手洗いを指導し、生活習慣を身につけさせます。
配膳や準備も幼稚園教諭の仕事で、アレルギー対応が必要な子どもへの配慮も必要です。苦手な食材にチャレンジする子どもを励ましたり、楽しい雰囲気づくりを意識するのがポイントになります。姿勢やマナー、正しい食べ方についても優しく声を掛けながら見守り、食育を意識した関わり方が必要です。
食後には、歯磨きの指導やサポートを行い、子どもの健康習慣を育てます。
降園対応
降園前には、帰りの会を開きます。帰りの会では、今日の出来事を振り返ったり、翌日の予定を伝えたりしながら、子どもたちの気持ちを落ち着けて帰宅モードへと切り替えるのが幼稚園教諭の仕事です。
帰りの会が終わったら、幼稚園教諭は子どもたちに荷物の整理や身支度を呼びかけ、忘れ物がないか確認します。保護者が迎えに来たら、その日の子どもの様子を簡単に伝えることも幼稚園教諭の役割です。
事務作業
子どもたちが降園したら、幼稚園教諭は翌日に向けた準備や事務作業を行います。具体的には、翌日の活動に必要な教材や道具の準備、園内で使用する掲示物の作成、行事に向けた進行表の作成などを担当するでしょう。
幼稚園教諭はスムーズにクラス運営を行うため、必要な備品や教材の在庫管理を行ったり、外部業者とやり取りをしたりする場面もあります。幼稚園教諭が地道な準備や裏方の作業を行うことで、安心で安全な保育環境を整えることが可能です。
幼稚園教諭の給与・年収
政府統計の総合窓口の「令和6年賃金構造基本統計調査 一般労働者 職種」より、幼稚園教諭と保育士の「きまって支給する現金給与額」「年間賞与その他特別給与額」「年収」を以下の表にまとめました。
職種 | きまって支給する
現金給与額 | 年間賞与
その他特別給与額 | 年収
(きまって支給する現金給与額×12+年間賞与その他特別給与額) |
幼稚園教諭 | 27万6,600円 | 80万8,100円 | 412万7,300円 |
保育士 | 27万7,200円 | 74万1,700円 | 406万8,100円 |
参照:政府統計の総合窓口「令和6年賃金構造基本統計調査 一般労働者 職種」
「きまって支給する現金給与額」は、幼稚園教諭と保育士に大きな違いはないことが分かるでしょう。「年間賞与その他特別給与額」は保育士より幼稚園教諭の方がやや高く、その分年収も少し高い水準になっています。ただし、これらは平均的な金額のため、地域や勤務先によって収入が前後するので、注意が必要です。
出典
政府統計の総合窓口(e-Stat):「令和6年賃金構造基本統計調査」(2025年4月28日)
幼稚園教諭の仕事のやりがい
幼稚園教諭は毎日子どもと向き合う中でできなかったことができるようになる瞬間に立ち会えたり、行事を通して達成感を味わえたりと、幅広いやりがいを感じられる仕事です。また、保護者と子どもの成長を共有できるのも、幼稚園教諭の仕事の魅力になります。ここでは、幼稚園教諭の仕事のやりがいをまとめました。
子どもの成長を間近で見守れる喜びがある
幼稚園教諭のやりがいは、子どもたちの成長をすぐ側で感じられることです。子どもが初めはできなかったことが、日々の積み重ねの中で少しずつできるようになった瞬間に立ち会えるのは、幼稚園教諭の喜びに繋がります。
「初めて挨拶ができた」「苦手だった制作に挑戦できた」など、子どもが小さな成長を重ねる姿に感動する場面が豊富にあるでしょう。子どもたちの「できた!」という笑顔を見たとき、幼稚園教諭としての努力が報われたと実感できるかもしれません。
行事を通して達成感を得られる
運動会や発表会、遠足など、幅広い行事の企画・運営に携われるのも幼稚園教諭のやりがいです。子どもたちが練習を重ねて本番を迎え、行事が無事に成功したとき、幼稚園教諭は達成感を味わえます。自分が考えたアイデアや企画に子どもたちが笑顔で取り組んでくれる姿を見ると、準備の苦労も報われるでしょう。行事を通してクラスが一体となったり、子どもたちにとって忘れられない思い出を作れたりすると、幼稚園教諭の仕事に誇りを感じられます。
保護者と子どもの成長を分かち合える
幼稚園教諭は、保護者と信頼関係を築いていく中で、やりがいを感じられる瞬間があります。日々の保育の中で見つけた子どもたちの成長や頑張りを保護者に伝え、ともに喜びを分かち合えたときは、幼稚園教諭のモチベーションのアップに繋がるでしょう。
幼稚園教諭は保護者から「家でもこのような成長が見られました」というような声を掛けてもらえると、家庭と園が一緒に子どもを支えている実感を得られます。子どもたちの未来を支える存在として保護者と連携できることは、幼稚園教諭の励みになるでしょう。
幼稚園教諭の仕事の大変なところ
幼稚園教諭は体力的な負担や人間関係の悩みなど、日々の業務の中でさまざまな困難に直面します。ここでは、幼稚園教諭として働く中で感じやすい大変なところをまとめました。
子ども相手の仕事で体力が消耗する
幼稚園教諭は子どもたちと一緒に過ごす時間が長く、体力的にも精神的にも負担がかかりやすい仕事です。外遊びや運動活動では、子どもたちと一緒に体を動かします。室内での活動も、子どもたちの安全に目を配りながら、臨機応変に対応し続けなくてはなりません。
また、幼稚園教諭は子どもたちの予想外の行動にも注意する必要があり、気を張り続けていると心身ともに疲れがたまりやすくなります。
同僚や保護者との人間関係に悩みやすい
幼稚園教諭の仕事は、同僚や保護者との関わりも欠かせません。職場内では、立場や経験年数によって仕事の進め方にズレが生じ、ストレスに繋がることがあります。保護者との関係では、保護者からの期待が大き過ぎる場合やクレーム対応に追われた際、精神的に負担がかかりやすいです。幼稚園教諭は人との関わりが密な仕事である分、人間関係の悩みが複雑になりやすいでしょう。
幼稚園教諭になるには
幼稚園教諭になるには、専門的な知識と技術を身につけ、必要な免許を取得することが求められます。また、子どもたちと日々向き合う中で、温かい人間性や周囲と協力して働く力が必要です。ここでは、幼稚園教諭になるために必要な免許と、求められるスキルを解説します。
幼稚園教諭に必要な免許
職業情報提供サイトjob tagの「幼稚園教員」によると、幼稚園教諭として働くには幼稚園教諭免許状の取得が必要です。幼稚園教諭免許状には、「一種」「二種」「専修」の3種類があります。
「一種免許状」は、幼稚園教諭養成課程のある4年制の大学を卒業することで取得可能です。「二種免許状」は、専門学校や短期大学などの養成課程を修了すると得られます。「専修免許状」は、大学院で修士課程を経て取得できるのが特徴です。保育士資格を持ち、一定の実務経験がある場合は、試験に合格することで幼稚園教諭二種免許状を取得できます。
幼稚園教諭免許状を取得するときは、進学先や自分のキャリアプランに合わせて種類を選びましょう。
出典
職業情報提供サイトjob tag「幼稚園教員」(2025年4月28日)
幼稚園教諭に求められるスキル
幼稚園教諭には、子どもたちを温かく見守り寄り添う力が求められます。子どもの小さな変化にも気づき、成長を丁寧に支える姿勢が必要です。
幼稚園教諭として活躍するには、保護者や同僚と信頼を築く力も重要になります。連絡帳や日々のコミュニケーションを通して保護者と信頼関係を構築し、ほかの職員とも協力しながら保育を進める力が大切になります。また、臨機応変な対応力や子どもたちを惹きつける表現力も幼稚園教諭に必要なスキルです。
幼稚園教諭の仕事内容に関してよくある質問
ここでは、幼稚園教諭の仕事内容に関してよくある質問に、Q&A形式でお答えします。
幼稚園の先生として活躍しやすい人の特徴は?
幼稚園の先生として活躍しやすい人の特徴は、明るく元気な性格が挙げられるでしょう。幼稚園教諭はエネルギッシュで好奇心旺盛の子どもたちに対応するため、一緒に遊びながら学びを促すことのできる人に向いています。
また、保護者や同僚とのコミュニケーションが円滑に取れる人も活躍しやすいでしょう。日々の保育や行事では保護者や同僚と協力する姿勢が求められ、良好な人間関係を築く力が必要だからです。
幼稚園教諭と保育士の仕事内容の違いは?
幼稚園教諭は、満3歳から小学校入学前までの子どもたちを対象に、専門的な教育活動を行います。活動内容は知育や運動、音楽など多岐にわたり、子どもたちの成長を促すための教育的アプローチが幼稚園教諭に求められるのが特徴です。幼稚園教諭が子どもたちと過ごす時間は、1日4時間程度が基本になります。
一方で、保育士は0歳から小学校入学前までの子どもを対象に保育し、生活全般のサポートを行います。保育士の仕事は、子どもの生活リズムを作り、子どもたちが安心して過ごせる環境づくりが中心です。保育士は朝から夕方まで保育するのが一般的で、園によっては夜間保育に対応する場合もあります。
まとめ
幼稚園教諭の仕事内容は、子どもたちへの教育や日常生活のサポートが中心です。子どもの成長を近くで見守れることや、行事が成功したときの達成感が幼稚園教諭のやりがいに繋がります。一方で、体力的な負担や職場の人間関係に悩むこともあるようです。
幼稚園教諭になるには「幼稚園教諭免許状」の取得が必要になります。求められるスキルとしては、子どもを温かくも見守る力や、保護者・同僚と信頼関係を築く力が挙げられるでしょう。
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執筆者

「レバウェル保育士」編集部
保育士・幼稚園教諭専門の転職エージェント「レバウェル保育士」が運営するメディア。現役の保育士とこれから保育士を目指す方に向けて、仕事や転職に役立つ情報をお届けします。記事を通して不安や悩みが少しでも解消する状態を目指し、皆さんのキャリア選択を支援します。