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七田式教育法とは?保育士や幼稚園教諭向けに効果や実践例を紹介

アルファベットの磁石で遊ぶ幼児の画像

保育士や幼稚園教諭のなかには、七田式教育法について興味がある方もいるかもしれません。七田式教育法とは、0〜6歳の子どもに向けた、潜在能力を最大限に引き出す幼児教育の1つです。 この記事では、七田式教育法の特徴や子どもたちにどのように効果があるか解説します。年齢別の七田式教育法の実践例もまとめました。幼児教育に関心の高い保育士や幼稚園教諭の方は、転職先を探すコツも参考にしてみてください。

この記事を書いた人

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「レバウェル保育士」編集部

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七田式教育法とは

七田式教育法とは、0~6歳までに多くのことを吸収して、子どもの潜在能力を最大限に引き出す幼児教育です。1958年、七田眞によって創設された教育法で、65年以上の歴史があります。七田式教育法は、幼児教室で取り入れられていたり、小学校受験を見据えて家庭で保護者が実践したりするようです。

七田式教育法の教材には、計算力を身につけるフラッシュカードや、国旗カード、英語のCDなどがあります。知識や技能取得だけでなく、絵本や遊びにより、思いやりの気持ちや自立心なども育む目的もあるようです。

七田式教育法の特徴

七田式教育法の特徴は、子どもの才能を早期に伸ばしたり、右脳を使ったトレーニングをしたりすることです。ここでは、七田式教育法の主な特徴を紹介します。

子どもの才能を早期に伸ばす

七田式教育法は、乳幼児期から積極的に子どもの才能を伸ばしていくアプローチが特徴です。七田式教育法では、取り組む時期が早ければ早いほど才能が開花する可能性が高いという考えがあります。乳幼児期の脳は、柔軟性が高く多種多様な刺激を吸収しやすいことから、記憶力や計算力、思考力といった、あらゆる能力を伸ばすチャンスがあるようです。なお、早期教育は子どもの負担になる場合もあるため、七田式教育法では遊びやゲーム形式などにより、楽しく取り組めることを大切にしている点も特徴といえるでしょう。

右脳の積極的な活用

七田式教育法では、右脳の活用を重視していることが特徴です。右脳は映像や音楽、感情などを処理する能力に優れており、イメージ力や直感力などに関わっていると考えられています。たとえば、七田式教育法では、フラッシュカードを使った「写真的記憶」の訓練や、音楽を用いた右脳活性化などが実践されることがあるようです。乳幼児期に右脳を鍛えると、豊かな感性や想像力を磨くことにつながるでしょう。

豊かな人間性や道徳心を育む心の教育

七田式教育法では、知能の発達だけでなく、豊かな人間性や道徳心を育む「心の教育」も重視しています。思いやりや感謝の気持ち、努力する姿勢など、人として大切な心も育てることを目指していることが特徴です。たとえば、絵本を使って、譲る心や約束を守ることの大切さを学びます。七田式教育法では、知育と徳育のバランスを取りながら、子どものさまざまな成長を促せるでしょう。

七田式教育法は子どもたちにどのような効果がある?

七田式教育法の実践内容によっては、記憶力やコミュニケーション能力の向上などが期待できるかもしれません。ここでは、七田式教育法によって、子どもたちにどのような効果があるか解説します。

記憶力を高められる

七田式教育法では、子どもたちの記憶力を向上させるために、フラッシュカードや名文の暗唱、国旗遊びなどが行われます。たとえば、フラッシュカードを使った学習は、右脳の写真的記憶能力を活性化させ、情報を素早く記憶する力を養えるでしょう。国旗や歴史上の人物などをゲーム形式で憶える教材もあるため、子どもたちは楽しみながら記憶力向上を目指せます。また、七田式教育法のCDや文集の教材を活用して、暗唱をしたり歌って覚えたりすることも記憶力の向上に役立つでしょう。

語彙力やコミュニケーション能力がアップする

七田式教育法の絵カードや単語カードを用いた学習では、語彙力やコミュニケーション能力アップを目指します。乳幼児期から多くの言葉に触れることで、語彙力が豊かになり、表現力やコミュニケーション能力が高まるでしょう。コミュニケーション能力を向上させるためには、絵本の読み聞かせや日常的な言葉のやり取りなど、大人からのアプローチも大切になります。コミュニケーション能力の向上は、友だち関係の構築や自分の気持ちを表現するときに役立つでしょう。

小学校入学に向けて学習習慣を身につけられる

七田式教育法では、小学校入学に向けて「楽しみながら学ぶ習慣」を身につけられるようです。楽しみながら絵本を読んだりプリントを解いたりする経験を重ねれば、小学校入学後の学習にもスムーズに移行しやすくなります。また、七田式教育法では思いやりの心やコミュニケーション能力も養うため、小学校での友だちとの関わりや、集団生活にも役立つ可能性があります。七田式教育法を実践すると知識や技能面だけでなく、小学校生活を送るうえで必要な基礎的な力も身につくでしょう。

【年齢別】七田式教育法の実践例

七田式教育法のなかには、カルタや絵本の読み聞かせなど、保育園や幼稚園の活動で取り入れやすい実践方法もあります。ここでは、年齢別に七田式教育法の実践例を紹介するので、参考にしてみてください。

0歳の場合

0歳の子どもは、五感をフル活用して見たものや聞いたものをどんどん吸収する時期のため、七田式教育法では、絵本や積み木、絵カードなどを使って、さまざまなものに触れる機会を作ります。たとえば、つまみが付いたパズルであれば、指先のトレーニングをしたり、さまざまな形に触れたりすることが可能です。また、タオルやスカーフなどを用意すれば、異なる素材のものを手で触って楽しみながら、五感を刺激する遊びができるでしょう。

0歳の子どもに七田式教育法を取り入れるときは、優しい声掛けや愛情が伝わるスキンシップも大切になります。温かい関わりをすれば、情緒の安定や信頼関係の構築につながります。

1歳の場合

1歳の子どもは、歩き始めたり言葉を発し始めたりするため、七田式教育法では、語彙力や身体能力を伸ばす教材や遊びが取り入れられます。たとえば、毎日30分〜1時間半ほどCDを聞き流して、英語が自然と身につく環境を作ることもあるようです。また、積み木を積み上げたり並べたりすれば、空間認識力を養えるでしょう。なお、七田式教育法において1歳の子どもは、同じ遊びや絵本の読み聞かせを繰り返すことで安心感を与え、学習効果が高まるとされています。

2歳の場合

2歳ごろになると、「ママ、あれ!」のように二語文や三語文へとコミュニケーション能力が発達していくため、七田式教育法では絵本の読み聞かせが取り入れられます。絵本のジャンルは物語だけでなく、食事のマナーが学べる生活の基礎となる内容を読み聞かせることもあるようです。また、2歳の子どもは、「なんでこうなるの?」と因果関係を知りたいと思うこともあるため、七田式教育法では、パズルや色合わせなどの遊びによって、自分で考える能力を養います。

3歳の場合

3歳の子どもは、あらゆるものに興味を持って知的好奇心が芽生える時期になるため、七田式教育法では、楽しく自然にインプットできるアプローチをします。たとえば、公園で虫を観察したり、スープに入っている野菜の名前を当てたり、日常生活のなかで学ぶ場を設けることがポイントです。3歳の場合は、1日15分のように、無理なく続けられる形で、かずや迷路などのプリントに取り組むこともあります。机に向かって学習するのが難しいときは、紐通しのおもちゃを使って、大小や数などを遊びながら学ぶのも、七田式教育法で取り入れられている1つの方法です。

4歳の場合

七田式教育法において4歳は、就学の土台を育む時期とされています。4歳ごろになると、小学校入学に向けた準備として、手と頭を使うパズルや人との関わりを学べる絵本などが取り入れられているようです。たとえば、基礎から応用まで挑戦できるパズルであれば、思考力や挑戦する意欲を育み、就学に向けた学習の準備になるでしょう。また、思いやりや協調性を学べる絵本からは、小学校での友だちとの関係構築に役立つかもしれません。

5歳の場合

5歳の子どもは、小学校入学を目の前にして心身ともに成長が加速するため、七田式教育法では、学習意欲や自己肯定感の土台を築く時期とされています。たとえば、数を学ぶプリントでつまづいたときは、百玉そろばんを使って、楽しく分かりやすく学べる環境を作るのも手です。都道府県や国名など、暗記が必要なものは、CDの教材を使うと楽しみながら歌って覚えられるでしょう。また、七田式教育法では、食事の準備や掃除など、生活のなかの簡単な手伝いから、達成感や自立心を育むことも大切であるとされています。

七田式教育法から学ぶ子どもを褒めるポイント

七田式教育法は、詰め込み教育のようにネガティブな印象をもたれることもあるようですが、人格形成や愛着形成も大切にしている教育方法です。たとえば、子どもを認めたり褒めたりするポイントとしては、以下の考え方が示されています。

  • 子どもの良いところに目を向ける

  • できることを当たり前だと思わない

  • ありのままで良いことを伝える

  • できなくても成長の途中だと捉える

  • ほかの子どもと比べない

  • 勉強よりもまず思いやりを教える

子どもは褒めてもらえると、自己肯定感が上がったり新しいことに挑戦する意欲が湧いたりします。七田式教育法を実践する際は、教材や遊び、学習方法を取り入れるだけでなく、子どもへのポジティブな声掛けが大切になるでしょう。

保育士・幼稚園教諭が自分に合った教育法の園を探すコツ

七田式教育法を含め幼児教育に関心の高い保育士や幼稚園教諭の方は、転職する際に具体的な園の方針や活動内容を把握しておくことが大切です。ここでは、保育士や幼稚園教諭が自分に合った教育法の園を探すコツを紹介します。

携わりたい幼児教育のジャンルや内容を明確にする

一口に「幼児教育」といっても、方針や実践内容は園によって多種多様なため、携わりたいジャンルや内容を明確にしたうえで、転職先を探すことがポイントです。たとえば、「絵本やフラッシュカードを使った教育に興味がある」「遊びながら楽しく学べる環境が良い」のように希望を出しておくと、求人探しの基準になります。

また、「子どもの主体性を大切にしたい」「創造性を伸ばす活動を中心にしたい」といった、教育観や保育観に合った園を探すことも重要です。自分の希望や価値観と合った園であれば、長く働き続けやすくなるでしょう。

園見学で活動の様子や雰囲気を確認する

可能であれば園見学をさせてもらい、幼児教育に関する活動の様子や雰囲気などを確認すると、自分に合っているか判断しやすくなります。園のWebサイトや求人の情報のみでは、実際の保育との間にギャップがあるかもしれません。

園見学の際は、子どもたちが生き生きと活動しているか、保育者が笑顔で関わっているか、保育室の環境はどのように工夫されているかなど、具体的なポイントに着目することがポイントです。また、「どのような教材を使用していますか?」「指導のスキルはどのように身につけましたか?」など、実際の教育に関する質問を準備しておくと、より深い情報が得られるかもしれません。

転職エージェントで詳しい情報を収集する

保育士や幼稚園教諭専門の転職エージェントを利用すれば、教育方針や園の特色、職場環境などについて、より具体的な情報を収集できるでしょう。転職エージェントに相談する際は、自分が大切にしたい教育観や働き方の希望を明確に伝えることが大切です。「七田式教育法や似た教育法を取り入れている園を探している」「子どもの自主性を尊重する保育を実践したい」など、具体的な希望を伝えると、より的確な求人を紹介してもらえます。

また、転職エージェントでは、「職員の平均年齢や雰囲気」「研修制度の内容」など、求人票には載っていない情報を聞けるかもしれません。詳細な情報を得たうえで判断すれば、入職後のミスマッチを防ぎやすくなります。

「七田式教育法を取り入れている保育園や幼稚園はある?」と転職を考えている保育士の方は、レバウェル保育士にご相談ください。レバウェル保育士では、保育士や幼稚園教諭の転職事情に詳しいプロのアドバイザーが、希望条件を丁寧にヒアリングし、あなたに合った求人をご紹介します。転職するか迷っている段階での相談も可能なため、お気軽にご利用ください。

七田式教育法に関するよくある質問

ここでは、七田式教育法に関するよくある質問に答えます。モンテッソーリ教育との違いや教材の内容について、参考にしてみてください。

七田式教育法とモンテッソーリ教育の違いは?

七田式教育法とモンテッソーリ教育は、子どもの主体性を引き出す教育観や言語教育・算数教育などの実践方法で似ている部分もありますが、アプローチや重視するポイントに違いがあります。七田式教育法は、特に右脳の働きを活性化させることで、記憶力や創造性を高める「能力開発」に重点を置いているようです。

一方、モンテッソーリ教育は、「子どもは自ら育つ力を持っている」という考えのもと、子どもの「自発的活動」を重視しているでしょう。実践面では、七田式は決まったプログラムに沿って活動を進めることがあるのに対し、モンテッソーリでは子どもが自分で活動を選び、集中して取り組む「自由活動」の時間をメインに設けています。

七田式教育法の教材にはどのようなものがある?

七田式教育法では、フラッシュカードや文字や数のプリント、英語のCDなど、年齢や目的に合わせた教材が展開されています。カルタやパズルなど、遊びやゲーム形式を取り入れ楽しみながら学習できる教材もあります。積み木や紐通しなども教材として提示されており、保育園や幼稚園にあるおもちゃで七田式教育法を実践できることもあるでしょう。年齢別の実践方法については、この記事の「【年齢別】七田式教育法の実践例」も参考にしてみてください。

まとめ

七田式教育法では、0〜6歳までに多くのことを吸収して、子どもの潜在能力を最大限に引き出すアプローチをします。保育現場に七田式教育法を取り入れる際は、フラッシュカードや絵本の読み聞かせなど、既存の保育活動と組み合わせやすい要素から始めるのがおすすめです。子どもの年齢や発達に合わせて、積み木遊びや英語のCDなど、楽しみながら学べる教材を活用する方法もあります。

七田式教育法で大切なのは、詰め込み教育ではなく、遊びを通じて自然に学べる環境づくりです。「できた!」という達成感を大切にし、子どもを認め、褒めることで、自己肯定感も育みます。七田式教育法で習得した知識や技術、思いやりの心などは、小学校入学に向けた準備としても役立つでしょう。

幼児教育に力を入れている職場への転職を検討している方は、保育観や希望の働き方を明確にしたうえで求人を探すことをおすすめします。レバウェル保育士では職場の詳しい情報をお伝えすることが可能です。サービスはすべて無料ですので、お気軽にご相談ください。

執筆者

A

「レバウェル保育士」編集部

保育士・幼稚園教諭専門の転職エージェント「レバウェル保育士」が運営するメディア。現役の保育士とこれから保育士を目指す方に向けて、仕事や転職に役立つ情報をお届けします。記事を通して不安や悩みが少しでも解消する状態を目指し、皆さんのキャリア選択を支援します。

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