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保育士さんのストレスチェック!仕事が辛くて辞めたい…転職すべき
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「自分のストレス度を知りたい」と感じている保育士の方もいるのではないでしょうか。心身の状態に定期的に目を向けることは、保育士が仕事を長く続けるうえで大切です。この記事では、自身のストレス度が分かる簡易ストレスチェックを紹介します。また、具体的なメンタルヘルスケアの方法や転職を検討する際の判断基準も解説するので、「このまま働き続けられるか心配」と感じている方は、参考にしてみてください。
目次
保育士の仕事はストレスがたくさん
保育士の仕事には、子どもたちの笑顔に触れられる大きなやりがいがあります。しかしその一方で、強いストレスを感じる人も少なくありません。東京都福祉局の「東京都保育士実態調査 結果の概要(p9)」によると、保育士を辞めた理由として、以下のような項目が挙げられています。
保育士同士の人間関係
業務量の多さ
業務時間の長さ
給料の低さ
体力的な負担
保護者からのプレッシャー
保育現場では、複数の子どもたちの安全に目を配りながら発達段階に応じた対応が求められます。加えて、保護者対応や事務作業、行事の準備なども重なり、心身ともに疲れが溜まりやすい環境といえるでしょう。
出典
東京都福祉局「令和4年度東京都保育士実態調査結果(報告書)」(2025年9月29日)
保育士のための簡易ストレスチェック
保育士の仕事を無理なく続けていくためには、自分のストレスに早めに気づくことが大切です。下記のチェックリストを使って、自分の心と体の状態を客観視してみましょう。
ストレスチェック項目
以下は、保育士の方向けに作成した簡易的なストレスチェックリストです。12項目あるので、当てはまるものにチェックを入れてみてください。
仕事量が多くて時間内に終わらない
自分のやり方や順番で仕事ができない
自分のスキルや得意分野を活かせていない
園の保育方針に意見を出せない
ほかの保育士と意見が食い違う場面が多い
仕事終わりはひどく疲れてヘトヘトになる
仕事に行くのが憂鬱だ
腰痛や肩こりがひどい
急なめまいや頭痛、腹痛に悩まされている
眠れないことがよくある
食欲がわかない
困ったときに相談できる人がいない
チェックが多いからといってすぐに問題があるとは限りません。深く考え過ぎず、今の自分の状態を知るための目安として、気軽に取り組んでみましょう。
ストレスチェック結果
ここでは、先ほどのストレスチェックの結果をお伝えします。「0個」「1〜4個」「5〜8個」「9〜12個」と4段階に分かれているので、該当する項目をご覧ください。
0個【今の状態を維持しよう】
ストレスが少なく、理想的な状態です。適度にリフレッシュしながら、現在の良い状態を保っていきましょう。ただし、保育の仕事は予想外の出来事が起こりやすいものです。今後も心と体のバランスを保つために、定期的にセルフチェックを行う習慣をつけておくと安心です。また、周りの同僚がストレスを抱えていそうなときは、自身の経験や工夫を共有することで、サポートにつながるかもしれません。
1~4個【定期的にストレス発散を】
軽いストレスのサインが見られます。まだ深刻な状態ではありませんが、放っておくとストレスが少しずつ蓄積する可能性があります。休日には仕事からしっかりと離れ、リラックスできる時間を意識的に作りましょう。「体を動かす」「友人と会って話す」「趣味に没頭する」など、自分が楽しいと思える行動を取るのがおすすめです。また、睡眠時間の確保や、バランスの良い食事も忘れないようにしましょう。
5~8個【職場環境の改善を相談しよう】
中程度のストレスが溜まっている状態です。このまま放置すると心や体の健康に悪影響が出る可能性があるため、早めに対策を取ることが大切です。もし、業務量の多さや職場の雰囲気などに原因を感じている場合は、自分だけで抱え込まずに上司へ相談してみましょう。上司が真剣に対応してくれない、あるいは職場環境の改善が難しそうな場合は、無理を続けず働き方を見直すことも検討してみてください。
9~12個【限界が来る前に専門家に相談を】
深刻なストレス状態にある可能性があります。まずは信頼できる人に話を聞いてもらい、気持ちを整理しましょう。必要に応じて、心療内科などの専門機関に相談することも検討してください。頑張るのは悪いことではありませんが、心や体を壊してしまっては元も子もありません。「しっかり休養を取る」「仕事から一度離れてみる」「転職や異動で環境を変える」などの選択は、逃げではなく自分を守るための大切な行動です。
保育士がストレスと付き合うためのメンタルヘルスケア
ここでは、保育士がストレスと上手に向き合いながら、無理なく仕事を続けていくための対処法を紹介します。少しずつ、自分の心と体をいたわる習慣をつけていきましょう。
同僚や専門家に相談する
保育士がストレスを抱えたときは、同僚や友人、家族などに今の気持ちを率直に話してみましょう。自分の気持ちを理解してもらうことで心が楽になったり、具体的な解決策が見つかったりすることもあります。たとえ小さな悩みだと感じても、一人で抱え込まず、積極的に共有することが大切です。
もし、身近な相談相手がいない場合や、より専門的な助言がほしい場合は、公認心理師や臨床心理士といった専門家を頼ることも視野に入れてみてください。また、現在の働き方に限界を感じ、転職も視野に入れてこの先のキャリアを考えたい場合は、保育士専門の転職アドバイザーに相談するのもおすすめです。
対策できることとできないことを分けて考える
保育士がストレスに対処するためには、自力で解決できる問題と、そうでない問題を区別することが重要です。たとえば、園児をうまくまとめられないことがストレスの原因であれば、知識不足を感じる分野を復習し、対応策を事前に考えるのが望ましいでしょう。そのときはつらく感じたとしても自身の成長につながる貴重な経験となるので、努力する価値があります。
一方、ストレスの原因が職場環境にある場合、個人の努力だけで解決するのは難しいかもしれません。「自分の力ではどうしようもなかった」と割り切ったり、「この経験を通じて自分も少しは成長できた」と気持ちを切り替えたりすることも、ときには大切です。完璧主義を手放し、ありのままの自分を受け入れることで気持ちが軽くなるケースもあります。
伝え方を工夫して自分の気持ちを表現する
「言いづらいから我慢しよう」「本当は嫌だけど断りづらい…」など、言いたいことを我慢してストレスを抱えやすい保育士には、アサーションというコミュニケーション手法がおすすめです。
アサーションとは、相手の気持ちを尊重しつつ、自分の考えや要望を適切に伝えるコミュニケーション技術です。「なぜ◯◯しないのですか?」と相手を責めるような言い方ではなく、客観的な事実を伝えながら、「私は◯◯だとうれしいです」のように、自分の気持ちを主語にして表現します。要望と提案を具体的に提示することで、相手との間に不要な摩擦を生むことなく、建設的な話し合いを進められるでしょう。
出典
厚生労働省「こころの耳」(2025年9月29日)
イライラする気持ちをコントロールする
保育士が仕事の疲れやストレスでイライラを感じた際は、感情を上手にコントロールすることが大切です。怒りは自分自身を守るための自然な防衛反応ですが、その感情をそのまま相手にぶつけてしまうと、人間関係を悪化させる原因になり兼ねません。
保育士がイライラを感じたときは、「6秒ルール」を試してみるのがおすすめです。深呼吸をしながら6秒数えることで、衝動的な怒りを一旦落ち着かせ、何に対して怒りを感じたのかを冷静に分析できるようになります。怒りの原因が分かれば、次に同じような状況に直面した際に、感情をよりコントロールしやすくなるでしょう。
また、人それぞれ価値観が異なることを理解して割り切って考えることも、怒りの感情を抑えるコツの1つです。すべてを自分の思いどおりにしようとせず、ときには「そういう考え方もある」と柔軟に受け流すことで、必要以上のストレスや苛立ちを軽減できます。
出典
厚生労働省「こころの耳」(2025年9月29日)
規則正しい生活を心掛ける
保育士がストレス耐性を高めるためには、規則正しい生活を送ることが大切です。可能な限り睡眠時間を確保し、栄養バランスの取れた食事を心掛けましょう。就寝前のスマートフォンやPCの使用は控え、リラックスできる環境を整えるのが望ましいです。また、シャワーだけでなく湯船にゆっくり浸かる時間を作り、1日の緊張をほぐすのもおすすめです。短時間で構わないので、適度な運動やストレッチを取り入れることも効果的でしょう。
保育士は仕事のストレスを理由に転職しても良い?
保育現場でストレスを感じ続けると、このまま続けるべきか迷うこともあるでしょう。ここでは、保育士がストレスを理由に転職を考える際のポイントをお伝えします。
一時的な感情だけで転職を決めない方が良い
保育士が一時的な感情だけで転職を決めてしまうと、早まったと気づいたときに後悔する可能性があります。そのため、衝動的に職場を離れるのは避けるのが賢明です。転職を決意する前に、何に対してストレスや不満を感じているのかを紙に書き出して、現状を客観的に整理してみましょう。
また、転職しないという選択肢を視野に入れつつ、情報収集のために転職活動を進めることも可能です。実際に興味のある園に見学に行ったり、面接で労働条件を詳しく確認したりしたうえで、最終的に転職するかどうかを決断する方法もあります。安易に決めるのではなく、しっかり情報を集めたうえで、最終的な決断を下すようにしましょう。
転職すべきかの判断軸
以下のような状況に当てはまる保育士は、転職を真剣に検討する時期かもしれません。
仕事の悩みを上司や同僚に相談できない
自分の努力でストレスの原因が解決する見込みがない
ストレスが限界で心身に悪影響が出ている
園の運営方針や経営層を信用できなくなっている
今の環境で3年以上働き続けるのが難しいと感じる
園児や保護者のことを考慮すると、年度末の退職が望ましいのは確かです。しかし、メンタルや身体を壊す恐れがある場合や年度末まで働くのが難しいと感じる場合は、現在の環境を離れる選択を視野に入れましょう。「もう少し頑張れば」と無理を続けると、回復に時間がかかるほど深刻な状態に陥ることもあります。
保育士のストレスに関してよくある質問
ここでは、保育士のストレスに関してよくある質問を紹介します。
保育士の仕事がつらくて眠れない…どうしたら良い?
保育士が仕事によるストレスで眠れないときは、就寝前の習慣を見直してみましょう。具体的には、「寝る前にスマートフォンやPCなどの画面を見ない」「カフェインやアルコールの摂取を控える」「直前の食事を避ける」「シャワーだけでなく湯船に浸かる」などが有効です。このような対策を試してもなお眠れない日が長く続くようであれば、無理をせず医療機関を受診することをおすすめします。
仕事に行きたくなさ過ぎて涙が出てきます…
保育士が出勤前に涙が出てしまうほどつらい場合は、ストレスが極限状態に達している可能性があります。一人で抱え込まず、すぐに家族や友人、信頼できる同僚など、話しやすい相手に気持ちを打ち明けましょう。身近な人に相談しても状況が改善せず、出勤前の涙が続くようであれば、専門家への相談や休職を真剣に検討することが重要です。
うつ病かどうかチェックする方法はありますか?
保育士が仕事のストレスで「もしかしてうつ病かも…」と不安を感じたら、自己判断せずに心療内科や精神科を受診し、医師に診断してもらうことが重要です。インターネット上のセルフチェックリストは、あくまで現在の状態を知るための参考程度にとどめてください。「受診するほどではない」「大袈裟にしたくない」といった気持ちがあるかもしれませんが、早めに専門家に相談することが心身を回復させるための近道となります。
まとめ
保育士がストレスに振り回されず、長く健康的に働き続けるには、自身のストレス状態を定期的にチェックし、「周囲に心の内を話す」「規則正しい生活を送る」といった基本的なセルフケアに取り組むことが大切です。また、人員配置や保育方針など、園の根本的な部分にストレスの原因がある場合は、無理に現状維持にこだわらず、転職を決断するのも選択肢の1つといえます。
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