最終更新日:
チャイルドコーチングとは?資格の取り方や活かせる仕事、メリットを解説
- #スキルアップ

「チャイルドコーチングとは何?資格の取り方は?」と気になる方もいるでしょう。チャイルドコーチングは、子どもの年齢や発達に合わせた声掛けや関わり方により、能力を引き出したり発達をサポートしたりする技術です。 この記事では、チャイルドコーチングの概要や資格の取り方を解説します。チャイルドコーチングアドバイザーとマイスターの違いや、保育士と幼稚園教諭向けに資格を取得するメリットもまとめました。
目次
チャイルドコーチングとは
チャイルドコーチングとは、子育てや傾聴、共感などの専門知識をもとに、子どもの能力を引き出し成長や発達をサポートをする技術です。1〜18歳と幅広い年齢の子どもを対象としています。チャイルドコーチングでは、年齢や発達に合わせた関わり方や声掛けによって、子どものやる気を引き出したり、自己肯定感を高めたりすることが可能です。
チャイルドコーチングには、「チャイルドコーチングアドバイザー」と「チャイルドコーチングマイスター」といった民間資格があります。資格取得で学んだ知識は、保育園や幼稚園、発達支援施設、幼児教室などで働くときや子育てで活かせるでしょう。
チャイルドコーチングアドバイザーとは
チャイルドコーチングアドバイザーとは、一般社団法人日本能力開発推進協会が認定する資格です。一般社団法人日本能力開発推進協会の「JADP認定チャイルドコーチングアドバイザー」によると、資格を取得するためには指定の養成講座を受講する必要があります。指定の養成講座では、子どもの潜在能力を引き出すチャイルドコーチングや児童教育に従事する知識を身につけられるでしょう。
認定試験の合格者には、「JADP認定チャイルドコーチングアドバイザー®」といった認定証が交付されます。チャイルドコーチングアドバイザーの資格は、子どもに関わる仕事におけるスキルアップや知識の証明として役立つでしょう。
出典
一般社団法人日本能力開発推進協会「JADP認定チャイルドコーチングアドバイザー」(2025年4月11日)
チャイルドコーチングマイスターとは
チャイルドコーチングマイスターの資格は、一般社団法人日本能力教育促進協会(JAFA)が認定しています。一般社団法人日本能力教育促進協会(JAFA)の「チャイルドコーチングマイスター」によると、チャイルドコーチングマイスターは、コーチングの技術により子どもとの信頼関係を築き、将来的に自己を律するスキルを培うことをサポートする資格です。
チャイルドコーチングマイスターの資格を取得するためには、指定の養成講座を受講したうえで認定試験に合格する必要があります。合格者に付与する称号は、「チャイルドコーチングマイスター資格」です。
出典
一般社団法人日本能力教育促進協会(JAFA)「チャイルドコーチングマイスター」(2025年4月11日)
チャイルドコーチングアドバイザーとマイスターの違い
チャイルドコーチングアドバイザーとチャイルドコーチングマイスターは、知識やスキルの目指すレベルに違いがあるようです。認定団体が異なるため単純に比較できませんが、チャイルドマイスターのほうがより専門性が高い知識、スキルの習得を目指せるでしょう。
チャイルドコーチングアドバイザーは、初めてコーチングを学ぶ方も正しいスキルが身につく資格です。一方、チャイルドコーチングマイスターは、コーチングを応用した子育てでスペシャリストになることを目指しています。養成講座の受講内容や教材なども異なるため、自分の知識や経験、学びやすさなどから選ぶ必要があるでしょう。
チャイルドコーチングアドバイザー資格の取り方
ここでは、チャイルドコーチングアドバイザーの受験資格や資格取得の流れを解説します。講座で学習する内容や難易度も、参考にしてみてください。
受験資格
一般社団法人日本能力開発推進協会「JADP認定チャイルドコーチングアドバイザー」によると、チャイルドコーチングアドバイザーの受験資格は、「協会指定の認定教育機関が行う教育訓練において、全カリキュラムを修了した者」です。資格試験を受験するためには、指定の養成講座を受講する必要があります。なお、チャイルドコーチングアドバイザーの養成講座や試験を受ける際に、学歴や経験は問われません。
出典
一般社団法人日本能力開発推進協会「JADP認定チャイルドコーチングアドバイザー」(2025年4月11日)
資格取得の流れ
チャイルドコーチングアドバイザーの資格を取るためには、指定の養成講座で受講の申し込みをします。受講申し込みから資格取得までの流れは、以下のとおりです。
1.協会指定の講座で受講の申し込みと学費の支払いをする
2.講座の全カリキュラムを修了する
3.協会ホームページから検定試験の申し込みと受験料の支払いをする
4.検定試験問題の発送され、在宅にて受験する
5.合否は答案受付後、約1ヶ月で送付される
養成講座の受講料は学習サポート期間により異なり、3万4,800〜7万8,800円(税込)ほどです。受験料は、別途5,600円(税込)かかります。検定試験は、得点率70%以上で合格です。養成講座は、1日15分・トータル3ヶ月のカリキュラムで構成されています。検定試験の合否は約1ヶ月で送付されるため、資格取得までは最短で4ヶ月ほどになるでしょう。
講座で学習する内容
チャイルドコーチングアドバイザーの養成講座では、テキストやWebでの映像教材、添削問題などで学習します。映像教材では、チャイルドコーチングにおける表情や声のトーンなどを細部まで学ぶことが可能です。養成講座では、以下のような知識やスキルを身につけます。
1ヶ月目:コーチングの歴史や理論、基本的なコーチングスキル
2ヶ月目:コーチングによって目標を達成するまでの基本的なプロセスや応用のスキル
3ヶ月目:実践的な言葉かけのスキルと具体的なコツ
チャイルドコーチングアドバイザーになるためには、子育ての基礎知識や聴く・承認・質問・共感のスキルを学びます。養成講座では分からないことを講師に質問したり、添削問題で理解度をチェックできたりするため、手厚いサポートが受けられるでしょう。
難易度
認定試験は学んだテキストを見ながら受験可能なため、しっかりとカリキュラムに沿って勉強し理解が深まっていれば、難易度はそれほど高くないでしょう。認定試験は、得点率70%で合格となるため、満点を取らなくても資格を取得できます。なお、不合格だった場合、再チャレンジできるため、諦めずに取り組めば合格を目指せるでしょう。
チャイルドコーチングマイスター資格の取り方
ここでは、チャイルドコーチングマイスター資格の取り方を解説します。受験資格や資格取得の流れ、難易度などを参考にしてみてください。
受験資格
一般社団法人日本能力教育促進協会(JAFA)の「チャイルドコーチングマイスター」によると、チャイルドコーチングマイスターの受験資格は、「協会指定の講座において受験を申し込んだ者」です。協会からは受験の申し込みはできないため、指定講座の案内に従って申し込みましょう。なお、受験資格において学歴や経験は問われません。
出典
一般社団法人日本能力教育促進協会(JAFA)「チャイルドコーチングマイスター」(2025年4月11日)
資格取得の流れ
チャイルドコーチングマイスターの資格を取得するためには、まず協会指定の養成講座に申し込みます。資格取得の流れは、以下のとおりです。
1.協会指定の講座で受講の申し込みと受講料の支払いをする
2.指定のオンライン講座を受講する
3.在宅でオンラインによる認定試験を受験する
4.合否判定は認定機関により即時に判定および通知される
チャイルドコーチングマイスターの養成講座の受講料は、教材・認定証・検定・サポートの費用込で36,300円(税込)です。講座の受講から認定試験まで、すべてオンラインで完結し、認定試験の合否判定は受験終了後すぐに分かります。
講座で学習する内容
チャイルドコーチングマイスターの養成講座は、パソコンやタブレット、スマートフォンなどを使って学習するWeb教材となっています。教材の内容は全8章、47Lessonの構成になっており、学習する一部の内容は以下のとおりです。
コーチングの歴史
傾聴、共感、質問、承認の知識やスキル
目標設定と行動の方法
保護者の心のケア
チャイルドコーチングマイスターの養成講座では、コーチングの基本である傾聴や質問のスキルに加え、子どもの心理を読み解く方法も学べます。また、質問例やケーススタディ(事例)など、すぐに活用できるプロの知識が詰まったカリキュラムです。カリキュラムの標準学習期間は1ヶ月となっています。
難易度
チャイルドコーチングマイスターの養成講座は、教材やサポートが充実しているため、しっかりと勉強すれば試験が難しく感じることはないでしょう。サポート期間であればメールで質問できるため、分からないことは解消しておくのが試験合格へのポイントです。
なお、認定試験が不合格となったときは、1,500円の受験料を支払えば再受験が可能です。認定試験の受験期限はないため、しっかりと試験対策したうえで合格を目指せるでしょう。
チャイルドコーチングの資格を取得する3つのメリット
ここでは、保育士や幼稚園教諭など、子どもに関わる仕事をしている人向けにチャイルドコーチングの資格を取得するメリットを解説します。保育士資格や幼稚園教諭免許と合わせてチャイルドコーチングの資格をもっていると、専門性を高めて活躍できるでしょう。
1.保育士や幼稚園教諭のスキルアップに役立つ
チャイルドコーチングの資格を取得するメリットは、保育士や幼稚園教諭のスキルアップに役立つことです。チャイルドコーチングの知識やスキルは、保育園や幼稚園における子どもへの声掛けや関わり方で活かせます。
チャイルドコーチングの養成講座で学んだスキルを実践すれば、子どもの能力を引き出したり成長を促したりできるでしょう。また、チャイルドコーチングの資格取得によりスキルアップし専門性が評価されると、給与や賞与アップにつながる可能性もあります。
2.保護者からの相談に知識を活かしてアドバイスできる
チャイルドコーチング資格を取得すれば、保護者からの相談に知識を活かしてアドバイスできる点もメリットです。チャイルドコーチングの養成講座では、子どもだけでなく保護者との関わり方を学べます。チャイルドコーチングの資格を取得すれば、保護者とのコミュニケーションにおいても自信をもちやすくなるでしょう。
3.転職するときに資格がスキルの証明になる
チャイルドコーチングの資格は、転職時に客観的なスキルの証明として役立ちます。保育士や幼稚園教諭が選考で強みをアピールする際、チャイルドコーチングの資格があればスキルや知識があることの説得力が増すでしょう。
また、応募者が多く倍率が高い求人の場合は、チャイルドコーチング資格によりほかの応募者と差別化できる可能性があります。保育士や幼稚園教諭のなかでもチャイルドコーチングを強みとする人材として、応募先から評価されることもあるでしょう。
チャイルドコーチングの資格が活かせる仕事
1~18歳の子どもと関わる仕事であれば、チャイルドコーチングの知識やスキルを活かして働けます。チャイルドコーチングの資格が活かせる仕事の例は、以下のとおりです。
保育士
幼稚園教諭
小学校・中学校・高校の教師
発達支援施設の職員
幼児教室や学習塾の職員
スポーツ系のスクール(スイミング、体操など)
チャイルドコーチングは、子どもの成長や発達をサポートする仕事で役立ちます。保育士や幼稚園教諭などに加え、幼児教室やスポーツ系のスクールにおいても能力を引き出す際に活かせるでしょう。
チャイルドコーチングに関するよくある質問
ここでは、チャイルドコーチングに関するよくある質問にQ&A形式で答えます。資格取得の意味やキッズコーチングとの違いについて、参考にしてみてください。
チャイルドコーチングの資格は意味ない?
チャイルドコーチングの資格は、保育士資格や幼稚園教諭免許と合わせてもっていると、子どもに関わる仕事で活かしやすくなります。保育園や幼稚園などで働く際、民間資格だけでは補助的な役割になり、正規雇用の場合は保育士資格や幼稚園教諭免許が問われるからです。そのため、保育士資格や幼稚園教諭免許と合わせて、チャイルドコーチングの資格があれば専門性がより評価されやすくなるでしょう。
チャイルドコーチングは本で独学できる?
チャイルドコーチングは、知識やスキルを身につける目的であれば本で独学することも可能です。ただし、チャイルドコーチングの資格取得に関しては、独学できません。資格取得には、認定協会が指定するチャイルドコーチングの養成講座を受講する必要があります。
キッズコーチングとチャイルドコーチングの違いは?
キッズコーチングとチャイルドコーチングの主な違いは、資格の認定団体やコーチングする子どもの対象年齢です。キッズコーチングは、一般財団法人日本キッズコーチング協会が認定する資格を指します。コーチングする子どもの対象年齢は、0〜6歳です。
一方、チャイルドコーチングは、一般社団法人日本能力開発推進協会と一般社団法人日本能力教育促進協会(JAFA)が認定している資格があります。コーチングする子どもの対象年齢は0〜12歳で、キッズコーチングより年齢層が幅広いのが特徴です。
まとめ
チャイルドコーチングとは、子育てや傾聴、共感などの専門知識をもとに、1~18歳の子どもの能力を引き出し成長や発達をサポートをする技術です。チャイルドコーチングには、一般社団法人日本能力開発推進協会の「チャイルドコーチングアドバイザー」と一般社団法人日本能力教育促進協会(JAFA)の「チャイルドコーチングマイスター」といった2つの民間資格があります。
チャイルドコーチングアドバイザーは、初めてコーチングを学ぶ方も正しいスキルが身につく資格です。一方、チャイルドコーチングマイスターは、チャイルドコーチングより専門性が高く、コーチングを応用した子育てでスペシャリストになることを目指しています。
チャイルドコーチングの資格は、保育士や幼稚園教諭のスキルアップに役立てることが可能です。チャイルドコーチングの資格を取得すれば、保護者とのコミュニケーションにおいても自信をもちやすくなるでしょう。また、転職する際は、客観的なスキルの証明として強みをアピールしやすくなります。
チャイルドコーチングの資格を選考でアピールする方法は、レバウェル保育士にご相談ください。レバウェル保育士は、保育業界専門の転職支援サービスです。地域に特化したプロのアドバイザーがあなたにあった求人をご紹介します。応募書類の添削や模擬面接なども実施しているため、ぜひお気軽にお問い合わせください。
執筆者

「レバウェル保育士」編集部
保育士・幼稚園教諭専門の転職エージェント「レバウェル保育士」が運営するメディア。現役の保育士とこれから保育士を目指す方に向けて、仕事や転職に役立つ情報をお届けします。記事を通して不安や悩みが少しでも解消する状態を目指し、皆さんのキャリア選択を支援します。