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小規模保育園の保育士の給料はいくら?A型・B型・C型や役職別の違いとは

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給与支給明細表とお金のイメージ

「小規模保育園で働く保育士の給料はどのくらい?」「一般的な保育園とどう違う?」と気になっている方もいるかもしれません。小規模保育園の給与水準は私立保育園よりやや低い傾向にあるものの、認可事業のため経営基盤が比較的安定しやすいという利点があります。この記事では、小規模保育園の給料について種類・地域・役職別に解説します。小規模保育園ならではの給与上のメリットも紹介するので、ぜひ参考にしてください。

小規模保育園で働く保育士の給料はいくら?

小規模保育園とは認可保育園の一種で、主に0〜2歳児を対象に、6〜19人の利用定員で保育を行う施設です。小規模保育園には、A型・B型・C型の3つの認可基準があり、種類に応じて保育士の給料にも若干の差があります。ここでは、小規模保育園で働く保育士の給料を種類別に見ていきましょう。

小規模保育園(A型)の給料

こども家庭庁の「令和6年度 幼稚園・保育所・認定こども園等の経営実態調査 集計結果<速報>(p.15)新規タブリンク」によると、A型の小規模保育園で働く常勤保育士の平均月給(賞与の1/12を含む)は29万3,827円です

保育士 常勤 非常勤
1人当たり給与月額(賞与込み) 29万3,827円 23万3,363円

同調査(p.11)新規タブリンク」における私立保育園で働く常勤保育士の平均月給は34万8,119円。双方を比較すると小規模保育園の給与水準はやや低めであることが分かります。

なお、内閣府・文部科学省・厚生労働省の「子ども・子育て支援新制度ハンドブック 施設・事業者向け(p.12)新規タブリンク」によると、A型の小規模保育園は「保育所の分園やミニ保育所に近い形態」であり、保育従事者全員が保育士資格を持っていることが要件とされています。

出典

小規模保育園(B型)の給料

こども家庭庁の「令和6年度 幼稚園・保育所・認定こども園等の経営実態調査 集計結果<速報>(p.15)新規タブリンク」によると、B型の小規模保育園で働く常勤保育士の平均月給(賞与の1/12を含む)は29万9,793円です。これは、前述のA型(29万3,827円)よりも約6,000円高い水準となります。

保育士 常勤 非常勤
1人当たり給与月額(賞与込み) 29万9,793円 20万7,921円

内閣府・文部科学省・厚生労働省の「子ども・子育て支援新制度ハンドブック 施設・事業者向け(p.12)新規タブリンク」によると、B型の小規模保育園は、A型とC型の中間的な位置づけとされています。A型に比べて資格要件が緩やかで、保育従事者のうち半数以上が保育士であれば良いとされているのが特徴です。

出典

小規模保育園(C型)の給料

C型の小規模保育園では、家庭的保育者と呼ばれる職員が保育を行います。家庭的保育者とは、市町村長が実施する研修を修了した保育士、または保育士と同等以上の知識や経験を持つと市町村長が認めた人のことを指します。

こども家庭庁の「令和6年度 幼稚園・保育所・認定こども園等の経営実態調査 集計結果<速報>(p.16)新規タブリンク」によると、C型の小規模保育園で働く家庭的保育者の平均月給(賞与の1/12を含む)は30万3,803円です

家庭的保育者 常勤
1人当たり給与月額(賞与込み) 30万3,803円

内閣府・文部科学省・厚生労働省の「子ども・子育て支援新制度ハンドブック 施設・事業者向け(p.12)新規タブリンク」によると、C型の小規模保育園は、家庭的保育(グループ型小規模保育)に近い形態とされています。A型やB型と比較して、職員数や保育室の広さなどの基準が異なる点が特徴です。

C型の小規模保育園は全国的に数が少ないため、一概に給与傾向を示すのは難しいものの、今回のデータでは3つの類型の中で最も給与が高い結果となりました。自宅などを活用して保育を行うことで設備費を抑えられ、その分を職員の給与に充てやすいことが一因と考えられます。

出典

【条件別】小規模保育園の給料の違い

ここでは、小規模保育園で働く保育士の給料について、エリアや役職の違いに焦点を当てて解説します。就職・転職を検討する際の判断材料として、参考にしてみてください。

エリアによる給料の違い

小規模保育園で働く保育士の給料は、勤務するエリアによって差があります。小規模保育園で働く保育士の都道府県別の公的データはありませんが、一般的に地方よりも都市部のほうが給与水準が高い傾向にあるでしょう

ただし、都市部は家賃や物価が高いため、その分出費がかさみがちです。求人を探す際は、給料だけでなく、生活費を引いたあとに手元に残る金額で比較検討することをおすすめします。小規模保育園の中には、家賃補助や「保育士宿舎借り上げ支援事業」といった制度を利用して家賃負担を軽減できる場合もあるので、あわせてチェックしましょう。

役職による給料の違い

こども家庭庁の「令和6年度 幼稚園・保育所・認定こども園等の経営実態調査 集計結果<速報>(p.15-16)新規タブリンク」によると、常勤の役職者の平均月給(賞与の1/12を含む)が最も高いのは、A型の小規模保育園です。具体的には、保育士から主任保育士になると月給が約5万円、主任保育士から管理者になると約7万円増加しています。

小規模保育事業A型 小規模保育事業B型 小規模保育事業C型
管理者 41万8,404円 40万329円 27万6,829円
主任保育士 34万7,477円 32万9,958円 -
保育士・家庭的保育者 29万3,827円 29万9,793円 30万3,803円

一方、「同調査(p.11)新規タブリンク」によると、私立保育園における常勤の役職者の平均月給は、主任保育士が47万3,532円、施設長が58万1,997円です。一般的な保育園に比べると、小規模保育園の役職者の給与水準はやや低めといえるでしょう。ただし、職場によっては、経験豊富な人材に対して好待遇の求人が出される可能性もあります。

小規模保育園で働く給与上のメリット

小規模保育園で働く保育士の給料は、私立保育園に勤務する保育士と比べて、極端に低いというわけではありません。保育料による収入が限られているにもかかわらず、給与水準が一定程度保たれているのには、大きく分けて次の3つの理由があります。

1.自治体の補助金で安定した施設運営ができる

内閣府・文部科学省・厚生労働省の「子ども・子育て支援新制度ハンドブック 施設・事業者向け(p.11)新規タブリンク」によると、小規模保育事業は市町村による認可事業(地域型保育事業)として位置付けられています。地域型保育給付の対象として補助金を受けられるため、経営基盤が比較的安定しやすく、保育士が安心して働きやすいのが特徴です

アットホームな環境下で長期的なキャリアを築きたい保育士にとって、小規模保育園は魅力的な選択肢といえるでしょう。

出典

内閣府・文部科学省・厚生労働省「子ども・子育て支援新制度ハンドブック 施設・事業者向け新規タブリンク」(2025年7月31日)

2.処遇改善加算によって給料が上乗せされる

前述のとおり、小規模保育園は認可事業のため、国が推進する「処遇改善等加算」の対象となります。厚生労働省の「保育士等(民間)のキャリアアップの仕組み・処遇改善のイメージ新規タブリンク」によると、キャリアアップ研修を修了することで、「職務分野別リーダー」「専門リーダー」「副主任保育士」という3つの役職への昇進が可能です。これにより、処遇改善手当が支給され、専門性の向上と同時に給与アップが期待できます。

3.初期費用や経費が少なく人件費に充てやすい

小規模保育園は、大規模保育園に比べて、園舎や大型遊具といった設備投資や施設の維持・改修にかかる費用が少ないという特徴があります。開業までの期間も短く、効率的な利益確保が可能です。そのため、費用を人件費に充てやすく、小規模であっても給料が極端に低くならない点がメリットといえるでしょう。行事も簡素化されている傾向にあるので、仕事量と給料のバランスを重視する方には魅力的に映るはずです。

給料が高い小規模保育園の求人を見つける方法

保育士が給料の高い小規模保育園の求人を見つけるには、求人サイトで給与や待遇の絞り込み検索を行ったり、保育士専門の転職エージェントを活用して、自分の希望に合った求人を紹介してもらったりする方法が有効です。求人を選ぶ際は、基本給だけでなく、各種手当や賞与、昇給制度なども含めて年収ベースで比較・検討しましょう。

小規模保育園は大規模保育園に比べて残業が控えめで、ワーク・ライフ・バランスを保ちやすい傾向にあります。優秀な人材を確保するために給与や待遇面を充実させている園もあるので、「小規模だから給料が低い」と決めつけず、視野を広げることが大切です。

小規模保育園の給料に関して保育士からよくある質問

ここでは、小規模保育園の給料に関して保育士からよくある質問を紹介します。

小規模保育園の園長や主任の給料は大規模保育園に比べてどうですか?

こども家庭庁のデータによると、小規模保育園で働く役職者の給料は、私立保育園に比べてやや低めの水準となっています。具体的な金額については、この記事の「役職による給料の違い」をご覧ください。なお、現場経験を重ねながら段階的にキャリアを形成したい場合は、大規模保育園のほうが成長の機会が多い可能性もあります。職場を選ぶ際は、給料だけでなく自分の目標に合うかどうかを見極めることが大切です。

小規模保育園と一般的な保育園の年収はどっちが良いですか?

こども家庭庁の「令和6年度 幼稚園・保育所・認定こども園等の経営実態調査 集計結果<速報>(p,11-15)新規タブリンク」によると、常勤保育士の給与月額は私立保育園で34万8,119円、A型の小規模保育園で29万3,827円です。この金額には賞与の1/12が含まれているため、年間で考えると一般的な保育園のほうが高い傾向にあるといえるでしょう。ただし、これはあくまで全国平均であり、小規模保育園の種類や労働条件によっても差があります。

まとめ

こども家庭庁の調査によると、小規模保育園で働く常勤保育士の平均月給(賞与の1/12を含む)は、A型が29万3,827円、B型が29万9,793円、C型が30万3,803円となっています。この数字だけを見ると、小規模保育園の給料は一般的な私立保育園より低い傾向にあるといえるでしょう。しかし、園によっては処遇改善加算などを活用して給与体系を工夫しているところもあり、好待遇を目指せる可能性もあります。給与面だけでなく、総合的な条件を考慮し、自分の希望する働き方や価値観に合った職場を見つけることが大切です。

保育業界に特化した転職エージェントサービスのレバウェル保育士では、あなたの希望を丁寧にヒアリングし、最適な求人をご紹介します。小規模保育園へ初めて転職する場合は、求人を探すのに時間や手間がかかるだけでなく、何を基準に選べば良いのか迷うこともあるでしょう。キャリアアドバイザーのサポートを受ければ、職場の内部事情もしっかりと把握できるため、安心して転職活動を進められますよ。サービスはすべて無料なので、ぜひお気軽にご活用ください。

執筆者

A

「レバウェル保育士」編集部

保育士・幼稚園教諭専門の転職エージェント「レバウェル保育士」が運営するメディア。現役の保育士とこれから保育士を目指す方に向けて、仕事や転職に役立つ情報をお届けします。記事を通して不安や悩みが少しでも解消する状態を目指し、皆さんのキャリア選択を支援します。

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