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認証保育園とは?認可・認可外との違い、保育士のメリット・デメリット

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子供に問題を出してる保育士のイメージ

「認証保育園とは何か」「認可や認可外保育園との違いが知りたい」という方もいるのではないでしょうか。認証保育園とは、東京都に認証された保育施設のことです。 この記事では、認証保育園の概要や認可・認可外保育園との違い、保育士の仕事内容を解説。認証保育園で働く保育士のメリット・デメリットも紹介します。認証保育園で働きたい方は、必要な資格や求人探し・選びのコツも参考にしてください。

認証保育園とは

認証保育園とは、東京都独自の制度です。配置や施設など一定の水準を満たしている施設として、東京都に認証された保育施設のことを指します。「産休明けから子どもを預けたい」「送り迎えがしやすい便利な立地で預かってほしい」「残業で遅くなる場合も対応してほしい」など、認可保育所で対応できない要望や多様化する大都市のニーズに応えるため、2001(平成13)年5月に東京都が独自で設置しました。

なお、すべての認証保育園で0歳児保育の実施、13時間以上の開所が義務付けられています。認証保育園は、原則的に駅前に設置されるA型と小規模で家庭的な保育を実施するB型の2種類があります。

認証保育園と認可保育園・認可外保育園の違い

認証保育園と認可保育園、認可外保育園について表にまとめました。詳細は以下のとおりです。

認証保育園 A型 認証保育園 B型 認可保育園 認可外保育園
運営の基準 東京都 東京都 厚生労働省 保育園独自
保育園の運営母体 主に民間 個人や民間 自治体や民間 民間
定員 20~120名 6~29名 小規模の場合は20人以上 \ 原則60人以上 保育園によって異なる
対象年齢 0~5歳 0~2歳 0~5歳 保育園によって異なる
保育士の配置基準 認可保育園と同様の配置基準とする

ただし、常勤職員(保育士など)は6割以上とする

認可保育園と同様の配置基準とする

ただし、常勤職員(保育士など)は6割以上とする

保育士1人に対して0歳児3名、1・2歳児6名、3歳児15名、4・5歳児25名 保育士1人に対して0歳児3名、1・2歳児6名、3歳児15名、4・5歳児25名

※開所時間が11時間以上の場合、保育中の子どもが1名のケースを除き、常時2名以上を配置しなくてはならない

※保育者の3分の1以上が保育士または看護師資格を保有している必要がある

施設基準 認可保育所に準じた基準

0・1歳児の保育室は、1人当たり3.3㎡

認可保育所に準じた基準

0・1歳児の保育室は、1人当たり2.5㎡

0・1歳児のほふく室は1人当たり3.3㎡、乳児室は1人当たり1.65㎡・2歳以上の保育室は1人当たり1.98㎡ 保育室の面積は、概ね乳幼児1人当たり1.65㎡以上
開所時間 13時間の開所を基本とする 13時間の開所を基本とする 11時間(11時間以上は延長保育) 保育園による
契約形式 利用者と保育所が直接利用契約 利用者と保育所が直接利用契約 市区町村に申し込む 利用者と保育所が直接利用契約
運営費 運営に要する経費の一部が補助される(補助対象契約児童数×年齢別補助単価) 運営に要する経費の一部が補助される(補助対象契約児童数×年齢別補助単価) 国から補助金が出る 基本的に補助金はなく、保護者から支払われる保育料のみ

認証保育園は、A型とB型があり、どちらも東京都が運営の基準とされています。認証保育園のA型は主に民間が運営しており、B型はそれ以外にも、個人が携わっているケースもあります。認証保育園のA型・B型は定員や対象年齢、施設基準などが異なりますが、開所時間や契約形式、運営費は同じです。

出典

東京都福祉局「認証保育所について新規タブリンク」(2025年8月4日)
厚生労働省「児童福祉施設の設備及び運営に関する基準新規タブリンク」(2025年8月4日)
文部科学省「認可外保育施設指導監督基準新規タブリンク」(2025年8月4日)

認証保育園の特徴

認証保育園の特徴は、認可保育園だけではカバーできない幅広いニーズに対応した取り組みを実施している点です。認可保育園より開所時間を長くしたり、通勤に便利な駅前に設置したりして、多様なニーズに応えられるようにしている認証保育園もあります。

また、認可保育園に入れなかった場合、次の選択肢として認証保育園を検討するケースもあるようです。認可保育園は幅広いニーズに対応するだけでなく、待機児童を解消する役割も担っています。

認可保育園の特徴

認可保育園は厚生労働省が決めた細かい基準をクリアし、補助金を受けて運営しているため、保育環境が整っている傾向にあるのが特徴といえます。施設の種類は、大きく分けて公立保育園と私立保育園の2つです。私立の認可保育園では、一定の基準を満たしたうえで独自保育方針や特色ある保育活動を実施している場合もあるでしょう。

認可外保育園の特徴

認可外保育園の特徴は、認可保育園や認証保育園では応えられないニーズに対応している点といえます。たとえば、深夜働く保護者に対応した夜間保育や病気の子どもを預かる病児保育、24時間開園している認可外保育園もあります。また、1日単位や時間単位など、一時預かりをメインにしている認可外保育園もあるようです。

認可外保育園では、認可保育園や認証保育園とは異なる層をターゲットにして運営されている場合もあるでしょう。

認証保育園で働く保育士の仕事内容

認証保育園で働く保育士の主な仕事内容は、以下のように認可保育園と大きな違いはありません。

  • 遊びの提供や見守り

  • 食事や排泄の介助

  • お昼寝の寝かしつけ、見守り

  • イベント・行事の準備や運営

  • 保護者対応

  • お便りの作成

  • 保育記録の作成

  • 保育室の準備や片付け、清掃

0〜2歳のみ受け入れている認証保育園で働く場合は、遊びの内容が異なったり、抱っこやおんぶであやしたりするケースも。また、英語やリトミックなど独自のプログラムを展開している認証保育園もあり、保育士が指導役を任される場合もあります。

認証保育園で働く保育士の勤務スケジュール例

東京都の場合、認証保育園の開所時間は基本的に13時間とされているため、保育士は1日8時間程度でシフトが組まれて働くことになるでしょう。認証保育園で働く保育士のスケジュール例は、以下のとおりです。

時間 保育士の主な仕事内容
午前7時 早番の保育士が出勤・保育室の準備
午前7時半 順次登園・保護者対応・健康状態確認
午前9時 朝の会を実施・朝のおやつを提供(0~2歳)
午前10時 クラスごとに保育プログラムを実施(室内遊びや散歩、体操指導、英語教育など)・中番の保育士が出勤
午前11時 給食の提供・食事のサポート・遅番の保育士が出勤
正午 お昼寝の寝かしつけ・交代でお昼寝の見守りや休憩、事務作業
午後3時 おやつの提供・食事のサポート
午後4時 順次降園・保護者対応・早番の保育士が退勤
午後6時 希望者のみ捕食を提供
午後7時 遊びの見守り・中番の保育士が退勤
午後8時 すべての子どもを見送り閉園・遅番の保育士が退勤

職員の数や配置によっては、出勤時間が固定していたり、時短勤務で働く保育士がいたりする場合もあるようです。認可保育園における1日の流れは、公式ホームページで後悔している場合もあるため、チェックしてみるのもおすすめです。

認証保育園で働く際に必要な資格

認証保育園で働く際には、一般的に保育士資格が問われるでしょう。ただし、職員の配置基準を満たしていたり、非正規雇用の場合は、無資格で働ける場合もあります。なお、東京都では、常勤職員に対し保育士などの資格保有者を6割以上と定められています。
必要な資格は求人によって異なるため、転職する際にきちんと確認しましょう。

認証保育園で働く保育士の3つのメリット

認証保育園では、子どもとじっくり向き合う保育ができたり、通勤しやすかったりするメリットがある場合も。ここでは、認証保育園で働く保育士のメリットを3つ紹介します。

1.乳児保育に携わるチャンスが多い

認証保育園のなかには、預かる子どもの年齢を0〜2歳児のみとしているところもあります。そのため、乳児保育に携わるチャンスが多いといえるでしょう。「乳児保育に携わりたい」「乳児と関わりたい」という方におすすめです。

2.通勤しやすい場所にある

特に認証保育園のA型は、送り迎えを考慮して原則的に駅前に設置されています。そのため、認証保育園のA型で勤務する場合、立地が良い傾向にあるため通勤しやすいのもメリットの1つといえるでしょう。

3.独自性のある保育を実施できる

独自性のある保育プログラムに興味がある方は、認証保育園で携われる可能性があります。認証保育園のなかには、英語教育やリトミックなど新しい幼児教育を取り入れていることも。興味のある分野や活かせるスキルがある方は、認証保育園の求人を探してみるのも1つの手です。

認証保育園で働く保育士の3つのデメリット

ここでは、認証保育園で働く保育士ならではのデメリットを3つ紹介します。認証保育園で働く際には、開園時間の長さや保育スペースにデメリットを感じる可能性もあります。

1.開園時間が長く不規則な生活になる可能性も

認証保育園は基本的に開園時間が13時間と認可保育園に比べて長いのが特徴です。そのためシフト制の場合もあり、早朝に出勤したり、遅番になったりすることもあります。シフト制で日によって勤務時間が異なると、固定した勤務時間で働きたい方にとっては「不規則な生活が辛い」と感じる可能性があるでしょう。
固定した勤務時間で働けるかは保育園によって異なるため、希望があれば事前に確認しておきましょう。

2.保育スペースが狭い場合がある

認証保育園は駅前のビルやマンションの一室などで運営され、保育スペースや事務所、休憩場所などのスペースが狭い場合があるようです。園庭がない認証保育園もあるため、広々とした保育園で働きたい方は、デメリットに感じるでしょう
職場環境に不安がある場合は、面接時に見学できるかどうか聞いてみるのもおすすめです。

3.預かる子どもが0~2歳に限られることがある

認証保育園のなかには、預かる子どもを0〜2歳に限定しているところがあります。そのため、預かる子どもを0〜2歳に限定している場合、3歳以上の保育スキルが身につかないケースも。子どもの成長を長く見守ることができないので、寂しく感じる方もいるでしょう。認証保育園の求人を選ぶ際には、預かる子どもの年齢もチェックしてください。

認証保育園の求人探し・選びのコツ

ここでは、認証保育園の求人探し・選びのコツを2つ紹介します。

ハローワークや就職・転職エージェントを利用する

「認証保育園で保育士として勤務したい」という方は、ハローワークや転職・就職エージェントを利用するのがおすすめです。地域を「東京」に絞り、フリーワードで「認証保育園」などと入れて検索してみましょう。求人に関する質問がある場合、ハローワークや就職・転職エージェントでは求職者に代わって問い合わせてくれる場合もあります。気になる求人を見つけたら、まずは相談してみるのも1つの方法です。

運営形態・職場環境を確認する

認証保育園の求人を選ぶ際は、職員の人数や子どもの年齢・定員、勤務時間、雇用形態など、運営形態や職場環境をしっかりと確認しましょう。認証保育園は少人数だったり大人数だったりと、園によってかなり異なります。また、施設や保育プログラムなどに特色があることも。携わりたい子どもの年齢、勤務時間、雇用形態などの希望条件を決めたうえで、求人情報をチェックしてください。

「保育士資格を活かして転職したい」という方は、保育業界専門の転職支援サービス「レバウェル保育士」にご相談ください。「レバウェル保育士」では、条件のヒアリングから模擬面接まで、あなたの転職活動を専任のアドバイザーがトータルでサポートします。書類の作成や事業所とのやりとりは アドバイザーが代行するため、忙しい方も効率的に転職を進められます。サービスはすべて無料で利用可能なため、ぜひお気軽にご相談ください。

まとめ

認証保育園とは、東京都独自の制度です。配置や施設など一定の水準を満たしている施設として、東京都に認証された保育施設のことです。
認証保育園と認可保育園、認可外保育園の主な違いは、運営基準や定員、開所時間などが異なります。認可保育園と比較すると、認証保育園は施設が狭く、開園時間が長い点が特徴です。

認証保育園で働く保育士の主な仕事内容は、認可保育園と大きな違いはありません。ただし、英語やリトミックなど独自のプログラムを展開している認証保育園もあり、保育士は指導役を任されることもあります。
認証保育園は乳児保育に携わるチャンスが多く、駅前にあることが多く通勤しやすい点がメリットといえます。一方では、開園時間の長さや保育スペースが狭い傾向にある点にデメリットを感じる場合があるかもしれません。転職する際には、認証保育園で働くメリット・デメリットをしっかりと把握し、検討してください。

執筆者

A

「レバウェル保育士」編集部

保育士・幼稚園教諭専門の転職エージェント「レバウェル保育士」が運営するメディア。現役の保育士とこれから保育士を目指す方に向けて、仕事や転職に役立つ情報をお届けします。記事を通して不安や悩みが少しでも解消する状態を目指し、皆さんのキャリア選択を支援します。

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