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保育士の担任やりたくない…苦手な理由や対処法、おすすめの働き方を解説
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保育士の中には、担任業務の重責に悩み、「このまま続けるのはつらい」と感じている方もいるかもしれません。ストレスや疲れが溜まっている場合は、仕事の進め方を見直したり、別の働き方を視野に入れたりすることが大切です。この記事では、担任業務を負担に感じる理由や気持ちの対処法、担任以外の働き方について解説します。「保育士の仕事は続けたいけれど、担任はやりたくない」という方は、ぜひ参考にしてください。
目次
保育士が「担任をやりたくない」と感じる理由
保育士が「担任をやりたくない」と感じるのには、いくつかの理由があります。以下の内容を参考に、自身の気持ちを整理してみましょう。
担任業務の負担が大きく休みが取りにくい
担任の保育士は、日々の保育業務に加え、指導計画の作成や日誌の記入、行事の準備など多岐にわたる業務を抱えています。行事では担任が計画・運営の中心となるため、残業が常態化しやすく、「終わらない」「間に合わない」といった焦りを感じる場面も少なくありません。
また、体調が優れないときも「自分が休むとクラス運営に支障が出る」と感じ、無理に出勤してしまう場合があります。こうした日々の積み重ねが心身の疲労を招き、「もう担任はやりたくない」という気持ちにつながります。
責任が重く精神的なプレッシャーが強い
担任保育士は、子どもの安全と成長に関わる重要な役割を担うため、精神的な負担を感じやすい傾向にあります。「この対応で良かったのか」「自分の保育は正しいのか」と、不安や迷いを抱えながら日々の保育に向き合うことも少なくありません。特に経験の浅い保育士ほど、クラス全体の発達や一人ひとりの成長を任される重圧を感じやすくなります。
また、ケガや事故が起きた際は説明責任を負う必要があり、大きな負担がかかってしまうことも。こうした緊張が積み重なることで、心が疲れてしまい、「もう担任は無理」と思ってしまうこともあるでしょう。
保護者対応に追われてストレスが溜まりやすい
保護者対応は、担任保育士のストレス要因の1つです。保育の現場では、連絡帳や送迎時の会話、個人面談など保護者と関わる機会が多くあります。中でも、保護者からの要望や苦情に対応する場面では、精神的な負担が大きく、対応に疲れ果てて「担任を続けるのがつらい」と感じる保育士も少なくありません。
また、保護者ごとに価値観や子育て方針が異なるため、全員に配慮しようとすると板挟みになることも。子どもの発達の遅れや気になる行動を伝える際には、言葉選びや伝え方に気を遣い、プレッシャーを感じることもあるでしょう。
ペアの先生との性格の不一致で悩みやすい
担任保育士は、ペアの先生との保育方針や性格の違いにより、日々の業務で悩みを抱えることがあります。複数担任制の保育園では、ペアの先生と良好な関係を築くことが重要ですが、保育観や指導方法、性格が合わないと円滑なクラス運営が難しくなりがちです。
経験年数に差がある場合は、「先輩の言うことに従わなければ」と遠慮したり、「新人だから指導しなければ」と感じたりして負担が増えることもあるでしょう。こうした連携の難しさから精神的に疲弊して、「ペアの先生との関係がつらくて担任をやりたくない」と思う保育士も少なくありません。
保育士が「担任をやりたくない」と感じたときの対処法
保育士が「もう担任はやりたくない」と感じたときは、自分を責めるのではなく、今の状況を冷静に見直すことが大切です。ここでは、担任業務による負担を軽くするための具体的な対処法を紹介します。
「子どもをまとめなきゃ」と思い過ぎない
保育士が担任業務に強いプレッシャーを感じるときは、「子どもたちをきちんとまとめなければ」と思い込み過ぎていないか、一度振り返ってみましょう。特に新任の保育士は、「クラス全体をしっかり動かさないと…」と力が入り過ぎてしまい、気づかないうちに心の余裕を失ってしまうことがあります。
子どもたちの個性や成長のペースはそれぞれ異なります。全員を常に整然と行動させることが、必ずしも良い保育であるとは限りません。重要なのは、子どもたちが安心安全に楽しく過ごせているかどうかです。「こうあるべき」という思い込みを手放し、子どもたちの主体性を尊重することで、保育士自身の心も楽になるかもしれません。
上司や同僚に仕事の進め方や対応のコツを相談する
保育士が「担任をやりたくない」と感じるのは、自信のなさやスキルに対する不安が原因の場合もあります。そのようなときは、一人で悩みを抱え込まずに、園長や主任、身近な同僚に相談してみましょう。「こういうときはどうすれば良いですか?」と率直に聞くことは、より良い保育を目指す前向きな姿勢の表れであり、恥ずかしいことではありません。
また、先輩保育士の保育を見せてもらったり、研修に積極的に参加したりするのも、不安の解消に役立ちます。同じような悩みを抱える同僚と情報を共有できれば、共感や励ましを得られる可能性もあるでしょう。
担任をやらない選択もキャリアの1つと捉える
保育士のキャリアは、担任を務めることだけではありません。自分の適性や働く環境に応じて、担任以外の役割を選ぶこともキャリアの選択肢です。無理に担任を続けて心身ともに疲れてしまうより、自分に合った形で保育の仕事を長く続けるほうが、子どもたちにとっても良い結果をもたらす場合があります。
ただし、働き方によっては収入が変動したり、子どもと深く関わる機会が減ったりする可能性もあるため、慎重な判断が必要です。将来を見据えたうえで、メリット・デメリットを冷静に見極めましょう。
担任をやりたくない保育士におすすめの働き方
ここでは、担任の役割に悩みを抱えている保育士に向けて、担任以外の働き方や、負担を感じにくい職場の選び方を紹介します。ぜひ、今後の参考にしてみてください。
クラス担任から離れてフリー保育士として勤務する
クラス担任としての業務に負担を感じている場合は、現在の園でフリー保育士への転向を相談してみることをおすすめします。フリー保育士は特定のクラスを担当せず、園全体のサポートを行う働き方です。書類作成や行事の企画・運営を主導する立場ではないため、心身の負担を軽減できるかもしれません。
また、フリー保育士は複数のクラスを行き来しながら、さまざまな年齢や発達段階の子どもたちと関わります。子ども一人ひとりの個性や成長の違いに寄り添うことで、担任とは異なる充実感を得られるでしょう。転職を視野に入れている場合は、「フリー保育士の求人はありますか?」と直接問い合わせてみるのも手といえます。
パートをはじめとした柔軟な勤務形態に変更する
体力的な負担や家庭の事情などから「担任をやりたくない」と感じる場合は、パートや派遣など、柔軟な働き方に切り替えるのも1つの方法です。週3〜4日勤務や午前のみの勤務など、働く時間や日数を自分のペースに合わせれば、無理なく働けるかもしれません。
パート保育士の業務は正社員の保育士の補助が一般的であり、担任を任されることはあまりありません。正社員に比べて給与は下がるものの、業務の範囲が限られている分、心に余裕が生まれ、自分の時間を確保しやすくなるメリットがあります。
一人担任制の保育園や負担の少ない職場へ転職する
複数担任制で同僚との関係に悩む場合は、一人担任制の園への転職も有効な選択肢です。意思決定や判断を一人で行う範囲が広いため、自分のペースで保育を進めたい保育士に向いているでしょう。
また、院内保育園や小規模保育園など、園児数や行事が少なめな施設を選ぶのもおすすめです。担任制を取らず職員全体で子どもを見守る体制を取っている園もあるので、心を落ち着かせながら保育に向き合えるかもしれません。転職を考える際は、園の方針や雰囲気を事前にしっかりと確認しましょう。
「担任をやりたくない」と感じる保育士からよくある質問
ここでは、「担任をやりたくない」と感じる保育士からよくある質問を紹介します。
担任を避けてフリー保育士になってもしんどいですか?
フリー保育士は担任と比べて自由度がある反面、置かれている状況での大変さを伴うため、人によってはしんどいと感じることがあります。たとえば、雑務を次々に任されて「たらい回しにされている」と感じたり、特定のクラスに所属しないことで「自分の居場所がない」と悩んだりする可能性があるでしょう。フリー保育士として活躍するためには、状況にあわせて柔軟に行動し、突発的な依頼にも積極的に対応できる能力が求められます。
フリー保育士になる人にはどのような理由が多いですか?
フリー保育士を選ぶ理由は、大きく分けて2通りあります。1つは園の方針によるもので、新人が園全体の流れを学ぶため、あるいはベテランが保育の質向上のために全体を見る役割を担う場合です。もう1つは、保育士自身の希望によるもので、持ち帰り仕事や残業の削減、子育てや介護との両立など、自身のライフスタイルに合わせた働き方を求める場合が挙げられます。
フリー保育士の疎外感が苦手で担任に戻りたくなることはありますか?
フリー保育士として働く中で、職場での疎外感から「やっぱり担任に戻りたい」という気持ちを抱える人はいます。フリー保育士だと子どもと関わる時間が一時的になりやすく、成長をじっくり見守れないことに、物足りなさや寂しさを感じる場合もあるでしょう。一方で、フリーの経験を通して「担任の大変さを客観的に見られるようになった」「自分に合った働き方がはっきりしてきた」といった前向きな気づきを得る人もいるようです。
まとめ
保育士は、業務の負担や精神的なプレッシャー、ペアの先生との人間関係など、さまざまな理由で担任の役割を避けたいと感じることがあります。担任の役割に疲れてしまったときは、完璧を求め過ぎず気持ちを切り替えたり、上司や同僚に相談したりすることが大切です。また、フリー保育士への転向やパート勤務への変更、転職による職場環境の見直しなど、担任以外のキャリアを検討することも有効です。担任をやらないと決めることは逃げではありません。あらゆる選択肢を視野に入れながら自分に合った働き方を見つけていきましょう。
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執筆者

「レバウェル保育士」編集部
保育士・幼稚園教諭専門の転職エージェント「レバウェル保育士」が運営するメディア。現役の保育士とこれから保育士を目指す方に向けて、仕事や転職に役立つ情報をお届けします。記事を通して不安や悩みが少しでも解消する状態を目指し、皆さんのキャリア選択を支援します。