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院内保育士の給料は高い?転職時に見るべき条件や給与アップの方法を解説
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「院内保育士の給料は?」と気になる方もいるかもしれません。院内保育士の給料は病院の規模や運営形態、地域によって異なり、また夜勤手当により収入が高くなる可能性もあります。 この記事では、院内保育士の給与相場や一般的な保育園との待遇の違い、給料アップの方法、求人選びでチェックすべき条件をまとめました。転職を検討中の方や、より良い条件での転職を目指す方は、ぜひ参考にしてください。
目次
院内保育とは
院内保育とは、病院や医療施設で働く職員の子どもを預かる保育施設です。医師や看護師など、不規則な勤務時間で働く医療従事者の子育て支援を目的としており、主に病院内や併設した施設で運営されています。院内保育の特徴は、「早朝から夜間まで」「24時間」など、医療現場の勤務シフトに合わせた保育を実施していることです。院内保育士として働く場合、夜勤を担当することもあるでしょう。
なお、院内保育施設で保育士として働く際、保育園と仕事内容に大きな違いはありません。預かる子どもの人数が少なかったり、行事の規模が小さかったりするなど、施設によって特徴は異なります。少人数制の場合は、子どもや保護者にきめ細かな対応がしやすくなるでしょう。
院内保育士の給料
院内保育士の給料は、一般的に年収300万円前後になるようです。ここでは、院内保育の給料について解説します。
保育園の保育士よりも給料は低い傾向がある
院内保育士の給料は、保育士の平均的な給料より低い傾向があります。以下は、院内保育士の初任給に関するデータです。
引用テキスト
①初任給について、正規の保育士は有効回答数97施設(118施設)・平均175,511円(172,416円)、最高額240,000円( 240,000円)、最低額130,000円( 120,000円)で、その差は110,000(120,000円)となった。初任給の平均額が昨年と比較して3,095円引きあがった。
引用:日本医療労働組合連合会「2023年度 院内保育所実態調査結果(p.19)」
厚生労働省東京都労働局の「令和5年3月 新規学校卒業者の求人初任給調査結果(p.7)」によると、大卒者向けの求人初任給は全体が21万2,500円であるのに対し、医療・福祉業界の初任給は20万2,900円となっています。保育士以外のデータも含まれているものの、院内保育士の給料は初任給の時点で平均的なデータに比べ低めの傾向があるようです。
出典
日本医療労働組合連合会「2023年度 院内保育所実態調査結果」(2025年7月4日)
厚生労働省東京都労働局「令和5年3月 新規学校卒業者の求人初任給調査結果」(2025年7月4日)
勤務先の病院や地域によって給料は違う
院内保育士の給料は、運営の主体や規模、所在地によって差が出るようです。たとえば、運営元の病院の規模が大きく経営が安定している場合は、給料や賞与が高くなる可能性があります。一方、委託会社が運営している場合は、病院職員としての待遇は受けられません。また、地方より都市部で働く院内保育士のほうが、給料が高いこともあるようです。給料が良い求人を探す際は、運営主体や地域差などを考慮する必要があるでしょう。
一般的な保育園と院内保育施設の給料における違い
ここでは、一般的な保育園と院内保育施設における手当や待遇の違いを解説します。院内保育士ならではの給料に関する特徴について、参考にしてみてください。
夜勤で働くと深夜の割増賃金が付く
院内保育施設によっては24時間開園している場合があり、夜勤シフトに入ると基本給に加えて割増賃金を受け取れます。e-GOV法令検索の「労働基準法 第三十七条」によると、午後10時から午前5時の間に勤務した場合、25%以上の賃金が上乗せされなければいけません。
夜勤が多いシフトで働くと、日勤のみの保育園で働くより給料アップを目指すことが可能です。ただし、夜勤は身体への負担も大きいため、自分の生活リズムや体調管理とのバランスを考慮することが大切です。
出典
e-GOV法令検索「労働基準法」(2025年7月4日)
企業や病院ならではの待遇が受けられる
院内保育施設が病院直営の場合、病院職員ならではの充実した待遇を受けられるようです。たとえば、大規模病院では、職員食堂の利用や健康診断、レクリエーション施設の割引など、充実した福利厚生が受けられる可能性があります。また、公立病院や大学病院の場合、雇用の安定性が高い傾向にあるでしょう。病院によっては、職員やその家族の医療費が割引になる制度があります。
院内保育士が給料アップする方法
院内保育士として働きながら給料をアップさせたい方に向けて、具体的な方法を紹介します。院内保育士は、役職を目指したり夜勤メインで働いたりすると、給与アップする可能性があるでしょう。
園長や主任保育士などの役職に就く
院内保育においても、一般の保育園と同様に役職に就ける能性があります。園長や主任保育士といった役職に就くと、基本給が上がったり役職手当が付いたりするため、給料アップが期待できるでしょう。役職に就くためには、マネジメント能力や保育士としての専門性を高める必要があります。可能であれば、職場の人事評価制度の内容を確認して、自治体のキャリアアップ研修を受けたり、実務経験からスキルアップしたりしましょう。
夜勤メインで働く
午後22時〜午前5時の夜勤シフトを多く担当すると、深夜割増賃金により給料アップを図れます。24時間体制の院内保育施設では、夜勤専従で働く方もいるようです。職場によっては、割増賃金とは別に「夜勤1回5,000円」のように手当が支給されることもあります。ただし、体力の低下や子育てとの両立などにより、夜勤を続けるのが難しくなることもあるため、短期的な給料アップの方法として検討してみましょう。
保育士向けの転職エージェントに相談する
より好条件の院内保育施設へ転職することも、給料アップの方法です。その際、保育士専門の転職エージェントを利用すると、自分だけでは見つけにくい好条件の求人情報を得られる可能性があります。一般的な保育園に比べて、院内保育施設の求人数は少ないため、転職エージェントを利用したほうが効率よく求人を探せるでしょう。
院内保育への転職を検討中で、給与や待遇について不安を感じている方は、レバウェル保育士にご相談ください。レバウェル保育士では、病院規模や運営形態による待遇の違いを熟知したアドバイザーが、各種手当や福利厚生の詳細を確認したうえで、あなたに最適な職場をご提案いたします。求人紹介や選考対策、給与交渉など、サービスはすべて無料です。
給料を上げたい院内保育士が求人選びで見るべき条件
ここでは、院内保育施設への就職や転職を考える際、給料面で重視すべきポイントを解説します。求人を見る際は、基本給や賞与、各種手当など複数の要素から総合的に判断することが大切です。
基本給の金額
求人情報で基本給を比較する際は単純に金額だけでなく、勤務時間や年間休日数、昇給制度の有無なども確認しましょう。勤務時間が「7時間45分」や「8時間」、年間休日数が「115日」や「125日」といったように異なると、同じ基本給でも実際に働いた仕事量とのバランスに違いがあります。「昇給あり」の場合は、将来的な基本給アップを期待できるでしょう。
「経験考慮」と記載がある求人は、あなたの保育士としての経験年数に応じて基本給が上乗せされる可能性があります。面接時には、具体的にどの程度考慮されるのか確認すると良いでしょう。
夜勤手当の金額
夜勤手当が支給される場合は、1回あたりの金額を確認しましょう。月の夜勤回数が分かれば、基本給+(夜勤手当×夜勤回数)でおおよその月給を計算できます。深夜の割増賃金は25%以上支払われますが、施設によってはより高い割増率を設定している場合もあるようです。
院内保育士の求人においては、夜勤専従のポジションを募集していることもあります。夜勤専従の基本給や待遇について確認し、日勤で働く場合やほかの求人と比較検討してみましょう。なお、夜勤を多く入れて収入を増やしたい場合は、シフトの決め方やルールについて確認しておくことが大切です。
賞与の支給条件
ボーナスが仕事のモチベーションにつながる方は、賞与の詳細をよく確認しましょう。賞与については、支給条件や何ヶ月分が年に何回支給されるのか比較検討します。賞与の支給は一般的に2〜3ヶ月分となっていますが、条件が良い院内保育施設では4.5ヶ月ほど支給されることもあるようです。
支給回数は、夏と冬の年2回や年度末も含めて3回になることもあります。なお、支給回数が多いからといって支給額が増えるわけではないため、何ヶ月分支給されるかがポイントです。
自分の条件でもらえる手当
各種手当については、支給条件を確認することが大切です。手当が充実していても、実際に支給されるかは職場が定める条件によります。たとえば、住宅手当は、「職場から◯km圏内」「配偶者が住宅手当を受けていない」といった条件があるでしょう。パートやアルバイトなど非正規雇用は、各種手当の対象外となる場合もあるようです。
自分が手当の支給条件に含まれる場合、求人票に書いてあるよりも実際は多くの給料を受け取れる可能性もあります。転職エージェントの求人においては、詳しい金額や支給条件を調べてくれるので相談してみましょう。
給料だけがすべてではない!院内保育士のメリット
求人を選ぶ際、給料は重要な要素ですが、院内保育士には待遇以外にも以下のようなメリットがあります。
行事が少なく業務の負担が小さい
保護者にすぐ連絡できる
日勤と夜勤の交代制なので残業が少ない
小規模な職場が多く子どもと向き合いやすい
院内保育施設のなかには、ワーク・ライフ・バランスを保ち、無理なく働き働き続けやすい職場もあります。24時間開園している保育園では、交代制により残業が発生しにくいこともメリットです。院内保育の求人を選ぶ際は、働きやすさや保育士としての長期的なキャリアも見据えて検討しましょう。
院内保育の給料に関するよくある質問
ここでは、院内保育士の給料や働き方に関するよくある質問にお答えします。院内保育士のデメリットや求人の探し方をまとめました。
院内保育士として働くデメリットは?
小規模施設の場合、保育士の役職や昇進の機会が少なく、キャリアアップが難しいことがあります。キャリアアップが難しいと、一般的に給料が上がりづらくなるでしょう。また、夜勤で働く場合は生活リズムが維持しにくく、体調管理が難しくなることもデメリットです。これらのデメリットは職場によっても異なるため、転職時には施設の特徴や条件をよく確認しましょう。
院内保育士として働くのはきつい?
夜勤や少人数制の保育により、人によっては院内保育士として働くのが「きつい」と感じることもあります。夜勤に慣れていないと、体力や精神的な負担を感じやすくなるでしょう。また、定員が少人数の場合、保育士の数も少ない傾向にあり、一人当たりの業務負担が大きくなる場合もあります。「きつい」かどうかは個人の価値観や適性によっても異なるため、院内保育士の仕事内容や働き方をよく理解し自分に合っているか検討しましょう。
院内保育士の求人の探し方は?
院内保育の求人は、保育士向けの求人サイトを利用すると条件を絞って探しやすくなるでしょう。病院によっては、Webサイトの採用ページで院内保育士の求人を掲載していることもあります。保育士専門の転職エージェントでは、希望条件を伝えると院内保育施設に詳しいプロから求人紹介を受けることが可能です。「院内保育士の求人が見つからない」「求人選びが難しい」といった方は、レバウェル保育士にご相談ください。
まとめ
院内保育士の給料は、一般的に年収300万円前後で、一般的な保育園の保育士より低めの傾向にあります。ただし、病院の規模や運営形態、地域によって大きく異なり、大規模病院では充実した待遇や福利厚生が受けられることもあるでしょう。また、24時間開園している院内保育施設では、深夜割増賃金や夜勤手当により給料アップが可能です。
院内保育士が給料を上げるためには、園長や主任保育士などの役職を目指す方法や、夜勤を多く担当する方法があります。求人を探す際は、基本給や賞与・各種手当の支給条件をよく確認しましょう。院内保育施設へ転職する際は、給料だけでなく保育士としての長期的なキャリアも考えながら、職場選びをすることが大切です。
執筆者

「レバウェル保育士」編集部
保育士・幼稚園教諭専門の転職エージェント「レバウェル保育士」が運営するメディア。現役の保育士とこれから保育士を目指す方に向けて、仕事や転職に役立つ情報をお届けします。記事を通して不安や悩みが少しでも解消する状態を目指し、皆さんのキャリア選択を支援します。