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ベビーホテルとは?保育士の仕事内容や働くメリット、求人を探すコツを解説
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「ベビーホテルとはなにか」「保育士の仕事内容や求人を探す方法が気になる」という方もいるのではないでしょうか。ベビーホテルでは、勤務する時間によっては宿泊をともなう保育をする場合も。そのため、保育士は入浴の介助や夜の寝かしつけなどを行うケースもあります。 この記事では、ベビーホテルの概要や働く保育士の仕事内容、勤務スケジュールを解説。ベビーホテルで保育士が働くメリット・デメリットや求人を探すポイントも紹介します。
目次
ベビーホテルとは
ベビーホテルとは、午後8時以降や宿泊をともなう保育、一時預かりをメインに実施している認可外保育施設やサービスです。家庭の事情や保護者の就業により、夜間や早朝などに子どもを預ける先としてベビーホテルが利用されます。
厚生労働省の「令和元年度 認可外保育施設の現況取りまとめ」によると、ベビーホテルの定義は以下のいずれかを常時運営している施設とされています。
夜8時以降の保育
宿泊をともなう保育
一時預かりの子どもが利用児童の半数以上
ここでは、ベビーホテルで受け入れている子どもや開所時間について解説します。
出典
厚生労働省「令和元年度 認可外保育施設の現況取りまとめ」(2025年6月27日)
ベビーホテルで受け入れる子ども
厚生労働省の「令和元年 地域児童福祉事業等調査の概況 (p.1)」によると、ベビーホテルを利用する世帯構造では、「両親と子の世帯」が最も多くなっています。また、父母の就業状況で最も多いのは、父母ともに「常勤」。ベビーホテルに入所する子どもの年齢別の割合は、以下のとおりです
年齢 | 割合 |
0歳 | 5.5% |
1歳 | 19% |
2歳 | 21.6% |
3歳 | 18.9% |
4歳 | 13.8% |
5歳 | 10.8% |
6歳 | 6.2% |
不詳 | 4.2% |
参照:厚生労働省「令和元年 地域児童福祉事業等調査の概況 (p.1)」
ベビーホテルで受け入れる子どもは、2歳が一番多く21.6%、二番目は1歳で19%、三番目は3歳で18.9%を占めます。保護者が夜間働いていたり、頼れる祖父母や親戚が近くにいなかったりする場合にベビーホテルを利用することになるでしょう。
出典
厚生労働省「令和元年 地域児童福祉事業等調査の概況」(2025年6月27日)
ベビーホテルの開所時間
ベビーホテルの開所時間は24時間や午後8時〜翌朝8時という12時間など、施設やサービスによりさまざま。
こども家庭庁の「令和3年 認可外保育施設の現況取りまとめ (p.9)」によると、ベビーホテルの開所時間別施設数は以下のとおりです。
24時間 | 宿泊 | 深夜 | 夜間 | 昼間のみ | 計 | |
施設数(割合) | 182
(17.3%) | 84
(8%) | 73
(6.9%) | 225
(21.4%) | 487
(46.3%) | 1,051 |
参照:こども家庭庁「令和3年 認可外保育施設の現況取りまとめ (p.9)」
ベビーホテルの開所時間で最も多いのは、午前7時から午後8時の時間帯を含んで開所している「昼間のみ」。次に多いのは、午後8時から午後10時の時間帯を含んで開所している「夜間」です。
なお、「宿泊」は午前2時から午前7時の時間帯を含んで開所している施設、「深夜」は午後10時から午前2時までの時間帯を含んで開所している施設を指します。
出典
こども家庭庁「令和3年 認可外保育施設の現況取りまとめ」(2025年6月27日)
ベビーホテルで働く保育士特有の仕事内容
ベビーホテルで働く保育士特有の仕事内容には、入浴のサポートや沐浴、就寝時の寝かしつけなどがあります。ここでは、ベビーホテルならではの保育士の仕事内容を解説するので、参考にしてください。
夜間保育では入浴や沐浴をする場合がある
ベビーホテルで宿泊をともなう夜間保育をする際は、子どもの入浴の介助や沐浴も仕事の1つです。就寝前に子どもをお風呂に入れたり、ベビーバスで沐浴したりすることもあるでしょう。なお、入浴や沐浴を実施しているかは、ベビーホテルの施設によっても異なるようです。
時間帯によっては寝かしつけを担当する
ベビーホテルで夜から翌朝まで子どもを預かる場合は、子どもの寝かしつけを行います。子どもによっては、抱っこで寝かしつけが必要な場合も。また、寝ている間も保育士が交代で見守る必要があるでしょう。
ベビーホテルで働く保育士の勤務スケジュール
24時間開所しているベビーホテルでは、保育士はシフト制で昼間を担当したり夜から出勤したりして働きます。以下は、24時間開所しているベビーホテルで働く保育士の勤務スケジュールの一例です。
時間 | 子どもの動き | 保育士の仕事内容 |
午前6時半 | 起床 | おむつ替え・着替えの介助・朝食の準備 |
午前7時 | 朝食 | 朝食の提供・片付け |
午前8時 | 遊び | 遊びや見守り |
午前11時半 | 昼食 | 昼食の提供・片付け |
午後1時 | お昼寝 | お昼寝の見守り・交代で休憩 |
午後3時 | おやつ | おやつの提供・片付け |
午後4時 | 遊び | 遊びの提供や見守り |
午後6時 | 夕食 | 夕食の提供・片付け |
午後8時 | 就寝準備(入浴・歯磨きなど) | 入浴の介助・おむつ替え |
午後9時 | 就寝 | 寝かしつけ・就寝中の見守り |
深夜~朝まで | 就寝 | 交代で就寝中の見守り・休憩・仮眠など |
24時間開所しているベビーホテルでは、利用する時間に合わせて順次子どもが登園します。昼間だけ利用する場合もあれば、夜から翌朝だけ利用する子どももいるでしょう。
ベビーホテルで保育士が働く4つのメリット
ここでは、ベビーホテルで保育士が働く主なメリットを4つ紹介します。夜間働ける時間や体力がある人は、メリットに感じる可能性があるでしょう。
1.早朝・深夜のみで働ける場合がある
ベビーホテルでは、早朝や深夜のみで働けることもあります。日中学校へ通っている方や副業として働きたい方は、早朝や深夜の時間を活用して働ける点はメリットといえるでしょう。
24時間開所しているベビーホテルではシフト制で働くのが一般的です。そのため、早朝や深夜のみなど自分の都合に合わせて勤務時間を選べるのが魅力といえます。
2.給与に深夜手当が加算されることがある
ベビーホテルで夜間や早朝働く場合、給与に深夜手当が加算される点はメリットです。e-Gov法令検索「労働基準法 第三十七条」によると、午後10時から翌朝午後5時まで働く場合は、賃金の25%以上を加算することと定められています。
夜間や早朝に働くため、大変な面はありますが、日中働くよりも給与アップが望めるでしょう。
出典
e-Gov法令検索「労働基準法 第三十七条」(2025年6月27日)
3.行事やイベントなどの業務負担は少ない
ベビーホテルで働く場合、一般的な保育園に比べて行事やイベントなどの業務負担が少ないケースもあります。ベビーホテルでは一時保育や夜間保育がメインになるため、行事やイベントが開催されないこともあるようです。
行事やイベントの業務負担は少なく、日常生活のサポートや夜間の見守りが主な仕事となるでしょう。
4.スキルアップに役立つ
ベビーホテルでは入浴の介助や夜の寝かしつけなど、一般的な保育園ではない業務にも携われるためスキルアップにつながるでしょう。また、ベビーホテルは基本的にクラス分けがなく、異なる年齢の子どもを同時に保育するスキルも身につきます。
ベビーホテルでは、保育時間が長かったり夜間に保護者と過ごせなかったりするため、なかには心細くなる子どももいるでしょう。子どものメンタルケアや一人ひとりに寄り添った保育など、幅広いスキルを身につけられる可能性があります。
ベビーホテルで保育士が働くデメリット
ここでは、ベビーホテルで保育士が働く際のデメリットを紹介します。働き方や職場によっては、不規則になったり業務負担が多くなったりする場合もあるでしょう。
シフト制によって不規則な生活になる
24時間開所しているベビーホテルで働く際は、出勤時間が日によって大きく異なる可能性もあります。出勤時間が日中だったり深夜だったり日によって異なると、不規則な生活になって体力的にも精神的にもきついと感じるケースも。
また、夜間に働く際は眠くならないように、日中仮眠を取っておく必要があります。責任をもって子どもの安全を守るためには、不規則な生活のなかでも自己管理を徹底し、体調を整える必要があるでしょう。
人手不足で業務の負担が多い職場もある
認可外のベビーホテルは国や自治体からの助成金がないため、経費削減として職員の人数を最小限に抑えて運営している場合もあります。人手が少ないと1人当たりの業務負担が多くなったり長時間労働になったり、大変に感じることもあるでしょう。
求人に応募する前に、職場環境や職員の人数などをしっかり確認してください。
ベビーホテルで働く保育士に必要な資格
ベビーホテルで働く際、一般的には保育士以外に資格が問われることはないでしょう。また、保育士資格を問われるかは求人によって異なります。
パートやアルバイトなど非正規雇用で働く場合は、資格が問われない場合も。一方で、正社員の求人では、保育士資格が求められることが多いでしょう。
保育士がベビーホテルの求人を探す際のポイント
ここでは、保育士がベビーホテルの求人を探す際のポイントを2つ紹介します。職場や保育環境は事前に確認して、希望に合った求人探しを目指しましょう。
職場・保育環境の改善に取り組んでいるかを確認する
ベビーホテルの求人に応募する際は、公式ホームページを見たり、ハローワークや転職エージェントに相談したりして、職場の雰囲気や保育環境を確認しましょう。自治体により立ち入り検査が行われているようですが、安全対策や事故防止に努めているか確認することが大切です。
また、面接時に保育室を見学できないか、質問してみるのも1つの方法といえます。ハローワークや転職エージェントでは、聞きにくいことを代理で質問してくれる場合もあるため、気になる点があれば相談してみましょう。
認可外・夜間保育のキーワードでも検索する
ベビーホテルの求人を探すときは、「認可外」「夜間保育」などのキーワードを入れて検索してください。ベビーホテルが検索分類や施設名にない場合、希望の求人がみつからない可能性もあるためです。
また、求人サイトや転職エージェントを利用する際は、保育業界専門のサービスを利用するのがおすすめです。求人を絞りやすかったり、保育業界に特化した選考対策のサポートが受けられたりするのがメリットといえます。
「保育士資格を活かして転職したい」という方は、ぜひ保育業界専門の転職支援サービス「レバウェル保育士」にご相談ください。地域に特化した専任のアドバイザーがあなたの条件にあった求人をご紹介します。扱っている求人は取材訪問を通じ、運営方針や雰囲気などの情報を収集しているため、リアルな声がわかります。転職相談や求人紹介、選考対策などサービスはすべて無料で利用できるため、ぜひお気軽にお問い合わせください。
まとめ
ベビーホテルとは、夜8時以降や宿泊をともなう保育、一時預かりをメインに実施している認可外保育施設やサービスです。家庭の事情や夜間の就業などにより、保護者がベビーホテルに子どもを預けます。開所時間は夜間や早朝、24時間などさまざまで、ベビーホテルによって異なるでしょう。
入浴の介助や夜の寝かしつけなどはベビーホテルに勤務する保育士ならではの仕事といえます。夜間を担当する場合は、保育士が交代で子どもの睡眠を見守ったり、休憩を取ったりします。ベビーホテルで働く保育士のメリットは、給与に深夜手当がつくことやスキルアップにつながる点だといえます。一方で、不規則な生活になったり人手不足の職場では業務負担が多くなったりする場合もあるでしょう。
ベビーホテルで働く際、非正規雇用であれば保育士資格が問われない可能性もあります。一方、正社員を目指す場合は、保育士資格が求められるケースが多いでしょう。ベビーホテルの求人を探す際は、保育や職場環境が整っているか公式ホームページで確認したり、ハローワークや転職エージェントに相談したりするのがおすすめです。
執筆者

「レバウェル保育士」編集部
保育士・幼稚園教諭専門の転職エージェント「レバウェル保育士」が運営するメディア。現役の保育士とこれから保育士を目指す方に向けて、仕事や転職に役立つ情報をお届けします。記事を通して不安や悩みが少しでも解消する状態を目指し、皆さんのキャリア選択を支援します。