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保育士が「責任が重すぎる」と感じる場面や対処法、転職したい場合の選択肢

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子どもを注意する保育士

保育士の仕事は子どもの命を預かる重い責任があり、精神的な負担を感じる保育士も少なくありません。保育士は1人で複数の子どもの対応をするときや、年長クラスの担任を担当するときなど、幅広い場面で責任の重さを実感する場合があります。 この記事では、保育士の「責任が重すぎる」と感じる場面や重くなる理由を解説します。保育士が責任の重さから転職を考える際のポイントもまとめているので、ぜひ参考にしてみてください。

この記事を書いた人

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「レバウェル保育士」編集部

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目次

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保育士が「責任が重すぎる」と感じる場面とは

保育士は子どもがケガをしたときやヒヤリ・ハットを起こしたときなどに、責任の重さを感じやすく、精神的な負担になることも珍しくありません。ここでは、保育士がどのような場面で責任の重さを感じやすいのかを見ていきましょう。

目の前で子どもがケガをしたとき

保育士は子どもがケガをする場面に遭遇すると、自責の念に駆られ、責任の重さを実感しやすいようです。保育士は子どもの安全を守るという仕事のため、子どもがケガをすると、心理的に負担がかかります。目の前で事故が起きた場合は、そのあとの保育活動も萎縮してしまうかもしれません。

子どものケガに対して「早く気づけなかった」「防げなかった」と自分を責め、保護者への説明や対応にプレッシャーを感じる保育士もいるでしょう。

1人で複数の子どもを見ているとき

人手不足の保育園では、1人の保育士が複数の子どもを見る場合があります。保育士は1人で複数の子どもの保育を担当すると、「全員に目が行き届かないのでは」という不安や「もし何かあったら」という恐れがつきまとい、緊張状態が続きやすいようです。

活発な子どもたちが多いクラスでは、一瞬の目の隙に予期せぬ出来事が起きるのではないかと常に神経を尖らせなければならず、責任の重さから心身ともに消耗しやすいでしょう。

ヒヤリ・ハットを起こしてしまったとき

保育現場でのヒヤリ・ハットは、どんなに注意深い保育士の場合も経験する可能性があります。事故には至らなかったものの「危なかった」という出来事は日々の保育で起こりうるもので、完全に防ぐのは難しいでしょう。

保育士はヒヤリ・ハットの当事者になると「あと少しで大きな事故になるところだった」という思いから自分の保育に自信を失い、仕事の責任の重さを感じやすいようです

行事の運営・企画担当になったとき

発表会や運動会などの行事は、保護者の目に直接触れる機会であり、園の評価にも関わります。保育士は行事の主担当になると、プログラム全体の成功に責任を感じ、子どもたちの練習の進み具合や当日の進行、保護者の反応に神経を使うようです。

保育士は通常の保育業務に加えて行事の準備を進めなければならないので、時間的・精神的余裕がなくなりやすく、行事を成功させなければならないという責任の重さを強く感じるでしょう。

年長クラスの担任を受け持ったとき

年長クラスの担任は、子どもの将来に関わる責任の重さを日々感じながらの保育になります。年長クラスは就学前の大切な時期であり、基本的な生活習慣の定着や集団生活のルール、学習の基礎など小学校へのつながりを意識した保育を行うことが必要です。

年長クラスは保護者からの期待も大きく、担任の保育士は「スムーズに就学できるようサポートできているか」や「小学校に向けた準備が足りているか」といった不安を抱えるかもしれません。

新卒でまだ保育士の仕事に慣れていないとき

保育現場に入ったばかりの新卒保育士は、学校での理論と実際の保育との違いに戸惑うことも少なくありません。保育士は子どもたちの命を預かる責任の重い仕事のため、安全管理や発達支援、保護者対応など覚えることが幅広くあります。

新卒の保育士は業務に慣れていない状態で業務をこなす必要があり、プレッシャーを感じやすいようです。先輩保育士が常に忙しそうな職場では、分からないことがあっても質問しにくく、悩みを1人で抱え込む状況に陥る新卒の保育士もいるでしょう。

保育士の仕事の責任が重くなる理由

保育士の責任が重すぎる背景には、園の人手不足や保護者から質の高い保育への期待が関係しています。ここでは、保育士の責任が重くなる理由を探ってみましょう。

子どもの命を預かる仕事のため

一瞬の判断ミスが取り返しのつかない結果を招く可能性があるという現実が、保育士の責任を重くしています。乳幼児は自分で危険を回避する能力が十分に発達していないため、保育士による見守りが常に必要です

保育士は食事中の誤嚥や午睡時の窒息リスク、園外活動での交通事故など、日常のあらゆる場面に潜む危険に対して警戒をしなくてはなりません。

職場内の保育士の人数が不足しているため

人手不足の環境は、保育士の仕事の責任を重くしている要因といえるでしょう。人員配置がギリギリの園では、保育士1人あたりの業務負担が重くなりがちです。

たとえば、子どもの体調不良への対応や保護者からの相談、行事の準備といった通常の保育以外の業務も少ない人数の保育士で抱えることになります。本来ならチームで対応すべき場面も、1人で判断を迫られるかもしれません。

保護者から質の高い保育を期待されるため

保育士は保護者から高い保育の質を期待されると、プレッシャーや責任の重さを感じる場合があるようです。保護者は子どもを預ける際、「安全な環境で保育が行われているか」「子どもの気持ちに寄り添ってくれているか」という部分を大切にする傾向にあります

保護者の中には、保育士の日々の態度や言葉遣いを細かく観察している人もいるでしょう。そのため、保育士は日々の言動にも注意を払う必要があります。子どもの様子やケガの報告、日々の活動内容といった保護者への連絡や情報共有も適切に行わなければなりません。

保育士が責任の重さに押しつぶされないための対処法

保育士が責任の重さに押しつぶされそうになるとき、どのように自分を守り、前向きに保育と向き合えば良いのでしょうか。ここでは、保育士が責任の重さに押しつぶされないための対処法を紹介します。

無理せず自分の体調を優先する

保育士は責任の重さがプレッシャーになり体調不良を感じたら、無理をせず休むようにしましょう。「休むと職場に迷惑がかかる」と考えがちですが、無理して出勤し、判断力が低下した状態で保育をするのは危険です。

体調不良が長引くようであれば、上司に相談して休職するというのも1つの選択肢です。心身を休めれば、元気な状態で子どもたちと向き合えるようになるかもしれません。

園長や信頼できる同僚に悩みや不安を相談する

保育士は責任の重さを感じた際、「弱みを見せたくない」と思わずに、助けを求める習慣をつけることが大切です。責任の重さや不安を1人で抱え込まず、職場の同僚や園長に相談してみましょう。

経験豊富な先輩保育士や園長は、同じような悩みを経験してきた可能性があり、具体的なアドバイスをくれるかもしれません。相談すれば、責任の重い業務の対処法を教えてくれたり、業務量を調整してもらえたりする場合もあります。

保育環境を改善して危険を未然に防ぐ

保育環境の見直しによって予防できるリスクが増えれば、保育士の心理的な負担も軽減されます。日々の保育の中で、「ここが危ない」と感じる点があれば、積極的に環境改善を提案しましょう。たとえば、「角の尖った家具にクッションをつける」「滑りやすい場所にマットを敷く」「危険な物は子どもの手の届かない場所に置く」など、小さな工夫が事故防止につながります

安全対策の実施は、事故を防ぐだけでなく、保育士が過度に責任の重さを感じ過ぎず、安心して仕事に取り組める基盤となります。

責任の重さだけで保育士を辞めると後悔する可能性も

保育士が責任の重さに耐えられないと感じ退職を考える際は、後悔が残らないよう慎重に検討する必要があります。ここでは、保育士が責任の重さから退職して後悔する場合をまとめました。

転職先でも同じように責任が負担になるケース

保育士の仕事を続ける限り、子どもの命を預かる責任の重さは変わりません。現在の職場を離れても、転職先で同じ悩みを抱える可能性は十分にあります。大切なのは、責任の重さを感じている具体的な理由を明確にすることです。

同じ責任でも、職場の雰囲気や人間関係によって感じ方は変わります。現在の職場が1人で問題を抱え込みやすい環境なら、困ったときに気軽に相談しやすい風通しの良い職場に転職すると、負担が軽減するかもしれません。

保育の仕事に心残りがあるケース

保育士の仕事を辞める前に、本当に心残りはないか考えてみましょう。保育の現場を離れて初めて、子どもたちとの日々の触れ合いがやりがいになっていたことに気づく場合もあります。「せっかく苦労して国家資格を取得したのにもったいない」「子どもの成長に関われない日々は寂しい」といった思いがあとから湧いてくることも少なくありません。

本当に後悔のない選択をするには、一時的な感情で決断するのではなく、自分が保育士になった原点に立ち返り長期的な視点で自分のキャリアを考えてみるのがおすすめです。

保育士が責任の重さから転職したいと思ったときの選択肢

保育士が責任の重さに耐えられないと感じたとき、配置基準に余裕がある園への転職や、保育士資格を活かしてほかの職種にチャレンジするなどの選択肢があります。ここでは、保育士が転職する際の選択肢をまとめました。

人員が充実した保育園に転職する

保育士の責任の重さに対する感じ方は、職場の人員配置や職場環境によって変わります。人員に余裕があり、チームで保育を行う体制が整った園であれば、1人で背負う責任は軽減されるでしょう。

求人情報を調べる際には、保育士の配置人数や園の方針、サポート体制などをチェックするのが効果的です。職場見学の機会があれば、実際に保育士たちの様子や職場の雰囲気を確認することも大切です。

正社員の場合は雇用形態をパートに変更する

保育士が仕事の責任の重さを負担に感じている場合、パートタイムへの転換を相談してみるのも1つの方法です。パートとして働くと、勤務時間が短くなって体や心の負担が軽くなります。また、担任を持たないことで、自分が担当する仕事の範囲が限定的になるでしょう。

雇用形態を正社員からパートへ変更すると収入は減少しますが、時間的・精神的な余裕が生まれ、仕事と生活のバランスを整えやすくなります。気持ちに余裕ができれば、保育の仕事の魅力を再発見できるかもしれません。

保育士資格を活かしてほかの職種に就く

保育士の仕事は「責任が重すぎる…」と感じる人は、必ずしも保育園で働く必要はありません。児童館やベビーシッターなど、保育士資格を活かして働ける仕事は多岐にわたります。ほかの職種に就くと、保育園とは異なる役割や責任を担うことになりますが、自分に合った働き方を見つけられる可能性があるでしょう。

また、子育て支援センターや習い事教室など、保育の知識を活かしながら直接的な保育業務とは少し距離を置いた仕事を選ぶのも1つの手です。

異業種に挑戦してみる

保育士の責任の重さがしんどいと感じる人は、保育とは異なる業種にチャレンジするのも1つの選択肢です。保育士として培ったコミュニケーション能力や忍耐力、臨機応変な対応力は、ほかの職種においても強みになります

子どもと接する機会がある仕事でなくとも、人のサポートをする職種や、チームで協力して目標を達成するような仕事は、保育士経験が役立つかもしれません。接客業や事務職、販売業など、自分の適性や興味に合わせた職種を探してみましょう。

保育士の仕事の責任が重すぎることに関してよくある質問

ここでは、保育士の仕事の責任が重すぎることに関してよくある質問に、お答えします。

保育士としての責任感が強すぎてしんどいときはどうすれば良い?

責任感が強すぎて辛いと感じる保育士は、日々の保育で完璧を求めすぎていないか振り返ってみましょう。保育は1人で行うものではなく、チームで子どもを見守る仕事です。「自分だけがすべてを背負う必要はない」と意識的に考え、同僚と協力し合う姿勢を持つと、少し気持ちが楽になるかもしれません。また、プライベートでリフレッシュ時間を確保し、定期的に心身をリセットする習慣をつけるのも効果的です。

担任をやりたくない場合も保育士として働ける?

担任の責任が負担に感じる場合でも、保育士として働く道はあります。

  • フリー保育士として働く

  • パートや派遣で勤務する

  • 保育所以外の施設で活躍する

上記のような働き方は、担任を持たずに保育士として働ける可能性があります。それぞれの働き方によって、求められる役割や責任の範囲は異なるので、自分の希望に合った働き方を見つけましょう。

責任が重いから保育士にはなるもんじゃない?

「責任が重いから保育士になるべきでない」と一概にいえるものではなく、自分の性格や価値観、働く環境との相性によって充実感を得られるかどうかが決まります。保育士は責任が重い仕事ですが、子どもの成長に直接関わる喜びもあるでしょう。

保育経験を積めば、責任への向き合い方も変わってきます。チームで支え合える環境があれば責任の重さも分散されるので、慎重に職場を見極めることが大切です。

責任の重さから保育士を今すぐ辞めたいときは?

責任の重さから精神的に限界を感じ、今すぐ辞めたいと思うほど辛い状況なら、休職や退職を検討してみましょう。園長や上司に自分の状況を正直に伝え、休職制度の利用を相談するのがおすすめです。少し距離を置いて冷静になれば、別の視点から状況を見られるようになるかもしれません。どうしても続けられないと判断した場合は、円満な退職に向けて準備を進めることが大切です。

退職後の転職先に迷っている人は、本記事の「保育士が責任の重さから転職したいと思ったときの選択肢」を参考にしてみてください。

まとめ

子どもの命を預かる立場であることや保護者からの期待などの要因から、「責任が重すぎる」と感じている保育士も珍しくありません。保育士が責任の重さを感じた際は、同僚に相談したり、保育環境を整えたりすることで、精神的な負担を減らしながら仕事を続けられる可能性があります。

保育士が責任の重さから転職を考える場合は、自分が何に負担を感じているのかを明確にし、不安を解消できる環境を探すことが大切です。人員が充実した職場に転職したり、雇用形態を変えたりすることで、自分に合った働き方が見つかるかもしれません。

「1人で多くの責任を抱え過ぎて限界...」と感じている保育士は、「レバウェル保育士」にご相談ください。「レバウェル保育士」では、支援体制が整った保育園や、適切な人員配置がなされている職場を紹介できます。保育現場での悩みや不安を保育専門のキャリアアドバイザーに相談でき、あなたの希望に合った働き方を一緒に見つけることが可能です。

執筆者

A

「レバウェル保育士」編集部

保育士・幼稚園教諭専門の転職エージェント「レバウェル保育士」が運営するメディア。現役の保育士とこれから保育士を目指す方に向けて、仕事や転職に役立つ情報をお届けします。記事を通して不安や悩みが少しでも解消する状態を目指し、皆さんのキャリア選択を支援します。

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