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保育士の仕事に疲れた!疲労の原因や注意すべき身体のサイン、対処法を解説

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ソファでぐったりする女性のイメージ

保育士として働く中で、疲れを溜め込んでいませんか?職場の人間関係や保護者対応、休めない環境など、さまざまな要因が重なって心身の疲労を感じる保育士は珍しくありません。 この記事では、保育士が「疲れた」と感じる場面や原因を解説します。疲れが溜まっているときのサインや放置するリスク、効果的な対処法も紹介するので、心と体を癒すヒントにしてみてください。

この記事を書いた人

A

「レバウェル保育士」編集部

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目次

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保育士が「疲れた」と感じる場面

保育士が「疲れた」と感じるのはどのようなときなのでしょうか。ここでは、保育士が疲労を感じやすい場面について詳しく見ていきましょう。

職場の人間関係にストレスを感じたとき

保育の仕事はチームで行うため、職場の人間関係がストレスの要因になる場合があります。ときには、同僚との意見の食い違いや価値観の違いが疲労を感じさせるかもしれません。先輩保育士との考え方の違いに悩んだり、園の方針に疑問を感じても言い出せなかったりすることもあるでしょう。

職員同士の関係性が良好でないと、保育の時間がストレスになり、「疲れた」と感じやすくなります

保護者からクレームに対応するとき

保護者からのクレームや要望への対応は、保育士にとって心理的な負担となります。子どもの小さなケガや持ち物の紛失など、日常的なトラブルで保護者からかけられる厳しい言葉が、保育士として働くうえでのストレスになる場合もあるでしょう。

また、保育園の方針と保護者の期待にズレがあると、保護者から「文字の練習をさせてほしい」「外遊びの時間を増やしてほしい」といった要望がある場合もあるようです。保護者からの無理な要望が増えると、保育士は対応に悩み、疲れを感じやすくなります。

子どもがケガをしたとき

保育現場において、子どものケガは避けられない場合もあります。しかし、ケガが発生してしまうと、保育士は精神的な負担を感じてしまうでしょう。

保護者からの信頼を失うのではないかという不安や、同僚からの評価が下がるかもしれないという心配は、保育士に疲れをもたらします。見守りが行き届いていなかったと感じ、自責の念に駆られることもあるでしょう。ケガの報告書作成や保護者への説明、再発防止策の検討など、通常業務に加えての対応も負担になってしまいます。

残業や持ち帰りの仕事が慢性化しているとき

保育士は日誌の記入や制作物の準備、行事の計画など、勤務時間内に終わらない仕事を残業や持ち帰りで対応する場合があります。行事前は準備に追われ、遅くまで作業する園もあるようです。

日常的に残業や持ち帰りの仕事が発生すると、保育士はプライベートの時間が削られ、十分な休息が取れないまま次の日を迎えることになります。休息を取る機会が減少すれば、疲れが溜まりやすくなり、仕事への意欲も低下しやすくなるでしょう。

子どもとの関わりが上手くいかないとき

保育士は、子どもとの関係づくりに行き詰まりを感じると、精神的に疲れを感じます。保育の現場では、問題行動のある子どもへの対応や、集団に馴染めない子どもへの支援に悩むことも少なくありません。自分の関わり方が子どもに合っていないのではないかと、自信を失うときもあるでしょう。

保育士としてクラス全体を見なければならない中で、特定の子どもに時間をかけられないジレンマに悩む場合もあるようです。「より丁寧に関われば良かった」「別の対応があったのでは」と自分の保育を振り返り、自分の適性や能力に疑問を持ち始めると、疲労感が強まってしまいます

給料が仕事に見合っていないと思ったとき

保育士の仕事は責任が重く、求められる専門性が高いにもかかわらず、給与水準はほかの業種と比較して低い傾向にあります。長時間労働や精神的・肉体的な負担の大きさを考えると、給与面での不満を感じる保育士は少なくありません。

保育士の給与水準の低さが「頑張っても報われない」という感覚につながり、疲れを増幅させるようです。保育士の収入が安定しないと、将来への見通しが立たないストレスが精神的な疲れの原因にもなるでしょう。

有給が取りにくく、休めない状況のとき

人員不足の園では、代わりの保育士の確保が難しく、有給休暇の取得をためらう保育士も珍しくありません。計画的に有給を取りたくても、行事や保育参観などの予定が入っていると、保育士の都合で休めない職場もあるようです。

有給休暇をなかなか取れず働き続けることで、疲れが蓄積しやすくなります。「自分が休むと同僚に迷惑がかかる」「子どもたちが困る」という思いから無理をして出勤し、結果として体調を崩す場合もあるでしょう。

体力に限界を感じたとき

保育士は日々子どもと一緒に遊んだり、抱っこしたりするため、身体に負担がかかりやすいです。乳児クラスでは、抱っこやおむつ替えといった中腰姿勢が続き、腰痛や肩こりの原因になることも少なくありません。

身体的な疲れが日々蓄積すると、体力に限界を感じる保育士もいるようです。夕方になると体力が持たず、帰りの準備や保護者対応に集中力を保つのが難しくなる場合もあるでしょう。

保育士が「疲れた」と感じる原因

保育士に疲労感が生じる原因は、保育現場の環境や仕事の性質に関係しています。ここでは、保育士が「疲れた」と感じる原因を見ていきましょう。

勤務中は常に気を張っているため

保育士の仕事は、一瞬の油断も許されない緊張感の連続です。子どもの安全を確保するために常に目を光らせ、事故やトラブルを未然に防ぐ責任があります。保育中は「何か危険はないだろうか」という警戒心を持ち続けなければなりません。保育士は、複数の子どもを同時に見守る必要もあるため、神経をすり減らします。

保育士は、子どもの安全を守るために気を張っている状態が長く、知らず知らずのうちに精神的な疲れをもたらすようです。リラックスできる瞬間が少ないため、緊張感が疲労となって現れます。

仕事量が多いため

保育士は子どもたちとの直接的な関わり以外にも、保育計画の作成や日誌の記入、制作物の準備などの事務作業を担っているため、心身の疲労が蓄積しやすい傾向にあります。そのほかにも、環境整備や行事の計画と実施、保護者対応などの業務があり、仕事量の負担を感じやすいでしょう。

保育時間中は一人ひとりの子どもに合わせた対応が求められるので、受け持つ子どもの人数が多いほど、保育士の心身負担も大きくなります。行事前は、子どもたちが楽しめるよう細部まで配慮しながら準備を進め、夜遅くまで仕事が続くことも少なくありません。

休憩時間を確保しにくいため

保育士は日中にリフレッシュする機会が少ないため、疲れが溜まりやすくなります。保育現場では、子どもたちの安全を確保するために保育士の目が常に必要です。そのため、休憩時間も、十分に休めない場合があるでしょう。

保育士は、昼食も子どもたちと一緒に食べながら食事指導をするため、リラックスできる時間とはいえません。また、休憩時間を利用して連絡帳を書いたり、次の活動の準備をしたりする保育士もいるようです。体と心を休める時間が確保できないことが、慢性的な疲れを引き起こす原因になります。

保育士に疲れが溜まっているときのサイン

疲労が限界に達する前に適切な対処をするには、自分の状態を客観的に認識することが大切です。体や心が発するSOSのサインを見逃さないことで、深刻な状況になる前に対処できます。ここでは、保育士に疲れが溜まっているときに現れやすいサインをまとめました。

仕事に行きたくないと感じる

保育の仕事に対して「行きたくない」という感情が湧いてきたら、疲れが蓄積しているサインかもしれません。疲れが溜まっていると、「出勤前になると憂鬱な気持ちになる」「出勤前に体調不良を訴えたくなる」といったことが頻繁に起こる場合もあるようです。

休日に「明日から仕事」と考えるだけで気分が落ち込んだり、子どもたちの顔を思い浮かべても喜びを感じなくなったりする場合も、疲れが溜まっているサインといえるでしょう。仕事に行きたくないと感じたら、自分を責めるのではなく、休息が必要なシグナルとして受け止めましょう。

モチベーションが低下する

保育士は疲れが溜まると、以前は楽しめていた保育活動にも意欲を持てなくなる場合があります。日々の業務をこなすだけで精一杯になり、工夫をして保育に取り組む余裕がなくなる場合もあるでしょう。新しい保育アイデアを考えるのが億劫になったり、子どもの成長に喜びを感じにくくなったりしたときは、疲労が蓄積しているのかもしれません。

保育の質にこだわっていた自分が、最低限の業務で満足するようになるのも疲労のサインです。本来持っているはずの保育への情熱や好奇心が薄れていくと感じたら、心の疲れがピークに達している場合も考えられます。

身体のだるさや疲れが抜けない

保育士は疲れが蓄積すると、「休日にしっかり休んでも疲れが取れない」や「常に体がだるい」「ちょっとした活動でも極端に疲れる」といった症状が現れます。肩こりや腰痛、頭痛などの不調が慢性化し、日常生活に支障をきたすこともあり得るでしょう。

「普段は平気な階段の上り下りが辛く感じる」「子どもを抱っこするのに力が入らない」など、保育業務に影響する症状が出てきたら要注意です。身体からのSOSを無視して働き続けると、より深刻な健康問題につながる可能性があります。

朝起きるのが辛い

保育士は疲れが蓄積すると、朝の目覚めが悪くなり、アラームを何度もスヌーズしてしまったり、起きても頭がぼーっとして体がなかなか動かなかったりします。疲れているのに考え事が頭から離れず、夜もなかなか眠れないという保育士もいるようです。

睡眠の質が低下すると、日中の疲れが取れず、悪循環に陥ります。朝の目覚めの質は疲れ具合を示すサインです。以前よりも起きるのが辛くなった、起きても活力を感じないという状態が続くようであれば、疲労が溜まっているのかもしれません。

体調不良が続く

保育士は疲れが溜まると、体調を崩しやすくなる場合があります。治りかけたと思っても繰り返し症状が現れたり、完治までに時間がかかったりすることもあるでしょう。

胃痛や腹痛など、ストレス関連の身体症状が頻繁に起こる人もいます。体調不良の頻度や回復の遅れは、体が出す警告信号です。「仕事だから仕方ない」と無理を続けるのではなく、職場に相談することも視野に入れましょう。

保育士が疲れを放置するとどうなる?

保育士の疲れは、個人の問題にとどまらず、子どもたちや職場全体に影響を及ぼします。ここでは、保育士が疲れを放置し続けた場合に起こり得る結果を考えてみましょう。

子どもへの関わりに影響が出る

保育士は疲れが蓄積すると、子どもたちへの関わり方に変化が生じる可能性があります。
保育士が疲れているときは、子どもの様子をじっくり観察する余裕がなくなり、一人ひとりに合った関わりが難しくなる場合もあるでしょう。行事の準備や活動のアイデアが出にくくなり、子どもたちの好奇心や意欲を引き出す保育が減ってしまいます。

保育士は疲労が溜まり余裕がなくなることで、子どもの小さなサインを見逃したり、丁寧な言葉かけができなくなったりするかもしれません。保育士の疲れた表情や投げやりな対応は、子どもたちの不安や緊張を高める原因にもなります。子どもたちが安心して過ごすためには、保育士自身の心と体が健康であることが重要です。

仕事を「辞めたい」と思うようになる

保育士は疲れが限界を超えると、「この仕事を続けられない」「保育士を辞めたい」という思いが強くなります。疲れが抜けない日々が続くと、「もしかして自分は保育士に向いていないのだろうか」と自分の適性を疑い始めることもあるでしょう。本来は疲労やストレスの問題なのに、自分の能力の問題だと考えてしまうのです。

毎日の疲れが慢性化すると「このまま保育士を続けて良いのだろうか」と将来への不安が膨らみ、退職を考える人もいるでしょう。周りの友人や知人の働き方と比較して、「ほかの仕事なら体力的にも精神的にも負担が減るかもしれない」と思うこともあるようです。

保育士が仕事に疲れたときの対処法

ここでは、日々の業務に疲れを感じている保育士が実践しやすい対処法を紹介します。自分に合った方法を見つけて、できることから少しずつ取り入れてみましょう。

自分に小さなご褒美を用意する

保育士が疲れを感じたときは、自分自身を大切にする時間が必要です。日々の中に、小さなご褒美を用意する習慣をつけましょう。たとえば、「お気に入りのコーヒーや紅茶を淹れる時間を作る」や「バスタイムをリラックスできる特別な時間にする」「好きな音楽を聴く」など、心身共に癒されることを意識的に取り入れます。

自分の頑張りを認め、リラックスできる時間を持つと、精神的な疲労を軽減することが可能です。自分へのねぎらいの気持ちを持つことが、長く保育士を続けるコツかもしれません。

趣味の時間を意識的に確保する

保育士が仕事以外の楽しみや関心事を持つことは、心のバランスを保つうえで重要になります。たとえば、読書やガーデニング、スポーツといった仕事から離れられる活動が理想的です。

保育士は趣味の時間を確保すると、仕事のストレスを発散でき、新たな視点や発想を得るきっかけにもなるでしょう。「時間がない」と感じても、無理のない範囲で自分の趣味に没頭する時間を作ることで、心のリフレッシュにつながります。

軽い運動やストレッチを取り入れる

保育士が疲れを感じた際、身体を動かすことは、心身のリフレッシュに効果的です。保育の仕事は同じ姿勢が続いたり、中腰の状態が多かったりするため、意識的に体をほぐすことが大切になります。朝の数分間のストレッチや帰宅後のヨガ、週末のウォーキングなど、自分のペースで続けられる運動習慣を作りましょう。

運動中は仕事の悩みから一時的に解放され、気分転換にもなります。保育士は運動時間を持つことで、仕事とプライベートの切り替えもしやすくなるかもしれません。

同僚や上司に悩みを相談してアドバイスをもらう

疲れが蓄積したときは、1人で抱え込まず、信頼できる同僚や上司に悩みを打ち明けるのもおすすめです。同じ環境で頑張る同僚や経験豊富な先輩保育士は、同じような困難を乗り越えてきた経験があるかもしれません。

悩みを言葉にすれば、自分の感情を整理できたり、新たな視点や解決策が見つかったりすることもあるでしょう。「自分だけが疲れているわけではない」と知ることで、精神的な支えにもなります。

無理のない働き方ができる職場に転職する

自己管理や工夫をしても改善しない場合は、働く環境を変えてみるのも選択肢の1つです。転職を検討する際は労働条件だけでなく、保育理念や職場の雰囲気、サポート体制なども重視しましょう。職場見学や面接の際に、休暇の取りやすさや残業の状況、職員の定着率などを確認することも大切です。

保育士専門の転職サイトやエージェントを利用すれば、自分の希望に合った求人情報を効率良く集められます。保育士は無理な環境で頑張り続けるより、自分らしく長く働ける場所を見つけることで、日々の疲れや負担を軽減できるでしょう。

保育士が疲れたときによくある質問

ここでは、保育士が疲れたときによくある質問に、Q&A形式でお答えします。

保育士が疲れて仕事に行けなくなった場合はどうすれば良い?

疲れが溜まり、仕事に行くことが難しいと感じたら、休息を優先することが大切です。無理をして出勤し続けると、より疲労が蓄積するかもしれません。疲れが原因で体調を崩したときは、遠慮なく休暇を申請しましょう。園や職場に迷惑を掛けるという罪悪感を抱きがちですが、体調不良での出勤は子どもたちへの対応にも影響し、結果的に保育の質の低下につながります。

疲れを軽減する方法は、本記事の「保育士が仕事に疲れたときの対処法」で紹介しているので、ぜひ試してみてください。

「保育士を二度とやりたくない」と思ったときの対処法は?

保育士をやりたくないと思ったときは、感情を無理に押し殺さず、自分の気持ちと向き合うことが大切です。「保育士を続けたくない」と感じる具体的な理由を書き出してみることで、問題の本質が見えてくるかもしれません。

職場環境が合っていない場合は、ほかの園への転職を検討しましょう。保育士の仕事自体をやりたくない人は、ベビーシッターや保育関連の事務職など、保育経験を活かせる別の道を探ることも1つの選択肢です。

まとめ

保育士の仕事は子どもたちの成長に関わる喜びがある一方で、心身ともに疲れを感じやすい職業です。職場の人間関係からくるストレスや保護者対応の難しさ、業務量の多さなど、さまざまな要因が保育士の疲労につながります。

保育士が疲れを感じたときの対処法としては、「自分への小さなご褒美を用意する」や「趣味の時間を確保する」「軽い運動を取り入れる」といった方法があります。現在の職場環境が自分に合わないと感じる場合は、転職も選択肢の1つです。

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執筆者

A

「レバウェル保育士」編集部

保育士・幼稚園教諭専門の転職エージェント「レバウェル保育士」が運営するメディア。現役の保育士とこれから保育士を目指す方に向けて、仕事や転職に役立つ情報をお届けします。記事を通して不安や悩みが少しでも解消する状態を目指し、皆さんのキャリア選択を支援します。

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