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主任保育士に向いていない人とは?適性がないと感じた際の対処法も解説
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「主任保育士に向いていない」と悩む保育士は少なくありません。主任という立場は、保育の現場だけでなく、園全体の運営や人材育成にも関わる重要な役割を担うため、責任の重さに戸惑いを感じる方が多いのも現状です。 この記事では、主任保育士に向いていないと感じやすい性格や特徴、悩みを軽減する対処法を紹介します。あなたらしい主任像を見つける参考にしてみてください。
目次
主任保育士に向いていないと感じやすい人の性格や特徴
主任保育士として働く中で、「自分はこの役職に向いていないのでは」と悩む人も少なくありません。主任という立場は保育の現場だけでなく、園全体の運営や人材育成にも関わる重要なポジションです。ここでは、主任保育士に向いていないと感じやすい方の性格や特徴について紹介します。
何でも自分1人で抱え込む
責任感が強く、すべての業務を自分ひとりで進めてしまう方は主任保育士として悩みを抱えやすくなります。一見すると頼もしい姿勢ですが、主任の役割の1つは「後輩を育てる」ことです。仕事を任せることができないと周囲の保育士の成長の機会が減ってしまい、結果的に職場全体の保育の質が低下することもあります。チームで協力しながら園全体の質を高めていくことが、主任保育士に求められる大切な役割です。
周囲の目を気にしすぎる
主任保育士として「周りからどう思われているか」「嫌われたらどうしよう」と周囲の評価を気にしすぎてしまう方は少なくありません。まわりへの配慮は大切な要素ですが、過度に意識してしまうと、自分の判断に自信が持てなくなり、リーダーとしての役割を果たせなくなることがあります。
適切な判断や必要な指導を行うためには、ある程度の覚悟と決断力が必要です。周囲の意見に耳を傾けながらも、自分なりの信念を持って行動する力を少しずつ身につけていきましょう。
人前での発言が苦手
主任保育士には、職員会議での進行や保護者会での説明など、人前で話す機会が多くあります。人前で話すことに強い苦手意識を持っていると、重要な場面で意見を伝えられなかったり、誤解を招いたりするリスクがあります。
緊張しやすい性格でも、入念な準備と経験を重ねることで改善できる部分は少なくありません。「苦手だから向いていない」と決めつけず、着実な上達を目指しましょう。最初から完璧な話し方である必要はないので、少しずつ慣れていくことが大切です。
自分の考えや対応に自信がない
主任保育士は、様々な場面で判断を求められる立場です。自分の考えや決断に自信が持てないと、適切なタイミングで必要な対応を取ることが難しくなります。また、自信のない態度は、周囲の不安にもつながり、チームの連携や信頼関係に影響を与えてしまうことがあります。完璧を目指すよりも、「考え過ぎる前にまずやってみる」「振り返って改善する」という姿勢が、自信を育てる第1歩になるでしょう。
保護者との信頼構築に苦手意識がある
主任保育士として働く中で、保護者との信頼関係づくりに不安を感じる方は少なくありません。連絡帳でのやりとりや送迎時の簡単な会話はもちろん、園の方針を説明する場面や、問題が起きた際の対応など、主任ならではの関わり方には細やかな配慮が必要です。
場合によっては、対応の仕方ひとつで保護者との信頼が揺らいでしまうこともあるため、プレッシャーを感じる場面もあるでしょう。そのようなときは無理にひとりで抱え込まず、園長や信頼できる先輩に相談してみるのがおすすめです。
主任保育士に向いていない人が直面しやすい悩み
「主任保育士に向いていない」と不安を感じる人が直面しやすい悩みには、以下のようなものがあります。
園長と現場職員の板挟みに疲れる
職員育成の難しさに悩む
自分の保育がおろそかになる
トラブルやクレーム処理に強いストレスを感じる
主任保育士は、園長と現場の橋渡し役のため、それぞれの主張や思いを汲み取って全員が納得した状態で園を運営できるように調整する必要があります。また、さまざまな問題解決や保護者対応など、責任の重い仕事も増え、精神的な負担を感じることもあります。
主任保育士として果たすべき役割
主任保育士は、保育園の現場を支える大切な存在といえるでしょう。保育士たちをまとめ、園全体がスムーズに動くようにサポートするのが主な役割です。現場を見渡しながら、必要に応じて保育に入ったり、保育士にアドバイスをしたりと、日々さまざまな場面で判断力と行動力が求められます。
また、主任保育士は保育士たちの相談役として、困っていることや悩んでいることに耳を傾け、共に解決の糸口を探っていく姿勢も大切です。経験の浅い保育士にとっては、心強い存在となるでしょう。そのほか、園長のサポート役として保護者対応や行政への書類対応など、現場の保育以外の業務も担うことがあります。園長が不在の際には、代わりとして動くことも少なくありません。日々の積み重ねが、園の雰囲気や保育の質に大きく影響する、やりがいのある仕事といえます。
主任保育士に必要なスキル・資質
主任保育士として働くには、保育の現場をまとめるリーダーとしての資質やスキルが求められます。子どもたちへの深い理解はもちろん、職員を支えるマネジメント力や、園全体を見渡す広い視野も欠かせません。ここでは、主任保育士に求められる主なスキルや資質について紹介します。
冷静な判断力と客観性
保育現場では、突然のトラブルや職員同士の意見の対立など、判断が求められる場面があります。そのため、トラブルや意見の食い違いが起きたときも感情的にならずに状況を見極め、落ち着いて判断する力が必要です。
また、特定の意見に偏らず、職員一人ひとりの立場や背景を理解しながら、客観的に対応する姿勢も大切になります。公平な態度で接することができる主任保育士は、職員に安心感を与え、チームをまとめる中心的な存在となるでしょう。
職員の話を聴くコミュニケーション力
主任保育士は、現場の保育士たちと信頼関係を築く立場にあります。そのためには、職員の声に耳を傾け、気持ちをしっかり受け止める「聴く力」が欠かせません。職員が安心して話せるような雰囲気をつくり、否定せずに受け止めることで、より良い関係性が築けるでしょう。日常的なコミュニケーションの積み重ねが、現場全体の信頼感につながっていきます。
チームを支える協調性と調整力
主任保育士は、チームの中心として職員をまとめ、現場全体がうまく回るようサポートする役割を担っています。そのため、周囲との協調性や意見の調整力が欠かせません。一方的に指示するのではなく、お互いに協力し合える関係を築き、職員全員が生き生きと働ける環境づくりを心掛けましょう。
相談しやすい雰囲気を作る力
職員が悩みや不安を抱えていても、相談しづらい雰囲気では本音を引き出せん。そのため、日頃から相談しやすい雰囲気作りを意識することが重要です。たとえば、柔らかい表情や笑顔で接するだけでも、相談のハードルは下がります。
また、「忙しそうで話しかけにくい」と思われないように、「いつでも声をかけてね」「時間はつくるから大丈夫だよ」と、あらかじめ伝えておくのも良いでしょう。気軽に相談できる雰囲気を作ることで、職員の悩みや不安に早く気づけ、対応しやすくなります。
中長期的な視点で園を考えられる力
主任保育士には、今だけでなく未来の園を見据えて動く力が求められます。日々の保育や業務に追われる中でも、園全体の目標や方向性を意識しながら、1年後や3年後の姿を見据えて判断することが大切です。園の運営方針の見直しや、働きやすい環境づくり、新たな保育方針の導入など、日々の小さな工夫の積み重ねが、園全体の成長につながっていきます。
主任保育士の立場でやってはいけないこと
主任保育士は責任が重く、悩みやプレッシャーを感じることも多いポジションですが、言動ひとつで現場の信頼関係が揺らぐこともあります。下記では、主任保育士として避けるべき行動を紹介します。
自分の考えを押し通す
主任保育士としての責任感から、「こうすべき」「これが正しい」と自分の考えを強く持つことは大切です。しかし、それを一方的に押し通してしまうと、周囲の保育士は意見を言いづらくなり、現場の雰囲気が閉鎖的になってしまいます。
保育にはさまざまなアプローチがあり、何が正解とは言い切れない場面も多々あります。チームでより良い保育を目指すためには、他の職員の意見に耳を傾け、柔軟に対応する姿勢が欠かせません。自分の考えを持ちながらも話し合いを大切にすることが、信頼される主任保育士への第1歩といえるでしょう。
陰口や愚痴ばかり言う
職員の前で陰口や愚痴として口にしてしまうと、現場の雰囲気に悪い影響を与えてしまいます。主任保育士とはいえ、悩んだりストレスを感じたりするのは当然のことです。時には誰かに聞いてほしくなるようなこともあるでしょう。どうしても吐き出したいときは、信頼できる園長や外部の相談窓口を活用し、職場の空気に悪影響を与えない方法を選びましょう。
感情的になって職員に当たる
忙しい日々の中で、思い通りにいかないことが重なると、ついイライラしてしまうこともあるでしょう。しかし、感情のままに言葉をぶつけたり、きつい態度で職員に接してしまうと、築き上げた信頼関係を壊してしまう原因となります。主任保育士は、現場の「安心感」を作る立場です。深呼吸をして気持ちを切り替えるなど、感情の整理方法を日頃から意識しておくと良いでしょう。
他の保育士の成果や努力を評価しない
どれだけ頑張っても、人は努力を認められないとやる気を失ってしまいがちです。主任保育士がほかの職員の努力を見過ごし、評価や感謝の言葉をかけないままでいると、「頑張っても無駄」と感じさせてしまいます。
特別なことでなくても、「ありがとう」「助かったよ」という一言をかけるなど、日々の中で職員の努力を見つけて言葉にすることが、信頼関係を築くうえで大切です。声がけを積み重ねて、チーム全体の力を引き出していきましょう。
主任保育士に向いていない・きついと感じたときの対処法
主任保育士は、保育現場のまとめ役として大きな責任を担う立場です。その業務量やプレッシャーの多さから、「自分には向いていないかも」「きつい」と感じることもあるでしょう。ここでは、主任保育士としての負担を軽減し、前向きに働くための対処法を紹介します。
理想のリーダー像を手放す
主任保育士という肩書きに、完璧なリーダー像を重ねてしまう人は少なくありません。しかし、「何でもこなせなければならない」「すべてを把握していなければならない」と思い詰めることで、自信を失うこともあります。理想を持つことは悪いことではありませんが、それに縛られ過ぎず、目の前の業務を一つひとつ積み重ねることが大切です。
相談できる環境を持つ
主任保育士は、周囲から「しっかりしている」「頼れる存在」として見られがちなため、自分の思いや不安を打ち明けにくい立場にあります。しかし、主任保育士であっても、誰かに相談できる環境は必要不可欠です。園長やほかの職員との定期的な面談の機会を設けたり、信頼できる同僚と気軽に話せる時間を確保したりすることで、主任保育士が抱えるストレスやプレッシャーを軽減し、心に余裕を持つことができます。
オン・オフをしっかり切り替える
意識的にオン・オフを切り替えることで、リフレッシュできる時間を確保しましょう。責任感の強い主任保育士ほど、仕事とプライベートの境目が曖昧になりがちです。休日にも「クラスの様子が気になる」「明日の会議準備が心配」といった心配事を抱えていると、十分な休息が取れず、心身の疲労がたまってしまいます。仕事から離れる時間を設けたり、短時間でも1人でゆっくりできる空間を用意するのがおすすめです。
適切な距離感を保つ
主任保育士は、子ども・保護者・保育士と日常的に関わる立場にありますが、すべての要望に完璧に応えようとすれば心身が疲れてしまいます。ときには「頼られすぎる」「何でも対応しなければ」と感じてしまうこともあるでしょう。そのようなときは、1歩下がって全体を見渡し、自分が担うべき役割と他の職員に任せられる部分を区別することが重要です。過度に抱え込まず、必要な距離感を保つことで心のゆとりが生まれます。
仕事を任せる力を身につける
主任保育士だからといって、すべての業務を自分で抱える必要はありません。周囲の保育士に仕事を振り分けることも、主任の大切な役割の1つです。「自分がやった方が早い」「お願いしても負担になるかも」と感じてしまうかもしれませんが、業務を任せることで保育士の成長にもつながります。うまく役割分担ができれば、現場の雰囲気も自然と良くなっていくでしょう。
転職も前向きに考える
どうしても気持ちが落ち込んだり、自分に向いていないと感じたりしたときは、転職という選択肢を考えることも大切です。同じ主任保育士という立場でも、園によって仕事内容や求められる役割は異なります。もっと自分に合った園に出会える可能性もありますし、一度立ち止まることで、新たな視点や働き方に気づくこともあるでしょう。「逃げ」ではなく、「自分を大切にする選択」として前向きに転職を検討してみてはいかがでしょうか。
最初から完璧な主任保育士はいない
主任保育士に昇進し、立場が変わることで求められる責任や役割も大きくなり、戸惑う場面も多いかもしれません。しかし、最初から完璧にこなせる主任保育士はいません。多くの人が試行錯誤しながら、少しずつ自信と経験を積み重ねていくものです。失敗を繰り返しながら、どう伝えるか、どう動けばいいかを学んでいくことで、徐々に自分らしい主任像が見えてくるでしょう。
「自分は主任に向いていないかも…」と悩むことがあっても、それは成長の過程だと捉えましょう。つまずいたときは、同じ経験をしてきた先輩主任や園長に相談してみるのもおすすめです。また、どうしても職場の人間関係や風土が合わないと感じる場合は、転職を視野に入れるのも1つの選択肢です。
主任保育士に向いていない?よくある質問
ここでは、主任保育士に向いていないと感じたときによくある質問にお答えします。ぜひ参考にしてみてください。
主任保育士の「目標」の具体例は?
主任保育士には、保育の現場を支えるだけでなく、「どのような園にしていきたいか」といった中長期的な視点が求められます。たとえば、「職員同士が気軽に声をかけ合える雰囲気をつくりたい」「新人職員が安心して働き続けられるように毎月フォロー面談を取り入れたい」など、日々の仕事を通して少しずつ実現していく目標があると、チーム全体の方向性も明確になります。小さな取り組みの積み重ねが、園全体の成長にもつながっていくでしょう。
主任保育士はクラス担任も持つの?
一般的に、主任保育士はクラス担任を持たない場合が多い傾向にあります。これは、園全体の保育の質を高める役割を担っているため、園全体を見渡して活動することが求められるからです。しかし、子どもたちと関わる機会がないわけではありません。主任保育士は全クラスや園児の様子に目を配り、必要に応じて保育に入ってサポートしたり、職員への助言や指導を行ったりします。園の規模や人員体制によって、主任保育士がクラス担任を兼任する場合もあります。
主任保育士研修ではどんなことを学ぶの?
主任保育士研修では、園をまとめる立場として必要な知識やスキルを実践的に学びます。たとえば、子どもの育ちに応じた保育計画の立て方や、職員同士が協力しやすいチームづくりのコツ、保護者や地域との関係づくりなど、幅広いテーマに触れることができます。また、自分の課題や関心に合わせて内容を選べる研修も多く、主任としての視野を広げ、現場に役立つヒントを得られる貴重な機会です。
まとめ
主任保育士として働く中で、「この役職に向いていないのでは」と悩むこともあるかもしれません。主任保育士は職員間の調整やチーム運営、保護者対応といった役割があり、責任が重くなるにつれて悩みも増えてきます。保育の現場に集中したいと思っても、事務作業や会議に時間を取られ、「理想とする保育ができない」と感じることもあるでしょう。周りへの気遣いが強い方や、「保育はこうあるべき」という理想を強く持つ方は、困難に直面しやすい傾向にあります。
しかし、そのような思いを抱くのは、子どもたちや職場環境に真摯に向き合っている証でもあります。苦手な部分があっても、自分の得意分野を活かせる環境があれば、より自分らしい働き方を実現できるでしょう。
「子どもたちとじっくり関わりたい」「もっと支え合える職場で働きたい」そのような想いを抱いているなら、自分の働き方を見つめ直すタイミングかもしれません。保育業界に特化した転職エージェント「レバウェル保育士」では、主任保育士としての経験を活かした転職を丁寧にサポートいたします。専任のキャリアアドバイザーが、あなたの気持ちに寄り添いながら、履歴書や職務経歴書の添削、面接対策までしっかりフォロー。「レバウェル保育士」はすべてのサポートが無料なので、少しでも不安や迷いを感じている方は、お気軽にご相談ください。
執筆者

「レバウェル保育士」編集部
保育士・幼稚園教諭専門の転職エージェント「レバウェル保育士」が運営するメディア。現役の保育士とこれから保育士を目指す方に向けて、仕事や転職に役立つ情報をお届けします。記事を通して不安や悩みが少しでも解消する状態を目指し、皆さんのキャリア選択を支援します。