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フリー保育士が疎外感を抱える理由とは?悩みを軽くする考え方と解決策
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フリー保育士の中には、「自分の居場所がない気がする」「担任の輪に入りづらい」と感じている方もいるかもしれません。役割が曖昧だったり情報共有が少なかったりすると、職場での疎外感を抱きやすくなってしまいます。 この記事では、フリー保育士が疎外感を抱く理由や気持ちを和らげる方法を解説します。前向きに働くための考え方やフリーならではのメリットも紹介するので、日々の業務にお役立てください。
目次
フリー保育士が疎外感を抱える理由
フリー保育士は担任を持たずに働くため、職場の中で孤立感や疎外感を抱きやすい傾向があります。ここでは、なぜそのような気持ちになりやすいのか、背景や原因を解説します。
周囲から信頼されていないように感じる
フリー保育士として働いていると、「どうして自分は担任に選ばれなかったのだろう?」と、不安や寂しさを感じる場合があります。後輩が担任を持っているのを目にして、「自分には任せるだけの力がないと思われたのかもしれない」と落ち込むこともあるでしょう。
子どもたちとしっかり関わりたかったという思いがあるほど、そのギャップに戸惑い、モチベーションを保つのが難しくなるかもしれません。
自分の役割が曖昧で居場所がない
フリー保育士の仕事は、急な欠勤者の代わりに入ったり複数のクラスを行き来したりと、決まった持ち場がないのが特徴です。そのため、どのクラスにも深く関われずもどかしさを感じたり、チームの一員として受け入れられていないと感じたりする場合があります。
また、保護者との関わりも限定的になりやすく、子どもの様子を詳しく把握しにくいため、担任との間に温度差を感じることもあるようです。
雑用ばかりで存在意義を見失いそうになる
フリー保育士の中には、保育よりも掃除や片付けといった雑用を多く任され、「自分の存在意義とは何だろう」と悩む人もいます。
もちろん、こうした業務も園の運営には欠かせないものですが、保育のやりがいや楽しさを感じられる場面が少ないと「保育士としての専門性を活かせていない」と感じてしまうでしょう。たらい回しのような扱いによって、「自分の判断や経験は必要とされていないのでは」と不安になることもあります。
フリー保育士が疎外感を和らげる3つの方法
フリー保育士が抱える疎外感は、周囲との関わり方を少し工夫することで軽減できる場合があります。以下に疎外感を和らげる3つの方法を紹介するので、職場での居場所を見つけるヒントにしてみてください。
1.担任と積極的にコミュニケーションを取る
担任とのコミュニケーションは、フリー保育士の疎外感を和らげるうえで重要です。朝の打ち合わせなどを活用し、「今日はどんなサポートが必要ですか?」と具体的に聞いてみましょう。
活動内容はもちろん、保育のねらいや担任の保育観も一緒に尋ねると的確なサポートがしやすくなります。作業をこなすだけでなく担任と同じ目標を持って取り組むことで、一体感が生まれ信頼関係も深まるはずです。
2.上司や主任の先生に遠慮せず相談する
フリー保育士が疎外感を抱えた際は、一人で悩まずに上司や主任へ相談することが大切です。「こんな仕事をしてみたい」「もっと子どもと関わる時間を増やしたい」など、自分の希望を具体的に伝えてみましょう。
また、自分の経験や得意分野を活かせる場面について提案するのもアイデアの1つです。園全体の状況を把握している上司に相談すれば、新しい役割やチャンスが見つかる可能性もあります。
3.行事の役割やクラス配置を明確にしてもらう
フリー保育士は日常の保育だけでなく、行事の際にも疎外感を覚える場合があります。担任と子どもたちが一丸となって準備を進めている様子を見て「自分は輪の中に入れていない」と感じる場合もあるでしょう。そのため、行事に向けた自分の役割をあらかじめ明確にしてもらうことも大切です。
準備期間中に特定のクラスに入って子どもたちと関わる時間を設けてもらったり、自分の得意分野で中心的な役割を担ったりすると、疎外感が軽減されるかもしれません。
疎外感を軽くするフリー保育士の考え方
フリー保育士が疎外感を覚えたときは、役割の意味を見つめ直すことも重要です。少し視点を変えるだけで、仕事への向き合い方や考え方が変わるかもしれません。
担任以外ならではの貢献・やりがいがある
担任を目指している人にとって、フリー保育士の仕事は期待外れに感じるかもしれません。しかし、フリー保育士は担任にはない魅力があります。
フリー保育士は、クラスの垣根を越えて園全体を見渡せる立場です。複数のクラスの子どもたちの成長を見守ったり、異年齢の交流をつなぐ役割を担ったりと、担任とは違ったやりがいを得られます。客観的な立場だからこそ、担任が見落としがちな子どもの様子に気づける場面もあるでしょう。
フリー保育士は臨機応変に動ける人が任される
「担任に選ばれなかったのは能力が足りないから…?」と、疎外感を抱く人もいるかもしれませんが、実際にはそうではありません。フリー保育士には、急な欠勤への対応や予期せぬ出来事への対処など、現場で柔軟に動ける力が求められます。園から信頼されているからこそ、フリーという立場を任されているのです。
フリー保育士は、園全体のバランスを整え、保育の質を支えるために欠かせない存在です。自信と誇りを持って、与えられた役割を果たしていきましょう。
フリー保育士の役割は経験に応じて変わる
フリー保育士に求められる役割は、経験年数やスキルに応じて変わります。新人のうちにフリーの立場を任されるのは、クラスごとの傾向の違いや保育のやり方に触れ、幅広い経験を積んでほしいという園の思いも含まれているでしょう。
周囲と積極的にコミュニケーションを取っていけば、いずれは園全体を支える立場へとステップアップしていけるはずです。自分のペースで少しずつ成長しながら疎外感を軽減していきましょう。
フリー保育士として働くメリット
フリー保育士は、多くの子どもたちと関われるのはもちろん、担任のような大きな責任がない分、心理的な負担を軽減しやすいという特徴があります。ここでは、フリー保育士ならではのメリットを紹介します。
園全体の子どもたちと関われる
フリー保育士のメリットの1つは、園全体の子どもたちと関われる点です。発達段階に応じた関わり方を学べるため、自然と保育の知識や対応力が広がっていきます。
また、特定のクラスに縛られない立場だからこそ、子どもたちと新鮮な気持ちで向き合えたり、身近な存在になりやすかったりする点もフリーならではの魅力です。こうした経験は保育士としての視野や柔軟性を広げる貴重な学びになるでしょう。
多様な保育を見ることで成長できる
幅広い保育スタイルに触れられるのも、フリー保育士ならではのメリットです。フリー保育士として勤務すれば、年齢に応じた声の掛け方や活動の進め方、環境づくりなど、ベテランから若手までそれぞれの担任がどのように保育をしているかを間近で見られます。
ときには「こうはしたくないな」と、反面教師として気づきを得る場面もあるでしょう。そうした経験の積み重ねが、自身の引き出しを増やし、専門性を高めることにつながります。
書類作成にかかる時間を軽減できる
フリー保育士は、担任に比べて書類作成の負担が少ないのが特徴です。連絡帳や保育日誌といった日々の記録に追われにくくなるため、時間にゆとりを持ちやすくなります。
また、保護者会や個人面談の準備も基本的には担任が担当するため、精神的な負担を軽減しやすいでしょう。こうした時間的・心理的な余裕を活かして、研修に参加したり、新しい保育のアイデアを考えたりできるのもフリー保育士ならではのメリットです。
フリー保育士が疎外感でつらい場合は転職も一つの手
フリー保育士として一生懸命働いていても、周りとの距離がなかなか縮まらず、「疎外感が消えない」と感じることもあるかもしれません。配置変更の希望が叶わず、つらさが増してしまう場合もあるでしょう。そのようなときは、「自分のせいだ」と思い詰めずに、転職を視野に入れるのも1つの選択肢です。
保育士の働き方は多岐にわたるため、別の園でクラス担任として働いたり、小規模保育施設や乳児院などを選んだりする道もあります。「自分らしく働ける場所を見つけたい」と考えるのは、決して後ろ向きなことではありません。一人で抱え込まず、信頼できる人や転職エージェントに相談しながら、自分に合った理想の働き方を探しましょう。
疎外感に悩みを抱くフリー保育士によくある質問
ここでは、疎外感に悩みを抱くフリー保育士によくある質問を紹介します。
フリー保育士はベテランでないと難しいですか?
経験が浅くても、謙虚な姿勢と学ぶ意欲があればフリー保育士になることは可能です。若手ならではの純粋な気持ちや新鮮な視点が子どもたちとの関わりに良い影響を与える場合もあるでしょう。この記事の「フリー保育士の役割は経験に応じて変わる」の部分もあわせて参考にしてみてください。
フリー保育士が仕事のモチベーションを保つコツは何ですか?
フリー保育士がモチベーションを保つには、自分に与えられた役割を前向きに捉えることが大切です。フリー保育士には「園全体の子どもたちと関われる」「さまざまな保育スタイルに触れられる」といった担任にはない魅力があります。保育士としての視野や柔軟性を広げるチャンスとして、自身の成長につなげていきましょう。
フリー保育士の仕事内容は職場によって違いますか?
フリー保育士の役割は園の規模や保育方針によって異なります。担当範囲が明確に示されていたり、担任と日頃から連携が取れていたりする園では、安心して仕事に取り組めるでしょう。こうした園はフリー保育士の視点や経験を保育に活かそうとする意識が高いため、戸惑いや疎外感が少ない傾向があります。
まとめ
フリー保育士は担任を持たない立場だからこそ、役割が曖昧になりやすく、疎外感を抱くことも少なくありません。そのようなときは担任と積極的にコミュニケーションを取ったり、上司に相談したりして、状況を改善していきましょう。それでも働きづらさが続く場合は、自分の強みや希望に合った職場を探すのも選択肢の1つです。
保育業界専門の転職支援サービスであるレバウェル保育士では、フリー保育士の悩みや状況に応じた具体的なアドバイスをお伝えします。キャリアアドバイザーがあなたの希望条件に合った求人をご紹介するので、職場選びも安心して行えますよ。自分らしく生き生きと働ける環境を一緒に見つけていきましょう。
執筆者

「レバウェル保育士」編集部
保育士・幼稚園教諭専門の転職エージェント「レバウェル保育士」が運営するメディア。現役の保育士とこれから保育士を目指す方に向けて、仕事や転職に役立つ情報をお届けします。記事を通して不安や悩みが少しでも解消する状態を目指し、皆さんのキャリア選択を支援します。