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保育士と幼稚園教諭の違いは?必要資格・仕事内容・給料を比較
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「保育士と幼稚園教諭の違いは何だろう」と思ったことはありませんか?保育士と幼稚園教諭の主な違いは資格や役割、仕事内容、預かる子どもの年齢などです。 この記事では、保育士と幼稚園教諭の違いを表で比較し、仕事内容や1日のスケジュール、給料などの違いを簡単に解説します。やりがいや大変と感じること、採用面接での違いも紹介しているので、保育士と幼稚園教諭のどちらを選択するか迷っている方は参考にしてください。
目次
保育士と幼稚園教諭の違い
保育士と幼稚園教諭の違いは、簡単にいうと働くために必要な資格や預かる子供の年齢、役割などです。違いを比較すると、以下のようになります。
保育士 | 幼稚園教諭 | |
必要な資格・免許 | 保育士資格 | 幼稚園教諭免許 |
管轄 | 厚生労働省 | 文部科学省 |
預かる子どもの年齢 | 0歳~小学校入学前の6歳 | 満3歳~小学校入学前の6歳 |
目的や役割 | 保育を必要とする子どもを預かり、保護者に代わって身の回りの世話や遊びの提供、成長の援助を行う | 遊びや生活を通して心身の発達を促したり、教育したりして小学校の就学に備える |
勤務できる主な場所 | 保育園 | 幼稚園 |
保育士と幼稚園教諭の違いについて理解を深めるために、詳細を以下で説明するので参考にしてみてください。
働く際に必要な資格・免許の違い
保育士として働くためには、児童福祉法にもとづく国家資格である保育士資格が必要です。保育士資格の主な取得方法は、以下の3つです。
厚生労働省が指定する保育士養成施設(大学や短大、専門学校)を卒業する
保育士養成施設以外の大学や短大、専門学校卒業後に保育士試験に合格する
高校卒業後に児童福祉施設で実務経験2年以上かつ総勤務時間数2,880時間以上積んだ後、保育士試験に合格する
一方、幼稚園教諭に必要な資格は、教育職員免許法にもとづく幼稚園教諭免許です。幼稚園教諭として働くためには、文部科学省が指定する養成施設(大学や短大、専門学校)で、幼稚園教諭免許状の一種・二種・専修のいずれか1つを取得する必要があります。
幼稚園教諭免許状の種類と主な取得方法は、以下のとおりです。
幼稚園教諭 免許状の種類 | 主な取得方法 |
一種免許状 | 大学 |
二種免許状 | 短大・専門学校 |
専修免許状 | 大学院 |
保育士資格と幼稚園教諭免許状は、種類の数が異なります。保育士資格の種類は1つですが、幼稚園教諭免許状の種類は3つです。
管轄の違い
保育士と幼稚園教諭は管轄が異なります。保育士は厚生労働省、幼稚園教諭は文部科学省が管轄を行っており、各省庁が定めた方針に従って勤務します。
子どもの対象年齢の違い
保育士、幼稚園教諭どちらも小学校就学前の6歳までの子どもを預かりますが、受け入れを開始する年齢は保育園は0歳から、幼稚園は満3歳からという違いがあります。
保育園では、0~2歳児クラスを担当する可能性もあるでしょう。認可保育園では、生後57日(生後2ヶ月)から子どもを預けられます。そのため、保育士は赤ちゃんを抱っこしたりミルクを飲ませたりする機会があるかもしれません。
役割・目的の違い
主な役割に関して簡単にいうと、保育士は「保育」、幼稚園教諭は「教育」という違いがあります。保育園は、保育が必要な子どもを保護者に代わって預かる施設です。そのため、保育士の主な役割は、食事や着替えを介助するなど、生活習慣の基礎を教えることが主な仕事です。
一方、幼稚園は小学校や中学校などと同じく、学校教育法にもとづく学校です。そのため、小学校入学に備え、年齢に応じた教育や指導を行うのが幼稚園教諭の主な役割といえます。
勤務できる場所
保育士と幼稚園教諭は、資格が違うので勤務できる場所も異なります。保育士が勤務できる場所は主に保育園です。そのほか、乳児院や児童養護施設などでも働けます。一方で、幼稚園教諭が勤務できる場所は主に公立・私立の幼稚園です。
保育士と幼稚園教諭の仕事内容の違い
預かる子どもの年齢や1日の流れが異なるため、保育士と幼稚園教諭の仕事内容も違います。ここでは、保育士・幼稚園教諭の主な仕事内容を紹介します。保育士・幼稚園教諭ならではの仕事内容を中心に解説するので、参考にしてみてください。
保育士の主な仕事内容
保育士の主な仕事内容は、子どもの食事や排泄の介助、遊びの提供、保護者対応などです。保育園では0〜2歳児の子どもも預かるため、おむつ交換をしたりミルクを飲ませたりする点が、幼稚園教諭と違います。
また、保育園では幼稚園と違い、子どものお昼寝の時間があります。そのため、寝かしつけや定期的に子どもの呼吸・体位、睡眠状態を点検する午睡(ごすい)チェックも保育士の仕事です。また、保育園では0〜2歳児の保育をするため、離乳食から幼児食への移行を介助したり、トイレトレーニングをしたりするのも保育士の仕事です。
幼稚園と比較すると、保育園では子どもを預かる時間が長いのが特徴です。そのため、保育士は子どもの生活全般のサポートが求められるでしょう。
幼稚園教諭の主な仕事内容
幼稚園教諭の主な仕事内容は、遊びや教育などを通して心と身体の発達・成長を促すことです。幼稚園教諭は子ども一人ひとりの個性を理解し、集団の中で生活習慣を身につけさせます。遊びや教育の中で子どもの可能性を引き出すことも重要な仕事です。 幼稚園では独自の教育方針を展開しているケースがあります。幼稚園教諭はカリキュラムに沿って活動を実施し、教育を行います。また、行事やイベント数が多く、規模が大きい幼稚園では、準備や運営の仕事のボリュームも大きくなるでしょう。
保育士と幼稚園教諭の1日のスケジュールを比較
保育園と幼稚園は開園時間が異なるため、保育士と幼稚園教諭のスケジュールも異なります。以下では、一例として保育士と幼稚園教諭の1日のスケジュールを比較しているので、参考にしてみてください。
時間 | 保育士 |
7時 | 早番担当の保育士が出勤・開園の準備 |
7時30分 | 園児が登園、順次受け入れる |
8時 | 園児が登園、順次受け入れる |
9時 | 9時ごろに中番の保育士が出勤 |
10時 | 午前中の活動・遅番の保育士が出勤 |
12時 | 昼食の介助 |
13時 | お昼寝の寝かしつけ、見守り・交代で昼休憩や事務作業 |
14時 | お昼寝の寝かしつけ、見守り・交代で昼休憩や事務作業 |
15時 | おやつの介助 |
16時 | 園児が順次降園・早番の保育士が退勤 |
17時 | 園児が順次降園・中番の保育士が退勤 |
18時 | 延長保育 |
19時 | すべての園児を見送り、遅番の保育士が退勤 |
保育園は開園時間が長いため、保育士は早番・中番・遅番などに分かれシフト制で働くことになるでしょう。保育園では、保護者の都合により延長保育が発生し、残業となる場合もあるようです。
時間 | 幼稚園教諭 |
7時 | ー |
7時30分 | ー |
8時 | 出勤・開園の準備 |
9時 | 園児が登園 |
10時 | 午前中の活動 |
12時 | 昼食のサポート |
13時 | 午後の活動 |
14時 | 園児が降園 |
15時 | 後片付けや清掃・翌日の準備・事務作業 |
16時 | 後片付けや清掃・翌日の準備・事務作業 |
17時 | 退勤 |
18時 | ー |
19時 | ー |
一方、預かり保育(通常の時間外に子どもを預かること)を実施していない幼稚園では、基本的には毎日決まった時間に勤務します。また、一斉に登園・降園するため、基本的には残業も起こりにくいでしょう。
保育士と幼稚園教諭の給料の違い
厚生労働省の「令和6年賃金構造基本統計」によると、保育士のきまって支給する現金給与額は27万7,200円、幼稚園教諭は27万6,600円です。保育士の年間賞与その他特別給与額は74万1,700円、80万8,100円となっています。
保育士の想定される平均年収は406万8,100円、幼稚園教諭は412万7,300円です(年収はきまって支給する現金給与額を12ヶ月かけ、年間賞与その他特別給与額を足したもの)。
なお、保育士と幼稚園教諭の年代別の平均年収は、以下のとおりです。
年齢 | 保育士 | 幼稚園教諭 |
20~24歳 | 335万1,000円 | 328万8,800円 |
25~29歳 | 372万4,200円 | 385万9,300円 |
30~34歳 | 389万7,500円 | 395万3,300円 |
35~39歳 | 430万6,600円 | 413万5,800円 |
40~44歳 | 420万4,200円 | 431万8,800円 |
45~49歳 | 439万1,700円 | 454万6,600円 |
50~54歳 | 435万5,400円 | 456万2,900円 |
55~59歳 | 466万5,100円 | 485万9,600円 |
60~64歳 | 443万9,400円 | 511万7,800円 |
参照:厚生労働省「令和6年賃金構造基本統計」
給料や年収に関しては、勤務先によって大きく異なる場合もあるため、あくまで一例として参考にしてください。
出典
厚生労働省「令和6年賃金構造基本統計」(2025年4月28日)
保育士と幼稚園教諭のメリット・デメリットを比較
保育士・幼稚園教諭の仕事はそれぞれに異なり、メリット・デメリットがあります。
メリット | デメリット | |
保育士 | ・0~6歳児の幅広い年齢の子どもと関わる
・幼稚園教諭に比べると、1人で担当する子どもの人数が少ないことがある ・ベビーシッターや乳児院、発達支援施設などでも資格を活かして働ける | ・開園時間が長い
・休日出勤がある ・事務仕事を行う時間が確保するのが難しい場合も |
幼稚園教諭 | ・基本的に土日祝日は休み
・長期休暇を取得しやすい ・事務作業や行事準備の時間を確保しやすい | ・0~2歳児の乳児には関わらない
・保育士に比べ1人で担当する子どもに人数が多いことがある ・1人で担当すると責任が重くなる |
保育士は、幅広い年齢の子どもを保育するスキルや知識が身につき、ほかの職種や自分自身の子育てにも活かせる可能性があるのはメリットといえます。一方では、開園時間が長いために事務仕事を確保するのが難しい場合もあります。また、休日出勤が発生するケースもあるでしょう。
幼稚園教諭のメリットは、基本的に土日祝日が休みである点です。園児が長期休暇となる夏休みや冬休みなどの期間には、長期休暇を取得しやすいようです。保育園よりも開園時間が短いため、事務作業や行事の準備をする時間も取りやすいといえます。
一方で、0〜2歳児の乳児に対する知識やスキルが身につかない点は、幼稚園教諭のデメリットになることもあります。また、クラス担任になった際には、1人で担当する子どもの人数が多いこともあるため、責任を重く感じる場合もあるでしょう。
保育士と幼稚園教諭のやりがい・大変と感じることの違い
保育士と幼稚園教諭には、それぞれやりがいや大変と感じることが違います。ただし、共通した部分もあるでしょう。ここでは、保育士・幼稚園教諭ならではのやりがい、大変と感じることを紹介します。
保育士のやりがい・大変と感じること
保育士のやりがいは、0歳〜小学校入学前の6歳まで子どもの成長を長く見守れる点です。園児の中には、最大で6年間同じ保育園に通う子どももいます。赤ちゃんのころから保育を行い、年々成長していく姿を見られるのは、保育士として働くやりがいにつながるでしょう。また、保育士は保護者の就業などを理由に保育が必要な子どもを預かるため、社会貢献性が高く必要とされる存在としてやりがいを感じられます。
一方、保育士は長時間労働やシフト制で不規則な勤務時間になる場合があるため、精神的・体力的な負担を感じることもあるでしょう。
幼稚園教諭のやりがい・大変と感じること
幼稚園教諭のやりがいは、教育を通して子どもの発達を促し成長を喜べる点です。音楽や制作、運動などを指導し、できることが増えたときには、子どもや保護者と一緒に成長を喜べるでしょう。
また、幼稚園によっては、保育園に比べ規模が大きい行事やイベントを開催する場合もあります。運動会や発表会などで子どもの頑張る姿や成長を見守るため、幼稚園教諭にとっては達成感につながります。一方で、行事の規模が大きかったり回数が多かったりする分、準備や運営の負担は大きく、大変さを感じることもあるでしょう。
保育士と幼稚園教諭のキャリアアップの違い
ここでは、保育士と幼稚園教諭それぞれのキャリアアップについて紹介します。キャリアアップの流れは園によっても異なりますが、一例として参考にしてみてください。
保育士のキャリアアップ
保育園で働く保育士は、働きぶりや勤続年数が評価されてキャリアアップしていくでしょう。一般的に、保育園で保育士は以下のようにキャリアアップしていくようです。
1.研修期間
2.担任の補助
3.担任
4.副主任
5.主任
6.副園長
7.園長
8.理事長(私立保育園の場合)
公立保育園で働く公務員保育士の場合、園長になる際に昇格試験に合格する必要があります。私立保育園で働く場合も勤続年数や経験、評価などによって役職が決まるでしょう。
厚生労働省の「保育士等(民間)のキャリアアップの仕組み・処遇改善のイメージ」によると、概ね保育士の経験年数が3年を経過すると、キャリアアップ研修を受けられることが多いようです。
キャリアアップ研修は、都道府県などの自治体や指定保育士養成施設などが主催しています。保育現場におけるリーダー的職員の育成を目的としており、乳児・幼児教育や障害児保育 、食育・アレルギー、マネジメントなどの分野を学びます。
出典
厚生労働省「保育士等(民間)のキャリアアップの仕組み・処遇改善のイメージ」(2025年4月28日)
幼稚園教諭のキャリアアップ
幼稚園教諭も保育士と同じく、働きぶりや勤続年数が評価されて担任を任されたり役職がついたりします。幼稚園教諭は、一般的に以下のような流れでキャリアアップしていくでしょう。
1.研修期間
2.担任補助
3.担任
4.副主任
5.主任
6.副園長
7.園長
8.理事長(私立幼稚園の場合)
公立幼稚園の場合は副園長や園長になる際に、昇格試験に合格する必要があります。私立幼稚園においても、昇進について勤続年数や経験、評価などの基準を設けている場合があるでしょう。
保育士と幼稚園教諭の資格取得はどっちが難しい?
保育士資格と幼稚園教諭免許状は、いずれも最短2年で取得可能です。保育士免許は試験のみで取得することも可能ですが、幼稚園教諭免許状を取得するには通学が必須となっています。取得の難易度は一概にいえませんが、得意分野や興味のある分野を選択したほうが、挑戦しやすいでしょう。
保育士資格の取得方法は「保育士資格とは?取得方法や保育士試験の難易度を解説」で、幼稚園教諭の取得方法は「幼稚園の先生になるには?免許状の種類や取得方法、必要なスキルを解説」で詳しく解説しています。保育士や幼稚園教諭を目指している方は、合わせてお読みください。
保育士と幼稚園教諭の資格を両方取れる学校
大学、短大、専門学校のいずれも、条件を満たせば保育士資格と幼稚園教諭免許状の両方を同時に取得できる可能性があります。ただし、大学の場合、社会福祉系の学部では保育士資格、教育系の学部では幼稚園教諭と分かれており、どちらか一方しか取得できないこともあるため注意が必要です。
短大の保育系や幼児教育系の学科では、保育士資格と幼稚園教諭免許状の両方を取得できる場合があります。専門学校の場合は、文部科学省と厚生労働省からそれぞれ保育士・幼稚園教諭の養成施設と指定されている「指定認可校」であれば、同時取得が可能です。
保育士資格と幼稚園教諭免許状を同時に取得するのを目指す場合は、学校や学部の卒業により取得できる資格・免許の詳細を事前に確認しておきましょう。
今後目指すなら保育士と幼稚園教諭どっちがいい?
ここでは、保育士と幼稚園教諭の将来性について解説します。これから目指す方は、保育士と幼稚園教諭どちらを目指すか判断する際の参考にしてみてください。
保育士の将来性
保育士は、共働き世帯の増加により需要が高まっている職業であり、将来性はあるといえるでしょう。厚生労働省の「令和6年版厚生労働白書 図表1-1-3 共働き等世帯数の年次推移」によると、共働きの世帯数は増加傾向にあります。共働き世帯においては、勤務中に子どもを預かってもらう場所が必要となるため、少子化とはいえ保育士の需要がなくなることは考えにくいでしょう。
また、こども家庭庁「公定価格の処遇改善等加算Ⅰ~Ⅲの一本化について」によると、教育や保育の提供に携わる人材の確保と資質の向上を目的として、2013(平成25)年以降、累計23%の給与改善及び別途月額最大4万円の給与改善を進めてきました。また、保育士資格は、保育園以外でも乳児院や発達支援施設などでも活かせるため、活躍できるチャンスは広がるでしょう。
出典
厚生労働省「令和6年版厚生労働白書」(2025年4月30日)
こども家庭庁「第5回子ども・子育て支援等分科会」(2025年4月30日)
幼稚園教諭の将来性
少子化の影響により、幼稚園の数や幼稚園教諭の採用数は減少傾向にあります。しかし、2006(平成18)年に幼稚園と保育園が一体となった認定こども園が設置され、幼稚園教諭の免許状と保育士の資格を両方所有する人材の需要が高まっています。
また、幼稚園教諭の免許状は幼児教室や発達支援施設などでも役立つため、幼稚園以外の場でも活躍できる可能性があります。さらに子どもに関する資格を取得すれば、より専門性が高まり将来的に活躍できるチャンスが広がるでしょう。
保育士と幼稚園教諭、採用面接の違いは?
採用面接では、保育士・幼稚園教諭ならではの質問をされることもあります。ここでは、保育士・幼稚園教諭別に、面接においてよく聞かれる質問を紹介します。志望動機や自己PRなどの基本的なよくある質問にプラスして準備しておくと、面接対策になるでしょう。
保育士の面接ならではの質問
保育士の転職面接では、「なぜ保育園を選んだのか」「何歳児を担当したいか」と質問される可能性があります。質問の意図と回答例を紹介するので、参考にしてみてください。
幼稚園ではなくなぜ保育園なのですか?
保育士の面接では、幼稚園ではなく保育園を選んだ理由を質問されることがあります。質問の意図は、保育士として働く意欲や幼稚園との違いを理解しているかを知るためです。
回答する際は、以下のように幼稚園との違いを理解していることを示したうえで、理由を伝えましょう。下記は回答の一例です。
幼稚園ではなく保育園を選んだ理由は、乳児期から幼児期まで子どもの成長を長い目で見守りたいからです。幼稚園は保育園と比べると関わる子どもの年齢が狭まり、教育という側面が強くなります。一方、保育園では0歳〜小学校入学前まで長い期間子どもと関わりながら、自分自身のスキルを磨いたり、子どもの成長を見守れたりする点に魅力を感じています。また、貴園の家庭的な保育方針に共感し、子どもとじっくり深く関わる保育を大切にしたいと考えています
志望している保育園で勤務したい理由もつけ加えると、説得力が増すでしょう。
何歳児を担当したいですか?
保育園の採用面接では、0歳〜5歳児(4月1日時点で満5歳の子ども)のどのクラスを担当したいか質問される可能性があります。保育園としては、得意や不得意なことを聞き、採用後の配置の参考にする意図があるでしょう。回答する際に率直な希望を伝えて構いませんが、「どのクラスに配置されても頑張る」と意欲も伝えておくことがポイントです。回答の一例を見てみましょう。
前の保育園では、0〜2歳児クラスを担当することが多く、貴園でも知識や経験を活かせると考えています。そのため、0〜2歳児クラスの担当を希望しますが、3歳児クラス以上を担当すれば新たな経験やスキルも磨けると考えているため、希望が叶わなくても前向きに取り組みたいと考えています
希望を聞かれた際は、明確に回答したうえで、柔軟な考えができる点もアピールすると好印象につながるでしょう。
幼稚園教諭の面接でよくある質問
幼稚園教諭の面接においても、保育園ではなく幼稚園を選んだ理由を聞かれる可能性があります。また、幼児教育の知識やスキルを問われることもあるため、これまでの経験を振り返っておくことが大事です。
保育園ではなくなぜ幼稚園なのですか?
前述した保育士と同じく、幼稚園教諭として働く熱意や意欲を知るために、保育園ではなく幼稚園を選んだ理由を聞かれることがあります。回答する際は、以下のように保育園との違いを理解していることを示したうえで、意欲や熱意を伝えましょう。解答の一例を紹介します。
幼稚園を選んだ理由は、音楽や制作などを通した幼児教育に力を入れたいと考えたからです。保育園に比べると、幼稚園では主に教育に携われるため、得意なピアノや制作のスキルを活かして子どもたちの成長をサポートしていきたいと考えています。また、貴園ではリトミックのプログラムも実施していると知り、ピアノのスキルを活かして貢献したいと思っています
志望する幼稚園で実現したいこと、貢献したいことも付け加えると意欲が伝わりやすくなるでしょう。
幼児教育の知識・スキルの身につけ方は?
幼児教育の方法やトレンドは変化することもあるため、知識やスキルの身につけ方を質問されることもあります。幼稚園としては、変化に対して柔軟な考え方ができるか、スキルアップに取り組んでいるかといったことを知るための意図があるでしょう。
前の幼稚園で働いていた際は、幼児教育に関する研修を受けたり、専門誌を読んだりしてトレンド情報を収集していました。また、インターネットでほかの幼稚園教諭のスキルを学んだり、先輩に相談したりして知識を身につけることを意識してきました
トレンドや新しい知識、スキルの身につけ方に加えて、前向きにスキルアップに取り組む姿勢もアピールすると好印象につながるでしょう。
保育士と幼稚園教諭の違いについてよくある質問
ここでは、保育士と幼稚園教諭の違いについてよくある質問に、Q&A形式で答えます。
保育士・幼稚園教諭の違いを簡単にいうと?
保育士と幼稚園教諭の主な違いは、働く際に必要な資格や預かる子どもの年齢、役割などです。保育士として働くには、厚生労働省が管轄する保育士資格が必要です。一方、幼稚園教諭として勤務するには、文部科学省が管轄する幼稚園教諭免許状が必要となります。保育士資格は児童福祉法にもとづく国家資格であり、幼稚園教諭免許状は、教育職員免許法にもとづく教員免許状という違いがあります。また、保育士は、保護者に代わって子どもの保育を行うのが主な役割です。幼稚園教諭の主な役割は、遊びや生活を通して教育を行うことです。
保育士・幼稚園教諭の経験を活かせる仕事は?
保育園や幼稚園以外でいうと、ベビーシッターや学童保育、児童館、母子生活支援施設などで経験が活かせるでしょう。ほかにも、子どもの遊び場を提供する施設や子ども服・おもちゃのメーカーや販売店、幼児教室といった場でも経験を活かせる可能性があります。
保育士・幼稚園教諭と保育教諭の違いは何ですか?
保育教諭は保育士資格と幼稚園教諭免許状の両方を持ち、認定こども園で勤務する先生のことで、保育と教育を行います。保育士と幼稚園教諭の特徴や違いは「保育士と幼稚園教諭の違い」を参考にしてください。
まとめ
保育士と幼稚園教諭の違いは、働く際に必要な資格や役割、預かる子どもの年齢、管轄、勤務できる場所などです。保育士として働くためには、児童福祉法にもとづく国家資格が必要です。一方、幼稚園教諭免許は、教育職員免許法にもとづく教員免許が必要となります。 保育園は、保護者に代わって子どもを預かる施設であるため、保育士の主な役割は基本的な生活習慣を教える保育です。一方、幼稚園は学校教育法にもとづく学校であるため、幼稚園の主な役割は生活や遊びを通した教育となります。
預かる子どもの年齢も異なり、保育園は0歳、幼稚園では満3歳からと違います。保育士と幼稚園教諭は仕事内容も違います。保育士と幼稚園教諭のどちらを目指すか迷っている場合は、役割や仕事内容を理解したうえで検討してみましょう。
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執筆者

「レバウェル保育士」編集部
保育士・幼稚園教諭専門の転職エージェント「レバウェル保育士」が運営するメディア。現役の保育士とこれから保育士を目指す方に向けて、仕事や転職に役立つ情報をお届けします。記事を通して不安や悩みが少しでも解消する状態を目指し、皆さんのキャリア選択を支援します。