保育の仕事

最終更新日:

保育士に必要な能力とは?適性や資質、スキルアップする方法を解説

  • #保育士
紙芝居をする保育士のイメージ

「保育士に必要な能力を知りたい」という方もいるのではないでしょうか。保育士は子どもの成長を支えるという大切な役割を担うため、柔軟な対応力や体力、責任感など幅広い能力が求められます。 この記事では、保育士に必要な適性や資質を紹介します。保育士に必要な実践的なスキルや能力を上げる方法も解説するので、ぜひチェックしてください。

この記事を書いた人

A

「レバウェル保育士」編集部

保育士のお仕事探しならレバウェル保育士 登録する バナー

保育士に必要な能力とは

保育士には、子どもの成長を支えるための能力が求められます。保育士は、子どもの発達を理解して一人ひとりに寄り添う力のほかにも、同僚や保護者と円滑に連携するスキルが欠かせません。

また、保育士には予測不能なトラブルに対応する力や子どもの安全を守る管理能力も求められます。これらの能力をバランスよく身につけると、子どもが安心できる環境を整えられるでしょう。

保育士に必要な適性や資質

保育士には、どのような適性や資質が必要なのでしょうか。ここでは、保育士に必要な適性や資質を解説します。

柔軟な対応力

保育現場では、予想外の出来事が起こることも珍しくありません。保育士は子ども同士のトラブルや体調の変化など、さまざまな状況に対応する必要があります。そのため、保育士には状況に応じて柔軟に対応できる力が求められるでしょう。

また、子どもの成長は個々で異なるため、保育士は一人ひとりに合わせて臨機応変に対応することが大切です。保育士はマニュアルどおりの対応だけでなく、その時々の状況を見極めながら最適な行動をとる必要があります。

タフな精神力

保育士は、肉体的にも精神的にも負担がかかりやすい仕事です。子どもは感情の起伏が激しく、突然泣いたり、癇癪を起こしたりすることもあります。保育士の業務は子どもの対応だけでなく、多岐にわたり忙しいために思い通りに進まない場面もあるかもしれません。同僚や保護者と関わる中で、人間関係にストレスを感じることもあるでしょう。

そのような中でも、保育士は子どもに安心感を与えられる落ち着いた対応が求められます。保育士には、業務で上手くいかないことがあっても気持ちを切り替え、前向きに取り組める精神的なタフさが必要です。ストレスを上手に発散し、心身ともに健康な状態を保つのも、保育士として働く大切なポイントになるでしょう。

ちょっとした変化に気づく観察力

子どもは日々成長し、変化しています。そのため、保育士には子どものちょっとした変化を敏感に察知する観察力が必要です。たとえば、「普段元気な子が静かにしている」「食欲がない」といった変化に保育士が気づくと、子どもの体調不良や心の悩みを早期に発見できます。

また、保育士は子ども同士の関係性の変化にも目を向け、トラブルが起こる前に適切なサポートをする必要があります。常に子どもを観察し続けて安全を守ると、信頼関係を築けるでしょう

問題を適切に解決できる力

保育の現場では、保育士間の連係ミスや保護者からのクレームなど、さまざまな問題が発生する可能性があります。その際には、保育士は的確に状況を判断し、冷静に対処する力が求められます。問題を解決するためには、感情的にならずに事実を整理し、原因を突き止めることが大切です。

保育士の間で連係ミスが起きた場合には、誰かに責任を追及するのではなく、原因を冷静に分析して今後の対策を考えましょう。
また、保護者からクレームを受けた場合は、すぐに否定や言い訳をするのではなく、相手の話に耳を傾けるのが重要です。そのうえで、事実関係を確認して誤解があれば丁寧に説明し、必要に応じて改善策を考える必要があります。

問題を解決する力は、単にその場を乗り切るためではなく、子どもたちや保護者、保育士との信頼関係の構築に繋がるものです。そのため、保育の現場では論理的な思考を身につけ、状況に応じた判断ができる必要があります。

保育を行う体力

保育士は子どもを抱っこしたり、外遊びで走り回ったりする場面もあるため、一定の体力が必要です。ほかにも、子どものおむつ替えや食事の介助、行事の練習など体を動かす場面が多くあります。保育士は長時間の立ち仕事や休憩時間が十分にとれない場合もあり、日ごろの体調管理が重要です。保育士に体力がなければ、集中力が低下し、子どもの安全を守ることが難しくなるかもしれません。きちんと睡眠をとるなど健康的な生活を心がけ、日頃からしっかりと体調を管理するようにしましょう。

責任感を持って業務を遂行する力

保育士には、子どもの命を預かるという大きな役割があります。わずかな気の緩みが大きな事故につながる可能性もあるため、業務中は常に気が抜けません。保育士は日々の業務を丁寧に行い、1つひとつの仕事に責任を持って取り組む姿勢が必要です。

運動会や発表会などの行事では、保育士は子どもたちが安心して参加できるよう、企画から練習、本番まで計画的に進めていくことが重要です。行事当日にスムーズに進行するためには、職員同士で連携し、自分の役割を果たす必要があるでしょう。保育士の準備が不十分だったり、臨機応変に対応できなかったりすると、子どもたちの安全にも影響する可能性があります。どのような業務も妥協せず、細部まで気を配りながら任務を遂行することが大切です。

学び続ける向上心

保育の在り方は、時代とともに変化します。そのため、保育士は常に学び続ける姿勢が必要です。保育士は新しい保育方法を学ぶと、子どもや保護者のニーズに柔軟に対応できるでしょう。

また、保育士は勉強会や研修を通じて自分のスキルを高めることが大切です。「今のやり方で十分」と考えず、より良い保育を目指す向上心を持つと、保育士として成長し続けられるでしょう。

保育士に必要な3つのコミュニケーション能力

保育現場では、保育士・子ども・保護者との円滑なコミュニケーションが不可欠です。ここでは、保育士に必要な3つのコミュニケーション能力をまとめました。

1.子どもとのコミュニケーション力

保育士が子どもと関わる際には、言葉だけでなく、表情や仕草を使ったコミュニケーションが大切です。保育園には自分の気持ちをまだ言葉で表現できない子もいるため、保育士は子どもの表情や行動から意図を汲みとる力が求められます

また、保育士は子どもが安心して話せる環境を作るため、否定せず気持ちを受け止める姿勢も重要です。子どもたちは保育士に「自分の話を聞いてもらえる」「受け止めてもらえる」と感じると、話すことに自信を持ち、自己表現力を高められるでしょう。

2.保護者とのコミュニケーション力

保育士が保護者と信頼関係を築くためには、日々の会話が欠かせません。保育士は子どもの成長や園での様子を丁寧に伝えると、保護者に安心感を与えられ、信頼を深められるでしょう。保育士が保護者から相談を受けた際にはアドバイスするだけでなく、保護者の気持ちに寄り添うのがポイントです。保育士は保護者の考えを尊重しつつ、専門的な視点から適切なアドバイスを伝えると、良好な関係を築けます。

3.職員同士のコミュニケーション力

保育の現場では、保育士同士のチームワークが重要です。保育士同士で情報を共有し、意見を交換すると、より良い保育を実現できるでしょう。そのためには、保育士同士で報告・連絡・相談を行い、円滑な関係を築くことが大切です。

ほかの保育士と意見の違いがある場合も、お互いの意見を尊重しながら話し合う姿勢が求められます。保育士が協力し合える関係を作ると、子どもたちにとっても安心できる環境を整えられるでしょう。

保育士に必要となる実践的なスキル

保育士として仕事を円滑に進めるためには、実践的なスキルが必要です。保育士は、子どもとの遊びのスキルや行事を運営する力、パソコンを使った事務作業のスキルも重要でしょう。ここでは、保育士に必要となる実践的なスキルを解説します。

遊びや制作のスキル

保育園の子どもたちは遊びや制作活動を通して、成長していきます。そのため、保育士は子どもの年齢や発達段階に応じた遊びや制作活動を提供する力が必要です。たとえば、簡単な手遊びや歌遊びを取り入れると、子どもたちの興味を引きつけながら学べる環境を作れるでしょう。

制作活動では、身近な材料を活かして子どもの想像力を刺激するのがポイントです。保育士は折り紙や紙コップを使った工作など、子どもの年齢に合った制作を考え、手先の発達を促す活動を取り入れることが求められるでしょう。

行事運営のスキル

保育園では、年間を通じて運動会や発表会などのさまざまな行事が行われます。保育園の行事の運営には、計画性と実行力が必要です。保育士は行事の目的を明確にし、子どもたちの成長に繋がる内容を考えることが大切になります。そのうえで、スケジュール管理や職員間の役割分担をしっかり行い、円滑に準備を進めていくことが重要です。また、保育士は保護者向けに行事のお知らせや案内を作成して当日の流れを共有することで、保護者もスムーズに行事に参加できます。保育園の行事は子どもたちや保護者にとって特別な経験となるため、保育士は細部まで配慮しながら計画を進める力が求められるでしょう。

パソコン・文章作成スキル

保育士の仕事には、日誌の記入やお便りの作成、行事の計画書などの文章を作成する業務があります。これらの業務をスムーズに進めるには、基本的なパソコンスキルが必要です。WordやExcelを使った書類作成や簡単な表の作成、レイアウトの調整ができると業務の効率が向上するでしょう

また、保育士が文章を書く際には、伝わりやすさを意識するのがポイントです。保護者向けのお便りでは、難しい表現を避け、簡潔で分かりやすい言葉で説明する力が求められます。限られた時間の中で、正確かつ見やすいお便りや資料などを作成する力がある保育士は、業務の負担を軽減しやすいでしょう。

保育士に必要な能力が自分にあるか確認する方法

保育士として働くうえで必要な能力が自分に備わっているのか気になる方もいるでしょう。ここでは、自分に保育士に必要な能力があるか確かめる方法を解説します。

自己分析をする

自分に保育士に必要な能力があるかどうかを確認するには、自分自身の強みや課題を理解することが大切です。保育士に必要なスキルには、子どもとの関わり方や保護者対応、チームワークなどの幅広い要素があります。これらのスキルに対して、自分がどの程度できているかを振り返ると、自分に備わっている能力や成長すべきポイントが見えてくるでしょう。

自分の経験を振り返り、「子どもが安心して過ごせる環境を作れていたか」や「保護者の相談に適切に対応できていたか」など、具体的なエピソードを思い出しながら分析します。
また、業務の中で自信を持てる部分と不安を感じる部分を、リストアップするのも効果的です。自己分析を定期的に行うと、保育士として必要な能力が身についているかを確認でき、成長し続けられるでしょう。

他者からのフィードバックを受ける

保育士が自己分析だけでは気づけない点を把握するには、他者からのフィードバックが有効です。同僚の保育士や先輩からの意見を積極的に聞くと、自分の強みや改善点が明確になります。先輩から「積極的にほかの保育士とも協力した方が良い」という指摘があった場合は、自身の改善点のヒントになるでしょう。他者からのフィードバックを受ける際は、もらった意見を素直に受け止めることが大切です。

また、保護者からもらった言葉を参考にするのも効果的です。たとえば、保育士が保護者から「落ち着いて話を聞いてくれるので安心できる」といった評価を受ければ、それが自分の強みになるでしょう。

保育士に必要な能力を上げる方法

保育士に必要な能力を向上させるためには、保育経験を積むほかに、研修の受講や資格を取得する方法があります。ここでは、保育士に必要な能力を上げる方法を解説します。

前向きに取り組み、経験を積む

保育士の仕事は、子どもと向き合う中で日々新しい学びがあります。保育士は経験を積むと、臨機応変な対応力や子ども一人ひとりに合った接し方を身につけられるでしょう。保育士は子ども同士の喧嘩やトラブルが起きた場合など、最初のうちは戸惑うことがあっても、対応を重ねるうちに適切な声かけをして冷静に仲裁できるようになります。

また、行事の企画や準備、保護者の対応なども徐々に業務の流れを理解でき、スムーズに進められるようになるでしょう。失敗を恐れず、前向きな姿勢で仕事に取り組むと、保育士に必要な能力を身につけられるといえます。

研修や勉強でスキルアップを図る

保育士に必要な能力を磨くには、研修や勉強会を通じて新たな知識や技術を習得することが重要です。園内で研修や勉強会が実施される場合には、積極的に参加するのがおすすめです。園ごとに研修の内容は異なりますが、保育の質を向上させるのを目的としたものが一般的です。保育士は研修に参加することで、同僚と学びを共有しながら実践に活かせるでしょう。

また、「保育士等キャリアアップ研修」を活用するのも効果的といえます。「保育士等キャリアアップ研修」は、保育士の処遇改善と専門性の向上を高めるための制度です。こども家庭庁の「保育士等キャリアアップ研修ガイドラインの概要新規タブリンク」によると、研修内容と対象者は以下のとおりです。

研修分野 対象となる保育士
専門分野別研修(全6分野)

※乳児保育、幼児教育、障害児保育、食育・アレルギー対応,、保育衛生・安全対策、保護者支援・子育て支援

保育所や保育現場などで各専門分野に関してリーダー的な役割を担う者
マネジメント研修 各分野におけるリーダー的な役割を担う者としての経験があり、 主任保育士の下でミドルリーダーの役割を担う者
保育実践研修 保育所や保育現場などで実習経験の少ない者や長期間保育を行っていない者

「保育士等キャリアアップ研修」の必要な研修を修了し要件を満たした保育士は、役職に就ける可能性もあります。保育士は学び続ける姿勢を持ち、積極的に保育の知識やスキルを吸収すると、より専門性の高い保育士へと成長できるでしょう。

出典

こども家庭庁「保育士等キャリアアップ研修ガイドラインの概要新規タブリンク」(2025年5月28日)

保育に役立つ資格を取得する

保育士は保育に関する資格を取得すると、専門的な知識を深められます。保育に役立つ3つの資格は下記のとおりです。

資格名 学べる内容
絵本専門士
  • 絵本に関する知識・技能・感性を備えた専門家を育成する資格
  • 絵本の歴史や子どもの心理、読み聞かせの技術を学ぶ
チャイルドコーチング
  • 子どもの自己肯定感や主体性を育むためのコミュニケーション技術を学ぶ資格
  • 子どもの能力を伸ばす関わり方を学ぶ
運動あそび実践アシスタント
  • 子どもに運動遊びを提供するスキルを学ぶ資格
  • 保育園での活動に役立つ運動を習得できる
子育て脳機能アドバイザー
  • 脳科学に基づいたプログラムを通じて子どもの健全な発育をサポートする資格
  • 子どもの脳機能に関する知識を学ぶ

参照:独立行政法人 国立青少年教育振興機構「絵本専門士新規タブリンク」、日本能力開発推進協会「チャイルドコーチングアドバイザー資格新規タブリンク」、NPO法人運動保育士会「運動保育士資格認定新規タブリンク

保育士が保育に役立つ資格を取得すると、専門性を高め、子どもたちにより良い保育を提供できます。自身のキャリアプランや興味に合わせて、取得する資格を選択するのが効果的でしょう。

出典

独立行政法人 国立青少年教育振興機構「絵本専門士新規タブリンク」(2025年5月28日)
日本能力開発推進協会「チャイルドコーチングアドバイザー資格 新規タブリンク」(2025年5月28日)
NPO法人運動保育士会「運動保育士資格認定新規タブリンク」(2025年5月28日)

保育士に必要な能力に関してよくある質問

ここでは、保育士に必要な能力に関してよくある質問に、Q&A形式で回答します。

保育士にとって大切なことは何?

保育士にとって大切なのは、子ども一人ひとりを尊重し、安心できる環境を提供することです。そのためには、子どもの気持ちに寄り添う共感力や成長を見守る忍耐力が欠かせません。また、保育士は保護者の悩みや不安に耳を傾け、適切にアドバイスを行い、家庭と園の連携を深めることも重要です。詳しくは本記事の「保育士に必要な適性や資質」をご覧ください。

面接で「保育士に必要な力」を聞かれることはある?

面接で「保育士に必要な力」に関して質問される可能性はあります。これは、応募者の保育観を確認するための質問です。面接では、「保育士にとって大切な資質は何だと思いますか」というような形で尋ねられる傾向にあります。回答する際には、「子どもとしっかり向き合う力」や「責任感を持って業務を遂行する意識」など、自分の経験を交えながら具体的に説明するのがポイントです。

保育士として職場に求められる人材とは?

保育士として職場に求められる人材は、子どもたちと真摯に向き合い、責任感を持って業務に取り組める人です。保育士は子どもたちと過ごす時間が長いため、寄り添いながら関わる必要があります。
子どもの行動は予測が難しく、ときには思うように進まないこともありますが、保育士はそのような状況でも子どもに愛情を持って接する姿勢が大切です。自分が保育士として求められる人材に当てはまるかどうかを確認したい場合は、本記事の「保育士に必要な能力が自分にあるか確認する方法」を参考にしてください

まとめ

保育士に必要な能力は、柔軟な対応力や観察力、問題解決能力など多岐にわたります。子どもだけでなく、保育士同士や保護者との円滑なコミュニケーション力も欠かせません。
また、保育士には制作や行事運営、パソコンスキルなどの実践的なスキルも必要です。自己分析を行ったり、他者からフィードバックを受けたりすると、自分に必要な能力があるかどうかを確認できるでしょう。

保育士が必要な能力を上げるには、経験を積んだり、研修を受けたりする方法が効果的といえるでしょう。現在の職場でスキルアップするのが難しいと感じる保育士は、研修制度が充実している園に転職するのも1つの手です。

レバウェル保育士」ならば、研修制度が整った園の求人を紹介できるため、自分の強みを伸ばしたり、足りていない能力を身につけることが可能です。「レバウェル保育士」は入職後のアンケートから現場の声をお届けするので、リアルな情報を入手できます。

ほかにも、条件ヒアリングから模擬面接まで、あなたの転職をトータルでサポートするので、安心です。求人情報はLINEやメールでお届けするため、自分のペースで転職活動を進められます。「今は転職するかわからないけど、とりあえず求人を見たい」という方も、お気軽にご登録ください。

執筆者

A

「レバウェル保育士」編集部

保育士・幼稚園教諭専門の転職エージェント「レバウェル保育士」が運営するメディア。現役の保育士とこれから保育士を目指す方に向けて、仕事や転職に役立つ情報をお届けします。記事を通して不安や悩みが少しでも解消する状態を目指し、皆さんのキャリア選択を支援します。

この記事をシェアする

  • Facebookでシェアする
  • Xでポストする
  • LINEで送る
  • はてなブックマークでブックマークする

保育士・幼稚園教諭の転職なら

レバウェル保育士
  • 非公開
    求人あり

  • LINEで
    気軽に相談

  • 面接対策
    ・条件交渉

転職サポートを受けてみる