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保育士の退職金はいくら支給される?公立・私立保育園別の条件や計算方法

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退職金と書かれた箱の画像

保育士の退職金や支給条件、相場が気になる方も多いのではないでしょうか。退職金制度や支給条件は、公立保育園と私立保育園で異なります。この記事では、公立・私立保育園別に退職金制度や支給条件、計算方法を解説します。退職金のシミュレーション例や退職金のある求人を探す方法も紹介するので、ぜひ参考にしてください。

この記事を書いた人

A

「レバウェル保育士」編集部

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保育士の退職金が支給される条件

保育士の退職金は、公立保育園か私立保育園かによって支給条件が異なります。ここでは、公立保育園と私立保育園の退職金支給条件について解説します。

公立保育園で退職金が支給される条件

公立保育園の公務員保育士は、地方公務員の退職金手当制度によって支給条件が決まっています。総務省の「地方公務員の退職手当制度について (p.2)新規タブリンク」によると、支給条件は勤続1年以上です。ただし、地方公務員の退職手当は各地方自治体の条例により定められているため、支給条件が異なる場合もあります。自身の自治体の支給条件を確認しましょう。

出典

総務省「地方公務員の退職手当制度について新規タブリンク」(2025年4月23日)

私立保育園で退職金が支給される条件

私立保育園に勤務する場合、退職金制度は法律で義務として定められていないため、退職金がないこともあります。保育園によって異なりますが、一般的には3年以上勤務すると退職金が支給されることが多いようです。退職金の有無については、求人情報や就業規則に記載があるため、事前に確認してみましょう。

保育士の退職金をシミュレーション・計算する方法

保育士の退職金は、就業規則や保育園が加入している退職金共済の規定をもとにシミュレーションできます。ここでは、公立保育園と私立保育園に分けて、退職金の計算方法について紹介するのでシミュレーションをしてみましょう。

公立保育園の場合

総務省の「地方公務員の退職手当制度について (p.2)新規タブリンク」によると、公立保育園で働く公務員保育士の退職金は、国家公務員の制度に準じることと定められています。

計算方法は以下のとおりで、基本額と調整額を足したものが退職金です。

基本額 退職日給料月額×退職理由別・勤続年数別支給率
調整額 調整月額のうちその額が多いものから60月分の額を合計した額
退職手当額 基本額+調整額

調整額とは、職務の内容や責任、在職期間中の貢献度が反映された加算のことです。退職理由別・勤続年数別支給率は、「自己都合」「定年・勧奨」「整理退職」いずれかの退職理由と勤続年数によって決まります。

出典

総務省「地方公務員の退職手当制度について新規タブリンク」(2025年4月23日)

社会福祉法人が運営する私立保育園の場合

社会福祉法人が運営する私立保育園では、独立行政法人福祉医療機構の退職手当共済制度に加入している場合があります。該当する場合は、独立行政法人福祉医療機構の「退職手当金計算シミュレーション新規タブリンク」で退職金のシミュレーションを行うことが可能です。

以下では、独立行政法人福祉医療機構の退職手当共済制度に加入している場合を例として、勤続年数別の退職金支給額を紹介します。

勤続年数 計算基礎額 退職金
5年 23万7,200円 61万3,350円
10年 26万4,400円 130万5,000円
20年 30万4,000円 613万3,500円

シミュレーションで利用する計算基礎額(退職前6ヶ月の平均本俸月額)は、職業情報提供サイト(job tag)「保育士新規タブリンクの経験年数別の所定内給与額から算出し、退職年月は「2025年3月」、加入年月は勤続年数から逆算した年月を入力しました。退職理由は「普通退職」を想定して計算しています。ただし、上記の退職金支給額はあくまでシミュレーションとなっており、実際の支給額とは異なる場合もあるため、参考程度に留めてください。

出典

独立行政法人福祉医療機構「退職手当共済事業新規タブリンク」(2025年4月25日)
職業情報提供サイト(job tag)「保育士新規タブリンク」(2025年4月25日)

株式会社が運営する私立保育園の場合

株式会社が運営している私立保育園は、退職手当共済制度に加入している場合と、独自の計算方法を適用しているケースがあります。シミュレーションをする場合は、加入している共済制度や就業規則を確認しましょう。計算方法や早見表があり、シミュレーションできる場合もあります。

なお、雇用形態によって退職金支給の有無や条件が異なる場合もあるため、詳細について確認しておくと良いでしょう。

保育士の退職金 相場・平均はいくら?

ここでは、公立保育園の退職金平均支給額を紹介します。退職金は勤続年数や在職中の貢献度が反映されることもあるため、平均支給額はあくまで参考程度にとどめてください。

公立保育園の退職金平均支給額

総務省の「令和5年地方公務員給与実態調査 5)退職手当の支給状況 (p11)新規タブリンク」によると、公務員保育士も含めた全退職者の全国平均支給額は、880万1,000円25年以上勤続した定年退職者の全国平均支給額は2,174万7,000円となっています。

出典

総務省「令和5年地方公務員給与実態調査新規タブリンク」(2025年4月24日)

保育士の退職金が支払われる時期

東京都例規集の「職員の退職手当に関する条例新規タブリンク」を例にすると、公務員保育士の退職金は退職日から1ヶ月以内に支払われることになっています。自治体によって規定が異なる場合もありますが、一般的に公務員保育士の退職金は1ヶ月を目安として支給されることが多いです。

また、私立保育園で働く場合は、加入している退職金共済制度の規定や就業規則に支給日が記載されています。一般的には、退職日から1〜3ヶ月ほどで退職金が支給されるでしょう

出典

東京都例規集「職員の退職手当に関する条例新規タブリンク」(2025年4月24日)

勤務する保育園の退職金制度をチェックする方法

ここでは、保育士が勤務している保育園の退職金の有無や支給条件、支給額などを確認する方法を紹介します。退職のタイミングによっては、退職金支給額に大きく影響することもあるため、勤務先の退職金制度についてあらかじめ確認しておきましょう。

公立保育園勤務の場合

公立保育園に勤務している公務員保育士の方は、自治体の条例で退職金制度について確認することができます。地方公務員の退職金制度については、各自治体の条例で定められています。条例に関しては、各自治体のホームページで確認してみてください。

私立保育園勤務の場合

私立保育園に勤務する保育士の方は、就業規則で退職金の有無や制度の内容を確認しましょう。なお、勤務先が外部の退職金共済制度に加入している場合は、加入先のホームページに制度内容や支給額が掲載されている場合もあります。退職金の有無は、入社時にサインする契約書に記載されていることもあるでしょう。

退職金制度がある保育士求人を探す3つの方法

私立保育園の中には、退職金制度自体がない場合もあります。退職金制度があると転職や定年退職する際に金銭面での不安を減らせるため、これから保育士求人を探す方は条件に入れるか検討しましょう。ここでは、退職金制度がある保育士求人を探す3つの方法を紹介するので、参考にしてみてください。

求人サイトで「退職金あり」の条件に絞る

求人サイトによっては、「退職金あり」の条件に絞って検索できます。また、退職金の有無を掲載している求人もあるため、記載がないか確認してみるのがおすすめです。ただし、退職金の有無を重視しすぎると選べる求人が絞られてしまう可能性もあります。希望条件の優先順位を決めたうえで検討しましょう。

保育系の転職エージェントを利用する

転職エージェントでは、「退職金制度あり」という希望条件に合わせて求人を紹介してもらえます。転職エージェントならば、退職共済に加入している社会福祉法人の求人を探しやすいのでおすすめです。保育系の転職エージェントであれば、業界に特化したプロから求人探しのアドバイスをもらえるでしょう。

保育業界専門の転職支援サービス「レバウェル保育士」では、退職金がある求人に絞って検索できます。また、プロのアドバイザーが希望条件をヒアリングし、あなたに合った求人を紹介しますので、ぜひお気軽にご相談ください。

保育士の退職金に関するよくある質問

ここでは、保育士の退職金についてよくある質問に、Q&A形式で答えます。退職金の早見表や支給の流れについて参考にしてみてください。

保育士の退職金は2種類支給される?

社会福祉法人の保育園で勤務する保育士は、社会福祉施設職員等退職手当共済と都道府県社会福祉協議会等の退職手当制度に加入していれば、2種類の退職金が支給されます。ちなみに東京都福祉局「都内社会福祉法人の退職手当制度の加入状況 (令和5年4月1日時点)新規タブリンク」によると、 都内にある1053の社会福祉法人では、660の法人(63%)が都道府県社会福祉協議会等の退職手当制度に加入しています。

出典

東京都福祉局「都内社会福祉法人の退職手当制度の加入状況新規タブリンク」(2025年4月25日)

保育士の退職金に関する早見表はある?

保育園独自の退職金制度を設けている場合は、就業規則に支給額に関する早見表が掲載されている可能性があります。勤務先の保育園が外部の退職金共済制度に加入している場合は、加入先のホームページに早見表が掲載されていることもあるため、確認してみましょう。

企業主導型保育園はどのように退職金が支給されますか?

企業主導型保育園の場合、一般的に保育士も企業の社員という扱いになり、社員向けの退職金制度の対象となります。退職金制度の有無や支給条件は、運営元の企業により異なるため、入社時の契約書や就業規則を確認してみましょう。

まとめ

私立保育園の場合、退職金制度は法律で義務付けられていないため、退職金の有無や支給条件、支給額は職場によって異なります。退職金の支給条件や支給額、計算方法などは、加入している退職金共済制度や就業規則などで確認しましょう。

一方で、公立保育園に勤務する公務員保育士の場合、退職金制度は各地方自治体の条例により定められているため、条件を満たせば支給されます。公立保育園に勤務する公務員保育士の場合は、各自治体の条例で確認できます。

保育士資格を活かして就職・転職を目指している方は、求人サイトや転職エージェントなどで仕事を探す際に、その職場に退職金制度があるか確認しておくと、将来の不安を減らせるでしょう。

転職エージェントサービスで退職金制度がある求人を探したい方には、レバウェル保育士がおすすめです。レバウェル保育士は保育士専門の転職エージェントのため、保育業界の求人に詳しいです。退職金がある求人に絞って希望条件を叶える求人を探してくれるので、効率よく転職活動を進めることができます。無料で相談できるので、ぜひご利用ください。

執筆者

A

「レバウェル保育士」編集部

保育士・幼稚園教諭専門の転職エージェント「レバウェル保育士」が運営するメディア。現役の保育士とこれから保育士を目指す方に向けて、仕事や転職に役立つ情報をお届けします。記事を通して不安や悩みが少しでも解消する状態を目指し、皆さんのキャリア選択を支援します。

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