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幼稚園教諭専修免許状とは?取得方法や一種・二種免許状との違いを解説
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「幼稚園教諭専修免許状とは何か」と気になる方もいるでしょう。幼稚園教諭専修免許状は大学院を卒業するか、幼稚園教諭として働き一定の条件を満たした方が取得できる免許です。 この記事では、幼稚園教諭専修免許状の取り方や一種免許状・二種免許状との違いを解説。幼稚園教諭専修免許状を取得するメリットやデメリットも紹介します。幼稚園教諭専修免許状の取得を検討している方は、ぜひ参考にしてください。
目次
幼稚園教諭専修免許状とは
幼稚園教諭専修免許状は、「大学院で単位を取得する」または「幼稚園教諭一種免許状保有者が、一定の経験を積んだ後に単位を取得する」と交付される免許です。ちなみに幼稚園教諭の免許状には、一種・二種・専修免許状の3種類があります。
幼稚園教諭専修免許状は、一種免許状と二種免許状に比べ多くの単位を修得する必要があるため、幼稚園教諭としての知識や専門性をより深められるでしょう。
幼稚園教諭専修免許状の取り方
幼稚園教諭専修免許状を取得するためには、幼稚園教諭一種免許状取得後に「大学院へ進む」または「実務経験の条件を満たしたうえで単位を取得する」といった2つの方法があります。
ここでは、幼稚園教諭専修免許状を取得する2つの方法を紹介するので、状況に合わせて参考にしてください。
幼稚園教諭一種免許状取得後に大学院に進む場合
大学卒業後に大学院へ進学し幼稚園教諭専修免許状を取得する場合の流れは、以下のとおりです。
1.高校卒業後、幼稚園教諭一種免許状を取得できる4年制大学に入学
2.4年制大学を卒業し、幼稚園教諭一種免許状を取得
3.大学院へ進み、幼稚園教諭専修免許課程科目を履修し卒業
4.文部科学省に免許取得を申請し、幼稚園教諭免許専修免許状が交付される
幼稚園教諭専修免許状は、大学院の修士課程(最短2年)で取得可能です。大学院では、保育内容の指導法に関する科目や教育の基礎的理解に関する科目などを履修します。
幼稚園教諭一種免許状取得者かつ実務経験がある場合
文部科学省「免許法認定講習・公開講座・通信教育」によると、一定の教員免許状を有する現職教員の方は、大学の教職課程によらずに必要な単位を修得すれば上位の免許状を取得できるとされています。
たとえば、幼稚園教諭免許状の場合、一種免許状の取得者かつ3年以上の現職経験がある方は15単位を修得すると専修免許状を取得が可能です。なお、要件や必要な単位数、履修科目は各都道府県の教育委員会によって異なるため、詳細は公式の情報を確認してください。
出典
文部科学省「免許法認定講習・公開講座・通信教育」(2025年5月14日)
幼稚園教諭専修免許状・一種免許状・二種免許状の違い
幼稚園教諭の免許状には3種類あります。主な違いは取得方法や取得にかかる年数、園長として働けるかです。
幼稚園教諭免許状の種類 | 専修免許状 | 一種免許状 | 二種免許状 |
取得方法 | 大学院で単位を取得する・幼稚園教諭一種免許状取得後に一定の経験を積み指定単位を取得する | 大学で単位を取得する | 短大または、専門学校で単位を取得する |
取得にかかる最短年数 | 6年(大学入学から大学院卒業まで) | 4年 | 2年 |
園長として勤務
できるか | 働ける可能性がある | 働ける可能性がある | 働けない可能性がある |
田澤里喜「就学前施設の園長・施設長の資格要件の現状と課題」では、幼稚園園長の資格について、学校法第二十条で「専修または一種の教員免許状を有して5年以上学校(幼稚園を含む)や幼保連携型認定こども園などで仕事をしている者」と記載しています。
しかし、就学前施設の園長・施設長の資格要件は幼稚園、保育所、認定こども園や地域型保育事業など施設種別によって異なるものの、どの施設においても、例外として幼稚園教諭免許状や保育士資格を保有し、保育者の経験があることを必要としない場合もあります。
幼稚園で園長として働くためには、専修免許状または一種免許状を取得することが必要です。取得にかかる年数や費用、キャリアプランなどをもとにどの免許状を取得するか検討してみましょう。
出典
玉川大学学術リポジトリ「就学前施設の園長・施設長の資格要件の現状と課題」(2025年5月14日)
幼稚園教諭専修免許状を取得するメリット
幼稚園教諭専修免許状のメリットは、一種免許状や二種免許状取得時より幅広く、専門的な知識を身につけられることです。将来、幼稚園教諭の育成に関わりたい、指導者を目指したいという方は、専修免許状取得で身につけた知識が役立つでしょう。
また、幼稚園教諭専修免許状は専門的知識を有していることの証明となり、キャリアアップに役立つ可能性もあります。
幼稚園教諭専修免許状を取得するデメリット
幼稚園教諭専修免許状のデメリットは、一種免許状や二種免許状に比べて取得に時間や費用がかかる点といえます。大学院卒業までは最短でも6年かかり、学費も必要になるため大きな負担になることもあるでしょう。
また、幼稚園教諭は免許状の種類に関わらず、勤続年数やスキルによって評価されることもあります。そのため、幼稚園教諭一種免許状取得後に経験を積んでから、必要性を感じたら専修免許状の取得を目指すのも1つの手です。
幼稚園教諭専修免許状に関してよくある質問
ここでは、幼稚園教諭専修免許状に関してよくある質問にQ&A形式で答えます。幼稚園教諭専修免許状を目指すか検討している方は、取得可能な大学院や活かし方を参考にしてください。
幼稚園教諭専修免許状を取得できる大学院は?
幼稚園教諭専修免許状は、文部科学省が認定した大学院の修士課程を卒業すると取得できます。たとえば、国立や私立大学の教育研究学科や児童学研究科、心理学研究科などで必要な単位を修得可能です。
幼稚園教諭専修免許状を取得できる大学院は、文部科学省「令和6年4月1日現在の教員免許状を取得できる大学」で公開されているので、ご確認ください。
出典
文部科学省「令和6年4月1日現在の教員免許状を取得できる大学」(2025年5月14日)
幼稚園教諭専修免許状を取得しても意味はない?
キャリアアップを目指す方や専門性を高めたい方には、幼稚園教諭専修免許状が役立つ可能性があります。幼稚園教諭専修免許状を意味あるものにするためには、取得の目的を明確にしたうえで目指しましょう。「取得しても意味はない?」と悩む場合は、一種免許状を取得した後、実務経験を積みながら専修免許状を取得するのかどうか、検討するのも1つの方法です。
まとめ
幼稚園教諭専修免許状は、「大学院で単位を取得する」または「幼稚園教諭一種免許状保有者が、一定の経験を積んだ後に単位を取得する」と交付される免許です。幼稚園教諭専修免許状は一種免許状や二種免許状より多くの単位を修得する必要があるため、知識を深められたり専門性を高められたりするでしょう。
幼稚園教諭専修免許状のメリットは、一種免許状や二種免許状取得時より幅広く、専門的な知識を身につけられることです。ただし、専修免許状を取得するためには、費用や時間などがかかるため負担になる場合もあるでしょう。
幼稚園教諭専修免許状は、一種免許状を有していれば実務経験後に取得できる可能性もあります。そのため、実務経験を積みながら専修免許状の取得を検討するのも1つの方法です。
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執筆者

「レバウェル保育士」編集部
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