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優しい保育士は本当にダメ?抱えやすい悩みや指摘されたときの対処法

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指摘を受ける保育士の画像

「優しい保育士はダメだよ」「もっと厳しくしないと」といった言葉にお悩みの方もいるかもしれません。優しさは保育士の大切な資質ですが、職場の保育観との違いや、「叱る」「注意する」といった関わりに苦手意識があると、周囲から甘いと受け取られることもあります。この記事では、優しい保育士が抱えやすい悩みや、優しさを強みにしながら子どもの成長を支える方法を解説します。ぜひ今後のヒントにしてみてください。

優しい保育士は本当にダメなの?

保育の現場では、周りの保育士から「優しいね」と言われることもあります。しかし、状況によっては褒め言葉に感じられず、「優しいのはダメなのかな…」と悩んでしまうこともあるでしょう。ここでは、優しさが保育現場でどう捉えられるのかを見ていきます。

優しさは保育士としての強み

子どもに対する優しさは、保育士にとって大切な資質の1つです。特に低年齢児は、優しさや温かさを通じて信頼関係を築いていきます。受容的な態度や穏やかな声かけは、子どもが安心して過ごせる環境をつくるうえで欠かせません。

優しい保育士のもとで育つ子どもたちは、自己肯定感を高めやすくなり、自分の気持ちを素直に表現できるようになります。また、優しさは子ども同士のトラブルの仲裁や、緊張しがちな保護者との関係作りにも役立つため、決してダメというわけではありません。

優しさと甘やかしは別物

保育士として意識しておきたいのは、「優しさ」と「良し悪しを伝えられない」ことは別だという点です。本当の優しさとは、子どもの気持ちに寄り添いながら、成長に必要な経験や挑戦を支えることです。一方で、子どもの一時的な気持ちに流されて、将来を見据えた関わりができていない状態は甘やかしと考えられます。

もし周囲から「優し過ぎる」と言われて違和感を覚えたときは、「嫌われたくない」「傷つきたくない」といった自分の気持ちが優先されていないか、子どもへの甘やかしになっていないかを振り返ってみると良いかもしれません。

優しい保育士が抱えやすい悩み

子どもたちから、「先生は優しいね」と言われるのはうれしいものです。しかし、保育の現場では「優し過ぎる先生は甘い」と思われることもあります。ここでは、優しい保育士が仕事で直面しやすい悩みをまとめたので、自身の状況と照らし合わせてみてください。

周りの保育士や保護者から頼りないと思われる

優しい保育士は、周囲の保育士から「クラスの統率が取れていないのではないか」「頼りないのではないか」と思われることがあります。ときには少し皮肉めいた言い方をされ、戸惑う場面もあるかもしれません。そうした言葉に必要以上に引きずられ、自分の保育に迷いが生じることもあるでしょう。

また、保護者から「もっとしっかり指導してほしい」といった声が上がると、さらにプレッシャーや不安につながってしまいます。

「子どもに舐められるよ」と指摘される

「優しいだけだと子どもに舐められるよ」という言葉は、若手保育士が言われて悩みやすい指摘の1つです。ですが、「舐められないように接する」という考え方は、本来の保育の在り方とは異なります。先輩や上司から「もっと厳しく」と言われたとしても、そのまま受け入れるのではなく、一度立ち止まって考えることが大切です。

もちろん、注意すべき場面で躊躇してしまうのは、甘やかしにつながるため望ましくありません。とはいえ、大人の都合で子どもを押さえつけるような関わり方が正しいとも限らないので、自分の保育を振り返りながら適切な声かけやサポートを見極めていく姿勢が重要です。

保育士に向いていないように感じる

優しい保育士の中には、「厳しく指導できない自分は保育士に向いていないのでは」と自信をなくす方もいるかもしれません。先輩保育士が毅然とした態度で子どもたちをまとめている姿を見ると、自分との違いに落ち込んでしまうこともあるでしょう。

しかし、保育士の役割は1つではありません。明るく元気に引っ張るタイプ、静かに寄り添うタイプ、創造性を引き出すタイプなど、さまざまな個性が子どもたちの成長を支えます。もし自分の保育スタイルに迷いがある場合は、尊敬する先輩がどのような思いや考えでその関わり方をしているのか、話を聞いてみるのも手です。

「優しい保育士はダメ」と言われたときの対処法

ここでは、「優しい保育士はダメ」と言われた際にどう行動すれば良いのかを解説します。優しさそのものが悪いわけではないので、指摘を前向きに受け止めて自分の成長につなげましょう。

叱ると怒るの違いを理解する

優しい保育士がさらに成長するためには、「叱る」と「怒る」の違いを理解することが重要です。「怒る」とは、保育士自身の感情が前面に出た対応を指します。威圧的な言動は子どもを萎縮させたり自信を失わせたりする可能性があり、望ましい関わり方とはいえません。

一方、「叱る」とは、子どもの行動に対してなぜいけないのかを丁寧に伝え、次に取るべき行動を示すことです。「必要以上に強い言葉を使いたくない」「感情的になるのは避けたい」と感じている保育士もこの違いを理解すれば、子どもの間違いにどう対応すれば良いかが明確になり、苦手意識も薄れていくかもしれません。

メリハリのある保育を意識する

保育士が「厳しさが足りない」と指摘されると、「怖く怒らなければ」と感じるかもしれません。しかし、大切なのは、優しさと厳しさのバランスを取ることです。たとえば、「叩くと痛いよね。どうしたら仲良く遊べるかな?」と穏やかな声で話しかければ、優しさを保ちながらも適切な指導ができます。

また、ルールは一貫して伝え、子どもがうまくできたときはしっかり褒めることも大切です。メリハリのある保育を心掛けることで、子どもは安心感を得て、良い行動が何かを理解できるようになります。

子どもを必要以上に助け過ぎない

子どもの言うことをすべて聞いたり、困っているとすぐに手を貸したりしてしまう方は、「見守る優しさ」を意識してみましょう。着替えに苦戦している子どもがいたら、すべて手伝うのではなく「ここまでは自分で、ここからは一緒にやろう」と声をかけるのがおすすめです。「もう少し頑張ってみよう」と励まし、できたときには「頑張ったね!」と一緒に喜ぶことで、子どもは達成感を味わえます。

こうした「自分でやってみたい」という気持ちを尊重する関わり方が、子どもの自立心を育てます。大人が先回りして手を出し過ぎると、「できた!」と感じる機会を奪ってしまう可能性も。自分の力でやり遂げる経験こそが、自信や問題解決力の土台となるのです。

自分の保育観に合う職場に転職する

職場の保育方針と、自分の「優しさを大切にした保育観」との間にズレがある場合は、転職を視野に入れるのも1つの選択です。保育園の中には、人手不足で心の余裕がなく支配的な関わりが中心になっていたり、時代に合っていない保育観が続いていたりする場合もあります。そうした環境では、保育士の優しさや子どもを尊重する姿勢が活かされず、強みが埋もれてしまうでしょう。

転職を検討する際は、見学や面接で保育方針や雰囲気をしっかり確認し、自分の考え方と合っているかを見極めましょう。優しい保育士の資質が活きる職場であれば、より自信を持って保育に向き合えるはずです。

「優しい保育士はダメ?」と悩んでいる人によくある質問

ここでは、「優しい保育士はダメ?」と悩んでいる人によくある質問を紹介します。

優し過ぎる保育士や保育補助は保護者からどう見られますか?

一般的に、子どもに優しく接する保育士や保育補助は、保護者から好印象を持たれる傾向にあります。ただし、中には「優しいだけで指導力がないのでは?」と心配する保護者もいるかもしれません。誤解を与えないためには、連絡帳や送迎の際に子どもの成長や日々の変化を伝えることが大切です。しっかり見守っている姿勢が伝われば、保護者からの信頼も深まるでしょう。

保育士が「怒らない先生」を目指すのはダメですか?

「怒らない先生」を目指す気持ちは素晴らしいことです。ただし大切なのは、何も指摘しない先生になるのではなく、「感情的にならずに子どもを正しく導ける先生」を目指すことです。怒らない保育を実践するには、トラブルを未然に防ぐ声かけをしたり、子ども自身に考えさせる質問を投げかけたりといった工夫が求められます。

周りの保育士の子どもに対する言い方がきついと感じます

周りの保育士の言い方や対応が明らかに不適切と感じる場合は、主任や園長に相談してみましょう。ただし、少しきつく感じる程度であれば、「子どもの安全を守るため」「集団生活のルールを伝えるため」など、保育士なりの意図がある可能性もあります。なぜそのような言い方をしているのかを柔らかく尋ねてみると、見方が変わるかもしれません。

まとめ

優しい保育士は決して「ダメ」ではありません。むしろ、優しさは子どもに安心感を与え、自己肯定感を育てるうえで欠かせない資質です。ただし、優しさが原因で周囲から「頼りない」と見られたり、「保育士に向いていないのでは」と感じたりする場合は、優しさと厳しさのバランスを意識し、子どもの成長を見据えた関わり方を心掛けてみましょう。また、努力を重ねても「自分らしく働けない」と感じるようであれば、転職を視野に入れるのも手といえます。

保育業界専門の転職支援サービスであるレバウェル保育士では、運営方針や職場の雰囲気、働いている人の生の声など職場のリアルをお伝えします。優しさに自信が持てないのは、今の職場環境が合っていないだけかもしれません。子どもの主体性を尊重している保育園であれば、抱えている悩みが軽くなる可能性もあります。ぜひ、レバウェル保育士を活用して、理想の職場を見つけてみてくださいね。

執筆者

A

「レバウェル保育士」編集部

保育士・幼稚園教諭専門の転職エージェント「レバウェル保育士」が運営するメディア。現役の保育士とこれから保育士を目指す方に向けて、仕事や転職に役立つ情報をお届けします。記事を通して不安や悩みが少しでも解消する状態を目指し、皆さんのキャリア選択を支援します。

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