保育士の転職

最終更新日：

2025.06.12

30代保育士の志望動機の書き方を解説！未経験・経験者別で例文も紹介

#転職の基本
#保育士

30代保育士で転職を検討し、「志望動機に悩んでいる」という方もいるのではないでしょうか。経験者は「これまでの経験をどう活かすのか」、未経験の方は「なぜ保育士を目指すのか」を具体的に伝えることが求められます。この記事では、30代保育士向けに志望動機の書き方を解説。経験者・未経験別に例文を紹介します。志望動機を通じて、あなたの強みや意欲をしっかりアピールしましょう。

この記事を書いた人

「レバウェル保育士」編集部

・保育士経験がある場合は実績やスキルをアピールする

・30代以上の保育士が転職する際の注意点とポイント

・前職に関するネガティブな表現は避ける

・志望動機で条件や待遇のみに言及するのは避ける

・希望条件や働き方などの優先順位を明確にする

・新しい職場では柔軟に対応する

・30代保育士の志望動機に関するよくある質問

・志望動機を作成する際の貴園と貴社の違いは？

・30代保育士がほかの保育園に転職するメリットはある？

・まとめ

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30代保育士が転職を考える主な理由

30代の保育士は、20代から積み重ねた経験や知識を活かし、職場でリーダー的な立場に就くことも多い世代です。しかし、そのようなキャリアを積んできた保育士でも、30代で新たな保育施設への転職を考えるケースは少なくありません。ここでは、30代の保育士が転職を検討する背景には、どのような理由があるのか解説します。

職場の人間関係に悩んでいる

保育士として働くうえで、子どもたちや保護者との関わりだけでなく、同僚との良好なコミュニケーションも重要です。
職場の人間関係に悩みを抱えると、業務が円滑に進まず、働きづらさを感じることもあるでしょう。職場環境の改善が難しいと判断した場合、転職を検討する大きな理由となり得ます。自分に合った環境で快適に勤務できるよう、転職を検討するのも選択肢の1つです。

スキルアップやキャリアの幅を広げたい

30代の保育士は、これまでの経験を通じて保育に関する知識やスキルを着実に身に付けている方が多いといえます。そのため、主任などの役職に挑戦し、さらにキャリアを積みたいと考える方も少なくありません。
しかし、1つの職場ではこうしたポジションの数が限られているため、スキルアップやキャリアの幅を広げるために新しい環境を求めて転職を決意する場合もあるでしょう。

現在の給与や待遇面に不満がある

保育士は子どもの命を預かる専門職ですが、責任の重さや仕事量に対して月給や賞与が平均より低い傾向にあり、給与面で不満を感じる方も少なくありません。
また、持ち帰り仕事が発生するケースもあり、残業手当や時間外手当が支給されない状況にストレスを抱える方もいるでしょう。やりがいを感じつつも、「責任の重さや仕事量に見合わない」と転職を考える方がいるのは自然な流れといえます。

ライフステージに変化があった

厚生労働省の「令和5年(2023)人口動態統計月報年計（概数）の概況 p.2」によると、2023年の平均初婚年齢は男性が31.1歳、女性が29.7歳であり、女性の平均初産年齢は31.0歳とされています。このデータからもわかるように、30代は結婚や出産、子育てといったライフステージの大きな変化が起こりやすい時期です。

こうした人生の転機をきっかけに、仕事と家庭の両立を目指し、より働きやすい環境を求めて転職を検討する保育士も多く見受けられます。転職を成功させるためには、自分のライフスタイルに合った職場を見極めるために、転職理由や希望条件を明確にしておくのが重要です。

出典

厚生労働省「令和5年(2023)人口動態統計月報年計（概数）の概況」（2025年6月11日）

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30代保育士志望動機の書き方

30代の保育士が転職を成功させるためには、自分の経験や強みを最大限に活かしつつ、応募先にふさわしい志望動機を作成するのが大切です。志望動機では「応募先を選んだ理由」「これまでの実績やスキル」「転職後の目標」をバランスよく伝えると、採用担当者に具体的なイメージを持ってもらいやすくなります。以下では、それぞれのポイントについて詳しく解説します。

応募先を選んだ理由を明確に伝える

志望動機では、応募先の保育園を選んだ理由を具体的に伝えましょう。保育園側は、保育理念や方針に共感し、それに基づいて働ける人材を求めています。そのため、志望する保育園について事前にしっかりリサーチし、理念や方針、ほかの園との違いを把握しましょう。

自分がその保育園に魅力を感じた点や共感した部分を明確に伝えると、応募先に対する理解度や熱意が伝わりやすくなります。また、自分の保育観や働き方の考え方を交えながら説明すると、より説得力が増し、保育園側に自分との相性をイメージしてもらいやすくなるでしょう。

保育士経験がある場合は実績やスキルをアピールする

保育士経験がある場合は、これまでの実績や培ってきたスキルをしっかりとアピールしましょう。具体的なエピソードを交えて、自分がどのような保育を行ってきたのか、どのような場面で力を発揮してきたのかを伝えると、説得力が増します。
また、自分が保育士として大切にしている取り組み方や信念を示し、これまでの経験を応募先でどのように活かして貢献していきたいのかを明確に伝えましょう。

転職後のキャリアプランと目標を伝える

転職後のキャリアプランや目標を志望動機に盛り込むと、成長意欲をアピールできます。自分が描くキャリアプランが、応募先の保育園で実現可能かどうかを事前に確認しておきましょう。どのような保育士として成長したいのか、今後どのような働き方を目指しているのかを具体的に伝えると、自分のビジョンが明確になり、園側にも意欲を伝えられます。

30代保育士の志望動機例文

志望動機は、転職活動において自分の強みや意欲を伝える大切なポイントです。ここでは、30代保育士の経験やキャリアに合わせた志望動機の例文を紹介します。自分の経験や目標に合わせてアレンジしてください。

ブランクなしで正職員希望の例文

ブランクがない場合、これまでの経験やスキルを最大限にアピールしつつ、転職先で何を目指したいのかを明確に伝えるのが大切です。ここでは、ブランクがなく、正職員を希望する方向けに、志望動機の例文を紹介します。

【子ども一人ひとりに寄り添う保育を目指す】
現在、私は〇〇保育園に勤務し、3歳児クラスを担任しております。日々、子どもたちの成長に触れることに大きなやりがいを感じておりますが、さらに少人数制で一人ひとりにしっかり寄り添う保育を実現したいと考えるようになりました。貴園の小規模保育の方針に共感し、これまで培った保育経験を活かして貴園に貢献したいと考え、応募いたしました

【キャリアアップと新たな挑戦】
私は現在、〇〇保育園で5歳児クラスを担任しております。主任としてクラス運営や保護者の対応を行う中で、さらなるキャリアアップを目指したいと考えるようになりました。貴園の教育理念や取り組みに共感し、より質の高い保育を提供して自身も成長したいと思っています。これまでの経験を活かし、貴園の一員として力を尽くしたいと考えております

ブランクあり・正職員希望の例文

ブランクがある場合でも、これまでの経験やブランク中に得た学びを活かして復職を目指すことは十分に可能です。家庭の事情や子育て、異業種での勤務など、それぞれの背景を前向きに伝えながら、保育士としての意欲や強みをアピールしましょう。ここでは、ブランクがある方が正職員を希望する場合の志望動機例文を紹介します。

【家庭の事情で退職後、復職を希望する場合】
私は以前、〇〇保育園で5年間勤務し、主に3歳児クラスの担任を務めておりました。結婚と出産を機に一度退職しましたが、ブランク中にも地域の親子支援活動や一時保育のボランティアに携わり、保育への情熱を持ち続けてきました。
現在、子どもが成長し、正職員として再び保育に携わりたいと考えております。貴園の保育理念に共感し、これまでの経験とブランク中に学んだことを活かして、子どもたち一人ひとりに寄り添った保育を実現したいと思い、応募いたしました

【異業種から保育業界へ復帰を希望する場合】
以前、〇〇保育園にて7年間勤務し、主に乳児クラスの保育を担当しておりました。その後、家庭の事情で退職し、異業種に転職して働いておりましたが、保育士としてのやりがいや喜びを再び感じたいという思いが強くなり、今回応募いたしました。
貴園は小規模でアットホームな保育に力を入れていらっしゃると知り、私がこれまで大切にしてきた「子どもたちに寄り添う保育」を実践できる環境だと感じています。異業種で得たコミュニケーションスキルも活かし、保護者の方々や職員との連携に貢献したいと考えております

ブランクあり・パート勤務希望の例文

保育士としてのブランクがある場合、パート勤務から再スタートを考える方も多いでしょう。ブランクの期間を前向きに捉え、その間に得た経験やスキルを保育にどう活かすかをアピールすることがポイントです。ここでは、ブランクがある方がパート勤務を希望する場合の志望動機例文を紹介します。

【子育てを経て復帰を希望する場合】
私は以前、保育士として約7年間勤務しておりましたが、子育てのため退職しました。子どもが成長し、生活にも余裕ができたため、パートとして保育士に復職したいと考えております。ブランクはありますが、育児の経験を通じて、保護者の気持ちに寄り添う大切さをあらためて学びました。
貴園ではこれまでの経験を活かしながら、子どもたちや保護者の方々を支える存在になりたいと思っております。まずはパート勤務から始め、徐々に現場感覚を取り戻しながら貴園に貢献したいと考えております

【例文2: 家庭の事情で一時離職した場合】
以前、保育士として働いておりましたが、夫が転勤するため、退職しました。しかし、夫が転職して今後は転勤することがなくなったため、もう一度保育の現場で子どもたちと関わりたいと強く思い、求人に応募いたしました。ブランク期間中も保育関連の本を読んだり、地域の子育て支援イベントに参加したりしており、現場に戻る準備を進めております。
まずはパート勤務で現場復帰を目指し、丁寧な保育を心がけながら貴園に貢献していきたいと考えております

正職員からパート勤務へ・転職希望の例文

正職員からパート勤務への転職を希望する場合、家庭や子育てとの両立を考慮したいというニーズが多い傾向にあります。ここでは、正職員からパート勤務を希望する場合の志望動機例文を紹介します。

【家庭との両立を考慮した転職希望】
私は保育士として10年間、正職員として勤務しておりましたが、結婚を機に家庭との両立を重視するようになり、退職しました。家庭に時間を割く必要性を感じつつも、これまで積み重ねてきた保育士としての経験を活かし、現場に残りたいという気持ちが強くあります。そのため、今回は扶養内のパート勤務として勤務したく、求人に応募いたしました。
現在は、8時から18時のシフトであれば曜日問わず柔軟に勤務できます。パートとしてさまざまな業務に対して臨機応変に対応し、正職員の方をサポートできたらと考えています

【子育てを通じて得た視点を活かした転職希望】
正職員として8年間、出産後も正職員として勤務していましたが、今後は家族と過ごす時間を増やしたいと思い、パートの求人に応募いたしました。子育てを経験し、保護者としての視点や子どもの成長に対する新たな気づきが得られたと思います。今後はその経験を保育士の仕事に活かしていきたいと思っています

未経験の場合・志望動機の例文

保育士資格を取得したものの、これまで別の職種で働いていた方にとって、転職の理由や動機を伝えることは少し悩ましいかもしれません。しかし、資格を持っているという強みを活かし、今までの経験やスキルをどのように保育の仕事に活かせるかを明確にすると、転職への意欲と成長意欲をしっかり伝えられます。ここでは、未経験の場合の志望動機の例文を紹介します。

【他業種から転職希望の場合】
大学で保育士資格を取得しましたが、アパレル企業に就職し、子ども服の販売を担当していました。しかし、毎日通勤途中に貴園の庭で遊んでいる子どもたちと先生方の姿を見て、「やはり子どもと関わる仕事がしたい」と思うようになりました。
前職ではいろいろな子どもや家族に対し、柔軟に対応することを学びました。その経験を貴園でも活かして一人ひとりの子どもに合った保育を提供し、成長をサポートしたいと考えています

【子どもと関わる仕事がしたい転職希望の場合】
大学卒業後、子ども向けの教材関連の職に就き、7年ほど勤務しておりました。しかし業務に携わるなかで、「実際に子どもと関わりたい」「働くお母さんをお手伝いしたい」と考えるようになり、保育士になろうと決意しました。そして、保育士試験に挑戦し、合格しました。
子どもたちが成長していく過程を間近で見ることができる保育の現場に飛び込んで、一緒に学び、一緒に成長していきたいと考えています。未経験ではありますが、子どもへの愛情と前職で得た教育の知識を活かし、貢献できるよう全力を尽くします

志望動機を作成する前に準備すべきこと

採用担当者に自分の意欲や適性をしっかり伝えるためには、事前にしっかりと準備をしておく必要があります。志望動機を考える前に、自分の経験やスキル、なぜその園を選んだのかを整理し、具体的で誤解のない内容を盛り込みましょう。ここでは、志望動機を作成する前に準備すべきことについて解説します。

志望理由を深く掘り下げて具体化する

説得力を持たせるためには、志望理由を深く掘り下げて具体化することが必要です。応募する保育園の保育理念や方針に目を通し、自分がどのように共感できるのかを明確にしてください。単に「子どもが好きだから」というだけでなく、その保育園が掲げている理念に対して具体的に自分がどのように貢献できるのか、なぜその理念に共感するのかを明確にすると、志望動機の深みが増すでしょう。

自分の強みやアピールポイントの洗い出し

自分の強みやアピールポイントを洗い出して志望動機に盛り込むと、効果的にアピールできる可能性が高まります。
まずは、志望する保育園が必要としているスキルや特性を調べ、雇用形態に応じてリストアップしてみましょう。たとえば、正社員の場合であれば、リーダーシップや長期的な成長を見据えた保育の実践などが求められる傾向があります。保育補助やパートの場合、柔軟な対応力やサポート役としての経験が重視されたりする可能性があります。

続いて、リストアップした求められる人物像に、自分の経験やスキルがどこに当てはまるのかを照らし合わせます。「担任の経験が複数ある」「家庭と両立しながら仕事を続けた経験がある」など、自分の強みを具体的なエピソードや実績と結びつけると、効果的な志望動機を作成できるでしょう。

保育に対する理念と考えを整理する

志望動機を作成するには、自分の「保育に対する思い」を整理するのも良い方法です。「子ども一人ひとりを大切にしたい」「自然を活かした保育がしたい」など、自分の理想とする保育を明確にしましょう。
そのうえで、応募先の保育理念や方針と自分の考えがどのように一致しているかを考え、「なぜその思いを大切にしたいのか」を具体的にすると、説得力のある志望動機につながります。

30代以上の保育士が転職する際の注意点とポイント

30代以上の保育士は、これまでの経験やスキルに加え、体力や柔軟性を活かして即戦力として期待されることが多い世代だといえます。ここでは、30代以上の保育士が転職を成功させるために押さえておきたい注意点やポイントを解説します。

前職に関するネガティブな表現は避ける

転職理由を伝える際には、ネガティブな表現は避けましょう。前職に対する不満が転職のきっかけであっても、そのまま伝えるのはおすすめできません。ネガティブな理由をそのまま伝えると、「不満が多そう」「またすぐに辞めるかもしれない」といった印象を与えてしまう可能性があります。採用担当者に好印象を与えるためには、不満やマイナスな要素を以下のように前向きな理由に変換して伝える工夫が必要です。

ネガティブな表現	言い換え表現
前の職場で人間関係に悩んでいた	新しい環境で、より良いチームワークを築きながら成長したいと思い転職を決意した
残業や休日出勤が多く、体力的に厳しかった	仕事とプライベートの両立を目指しながら、質の高い保育に集中したいと思った
前の職場でキャリアアップの機会がなかった	貴園の教育制度や研修体制を活用して自身のスキルをさらに磨き、長期的に保育の現場で成長していきたい

前職の経験を活かし、応募先の保育園でどのように貢献できるかを具体的に伝えるのが、成功するポイントだといえます。

志望動機で条件や待遇のみに言及するのは避ける

条件面だけを志望動機にすると、採用担当者から「条件が良ければどこでも良いのでは」「またすぐに転職するかもしれない」などネガティブな印象を持たれてしまう可能性も。
特に給与や勤務時間、休日などの条件について触れる場合は注意が必要です。これらはあくまで応募のきっかけにはなり得ても、採用の決め手となるものではありません。
志望動機には「保育園の保育方針に共感した理由」「これまでのスキルや経験をどう活かせるか」など、その保育園を選んだ理由を盛り込みましょう。

希望条件や働き方などの優先順位を明確にする

30代の保育士は経験があり、需要が高い傾向にありますが、年齢を重ねるにつれて転職するのが難しくなる場合もあります。まず、自分が保育士として大切にしたいことや転職先に求める条件を洗い出し、優先順位を付けましょう。

譲れない条件と妥協できるところを明確にすると、応募先を絞り込みやすく、効率的に転職しやすくなります。自分の理想と現実のバランスを考えたうえで、最適な選択ができるようにしましょう。

新しい職場では柔軟に対応する

30歳以上の保育士が転職する際には、これまでの経験やスキルを活かせる点が大きな強みだといえます。転職先でも経験者として評価される場面が多いでしょう。しかし、どれほど豊富な経験を積んでいても、保育方法や考え方は園ごとに異なります。
前職でのやり方に固執するのではなく、新しい職場のルールや保育方針を積極的に学び、受け入れる姿勢を示しましょう。柔軟性を持ち、環境に適応しようとする姿勢は、同僚や上司からの信頼を得るためにも大切です。

また、自身の経験を押し付けるのではなく、新しい環境に合わせてアレンジすると、スムーズに受け入れられたり馴染めたりするでしょう。

30代保育士の志望動機に関するよくある質問

ここでは、30代保育士の志望動機について、よくある質問に回答します。

志望動機を作成する際の貴園と貴社の違いは？

「貴園」と「貴社」は、どちらも相手を敬う言葉ですが、使う対象が異なります。

「貴園」：保育園や幼稚園を対象とする場合
「貴社」：企業や会社を対象とする場合

志望動機を作成する際には、応募先が保育園の場合は「貴園」、一般企業が運営する場合は「貴社」と正しく使い分けましょう。

30代保育士がほかの保育園に転職するメリットはある？

30代は保育士として経験を積み、新人のサポートを行う方もいるでしょう。そのため、これまでの経験やスキルを活かし、ほかの保育園でスキルアップできる可能性があるのはメリットの1つだといえます。園によっては主任やリーダーを募集している場合もあるでしょう。役職がつけば、収入をアップできる可能性も高まります。