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児童指導員に向いている人の特徴は?必要な資格やスキルとメリットも紹介
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「児童指導員に向いている人とは?」と疑問に思う方もいるのではないでしょうか。児童指導員に向いている傾向にあるのは、子どもの成長に寄り添いたいという気持ちを持ち、創意工夫を楽しめる人です。この記事では、児童指導員に向いている人の特徴をはじめ、必要な資格やスキル、働くメリット・デメリットについて解説します。
目次
児童指導員とは?
児童指導員は、子どもたちと日々関わりながら心や体の成長、自立をサポートする仕事です。児童発達支援や放課後等デイサービスなどの施設では、一人ひとりの子どもに合わせた支援計画やカリキュラムに沿って、遊びや学びを通じたサポートを行います。
また、保護者と関わることも多く、家庭や学校、地域と連携しながら支援を広げていく場面もあります。子どもにとって近くて安心できる存在であることが求められるため、気持ちに寄り添いながらも、公平な関わり方を心掛けることが大切です。
児童指導員に向いている人の特徴
ここでは、児童指導員に向いている人の特徴を紹介します。自分に当てはまる点があるか、どのような工夫をすればより良い支援者になれるのかを考えるヒントにしてみてください。
子どもの成長に寄り添いたい人
子どもの小さな変化や成長に気づいて背中を押してあげたいと思える人は、児童指導員に向いているでしょう。子どもたちができることを少しずつ増やしていく過程を見守り、励ましながら支えることは、大きなやりがいにもつながります。発達に特性のある子や、家庭環境に不安を抱える子どもたちにとって、信頼できる大人の存在は重要です。その子のペースを大切にしながら、心に寄り添える人は現場でも活躍できるでしょう。
独自性のある工夫を楽しめる人
「どうしたらもっと楽しめるかな?」「この子にはどのようなアプローチが合っているかな?」といった考え方ができる人は、児童指導員に向いているでしょう。子ども一人ひとりに合った支援を考えるには、柔軟な発想力や工夫が欠かせません。遊びを通じて関係を深めたり、ちょっとした声かけで気持ちを切り替えたりと、毎日の試行錯誤を前向きに取り組む姿勢が求められます。
コミュニケーションを大切にできる人
周囲との交流を積極的に行える人は、児童指導員として活躍していけるでしょう。児童指導員の仕事は、子どもだけでなく保護者や学校の先生、福祉機関のスタッフなど、多くの人との関わりの中で成り立っています。相手の立場を理解しながら丁寧に話を聞き、自分の思いをしっかりと伝えられれば、信頼関係を構築していくことが可能です。
活動的でエネルギーのある人
体を動かすことに前向きで、多少のハードさにも負けない人は、児童指導員の仕事を無理なく続けられるでしょう。子どもたちと過ごす時間は、予想外の出来事や思わぬ動きにあふれています。元気いっぱいの子どもに合わせて動いたり、複数の子どもを同時に見守ったりするためには、体力が必要です。ペース配分を意識して元気に動き回れる人は、現場での負担を感じにくいかもしれません。
子どもが抱える問題を解決したい人
「困難を抱えている子どもを支えていきたい」という気持ちの強い人は、児童指導員に向いています。子どもたちの置かれている環境では、虐待や貧困、家庭内の不和、発達・情緒の課題など、複雑な事情が隠れている場合があります。不安やストレスを感じながら生活する子どもたちにとって、児童指導員が「信頼できる大人」として判断してもらえれば、心の拠り所になり得るでしょう。
児童指導員の仕事の大変さ
児童指導員の仕事には、リスク管理の難しさや学習を続ける姿勢、忍耐力が必要になる場面などがあります。ここでは、児童指導員の仕事で直面しやすい大変さをまとめました。
リスク管理が難しい
児童指導員の現場では、日々の生活支援だけでなく、緊急時の対応も求められるため、常に高いリスク管理意識が必要です。「子どもの体調が急変したとき」「災害が発生したとき」「外部とのトラブルが起きたとき」など、予測できない事態に即座に対応しなければならない場面があります。
はじめからすべてに対応できる必要はありませんが、「何かあったときにはどう動けばいいか」を意識しておくことが大切です。マニュアルを確認したり、職場の先輩と情報を共有したりと、冷静に対処するための準備をしておきましょう。
学び続ける姿勢が必要になる
子どもたち一人ひとりに合った支援を行うためには、児童指導員自身も常に知識や技術をアップデートしていく必要があります。たとえば、発達段階や障害特性への理解、関係機関との連携方法など、学ぶことは尽きません。
「勉強はちょっと苦手…」と思う人でも、現場での経験や研修を通じて少しずつ身についていきます。学ぶ姿勢を持ち続けていれば、子どもたちの変化に気づける力も育っていくので、焦らずコツコツ積み重ねていきましょう。
忍耐力が求められる場面もある
児童指導員の仕事では、子どもと信頼関係を築くまでに時間がかかることも少なくありません。ときには反抗的な態度を見せたり、暴力的な行動に出たりする子どもに接する場面もあります。このようなときは、目の前の行動だけにとらわれず、「この子はなぜこうした行動をとっているのだろう?」と背景に目を向けることが大切です。
辛抱強く時間をかけて分析をすれば、子どもが必要としている支援が見えてくるかもしれません。うまくいかないと感じることがあっても、チームの仲間に相談したり、視点を変えて支援方法を考え直したりすれば、新たな気づきが得られることもあります。
児童指導員に必要なスキル
ここでは、児童指導員として成長していく上で必要なスキルを紹介します。実際の現場で求められるスキルを知り、児童指導員を目指すうえでの指標にしてみてください。
発達支援の専門的な知識と技術
児童指導員として働くには、発達に課題を抱える子どもたちに合った関わり方や支援方法を考えるための専門的な知識や技術が求められます。子どもによって特性や反応はさまざまで、対応を誤ると支援がうまくいかず信頼関係を築くのが難しくなることも。そのため、発達段階や障がいの特性を理解し、それに応じた対応力が必要です。未経験から児童指導員を目指す際は、研修やOJT、現場での経験を通じて、実践的なスキルを徐々に身につけていきましょう。
コミュニケーションスキル
児童指導員が子どもと信頼関係を築くには、一人ひとりと丁寧に向き合い、気持ちをくみ取る姿勢が大切です。保護者やほかの職員と連携を図るときは、相手の立場や状況を理解しながら、必要な情報を分かりやすく伝える力も求められます。日々の関わりを通じて、信頼を育んでいけるようなコミュニケーションを意識しましょう。
柔軟な対応力
児童指導員は、慌てずに状況を判断し、柔軟に対応できる力が求められます。児童指導員を必要とする現場では、毎日が同じように進むとは限りません。子どもの体調や気分、突発的なトラブルなど、予測できないことが起こることもあります。。
また、一人ひとり異なる背景を持つ子どもたちに寄り添うには、マニュアル通りの対応ではなく、それぞれに合った関わり方を見つけていくことが大切です。日々の支援の中で考えながら動ける柔軟さが、児童指導員としての信頼にもつながっていきます。
児童指導員として働くメリット・デメリット
児童指導員の仕事には、子どもたちと深く関わる中で得られるやりがいがある一方で、体力面や精神面での負担もあります。ここでは、児童指導員として働く魅力と、大変な面をそれぞれ見ていきましょう。
児童指導員のメリット
児童指導員の仕事には、以下のようなやりがいやメリットがあります。
子どもの成長を間近で見守ることができる
信頼関係を築けたときの達成感がある
実践を通して専門知識が身につく
保護者支援を通じて家庭全体のサポートができる
児童指導員の仕事の魅力は、子どもの成長を日々感じられることです。たとえば、言葉に詰まっていた子どもが自分の気持ちを少しずつ表現できるようになったり、イライラしたときに深呼吸をして気持ちを落ち着ける方法を覚えたりする変化に立ち会えます。
また、日々の実践を通して、発達支援や心理的サポートの知識が自然と身につくのもメリットの1つです。保護者と協力しながら子どもに合った関わり方を見つけ、家庭でのサポートにもつなげられることで支援の幅が広がり、仕事の充実感も深まっていきます。
児童指導員のデメリット
児童指導員の仕事には、現場ならではの大変さや悩みもあります。事前に理解しておきたいデメリットは、以下のとおりです。
子どもの問題行動への対応に苦慮する場面がある
感情的に揺さぶられることがある
体力的にハードなケースもある
業務や人間関係に悩むこともある
児童指導員として関わる子どもの中には、家庭環境に課題を抱えているケースもあります。そうした背景から、感情が不安定だったり、反抗的な態度をとったりする子どもも少なくありません。ときには暴力的な言動に出ることもあり、精神的なタフさが求められる場面もあります。
また、子どもの安全を確保するために常に注意を払う必要があり、場合によっては体力的な負担を感じるときもあります。多動傾向のある子どもを追いかけたり、ケガを防ぐために素早く対応したりといった状況が発生することもあるでしょう。
児童指導員になるには?
児童指導員になるには、「児童指導員任用資格」を取得する必要があります。任用資格は試験の合格で得られるものではなく、学歴や職歴などの条件をクリアすることで得ることが可能です。基準を満たせば、児童指導員として任命されるチャンスがあります。
児童指導員に必要な資格
児童指導員として働くには、「児童指導員任用資格」が必要です。この資格は以下のいずれかの条件を満たすことで得られます。
大学・大学院で、社会福祉学・心理学・教育学・社会学などの指定された分野を専攻し卒業している
教員免許、社会福祉士、精神保健福祉士などの特定の国家資格を取得している
児童福祉施設などで、一定期間以上の実務経験がある
任用資格には試験や手続きが必要とされないため、比較的挑戦しやすいという魅力があります。なお、求人によっては無資格から働ける場合もあるため、児童福祉施設で実務経験を重ねることで任用資格を得られる可能性もあるようです。
児童指導員が活躍できる職場
児童指導員は、放課後等デイサービスや障害児入所施設、児童養護施設などで活躍できます。す。以下では、それぞれの職場について情報をまとめました。
放課後等デイサービス
放課後等デイサービスは、障害のある小学生から高校生までの子どもが、学校の放課後や長期休暇中に通う施設です。児童指導員は、子どもの特性や成長段階に応じた個別支援計画に基づいて、日常生活のスキル習得や社会性を育む支援を行います。
施設によっては、学習支援に特化したタイプや運動療育を取り入れたものもあり、特色あるプログラムで子どもたちの成長を支えています。家庭や学校との連携も重視され、総合的な支援が求められる現場です。
障害児入所施設
障害児入所施設は、家庭での養育が難しい障害のある子どもが生活する入所型の福祉施設です。身体的・知的障害のある子どもたちが主に対象で、施設内では日常生活の指導や自立に向けたサポートが行われます。
この施設には、医療的ケアを必要とする子どもを支援する「医療型」と、主に福祉サービスを提供する「福祉型」の2種類に分けられるのが特徴です。児童指導員は、生活支援にとどまらず、長期的な目線で子どもたちの将来に向けた支援を担います。
児童養護施設
児童養護施設は、保護者のいない子どもや、虐待など家庭での生活が困難な事情を抱えた子どもを保護・養育する施設です。対象年齢は原則として2歳から18歳までで、場合によっては20歳までの支援が継続されることもあります。
児童養護施設で働く児童指導員は、子どもたちが安心して生活できるような環境を整え、生活習慣や社会的自立を支援します。より家庭に近い雰囲気を大切にしながら、子どもと信頼関係を築く姿勢が求められるでしょう。
子どもの支援に熱い想いがある人は児童指導員を目指そう
児童指導員の仕事は、子ども一人ひとりの個性や状況に合わせて関わり方を工夫する必要があります。正解がひとつではない分、戸惑うことも多いかもしれません。とくに働き始めのころは、「これでいいのかな」と悩む場面もあるでしょう。
ですが、試行錯誤しながら向き合ううちに子どもたちが笑顔を見せてくれたり、できることが少しずつ増えていったりと、目に見える成長に出会える瞬間があります。児童指導員として働くうえで大切なのは、子どもたちと誠実に向き合い続けることです。たとえ経験が浅くても、先輩や上司に相談しながら支援を進めていけば、自分なりの向き合い方を見つけられるでしょう。
障がいや福祉の知識は、働きながらでも身につけられます。「子どもたちのために何かしたい」「子どもたちの力になりたい」という強い気持ちがある方は、児童指導員を目指してみるのも1つの選択肢です。レバウェル保育士では、児童指導員の経験がない方でも安心してスタートできる職場をご紹介しています。
児童指導員に向いている人に関してよくある質問
ここでは、児童指導員に向いている人に関してよくある質問にお答えします。ぜひ参考にしてみてください。
児童指導員として働く際、どのような点に気をつけるべき?
児童指導員として働くときは、子どもに対しても保護者に対しても、丁寧な言葉遣いを心がけましょう。子どもだからといって馴れ馴れしい態度をとるのではなく、常に誠実な対応を意識することが大切です。また、子どもを叱る場面ではいきなり注意するのではなく、行動の背景にある気持ちや理由を聞くようにしましょう。その子なりの思いや事情を理解しようとする姿勢が、信頼関係につながります。
児童指導員を辞めたいと感じるときの対処法は?
児童指導員を辞めたいと感じてしまったら、「辞めたい理由」と「本当にやりたいこと」を整理してみましょう。気持ちが一時的なものか、環境によるものかが見えてきます。また、1人で抱え込まず、信頼できる周囲の人に相談するのも大切です。それでも続けるのが難しい場合は、無理せず転職も視野に入れてみましょう。
児童指導員の資格はなくなる?将来性は?
児童指導員は任用資格のため、将来的になくなることは考えにくいでしょう。児童福祉施設のほとんどは公的な資金で運営されているため、働くうえでの安定性が高い職種といえます。
また、厚生労働省の「障害児通所支援の現状等について(p.30)」によると、令和3年の法改正で障害児支援向けの報酬体系等や人員配置の見直しがされました。今後も児童指導員の働きやすさや評価につながるような支援の展開に期待ができるでしょう。
出典
厚生労働省「障害児通所支援の現状等について」(2025年5月8日)
まとめ
児童指導員は、発達に課題を抱える子どもたちと日々向き合い、その成長と自立を支えるやりがいのある仕事です。相手の気持ちに寄り添い、丁寧に関わることができる人に向いています。目に見える成果がすぐに出ない場面もあるため、小さな変化にも気づける観察力や、根気強く支援を続けられる姿勢も大切です。保護者やチームとの連携も欠かせないため、コミュニケーションを大切にできる人にとっても適性の高い職種といえるでしょう。
「もっと子どもたちの力になりたい」「支援にしっかり向き合える職場で働きたい」と感じている方には、転職支援サービスの活用もおすすめです。「レバウェル保育士」では、児童指導員や保育士など、子どもと関わる仕事の経験を活かした転職をしっかりサポートしてくれます。キャリアアドバイザーが、あなたの思いを丁寧にヒアリングしながら、履歴書・職務経歴書の添削や面接対策までしっかりフォロー。初めての転職でも自信を持って新しい一歩を踏み出せるようサポートします。「レバウェル保育士」はすべてのサポートが無料なので、今の働き方に少しでも悩みや不安を感じている方は、ぜひ一度相談してみてください。
執筆者

「レバウェル保育士」編集部
保育士・幼稚園教諭専門の転職エージェント「レバウェル保育士」が運営するメディア。現役の保育士とこれから保育士を目指す方に向けて、仕事や転職に役立つ情報をお届けします。記事を通して不安や悩みが少しでも解消する状態を目指し、皆さんのキャリア選択を支援します。