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働くなら保育士と幼稚園教諭のどっちがいい?仕事内容や働き方、給料を比較
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保育士と幼稚園教諭、どっちがいいか迷っている方もいるのではないでしょうか。保育士と幼稚園教諭には対象の子どもの年齢や業務内容、勤務形態など、さまざまな違いがあります。 この記事では、保育士と幼稚園教諭それぞれの仕事の特徴やメリット、給料を詳しく比較しています。免許・資格の取得しやすさや、保育士と幼稚園教諭のどっちがいいか迷った際の対処法も紹介しているので、キャリア選択の際に活用してみてください。
目次
保育士と幼稚園教諭はどっちがいい?
保育士と幼稚園教諭のどちらで働くのが良いかは、希望する勤務条件によって異なるでしょう。保育士と幼稚園教諭の仕事は、それぞれに魅力があります。ここでは、保育士と幼稚園教諭のメリットをまとめました。
保育士として働くメリット
保育士として働くメリットには、幅広い年齢の子どもたちと交流できたり働く場所の選択肢が広かったりすることが挙げられます。詳細を以下で確認してみましょう。
幅広い年齢の子どもと関われる
保育士の魅力は、0歳から就学前までの幅広い年齢の子どもたちと関われることです。乳児から幼児まで、それぞれの成長段階に応じたケアや教育を提供できるのは、保育士の仕事の魅力といえるでしょう。
また、子どもの成長過程を長期的に見守れるのも保育士のメリットです。乳児期から関わった子どもが歩き始め、言葉を覚え、友だちと遊べるようになっていく過程を間近で見られるのは貴重な経験になります。
複数で担任の仕事を分担できる
保育園では、複数の保育士がクラス担任を担当する場合があります。複数担任制の場合は、子どもたちへのケアや教育活動、保護者対応などの業務を分担することが可能です。チームで協力して働けるため、1人で抱え込むストレスが軽減されるでしょう。
また、同僚から学べる機会もあり、スキルアップにもつながります。ベテラン保育士の子どもへの接し方を間近で見て学んだり、若手保育士の新しいアイデアを取り入れたりと、互いに刺激し合えるのも魅力です。
保育園以外にも活躍の場が多くある
保育士の資格があれば、保育園だけでなく、児童保育施設や乳児院など幅広い場所で活躍できます。ほかにも、ベビーシッターや託児所スタッフなど、より柔軟な働き方を選択することも可能です。自分の興味や適性に合わせて、多様なキャリアパスを描けるのは、保育士のメリットといえます。
幼稚園教諭として働くメリット
幼稚園教諭として働くメリットには、事務作業に集中しやすいことや仕事とプライベートのメリハリをつけやすいことが挙げられます。具体的な内容は以下のとおりです。
登園時間が短いので事務作業に集中できる
幼稚園で子どもたちを保育するのは、午前中から午後の早い時間までが一般的です。そのため、子どもたちが帰ったあとの時間は、事務作業や翌日の準備に集中できます。時間管理がしやすく、比較的業務の見通しも立ちやすいでしょう。指導案の作成や教材の準備、保護者向けの連絡帳の記入などを、落ち着いた環境で行えます。
土日祝が休みで長期休暇も取りやすい
幼稚園教諭は、土日祝日が休みで、夏休みや冬休みなどに長期休暇を取りやすい傾向にあります。休みがしっかり取れると、自己研鑽の時間を確保したり、プライベートの時間を充実させたりしやすいでしょう。夏休みや冬休みに連休を取って旅行に行ったり、資格取得のための勉強をしたりと、自分の時間を有効に使えるのがメリットです。
介助よりも教育に集中できる
幼稚園は3歳以上が対象のため、基本的な生活習慣が身についた子どもたちと関われます。そのため、子どもたちの介助よりも、教育的な活動に重点を置けるのが特徴です。子どもたちの知的好奇心を刺激し、成長をサポートする活動に力を注げるのは、教育者としてのやりがいを感じられる点といえるでしょう。
保育士と幼稚園教諭の給料はどっちがいい?
政府統計の総合窓口e-Stat「令和6年賃金構造基本統計調査 一般労働者 職種」によると、保育士と幼稚園教諭の平均給料は、以下のとおりです。
きまって支給する
現金給与額 | 年間賞与
その他特別給与額 | 想定年収 | |
保育士 | 27万7,200円 | 74万1,700円 | 406万8,100円 |
幼稚園教諭・保育教諭 | 27万6,600円 | 80万8,100円 | 412万7,300円 |
参照:政府統計の総合窓口e-Stat「令和6年賃金構造基本統計調査 一般労働者 職種」
保育士と幼稚園教諭の給料を比較すると、それほど大きな差はありません。想定年収を比較すると幼稚園教諭の方が高いように見えますが、この差はあくまでも統計上の平均値のため、個々の状況によっては逆転する場合もあります。
保育士と幼稚園教諭を比較するときに重要なのは、給与だけでなく勤務条件や職場環境などを総合的に判断することです。平均給与の高さだけで保育士か幼稚園教諭かを選ばず、自分の価値観や生活スタイルに合った選択をすることが、仕事の満足度につながるでしょう。
出典
政府統計の総合窓口e-Stat「令和6年賃金構造基本統計調査」(2025年5月19日)
保育士と幼稚園教諭の仕事内容はどちらが大変?
保育士と幼稚園教諭の仕事は、双方に働く魅力や抱える負担があり、一概に「どちらのほうが大変」といえません。この項では、それぞれの仕事内容とその大変さをまとめました。
保育士の仕事内容と大変さ
保育士の仕事は、0歳から就学前までの子どもたちの保育全般を担当します。主な仕事内容は、日常的な生活のサポートや発達段階に応じた活動、子どもたちの安全管理です。
保育士の業務の大変さには、体力的な負担や常に気が抜けない緊張感、多様なニーズへの対応などが挙げられます。0〜2歳児のクラスでは、抱っこやおむつ交換など体力を使う作業が多く、1日中動き回ることもあるため体力の消耗が激しいでしょう。保育士は常に子どもたちの安全を確保する必要があるため、リラックスする時間の確保が難しく、精神的な負担を感じやすいかもしれません。
幼稚園教諭の仕事内容と大変さ
幼稚園教諭は、主に3歳から就学前までの子どもたちの教育を担当します。主な仕事内容は、子どもたちへの教育活動や見守り、園行事の企画・運営などです。
幼稚園教諭の仕事の大変さは、教育面での責任やクラス運営の負担などがあります。幼稚園教諭は、子どもたちの学びと成長をサポートする適切な活動の考案・実施が必要です。担任としてクラス運営をする際は、最大で35人の子どもたちの特性を理解しながらクラス全体をまとめる力が求められるため、負担を感じる場合があるかもしれません。
保育士資格と幼稚園教諭免許はどっちが取得しやすい?
保育士資格と幼稚園教諭免許は、どっちが取得しやすいのか気になっている方もいるのではないでしょうか。ここでは、保育士資格と幼稚園教諭免許の取得方法や難易度を解説します。
取得に必要な期間は同じ
保育士資格と幼稚園教諭免許は、どちらも最短2年で取得可能です。職業情報提供サイトjob tagの「幼稚園教員」によると、幼稚園教諭二種免許状は、指定の短期大学を卒業すると最短2年で取得できます。こども家庭庁の「保育士になるには
」によると、最短で保育士資格を取るには、指定保育士養成施設である短期大学または二年制の専門学校の卒業が必要です。また、実務経験ルートで保育士資格を取る場合も、一発合格なら2年で取得できます。
保育士資格と幼稚園教諭免許を両方取れる学校もある
指定保育士養成施設の認可校であれば、卒業と同時に「保育士資格と幼稚園教諭免許」の両方を取得することが可能です。なお、併修校は基本的に保育士資格のみを取得できる学校になります。併修校の場合は、学校が連携している短大の通信教育を利用することで、幼稚園教諭免許を取得できる場合もあるようです。
保育士資格と幼稚園教諭免許を持つことで、将来のキャリアの選択肢が広がり、より多様な保育・教育現場で活躍できる可能性が広がるでしょう。
働きながら取得しやすいのは保育士資格
働きながら資格を取得したい社会人にとっては、保育士資格の方が取得しやすい傾向にあります。保育士資格は、受験資格を満たして保育士試験に合格すれば取得が可能です。通学が不要なので、計画を立てて試験対策を行えば資格取得を目指しやすいでしょう。
幼稚園教諭免許の場合は短期大学や専門学校、大学を卒業する必要があるため、働きながらの取得が難しいと感じるかもしれません。ただし、通信教育課程を利用すれば、幼稚園教諭免許も働きながら取得することが可能です。
保育士と幼稚園教諭のどっちで働くかを迷った際の対処法
保育士と幼稚園教諭、どちらの道に進むか悩む場合は、自分の理想とする働き方やライフスタイルを考えてみるのがおすすめです。また、保育教諭として認定こども園で働いたり、転職エージェントに職場情報を教えてもらったりするという選択肢もあります。ここでは、保育士と幼稚園教諭のどっちを選択するか迷ったときの対処法をまとめました。
自分のなりたい姿や生活スタイルに照らし合わせてみる
保育士と幼稚園教諭のどっちがいいか迷ったときは、将来的に目指したい姿や理想の生活スタイルを明確にすることが大切です。たとえば、「幅広い年齢の子どもたちと関わりたい」「より教育的な活動に重点を置きたい」といった自分の希望をリストアップしてみましょう。
勤務時間や活躍できる場所、休日の取り方などを考慮するのも大切です。自分の価値観やライフスタイルに合わせて、どちらがより自分に合っているか、じっくり考えましょう。
保育教諭として認定こども園で働く
保育士と幼稚園教諭のどちらを選ぶか迷っている場合、両方の要素を含む「保育教諭」として働くのも1つの選択肢です。認定こども園では、保育士と幼稚園教諭の両方の免許・資格を持つ「保育教諭」が働いています。保育教諭は、0歳から就学前までの子どもたちを対象に、保育と教育の両方を提供するのが特徴です。
認定こども園では、保育士としての経験も、幼稚園教諭としての教育的アプローチも活かせます。保育教諭として働くことで、両方の良さを経験しながら、自分に合った働き方が見つかるかもしれません。
転職エージェントに実際の職場の情報を教えてもらう
保育士と幼稚園教諭の実際の現場の情報を得るには、転職エージェントを活用するのがおすすめです。保育分野に特化したエージェントでは、幅広い園の具体的な情報や、実際に働いている人の声を聞けます。
転職エージェントを利用すると、園の雰囲気や教育方針、キャリアアップの機会など求人情報だけでは分からない詳細な情報が得られます。キャリアアドバイザーが自分の希望や適性に合う職場を提案してくれることもあるでしょう。また、面談を通じて保育士と幼稚園教諭のどちらを選ぶか、より明確な判断材料を得られる可能性があります。
保育士と幼稚園教諭のどっちがいいか迷った際によくある質問
ここでは、保育士と幼稚園教諭のどっちがいいか迷った際によくある質問に、Q&A形式でお答えします。
保育士と幼稚園教諭の違いを簡単にいうと?
保育士は生活のサポートや発達支援、幼稚園教諭は就学前の教育や集団生活での学びに焦点を当てている点が違いになります。保育士は0歳から就学前までの子どもを対象とし、保育園や児童福祉施設で働くのが特徴です。また、生活全般のケアと教育を担当し、長時間保育を行います。幼稚園教諭は主に3歳から就学前の子どもまでを対象に幼稚園で働くのが特徴です。教育に重点を置き、短時間の保育を行います。
保育士と幼稚園教諭の仕事のメリットを知りたい方は、本記事の「保育士と幼稚園教諭はどっちがいい?」を参考にしてみてください。
保育士と幼稚園教諭で1日のスケジュールに違いはある?
保育士と幼稚園教諭の1日のスケジュールには、違いがあります。保育士は朝から夜まで、子どもの生活全般をサポートします。昼食やおやつの提供、午睡の見守りなど、生活に密着した業務が中心です。幼稚園教諭は午前中に教育活動を行い、午後2時ごろには子どもたちが降園するのが一般的になります。午後からは事務作業や行事準備を行うのが特徴です。
まとめ
保育士と幼稚園教諭の業務内容や勤務形態には、違いがあります。保育士は0歳から就学前までの子どもの生活全般をケアし、シフト制勤務が一般的です。一方、幼稚園教諭は主に3歳から就学前までの子どもたちの教育に重点を置き、固定勤務の傾向にあります。
保育士と幼稚園教諭のどっちがいいかを選択する際は、自身の適性や理想とする働き方を考慮することが大切です。どちらを選んでも、子どもたちの健やかな成長を支える素晴らしい仕事であることに変わりはありません。自分に合った道を見つけ、やりがいを持って働くことが重要です。
保育士と幼稚園教諭のどっちがいいか迷っている方は、ぜひ「レバウェル保育士」に相談してみてください。「レバウェル保育士」なら、あなたの適性や希望する労働条件を踏まえて求人を紹介できます。給与や労働条件の違い、将来的なキャリアパスについても詳しくアドバイスできるので、安心して登録してみてください。
執筆者

「レバウェル保育士」編集部
保育士・幼稚園教諭専門の転職エージェント「レバウェル保育士」が運営するメディア。現役の保育士とこれから保育士を目指す方に向けて、仕事や転職に役立つ情報をお届けします。記事を通して不安や悩みが少しでも解消する状態を目指し、皆さんのキャリア選択を支援します。